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報道

球磨川治水、整備方針見直しへ 九地整、ダム建設手続き始まる

2021年6月4日
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九州地方整備局が、球磨川の河川整備基本方針を見直し、未策定の河川整備計画を作る見解を示しました。その記事を掲載します。

1997年の河川法改正で、河川整備に関する計画は2段構えで策定されるようになりました。

河川整備の長期的な目標を定める河川整備基本方針と、今後20~30年間の河川整備の具体的な内容を定める河川整備計画です。前者が後者が上位計画であり、ダム計画を具体的に定めるのは後者の河川整備計画です。

河川整備基本方針はダム名は明記しませんが、2007年に策定された球磨川水系河川整備基本方針は、基本高水流量(1/80の想定洪水流量)を人吉地点で7000㎥/秒とし、そのうち、川辺川ダムと既設の市房ダムで3000㎥/秒を調節し(そのうち、約2600㎥/秒は川辺川ダム)、河道で対応する計画流量(計画高水流量)を残りの4000㎥/秒としました。

それに対して、川辺川ダム計画に反対する私たちは、基本高水流量7000㎥/秒が過大であり、一方、計画高水流量4000㎥/秒が過小であり、それらを見直せば、川辺川ダムは不要であると主張しました。

球磨川水系河川整備基本方針は策定されたものの、川辺川ダム計画に反対する地元の声は大きく、結局、その後、球磨川水系河川整備計画は未策定のまま、推移してきました。

 

下記の記事は九州地方整備局が2020年7月豪雨を受けて、球磨川水系河川整備基本方針を策定し直して、川辺川ダムを含む河川整備計画を策定する動きを伝えるものです。

球磨川流域における2020年7月豪雨の雨の降り方は球磨川治水計画の従来の考え方を大きく超えるものでした。何しろ、川辺川流域よりも、球磨川中下流部の支川(山田川、万江川、小川、…)の流域における雨の降り方が凄まじく、当時、川辺川ダムが仮にあっても、その効果は極めて限られていたと考えられるからです。

しかし、川辺川ダムの推進勢力は昨年7月豪雨を絶好のチャンスとして、球磨川の河川整備基本方針を見直して、川辺川ダム推進のための河川整備計画をつくろうと画策しています。

 

球磨川治水、整備方針見直しへ 九地整、ダム建設手続き始まる

(熊本日日新聞2021/6/3(木) 14:03)https://news.yahoo.co.jp/articles/c9d719099b2418cc5c412971f2c2817165dc9443

国土交通省九州地方整備局は2日の流域治水協議会で、球磨川の河川整備基本方針を見直し、未策定の河川整備計画を作る方針を説明した。これで、支流・川辺川への流水型ダム建設を法的に位置付ける手続きが始まることになる。  基本方針は、河川法に基づき、水系ごとに長期的な河川整備の目標を明記する。洪水対策の目標とする基本高水のピーク流量を設定。ダムなど洪水調節施設でカットする流量や、河道に流す量を盛り込む。

2007年に策定された現在の基本方針は、1953~2005年の降雨データを基に基本高水を設定。人吉地点は毎秒7千トンで、昨年7月豪雨の推定ピーク流量の毎秒約7900トンを下回っている。  2日の協議会後、同局は基本高水の引き上げに言及。基本高水を大きく設定すると洪水調節施設も高い能力が必要となり、中核となる流水型ダムの規模や貯水量も大きくなる可能性がある。

球磨川は、ダムに頼らない治水策の議論がまとまらず、全国に109ある1級水系の中で唯一、整備計画が策定されていない河川だ。国の社会資本整備審議会の意見を聞いて決める基本方針とは異なり、整備計画の策定時には必要に応じて住民意見を反映させることが求められている。

整備計画には、ダムや遊水地など具体的な洪水調節施設の場所や機能が明記される。住民意見をどのような方法で取り入れるのか。今後の進め方が注目される。(太路秀紀)

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