水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 八ッ場ダムの情報 > 八ッ場ダム裁判・東京控訴審の高裁判決(2013年3月30日)

ニュース

八ッ場ダム裁判・東京控訴審の高裁判決(2013年3月30日)

2013年4月1日
カテゴリー:
3月29日、八ッ場ダム訴訟東京裁判の控訴審の判決がありました。まことに残念ながら、住民側の敗訴でした。
 大竹たかし裁判長は訟務検事(国を被告とする裁判の国側代理人)を3年間務めた裁判官ですから、もともと厳しい裁判なのですが、それにしても、その判決文はひどい内容で、住民側の詳細なデータに基づく科学的な実証の中身を何ら吟味することがなく、住民側の主張を退けました。
 例えば、東京都水道の需要は減少の一途を辿ってきていて、過去20年間に2割以上も減っているにもかかわらず、東京都水道局は将来は逆に2割以上増えるという無茶苦茶な予測を行っています。ところが、判決では、その無茶苦茶な予測を「直ちに合理性を欠くとは認められない」という表現で容認してしまいました。

弁護団と控訴人団は抗議声明を発表しました。東京高裁判決への抗議声明20130329

朝日新聞群馬版が下記の通り詳しく報じています。

原告側、上告の意向    (朝日新聞群馬版2013年3月30日)http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20130401100580001.html

写真:記者会見する原告側の高橋利明弁護団長(左から2番目)ら=東京都千代田区(写真)記者会見する原告側の高橋利明弁護団長(左から2番目)ら=東京都千代田区

八ツ場ダムへの公金支出差し止めを都に求めた住民訴訟で、29日の東京高裁の控訴審判決は、原告側の訴えを再び退けた。

原告側は「無駄な公共事業の奨励」と反発し、上告する意向を表明。同種訴訟で被告になっている県は「妥当」と歓迎したが、本体着工は見えず、国の対応へのいらだちも見せる。
「控訴人らの請求は、不適法ないし理由がない」。大竹たかし裁判長は、都の様々な負担金の差し止めを求めた訴えをすべて却下または棄却した。「国土交通相の通知に重大かつ明白な違法や瑕疵(か・し)がない限り、負担金の支出が違法と認めることはできない」とした。
原告側は控訴審で、治水や利水などの論点について最新の研究などをもとに新たな証拠を提出し、「不要論」を展開してきた。だが、高裁判決は中身には踏み込まず、原告側の訴えをすべて認めなかった。
利水では、都による将来の水道需要予測について「直ちに合理性を欠くものとは認められない」と判示。治水は「八ツ場ダムで都が『著しく利益を受ける』ものではないと認められる余地があるとしても、それが明白であるとは認められない」とした。
八ツ場ダムは国直轄の多目的ダム。国内のダムで最大の4600億円の総事業費は、特定多目的ダム法に基づき、うち約2600億円を6都県などが受益の度合いに応じて負担する。
6都県の住民は2004年に各地裁に提訴し、一審では、すべて原告側が敗訴。今回の控訴審判決は都民37人が控訴人だ。群馬など他の5県の訴訟は、東京高裁で口頭弁論に向けた協議をしている。
◇ ◇
判決の後、原告や弁護団は記者会見を開き、判決に猛反発。最高裁に上告する考えを明らかにした。
「裁判所の存在意義がない」。原告の一人で、八ツ場ダムをストップさせる東京の会代表の深沢洋子さんは、怒りをあらわにした。
高橋利明弁護団長は「20年間、都の水需要は減り続けている。近いうちに人口も減る」と指摘。
「私たちが足で調べた事実に一切触れていない」と述べ、八ツ場ダムが治水や利水のために必要かどうかの具体的な検討に、判決が踏み込まなかったことに不満を表した。
また、大川隆司弁護士は「地方自治体は国に従属すると考えていることが大問題」と主張した。
支援者らへの報告会には、群馬など5県の訴訟の原告も集まった。八ツ場ダムをストップさせる群馬の会代表の真下淑恵さんは「(群馬分の訴訟は)進行協議中だが、楽観できない。原告の高齢化も進んでいる」と不安を口にした。(小林誠一、山下奈緒子)
◇ ◇
「妥当な判決だ」。県特定ダム対策課は、都勝訴の判決を評価した。同じ東京高裁で、同趣旨の公金支出差し止めの住民訴訟の控訴審の弁論を控え、「同様の判決が出されると確信している」と強気だった。
群馬分は04年11月に提訴され、09年6月に前橋地裁で県が勝訴。弁論開始は7月ごろとみられる。
もっとも、県は訴訟の行方以上に、ダム本体工事の着手時期に気をもんでいる。
民主党政権下の3年3カ月を中心に実質4年間、何も進まず、自公政権に戻っても13年度予算で計上されたのは12年度と同じ関連工事費18億円だけ。違いは工事が2年にまたがるため債務負担行為で14年度に6億円を計上することが決まったことだけだ。
国土交通省は27日、自民党のダム推進の国会議員の会合で15年度完成は困難と表明。基本計画の見直しが必要なことをようやく認めた。
大沢正明知事は28日に出したコメントで、「すみやかに計画変更手続きに入り、最大限工期短縮に努力して早期に完成させて」と促した。(長屋護)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

↑ このページの先頭へ戻る