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中国、新指導部発足でダム建設ラッシュか (朝日新聞2012年11月19日)

2012年11月19日
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アングル:中国、新指導部発足でダム建設ラッシュか (朝日新聞2012年11月19日)
http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201211190086.html

(写真)1月19日、中国共産党が新指導部に移行したことを受けて、同国のダム建設が急増する可能性がある。写真は新指導部。15日撮影(2012年 ロイター/Carlos Barria)

[北京 19日 ロイター] 中国共産党が新指導部に移行したことを受けて、同国のダム建設が急増する可能性がある。中国では、温家宝首相の任期中にダム建設のペースが大きく落ち込んだ。
地質学の専門家で「庶民派」のイメージの強い首相が、地元住民の抗議活動に配慮し、ダム建設にたびたび介入していたためだ。
ただ、政府は2020年までに国内の総発電能力を大幅に引き上げるという目標を掲げており、新指導部は目標達成のためにダム建設を急ぐ可能性がある。
中国国内では、生活水準の向上に伴い「経済成長のためにすべてを捧げる」といった経済モデルへの反発が強まっており、ダム建設で地元住民の理解を得るのは今後、一段と難しくなる可能性がある。
総工費590億ドルに達した三峡ダムなど、大型ダムの建設は、社会面・環境面のコストが大き過ぎると批判を浴びた。
ただ、石炭火力発電所や原発の建設は、水力発電以上に強い反発を招きかねず、経済拡大に不可欠な電力を確保するには、ダム建設に頼らざるを得ないとの見方が出ている。
アモイ大学エネルギー経済研究センターの林伯強主任は「水力発電は最善の選択肢ではない。唯一の選択肢だ」と指摘。「水力発電に誰もが賛成するわけではない。特に大型ダムの建設には、さまざまな利害が伴い、環境への影響も慎重に検討する必要がある。しかし、中国にそれ以外の選択肢はない」と指摘した。
中国政府は、国内の総発電能力を昨年末時点の1060ギガワットから2020年までに1500ギガワットに引き上げる目標を掲げている。増設する発電能力は極めて大規模で、ロシアとインドの発電能力の合計にほぼ匹敵する。
政府はさらに、石炭消費も減らし、割高な輸入天然ガスへの依存度を抑制する目標も掲げている。
政府は全エネルギー源に占める非化石燃料の比率を2020年までに15%に引き上げることも目指しているが、福島原発事故を受けて、原発の建設目標は引き下げており、クリーンエネルギーの目標達成には、多数のダムを建設が必要になるとみられている。
<雲南省の大型プロジェクト>
温首相の任期中には、多くのダム建設計画が棚上げされた。中国水力発電工程学会の張博庭・副秘書長によると、2006─2010年の優先事業とされたプロジェクトのうち、実際に進行しているのは全体の3分の1にとどまる。
温首相が凍結を命じたプロジェクトには、雲南省のサルウィン川(怒江)流域の複数のダム建設事業も含まれる。サルウィン川上流域はユネスコの世界遺産に登録されており、手つかずの自然が残されている。
サルウィン川のダム建設は2005年に凍結されたものの、2011─15年の5カ年計画でも主要開発事業とされている。
温首相は来年3月で退任するが、首相の退任を待たずに、最新の5カ年計画では、2011─15年に新たに160ギガワットの水力発電能力が必要との見解が示されている。
大型ダム建設への反対運動を行っている環境団体インターナショナル・リバーズのディレクター、ピーター・ボスハード氏は「計画が実行に移されれば、前例のない規模のダム建設ラッシュとなる」と指摘した。
温首相の任期中にプロジェクトの停止を命じられた一部の建設会社は、政府の承認を待たずに、すでに建設を開始している。大手電力会社も、雲南省の長江やメコン川の上流域でダム建設に向けた準備を進めている。
活動家によると、メコン川流域で建設中のダムの1つは、最終認可が下りていないにもかかわらず、すでに40%完成しているという。
大手国有電力会社は、新指導部が発足すれば、すぐに最終認可が下りると予想。10月公表のエネルギー白書も「(非化石燃料の)目標の半分以上は水力発電でまかなう」としている。
再生可能エネルギーの「5カ年計画」では、2011─15年に60の大型水力発電所の操業開始を目指すとされている。
温首相がダム建設に介入できたのは、2007年にダム建設の最終認可権が国務院(内閣)に移ったことが大きい。大型ダムの最終認可権は今後も国務院に残る。
周生賢・環境保護相は先に、大型プロジェクトは「社会的影響」を解決しなければ進められないと主張しているが、ダム建設の凍結には、電力会社だけでなく、エネルギー政策担当の当局者や地元政府指導者からも、これ以上待てないという声が出ている。
水力発電工程学会の張副秘書長は、今後のダム建設のペースについて、住民の反対にどこまで毅然と対処できるか、新指導部の「度胸」にかかっているとの見方を示した。

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