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小国川ダム計画、県が工事用道路整備へ(朝日新聞山形版 2012年10月06日)

2012年10月6日
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小国川ダム計画、県が工事用道路整備へ(朝日新聞山形版 2012年10月06日)
http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000321210060001
強行の姿勢、漁協反発 漁業権交渉後回し 県「陸上は工事可」
(写真)小国川ダム建設予定地の周辺。清流をたたえる小国川の下流はアユ釣り客でにぎわう=9月13日、最上町富沢
最上町に建設予定の最上小国川ダムが新たな局面を迎えている。今もなおダム本体の工事は手つかずだが、県は来週にも、工事用道路の整備作業を始める構えだ。しかし、本体工事を行う前提となる最上小国川の漁業権を巡る問題は解決しておらず、交渉を後回しにして外堀を埋めようとする県の強引な姿勢に地元漁協は反発を強めている。
9月27日の県議会予算特別委員会。草島進一県議から「小国川漁協の同意がなければ本体工事には着工できないという認識を持っているか」と問われた岡邦彦県土整備部長は「本体工事の着工に向けて、漁業権を持つ漁協の同意が得られるよう誠心誠意努力しております」と4度繰り返した。
最上小国川ダム計画は、ダム予定地の2キロほど下流にある赤倉温泉の洪水被害対策として1991年に持ち上がった。
ダム本体の工事をするには、全国有数のアユの漁場である最上小国川の漁業権を持つ小国川漁協が、県の補償案に賛同することが必要だ。しかし漁協は「川の環境を壊すダムには同意できない」と2000年にダム反対を決議。ダムによらない治水対策を求め、ダム建設が前提の県との話し合いに一切応じていない。
ところが、県は「漁業権が及ぶ最上小国川にかかる工事は行えないが、陸地で行う工事に漁協の同意は不要」として、今年度予算にダム本体の工事に使う周辺道路の建設予算を計上。9月に入札を終え、近く測量などの作業を始める。
漁協の理解を得ないままダムの周辺工事に乗り出した県に、漁協の沼沢勝善組合長(75)は「ごしゃげでる(怒っている)。そんなことをしても税金が無駄になるだけだ」と憤る。
漁業権に関する意思決定には、1058人いる正組合員のうち最低でも3分の1の同意が必要になる決まりだが、沼沢組合長によると、現在は正組合員の大半がダムに反対している。
「組合員がダム賛成に転じることはない。県は既成事実をつくりたいのだろうが、漁協はこれまで通り淡々と反対していく」
◇ 「強制収用」も 県は否定せず
周辺住民の賛否も分かれ、膠着(こう・ちゃく)状態に陥っているダム建設。2015年以降とされる完成予定時期をにらみ、県側が事態打開の切り札として隠し持つのが、土地収用法に基づく「漁業権の強制収用」だ。
同法では、公共事業に利用する目的の場合、必要かつ相当だと認められれば、外部の弁護士や学識経験者らでつくる県収用委員会にはかった上で、自治体が漁業権などの権利を強制的に奪えると規定する。
県は過去にダム建設に際して強制収用を行ったことはなく、県幹部は「漁協に説得を続けていくだけ」と繰り返す。一方で「法的に漁業権を強制収用することはできる」とも説明し、強行策に出る可能性を否定していない。だが、漁協側の理解を得ずに収用に踏み切れば、県民からも大きな反発を招くのは必至だ。
河北町出身の法政大の五十嵐敬喜教授(公共事業論)は「熊本の川辺川ダムでは、漁業権を強制収用しようとした国に全国から反対の声が起こり、ダム計画自体が中止に追い込まれた。全国にアユ釣り愛好家がいる最上小国川も同じで、県が強制収用を行うのは不可能だろう」と指摘している。(遠藤隆史)

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