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報道

2020くまもとこの1年「4」川辺川ダム流水型建設へ方針転換

2020年12月18日
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川辺川ダム問題についてテレビ熊本の配信記事を掲載します。

「完成から14年が経過した益田川ダムですが、ダム完成後、ダムが満たされるほどの大雨は一度も降っておらず、現時点で治水面でどのような効果をもたらすのかまだ検証できていません。 また、そもそも計画されていた川辺川ダムは、堤の高さが108メートルと益田川ダムの2倍以上、これほどの規模の流水型ダムが建設された例は全国でもまだないのです。

また、島根県が行った環境調査では、ダムの下流側、上流側にそれぞれにアユの食み跡が確認されたものの、食み跡は下流側に比べて上流側は少なく、ダムがアユ遡上の阻害要因の一つと考えられています。」

は重要な指摘であると思います。

 

2020くまもとこの1年「4」川辺川ダム流水型建設へ方針転換

(テレビ熊本2020/12/17(木) 18:55)https://news.yahoo.co.jp/articles/32036d42a76b37d2bb8c88f2a05c974efd25a15a

『2020くまもとこの一年』、

17日は、再燃した川辺川ダム問題です。 蒲島知事は、12年前の白紙撤回から方針転換し新たな流水型のダム建設を国に求めると表明しました。 流水型ダムとはどのようなものか、島根県のダムを訪ねました。 11月19日、蒲島知事は議会で大きな決断を表明します。

【蒲島知事】

「私はここに、貯留型特定多目的ダム法に基づく現行の川辺川ダム計画の完全な廃止を国に求めます。その上で」

「新たな流水型のダムを国に求めることを表明いたします」

計画発表から54年が経過した川辺川ダム計画の廃止と、新たな流水型ダムの建設を国に求めるというものでした。

【蒲島知事ON

「命と環境、これを守ること」 「それを考えたときに流水型の洪水調整機能、そして流水型でありますから環境への負荷がとても最少化できる。この両方守るために新しい形のダムをお願いした」

流水型ダムは、命と環境の両方を守る切り札となるのか、本格的な流水型ダムとしては国内で初めて建設された島根県の益田川ダムを訪ねました。

【郡司&島根県益田県土整備事務所 管理第二課 井下 和壽課長】

「近づいてみると、その大きさというのが分かりますよね」

「そうですね、上から見られるのと比べて迫力の方は違うかと思います」

「ここのダムは一番ダムの下側に『洪水吐』という穴が開いておりまして上流から流れてきた水は、そのまま下流の方へ流れているということで 水をためないようになっております」

「貯留型のダムであれば、私たちが今立っているこの場所は水没している可能性が…」

「そうですね、おそらく通常の貯留型ダムであれば、ここらあたりは平常時から水没している高さになると思われますね」

流水型ダムの最大の特徴は、通常ダムの中上部にある水を通すための穴『常用洪水吐』が川底にあること。 平常時は川の流れを妨げません。 穴の高さは3.4メートルと大人の身長の2倍ほどです。 大雨の際は、この2つの穴で流れきれない分が自然とたまり、下流の流量を抑えます。 もし満水になれば上の穴から水が落ちていくため、人為的な、いわゆる緊急放流を行うことはありません。

島根県西部に位置する益田市は、益田川の氾濫による水害に見舞われ、特に昭和58年、1983年の水害では死者39人という未曽有の被害となりました。 益田川ダムは当初、利水も兼ねた多目的ダムとして計画されました。 しかし水没地域で反対運動が起きたため、上流にある農地防災用の笹倉ダムを利水ダムに改修。 益田川ダムは治水専用のダムに計画変更。 また、流水型にすることで砂の堆積がなくなり、高さを下げることで水没地域を減らし2006年に完成しました。 益田川ダムでは、流水型ならではの特徴がいくつかあります。

【郡司&井下さん】

「こちらは何になるんですかね」

「これは『流木捕捉工』と申しまして、洪水が発生するときには上流の方で土砂崩れとかによって木が倒れて、それが流れてくる場合があるんですが、そういった木を構造物でせき止めるとダムの『洪水吐』穴の方に向かって大きな木が流れていかないように止める構造物になっています」 また益田川ダムの2キロほど上流にも。

【郡司&井下さん】

「ここはどういった施設になるんでしょうか」

「ここはグラウンドゴルフ場ですね」

「満水になるくらいの大雨になった場合はここは水没してしまうと」

「そうなります」

「それを前提にして、利活用が図られているということなんですか」

「はいそうです」

しかし、いくつか気になる点もあります。 完成から14年が経過した益田川ダムですが、ダム完成後、ダムが満たされるほどの大雨は一度も降っておらず、現時点で治水面でどのような効果をもたらすのかまだ検証できていません。 また、そもそも計画されていた川辺川ダムは、堤の高さが108メートルと益田川ダムの2倍以上、これほどの規模の流水型ダムが建設された例は全国でもまだないのです。

また、島根県が行った環境調査では、ダムの下流側、上流側にそれぞれにアユの食み跡が確認されたものの、食み跡は下流側に比べて上流側は少なく、ダムがアユ遡上の阻害要因の一つと考えられています。

蒲島知事は、川辺川に建設を要請した新たなダムについて来年3月までに完成までの全体像を示すとしています。

【郡司】

「今後ダム本体着工まで時間がかかることが予想される中で再び民意が『ダムではない』と『流水型でも造ってほしくないんだ』というような民意になった場合には、再度の方針転換というのは有りうるのか。それとも11月の判断が最後の判断だとお考えなんでしょうか?」

【蒲島知事ON】 「この判断についてこれ以上の判断はないと自分で考えておりますので(方針転換は)ないと思います」 (少なくとも知事自身が今後判断を変えることはない?) 「わたくしはありません」

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