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報道

平成史 平成の大渇水 平成6年  再来しても水需要の減少で断水にはならない

2019年3月15日
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1994年(平成6年)の大渇水を取り上げた記事を掲載します。
1994年渇水は西日本では近年で最大の渇水でした。一部の都市では長時間の断水が行われました。
しかし、その後、水道の水需要がかなり減ってきていますので、そのような大渇水が再来しても、当時のような厳しい状況にはなりません。
参考までに、全国の水道の水需要の変化を下図に示します。全国の水道の一日最大給水量は現在は当時よりも20%も小さくなっています。
ほとんどは一人当たり一日最大給水量の減少によるもので、下図のとおり、一人当たり給水量は23%も小さくなりました。
今後は給水人口も確実に減っていきますので、水需要の規模はますます小さくなっていきます。
1994年の渇水は西日本では確かに大渇水でしたが、今後、そのような大渇水が到来しても、水需要の規模が小さくなっているので、断水になることはなく、給水制限不要かまたは減圧給水で対応できるレベルであると考えられます。
新たなダムを考える必要はまったくありません。

平成史 生活② 平成の大渇水 平成6年
(ウェザーニュース2019年3月14日 11時25分) http://news.livedoor.com/article/detail/16157930/

局地的な渇水はときおりありますが、平成6年(1994年)から翌年にかけて西日本で起きた渇水は、その規模も期間もきわめて異例なもので、平成の大渇水と呼べるものでした。
カラ梅雨と夏の高温で始まった渇水
平成6(1994)年の夏は異常に早い梅雨明けから始まりました。連日、勢力の強い太平洋高気圧に覆われ、東京や大阪など広範囲でそれまでの最高気温記録を上回るなど、前年の冷夏・多雨から一転、晴れて猛烈な暑さが続きました。この年は、暖冬で雪が少なく、春から梅雨期にかけても少雨だったことが、夏の水不足に拍車をかけたといえます。

福岡市の断水期間は295日
福岡県内のダム貯水率は4月段階ではほぼ100%でしたが、梅雨時期の降水量が平年の約半分にとどまり、7月1日の梅雨明け後は連日猛暑が続きました。ダム貯水率は急激に減少し、7月20日には50%を割り込み、福岡市では8月4日に夜間断水が始まりました。9月に入って雨が降るようになりましたが貯水率は上がらず断水は長期化。翌年3月3日には貯水率が15%と最低値となりましたが、4月以降ようやくまとまった雨が降り、福岡市では6月1日、295日ぶりに断水が解除されました。
工場では海上輸送で水を確保
四国では最大の水がめである早明浦(さめうら)ダムの貯水量が梅雨明け以前から下がり始め、同ダムに依存していた高松市は7月11日から夜間断水、7月15日以降は16時から21時までの5時間給水になりました。その早明浦ダムは8月19日に貯水率は0%と完全に干上がってしまいました。中国地方も各地で給水制限や夜間断水が行われ、岡山県の水島地区にある製鉄所や化学工場では減産を余儀なくされました。旭化成水島工場では宮崎県や山口県などから海上輸送によって水を確保しました。

(写真)琵琶湖の水位が観測史上最低の123cm

兵庫県の揖保川(いぼがわ)上流にある引原ダムの貯水量は7月19日に52%ありましたが、8月14日には8%まで落ち込み、ダムを水源とする姫路市は8月22日から夜間断水を実施。9月10日には引原ダムが干上がり、デッドウォーター(取水口より下の水)の利用が始められました。琵琶湖の水位は6月頃から急激に低下し、9月15日には観測史上最低の-123㎝を記録。このため琵琶湖を水源とする京都市や大阪市では減圧による給水が実施されました。
関東地方は断水を免れた
愛知県内でも13市町村で夜間断水が実施され、水を大量に使用する工場では減産せざるを得ませんでした。関東地方でも水不足が心配され、利根川水系の取水制限が行われましたが、一部の地域を除いて断水となることはありませんでした。平成6年の渇水は今世紀最大の渇水とされています。近年、多雨の年と少雨の年の差が大きくなっていて、特に1960年代半ばからその傾向が顕著になっています。降雨の二極化に伴い、短時間に大雨をもたらす洪水対策とともに、異常渇水時に安定給水を確保することが今後の大きな課題になりそうです。
2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。

 

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