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岡山・新成羽川ダムで6月中旬「事前放流」 中電、豪雨教訓に下流域浸水抑制

2019年5月21日
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昨夏の西日本豪雨では岡山県・高梁川支流の小田川が大氾濫し、50名を超える方が亡くなりました。水位が高まった高梁川が支流の小田川の流れをせき止める「バックウォーター現象」が起き、小田川の水位が上昇して小田川で決壊・溢水が起きました。
高梁川上流の成羽川に関西電力の新成羽川ダム(総貯水容量1億2750万㎥)があり、その放流の仕方が問題視されましたので、関西電力は技術検討会を設置し、5月20日にその検討結果を発表しました。その記事をお送りします。

中国電力 2019年05月20日

新成羽川ダムの治水協力に関する検討結果について(岡山支社)
http://www.energia.co.jp/area/okayama/assets/info/2019/20190520_shinnariwa.pdf

大雨が予想される場合に事前放流を行って新成羽川ダムの水位を6月中旬から下げるというものです。昨年7月にこの事前放流が行われていれば、倉敷市酒津(小田川合流後の高梁川)の水位を12センチ下げられたと試算されています。
事前放流によって発電量が低下した場合の補償については、ダムを所管する国土交通省と協議を続けるとしています。

ただし、小田川氾濫の主因は高梁川に比べて、小田川の河床勾配がかなり緩いことによるものです(高梁川約1/900、小田川約1/2200)。
小田川合流点を下流側に付け替えて河床勾配を大きくする計画が半世紀前からありました。この付け替え工事が行われていれば、合流点の水位が4.2mも下がるので、昨年の豪雨で、小田川が氾濫しなかった可能性が高いと考えられます。
小田川付け替えという氾濫回避の有効な対策があったにもかかわらず、その対策の実施を半世紀も先送りしてきた国土交通省の責任は重大です。


岡山・新成羽川ダムで6月中旬「事前放流」 中電、豪雨教訓に下流域浸水抑制

(山陽新聞2019/5/21(火) 0:30配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190521-00010000-sanyo-l33

(写真)6月中旬から大雨が予想される場合に事前放流する新成羽川ダム=高梁市備中町地区

中国電力(広島市)は20日、高梁川水系にある岡山県内最大の新成羽川ダム(高梁市、総貯水量1億2750万立方メートル)で、大雨が予想される場合にあらかじめダム湖の水位を下げて貯水容量を増やしておく「事前放流」を6月中旬から行うと明らかにした。昨年7月の西日本豪雨を教訓に、下流域での浸水被害を抑制するのが狙い。発電目的の民間ダムが治水対策として事前放流するのは珍しく、中国四国以西では初めてという。
この日、岡山市内で開かれた高梁川流域の4市(倉敷、総社、高梁、新見)の市長とダム、河川管理者による意見交換会で報告した。事前放流は、西日本豪雨で倉敷市真備町地区が甚大な浸水被害を受けたこともあり、4市長が同社に要請していた。
計画では、事前放流はダム上流域の合計雨量が110ミリを超えると予想される場合、降雨の2日ほど前から発電用の放流口を使って行う。これにより最大で東京ドーム32個分に相当する4千万立方メートル分の貯水容量を確保でき、大雨当日の放流量を減らせるという。

新成羽川ダムの地図
新成羽川ダムは西日本豪雨のピーク時に最大毎秒2074トンを放流した。この水量は同じ高梁川水系の上流にある岡山県管理の河本ダム(新見市、総貯水量1735万立方メートル)が実施した最大放流量の約3倍に当たる。中国電力は仮に新成羽川ダムで事前放流を行っていれば、高梁川の水位を総社市日羽で約20センチ、真備町地区に近い倉敷市酒津で約10センチ下げられたと試算している。
同社は今後、操作規程を見直し、事前放流できるよう国に承認申請する。事前放流によって発電量が低下した場合の補償については、ダムを所管する国土交通省と協議を続ける。
西日本豪雨では高梁川流域で浸水被害が相次ぎ、真備町地区は高梁川支流の決壊で町域の3割に当たる1200ヘクタールが水没し、51人が亡くなった。
倉敷市の伊東香織市長は「治水に協力する決断を下した中国電力に感謝したい」と述べ、同社の吉岡一郎執行役員は「現段階で協力できる最大限の内容を示した。下流域の減災につなげたい」と話した。


中国電力 高梁川水系ダムを事前放流へ 西日本豪雨で決壊

(毎日新聞2019年5月20日 12時28分)
https://mainichi.jp/articles/20190520/k00/00m/040/082000c

新成羽川ダム
中国電力は20日、1級河川・高梁(たかはし)川水系に設置している発電用「新成羽川(しんなりわがわ)ダム」(岡山県高梁市)について、大雨が予想される際には事前に水位を下げる運用を始めると、流域4市(岡山県倉敷市、総社市、高梁市、新見市)に伝えた。昨年7月の西日本豪雨で高梁川や支流の堤防が決壊し、倉敷市の真備町地区などで大規模な浸水被害が起きたことを受け、4市が要望していた。国土交通省によると、民間の発電目的のダムが治水に協力するのは珍しいという。
中国電力などによると、水力発電は水が落下する力を利用するため、普段は高低差と水量を確保できるよう、高水位を保っている。西日本豪雨の際、新成羽川ダムは梅雨時期の運用として満水より少し水位が低い状態だった。そこに大量の雨水が流れ込んだため、約5時間にわたって全てのゲートを全開にして放流せざるを得なかった。
豪雨が予想される場合、あらかじめ放流し、貯水余力を確保すれば被害の軽減につながる可能性がある。このため浸水被害を受けた4市は昨年12月、中国電力や国などに豪雨前には水位を下げるよう要望。中国電力は社内に大学教授らを交えた検討会を設置し、議論を重ねていた。【林田奈々】

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