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2014年2月

路木ダム建設は「違法」と熊本地裁 4月供用開始の県営ダムに「妥当性欠く」

熊本県の路木ダムの住民訴訟で、熊本地方裁判所は2月28日、ダム建設は違法であるとの判決が示しました。

判決文は  路木ダム判決文  ( PDF 17.4MB)  をご覧ください。

路木ダム:熊本地裁「建設は違法」 住民側訴え一部認める(毎日新聞  2014年02月28日 21時24分)http://mainichi.jp/select/news/20140301k0000m040102000c.html

熊本県が、治水と利水の必要性がないのに県営路木(ろぎ)ダム(同県天草市)を建設したとして、地元住民26人が蒲島郁夫知事を相手に事業差し止めと事業費約19億9000万円の返還を求めた訴訟の判決が28日、熊本地裁であった。

片山昭人裁判長は「ダム建設計画は著しく妥当性を欠き、県知事の裁量権を逸脱、乱用したもので違法」と指摘。住民側の訴えを一部認め、判決確定後は建設事業の差し止めを命じた。返還請求は棄却した。

判決によると、県は2001年に策定した路木川河川整備計画などに「82年7月の豪雨で路木川下流宅地で約100棟の床上浸水があった」と記載し、ダムによる治水の根拠とした。

しかし、当時の洪水被害を克明に記録した地元広報誌に路木川下流の記録がなく、裏付ける資料もないため、判決は「浸水被害が発生しなかった」と判断。

氾濫水位などの想定も国土交通省のマニュアルに反しているとし「合理性の欠如は明らか。洪水調節施設として路木ダムを建設する必要は認められない」と結論づけた。

一方、蒲島知事への事業費返還請求については、氾濫想定などが高度な専門技術に基づいており、知事が担当職員から渡された資料にも不合理がなかったことから「知事において違法性を認識することは極めて困難だった。故意や過失があったとは認められない」として棄却した。

路木ダムの総事業費は約94億円。住民が08年度の事業費返還などを求めて提訴した翌年の10年3月に本体工事に着手。既に本体は完成し、4月に供用開始予定。【取違剛】

◇県「想定外」の判決

判決を受けて記者会見した原告団代表の植村振作さん(77)らは「事業費の返還が認められず残念だが、違法なダム建設との主張が認められた。実質的な勝訴だ」と喜んだ。

路木川流域の地形調査や住民への聞き取りを続け、県の主張に疑義を呈してきた努力が実った形。植村さんは「控訴したいが、早く判決を確定させた方がいいかもしれない」と複雑な胸中も見せた。

一方の県にとっては「想定外」(県幹部)の判決。

ダム本体は4月の供用開始に向けて既に完成しているが、持田浩・河川課長は「違法なダムと指摘されて無視はできない。まずは判決内容をじっくり吟味したい」。蒲島知事は「今後の対応は判決内容を検討して決定したい」とコメントを出した.

熊本地裁 ダム建設計画は違法と判断(NHK 2014年2月28日 22時06分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140228/k1001562578J000.html

熊本県天草市に建設された県営のダムを巡って、反対する住民が事業費の返還などを知事に求めた裁判で、熊本地方裁判所は「治水対策としてのダム計画に根拠がない」として、ダムの建設計画は違法だと判断しました。

その一方で、事業費の返還は認めませんでした。

この裁判は、熊本県天草市に建設された県営の路木ダムを巡り、建設に反対する住民がダム計画の手続きは違法だとして本体工事が始まる前の4年半前に起こしたもので、熊本県の蒲島知事に対し、すでに支払った事業費、およそ20億円の返還と今後の支出を中止するよう求めました。

裁判では、治水対策と水道用水の確保の必要性が争点となり、住民側が「過去の豪雨で浸水被害はなく、水道水についても将来の人口を意図的に多く予測している」と主張したのに対し、知事側は「計画は将来の洪水対策としての意味もある」などと反論していました。

28日の判決で、熊本地方裁判所の片山昭人裁判長は「過去の洪水被害の状況が考慮されずに策定された河川整備計画は違法と言わざるをえない」として、ダムの建設計画は違法だと判断し、今後の支出の中止を認めました。

その一方で、「公金の支出に知事の過失は認められない」として、すでに支出した事業費の返還は認めませんでした。

路木ダムは去年、完成していて、ことし4月から使用が始まる予定となっています。

原告団「判決の意義は大きい」

原告団の代表の植村振作さん(77)は、「われわれの主張が認められた判決の意義は大きい。行政のやることでもおかしいことはおかしいと裁判所に判断してもらったと思う」と評価しました。

そのうえで4月からダムの使用が始まることについて、「今回の裁判はダムの運営費用まで対象になるとは言えず、ダムは稼働すると思うので、今後の対応を検討したい」と話しています。

知事「判決内容をよく検討」

判決について熊本県の蒲島知事は、「今後の対応は判決内容をよく検討し、決定したいと考えている」とするコメントを出しました。

熊本県は控訴するかどうかや、予定どおり4月からダムの使用を始めるかどうか、検討することにしています。

 

県営「違法」 熊本地裁判決(熊本日日新聞 2014年02月28日) http://kumanichi.com/news/local/main/20140228004.xhtml

県営路木ダム(天草市河浦町)の建設に反対する市民らが、蒲島郁夫知事に事業費で支出した約19億9千万円を県に返還し、今後の支出を差し止めるよう求めた住民訴訟の判決で、熊本地裁(片山昭人裁判長)は28日、ダム建設計画を違法と判断し、住民側の請求を一部認めた。事業費返還の訴えは退けた。

判決では、治水の必要性については洪水想定の不合理性を指摘。「知事の裁量権を逸脱した」と住民側の主張を一部認めた一方、「知事の故意、過失があったとは言えず、これまで支出した分の返還請求は理由がない」とした。

ダムによる洪水対策と水道用水の供給の必要性が主な争点。住民側は「県が想定する地点で堤防は決壊せず、浸水被害の対象戸数も過大。水道用水についても将来の人口を意図的に多く予測しており、既存のダムで賄える」と主張していた。

県側は「国のマニュアルに基づき、破堤点や費用対効果を適正に算定した」と反論。県側に補助参加している天草市も「安定した水源確保のためにダムが必要」としていた。

路木ダムは県と市が国の補助で計画。既にほぼ完成し、昨年10月に試験湛水[たんすい]を始めた。4月に運用を始める予定。(小林義人)

ダム建設は「違法」と熊本地裁 4月供用開始の県営ダムに「妥当性欠く」(産経新聞2014.2.28 14:21 )http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140228/trl14022814240004-n1.htm

熊本県営路木ダム(同県天草市)をめぐり、建設に反対する地元住民が蒲島郁夫知事に事業費約20億円を県に返還するよう求めた住民訴訟の判決で、熊本地裁(片山昭人裁判長)は28日、ダム建設計画を「違法」と判断した。

事業費返還の訴えは退けたが「判決確定までに支出義務が生じたものを除き、公金を支出してはならない」とした。

判決で片山裁判長は「ダムの整備計画は社会通念に照らして妥当性を欠く。知事の裁量権を逸脱した」と住民側の主張を一部認めた一方、「知事に故意、過失があったとは言えず、これまで支出した分の返還請求は理由がない」とした。

住民側は「過去に川の氾濫で浸水被害が起きたことはなく、水道需要も過大でダムは不要だ」と主張していた。県側は「治水対策としてダムは有効で、水道の需要予測も適正だ」と反論していた。

判決によると、県は治水と水道用水の確保を目的に建設を計画。ダムは昨年完成し、4月から供用開始される予定。

「事業認定自体の是非を問う、ご質問にはお答えを差し控えさせていただ きます」石木ダム問題で長崎県が回答

1:2月21日、長崎県が回答

石木ダムに反対する住民団体5団体と石木ダム対策弁護団が1月31日に追加提出した公開質問状に対する回答が長崎県から各団体宛計6通が弁護団事務局に届きました。

当事者である岩下様宛回答書のみ,若干書面内容が異なり,弁護団を含め他団体宛回答書は,全く同じ内容です。
岩下様宛回答書と弁護団宛回答書を掲載致します。

長崎県回答書(H26.2.21) pdf 259kb
参考  追加公開質問状140131 pdf 258kb 

私たちはこのような長崎県の対応を多くの声で糾弾し、きちんとした知事からの回答と説明を求め続けましょう。
先ずは、2月28日15時に長崎県交流会館2階研修室へお集まりください。 

 2:佐世保市長への公開質問提出

 2月21日、5団体と弁護団は佐世保市長宛に公開質問状を提出しました。
佐世保市は石木ダムに水道用水4万㎥/日の水源開発を 求めています。
佐世保市が石木ダムを必要とする理由について事実関係を確認することを主眼とした質問になっています。
回答期限は3月7日(金)とし、3月14日(金)19時にこうばる公民館にて市長が回答・説明するよう求めています。
皆さん、佐世保市長が私たちの要請に真摯に応じるよう、応援の程よろしくお願い致します。

佐世保市公開質問状  pdf 151kb

 

 

山形県知事に「抗議と要請」提出(最上小国川ダム問題)

2月18日、約20名が山形県庁で「抗議と要請」提出・記者会見

去る2月10日、アユで知られる最上小国川を守り抜くことに精魂を傾けてきた沼沢勝善 小国川漁協組合長が自死されました。
「最上小国川の清流を守る会」と「水源開発問題全国連絡会」は、この問題の本質は「ダム無し治水」を訴える
 小国川漁協に対する、その漁業権更新拒否をちらつかせながらの山形県の最上小国川ダム建設への同意強要にあると捉え、2月18日午後に山形県知事への「抗議と要請」を行いました。その事前に記者会見を持ちました。
 記者へ説明する「最上小国川の清流を守る会」の高桑順一氏

「最上小国川の清流を守る会」の共同代表・高桑順一氏は、知事に提出する「抗議と要請」について説明し、山形県の小国川漁協への対応を批判すると共に、「ダム無し治水」の重要性を説明しました。

”山形県による「最上小国川ダム事業への協力」を漁業権更新の条件にするようなやり方は、持続的漁業を目的とした漁業法の精神を否定する違法行為である。

”球磨川・川辺川、肱川、最上小国川など漁協・漁民そして流域住民が川を守ってきた。ダムによる治水は弊害こそあれ、想定洪水にしか効果はない。とりわけ穴あきダムの効果は限定されている。最上小国川のようなアユがたくさん棲息するような状況の中で穴あきダムが弊害をもたらさない等という科学的知見はない。沼沢さん達が言う『ダムなしの治水』を真摯に検討するべきである”と遠藤は説明しました。

記者会見終了後に全員で土整備部河川課に行き、知事宛の「抗議と要請」を河川課長・佐藤義治氏と農林水産部水産課長・五十嵐和昌氏に手渡しました。
知事に届けること・可及的速やかに回答を出すこと、など念を押して要請行動を終えました。

山形県のこのようなやり方を許せば、日本中の川は時の行政の思うがままに扱われて破壊されてしまいます。沼沢組合長の遺志を継ぎ、「ダムなし治水」の実現をこの小国川から目指しましょう。

2014年2月18日抗議と要請  pdf 20kb

参考
小国川漁協が提案する「ダムなし」治水対策案

マスコミ報道

 

差し止め訴訟:大阪の安威川ダム建設「崩壊の可能性」住民ら提訴(2014年2月17日)

大阪府の安威川ダムの建設について、地元住民が17日、府に工事への公金支出差し止めを求める住民訴訟を大阪地裁に起こしました。
差し止め訴訟:大阪のダム建設「崩壊の可能性」住民ら提訴(毎日新聞 2014年02月17日 20時09分 )http://mainichi.jp/select/news/20140218k0000m040067000c.html
大阪府茨木市で進む安威川(あいがわ)ダムの建設について、地元住民4人が17日、府に工事への公金支出差し止めを求める住民訴訟を大阪地裁に起こした。ダム周辺は活断層があり、地盤も弱く、地震で崩壊する危険があると主張している。
ダムは貯水量1800万トンで、1988年に着工した。しかし、橋下徹知事(当時)の財政再建プログラムや民主党政権による全国的なダムの再検証で、2009年に本体工事を凍結。
建設の是非を再検討した結果、他の治水対策より事業費が安いことなどを理由に11年、工事再開を決めた。来年度に本体工事が始まる予定。総工費1314億円で、周辺工事などで既に約900億円を支出している。
原告で「安威川ダム反対市民の会」の江菅(えすが)洋一代表は「ダムに頼らない方法もあるはず。完成すれば、住民に危険が及ぶ」とし、府は「ダム建設を着実に進める」とコメントした。【内田幸一】

安威川ダムの建設中止求めて提訴 下流住民ら「建設地として不適当」(産経新聞 2014.2.17 23:36) http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140217/waf14021723400031-n1.htm

大阪府が進める安威(あい)川ダム(同府茨木市)建設事業をめぐり、周辺地盤が弱く地震などでダムが崩壊する危険性が高いとして、下流域の住民4人が17日、府に事業の差し止めを求める訴えを大阪地裁に起こした。

原告側は訴状などで、ダム本体予定地の直下に24本の断層が入り交じり、地盤も脆弱(ぜいじゃく)で崩れる可能性が高いと主張。「建設地として不適当な上、府はダム以外の治水対策を十分に検討していない」としている。
原告側は昨年11月、府に監査請求したが今年1月に退けられ、提訴した。
府によると、ダムの総事業費は約1300億円。うち本体工事の予算は約255億円で、2月議会に工事契約の議案が提出される見通し。議決されれば3月末に契約締結の予定。

安威川ダム 建設差し止め求め住民提訴(毎日放送2014年2月18日08:15)  http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE000000000000003885.shtml

   大阪府茨木市に建設予定の安威川ダムについて、下流の住民4人が「周辺の地盤が脆弱なため危険性が高い」として、ダムの建設差し止めを求めて提訴しました。
 訴えを起こしたのは「安威川ダム反対市民の会」のメンバー4人です。
 訴状によりますと、大阪府が茨木市に建設を進めている安威川ダムについて、原告らは周辺の地盤は脆弱で、地震が起きると崩落の危険性が高いとして府に対し、建設費の支出差し止めなどを求めています。
「治水については、他の方法でも対応できる。だけどダムができてしまうと、そのダムがあることによって、私たちの生命、財産が危機にさらされる」(安威川ダム反対市民の会 江菅洋一代表)
 安威川ダムについては総工費1,314億円のうち、すでに900億円余りが支出されていて、大阪府は「安威川ダム建設事業を着実に進めていく」とコメントしています。

霞ヶ浦導水事業検証のパブコメへの意見を!(3月1日まで)

霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討報告書(素案)が作成され、パブリックコメントの意見募集が行われています。

事業者にとって、公聴会やパブリックコメントは事業推進の検証結果を出すための通過儀礼ですが、
無意味で有害な霞ヶ浦導水事業の問題点を明らかにする意見を提出しておくことはやはり必要です。
是非、皆様も、パブリックコメントに対して意見を出して下さるよう、お願いします。
パブリックコメントの意見募集の対象者は限定されていません。
意見募集の提出期限は3月1日(土)18:00です。(公聴会の発表者募集は今日、2月13日で締め切られました。)
書きやすいように意見書の様式をワードにしたものを添付します。意見提出様式
意見は該当する章・頁について書くようになっていますが、必ずしもそのように書く必要はないと思います。
霞ヶ浦導水事業の検討報告書(素案)の問題点をまとめたものを添付します。霞ヶ浦導水事業の検証報告素案の問題点
霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討報告書(素案)
「霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討報告書(素案)」に対するパブリックコメントについて

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