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城原川ダムの情報

城原川ダム問題の最近の報道(半世紀以上も地元住民を翻弄)

2022年4月9日
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国土交通省が佐賀県神埼市神埼町に建設予定の城原川(じょうばるがわ)ダムに関する最近の記事とニュースです。

城原川ダムの総貯水容量は355万㎥で、大きいダムではありません。治水専用の流水型ダムで、完成予定は2030年度とされていますが、この記事によれば、完成までのスケジュールは依然として未定となっています。

今年3月に国が住民に水没範囲を示しました。国が予備調査に着手してから50年余り経っているのに、今頃という感じです。全住民50世帯120人が移転の対象になっています。

半世紀以上もダム問題に翻弄されてきた水没予定地の住民はたまったものではありません。

このダムに関しては下記のダム便覧の情報しかわからないので、現地事務所に電話したところ、住民への説明会の資料は公表できないということで、秘密裏に進められています。

ダムが本当にどこまで必要なのかも不明瞭のまま、進められているという印象を受けました。ここでもダム事業のためにダム事業があるという感じでした。

 

〈創生・再生〉神埼市 頻発する水害 対策急務 

庁舎跡地活用も課題

(佐賀新聞2022年4月9日7:00) https://www.saga-s.co.jp/articles/-/837631

冠水して収穫ができなくなった小ネギのビニールハウス=2021年8月15日、神埼市千代田町下西(提供)

神埼町と千代田町、脊振村が2006年に合併して誕生した神埼市は、脊振山系を源にする城原川と田手川が南北を貫く。自然の恵みを受けて発展してきた一方、夏場の大雨で毎年のように浸水する下流地域では水害への懸念がつきまとう。旧市庁舎などの跡地をどう活用するか、人口減少対策にも注目が集まる。10日告示の市長・市議選を前に課題を追った。

「ほんなって、将来どがんなるやろうか」。市南部の千代田町下板で農業を営む島克也さん(55)は、昨夏の大雨で小ネギを栽培するハウスが冠水した。収穫が約2カ月できなくなり、泥水につかった農業用機械の修理費も含めて被害額は100万円に及んだという。19年の佐賀豪雨の被害は下板だけだったが、21年は同町下西の小ネギも駄目になった。立て続けの被害を受けて途方に暮れた。

昨年の記録的大雨で、市全体の農作物の被害金額は5億2千万円にも上った。農作業用のビニールや肥料なども年々値上がりする中、頻発する水害は大きな痛手となっている。

増水時に水を人工的に川の外にあふれさせて決壊を防ぐため、江戸時代に築かれた堤防の一部が低い地域特有の「野越し」。島さんは「千代田は水のはけ口がない。野越しを超えた水のたまり場になる」と心配する。城原川や田手川の水を筑後川に移す排水ポンプは老朽化が進んでいる。住民からは排水ポンプや施設の増強、根本的な治水対策を求める声が上がる。

その城原川の上流部では、国直轄で脊振町に建設予定の城原川ダム事業が計画されている。1971年に国が予備調査に着手して半世紀がたつ。県の提案で2005年、洪水調節のみを目的とする「流水型ダム」として整備する流れとなったが、政権交代で事業が再検証の対象になるなど曲折し、事業の歩みは遅い。

「ダムを解決してくれ、解決してくれと言って、皆さんが亡くなっていった。家内も昨年、私より先に亡くなってしまった」。地域住民でつくる城原川ダム建設対策協議会(50世帯、120人)の眞島修会長(84)は涙ながらに訴える。具体的な計画が示されず、地元住民は生活再建のめどが立たないまま、年齢だけが重ねられていく。

「何とか自分たちの代でダム事業の解決を」と早期完成を望む声は強い。3月には国が住民に水没範囲を示したが、完成までのスケジュールは依然として未定となっている。

06年の合併時、3万4千人いた人口は16年間で2800人減少、市の推計では2030年ごろに3万人を割り込む。市の魅力づくりが、人口減に歯止めを掛ける手だてとして急がれる。

市民が注視するのが公共施設跡地の活用策だ。20年9月に新しい市庁舎を構えたが、旧市庁舎をはじめ、移転した神埼高校跡や旧年金センターなどの跡地活用は決まっていない。

旧市庁舎跡について市は昨年夏、市民1489人にアンケートを実施したところ、「公園・広場」が約3割で最多を占め、「道の駅」、「商業施設・店舗」と続いた。「神埼といえばと聞かれたときに何もない。象徴的なエリアをつくらないと」と自営業の50代男性。にぎわいづくりへの一助に生かせるか。具体的な活用策の議論は選挙後に始まる。(森田夏穂)

 

城原川ダム “水没範囲”詳細明らかに【佐賀県神埼市】

(佐賀テレビ2022/03/13 (日) 18:03)https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2022031308903

(映像)

神埼市脊振町に建設予定の城原川ダムについて地元の住民を対象にした説明会があり、国は実際に水没する詳細な範囲を明らかにしました。
説明会はダム建設によって水没する神埼市脊振町の岩屋地区・政所地区などの住民を対象としたもので44世帯79人が参加しました。
関係者によりますと国交省・佐賀河川事務所が非公開でおよそ1時間説明し、これまで概略で示していた水がたまる範囲を詳細に公表したということです。
国が予備調査に着手してから50年余り、ようやく岩屋・政所のすべての住民が移転の対象であることが確実となりました。
水没予定地の住民でつくる城原川ダム建設対策協議会の眞島修会長は「1日でも早く着工し生活再建できるようにしてほしい」と話します。

【城原川ダム建設対策協議会・眞島修会長】「私が34、35歳の頃にこの話が出て、もう私が84歳ですよ。以前は“移転したらあれをやろうこれをやろう”というようないろいろな話も聞いてきたが、最近はそういう話も全くもう皆さんしなくなった、もう高齢化で」

城原川ダムは洪水時にのみ水をためる流水型で建設される計画で、来年度中にも住民補償についての具体的な説明が始まるとみられています。

 

城原川ダム水没範囲、国が説明 脊振3地区、全戸移転見通し

(佐賀新聞2022/3/15 11:20)https://www.saga-s.co.jp/articles/-/824783

神埼市脊振町に国直轄で建設予定の城原川ダム事業を巡り、地元住民への説明会が13日、市中央公民館で開かれた。国土交通省佐賀河川事務所が、水がたまる湛水範囲や、工事で生じる土砂を捨てる場所などを地図で示し、岩屋と政所まんどころ、今屋敷地区の全住民50世帯120人が移転の対象になる見通しになった。

説明会は非公開で、44世帯79人が参加した。2021年11月の前回の説明会より影響範囲が具体的になり、コンクリートの材料にする岩石を採取するエリア(原石山)も示された。水没地区とされてきた岩屋、政所に加え、土捨て場が示されたことで今屋敷の2世帯も移転対象になることが確実になった。移転に関する今後の事業スケジュールは示されなかった。

水没地域の住民らでつくる城原川ダム建設対策協議会の眞島修会長(84)は説明会後、取材に応じ「一日も早く生活再建をしてほしい」と強調、22年度中の補償基準額の提示を国交省側に求めたという。

ダム計画は1971年に国が予備調査に着手してから51年になる。2005年、洪水調節のみを目的とする「流水型ダム」として整備することを県側が提案したが、再検証の対象になるなど棚上げを繰り返してきた。18年に建設段階に移行し、地質調査や測量などが実施されてきた。地区の高齢化が進んでおり、事業の早期完了を望む声は強い。

政府の22年度予算案には、ダム建設費に前年度比2700万円増となる10億4800万円が計上された。内訳は用地調査、本体関連調査設計、付け替え道路の調査設計費などで、30年度の完成を見込んでいる。(森田夏穂)

 

城原川ダム事業計画

ダム便覧http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2554

城原川ダム [佐賀県](じょうばるがわ)

左岸所在 佐賀県神埼市神埼町
位置
北緯33度22分55秒,東経130度19分18秒   (→位置データの変遷 【位置未確認】
河川 筑後川水系城原川
目的/型式 F/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 60m/330m/千m3
流域面積/湛水面積 42.5km2 ( 全て直接流域 ) /ha
総貯水容量/有効貯水容量 3550千m3/3500千m3
ダム事業者 九州地方整備局
着手/竣工 1979/

 

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