水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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信濃川に水力発電所計画 サケ遡上影響に懸念

2018年5月22日
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信濃川のJR東日本・宮中取水ダム(新潟県十日町市)隣接地に、十日町市が新たに水力発電所を建設する計画を進めているという記事を掲載します。

宮中取水ダムについては2010年3月末に十日町市とJR東日本との間で、「共生に関する覚書」等を締結し、宮中取水ダムの放流量を大幅に増やすことになりました。
http://www.city.tokamachi.lg.jp/shisei_machidukuri/F104/F105/1454068621780.html
試験放流に関する確認書http://www.city.tokamachi.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/29/000040668.pdf

この放流量の増加でサケの遡上数が格段にj増えました。放流量の大幅増加は新潟水辺の会などの市民運動の成果によるものです。

その当事者である十日町市が新たに水力発電所を計画しているというのです。サケの遡上に影響が出ることは必至だと思います。

信濃川に水力発電所計画 サケ遡上影響に懸念
(信濃毎日新聞2018年5月21日) http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180521/KT180517FTI090033000.php


(写真)信濃川のJR東日本宮中取水ダム。市は隣接する右岸側の土地(中央奥)に水力発電所の建設を計画している=新潟県十日町市

長野、新潟県境から約20キロ下流にある信濃川のJR東日本宮中取水ダム(新潟県十日町市)隣接地で、十日町市が新たに水力発電所を建設する計画を進めている。ダム上流で取水し、発電後に水をダム下流に戻す計画。2025年度の運転開始を予定するが、上流の千曲川では今年3月、長野県などがサケの稚魚放流を再開したばかりだ。専門家から「魚の遡上(そじょう)に影響が出る」と懸念する声が出ている。

十日町市によると、新たな水力発電所は、同ダムに隣接する信濃川右岸に建設。ダムのすぐ上流で毎秒35〜38立方メートルを取水して落差を利用して発電する。出力は約3千キロワット、年間発電量は一般家庭約5千世帯分に相当する約2400万キロワット時を見込む。電力会社に売電して利益を市民に還元する計画で、総事業費は50億円以上、早ければ22年度に着工する。

一方、長野県や飯山市など千曲川の流域市村、県漁業協同組合連合会(長野市)などでつくる協議会は今年3月、東京電力西大滝ダム(飯山市、下高井郡野沢温泉村境)に遡上するサケが少ない原因を調べるため、稚魚計20万匹を千曲川水系に放流した。県が関わる放流は18年ぶりで、5年間継続する予定だ。

新たな発電所の建設により、川を下る稚魚が取水口に吸い込まれたり、発電後の水をダム直下に排水することで川の流れが変わり、さかのぼる魚が魚道を見つけられなくなる可能性もある。元水産総合研究センター主幹研究員の片野修さん(上田市)は「魚にとっては悪影響しかない」とする。

十日町市は本年度、専門家や関係者で委員会をつくり、河川環境への影響を減らす方法を検討する予定。委員に長野県関係者を入れるかどうかは「検討中」としている。

滋賀県 今後の大戸川治水に関する勉強会(大戸川ダムを推進に変えるためのメンバー)

2018年5月19日
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滋賀県が今後の大戸川治水に関する勉強会の第1回を5月30日に開きます。滋賀県のお知らせとその記事を掲載します。。
勉強会のメンバーを見ても、大戸川ダムがこれから推進の方向で動くことが分かります。
顧問の中川博次氏は国土交通省の悪名高い「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の座長です。2010年からのダム検証で数多くのダム事業に推進のお墨付きを与えてきました。80歳台中頃の高齢の人です。
座長の寶 馨氏は水文統計学が専門ですから、今回の勉強会の座長としてどうなのかと思います。。
角哲也氏は穴あきダム(流水型ダム)の第一人者ということで、全国各地で進められている穴あきダムに推進の根拠を与えてきました。
大戸川ダムも穴あきダムで計画されています。
この勉強会は、大戸川ダムが宇治川、淀川の治水対策として必要だという結論を出すことが予想されます。

滋賀県のHP 今後の大戸川治水に関する勉強会 http://www.pref.shiga.lg.jp/hodo/e-shinbun/de01/20180515.html

大戸川ダムの効果・影響を検証するため、滋賀県として自発的に勉強会を設置するものです。この勉強会で得られた成果は、滋賀県における今後の治水政策の判断材料のひとつとして活用するとともに、検証の過程・議論を県民のみなさまに知っていただき、本県の治水政策へのご理解の一助として活用していきたいと考えております。

第1回勉強会について
日時:平成30年(2018年)5月30日(水曜日)10時30分~12時00分 (10時00分受付開始)

学識者委員
顧問 中川博次 京都大学名誉教授
座長 寶 馨   京都大学大学院  総合生存学館(思修館) 学館長/教授
角哲也     京都大学 防災研究所 教授
多々納 裕一 京都大学 防災研究所 教授

「滋賀県が開催する「今後の大戸川治水に関する勉強会」メンバーは御用学者」に

(毎日新聞滋賀版2018年5月16日)https://mainichi.jp/articles/20180516/ddl/k25/010/390000c
三日月大造知事は15日の記者会見で、国が大津市に計画する「大戸川ダム」の効果や影響を検証する勉強会の初会合を30日に開催すると発表した。また、勉強会の座長に宝馨・京都大大学院総合生存学館長(水工水理学)が就任することも明らかにした。三日月知事は16日に建設予定地を初めて公式に視察し、地元住民と意見交換する予定。
勉強会の学識者委員は4人で、いずれも水工学などの専門家。宝氏のほか、顧問に中川博次・京都大名誉教授が就任。京都大防災研究所の角哲也、多々納裕一の両教授も名を連ねた。今年度内に3回程度開かれる見通しで、勉強会の成果は今後の治水対策の判断材料とするほか、国や下流域の京都、大阪両府に県の立場を説明する際に活用する。
三日月知事は「これまでの経緯や琵琶湖・淀川水系についても精通している専門家を人選した。自分もできれば参加したい」と述べた。初会合は30日午前10時半から、県庁隣の県危機管理センターで開催。勉強会は公開され、一般の傍聴もできる。【成松秋穂】

「大戸川ダム」勉強会、30日に滋賀県が初回会合
(産経新聞2018.5.16 16:14) https://www.sankei.com/west/news/180516/wst1805160029-n1.html

大戸川ダム(大津市)建設による効果や影響を県が独自に検証する勉強会について、滋賀県は15日、初回会合を30日に開催すると発表した。今年度中に3回程度開き、検証結果を踏まえ三日月大造知事が建設の可否を判断する。
勉強会では、治水が専門の京都大大学院や京大防災研究所の教授らが、ダムの有無による流域の治水効果と瀬田川洗堰への影響の違いなどを検証する。
大戸川ダムをめぐっては、平成20年に滋賀、大阪、京都、三重の4知事間で国に建設凍結を求めることで合意。国は翌21年に建設を凍結したが、28年に「(治水対策として)最も有利」として、事業継続の方針を示した。
昨年12月には、県議会が4知事合意の撤回を求める決議を可決。これを受け、三日月知事は今年2月の定例県議会で、勉強会を立ち上げ改めてダム建設の効果を検証するとした。
一方、これまでの方針転換ともとれる勉強会の立ち上げに対しては一部から批判の声も上がる。三日月知事は「治水が政治的駆け引き(の材料)にならないようにしたい」としている。
勉強会は公開で行われ、30日午前10時半~正午、大津市京町の県危機管理センター1階で開かれる。

石木ダム中止 長崎県に申し入れ 「千人の集い」実行委

2018年5月13日
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5月6日に長崎県川棚町で、石木ダムの問題を考える「ほたるの里から長崎をかえよう!! 千人の集い」が開かれました。1050人が結集し、ダム反対の意思を示しました。集会は大成功でした。
集会の実行委員会が5月11日に長崎県庁を訪れ、集会の意思を伝え、石木ダム建設の即時中止を求めました。その記事とニュースを掲載します。

石木ダム中止 長崎県に申し入れ 「千人の集い」実行委
(長崎新聞2018/5/12 10:48) https://this.kiji.is/367851657071314017

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について考えるシンポジウム「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」の実行委が11日、県庁を訪れ、工事中止を県に申し入れた。反対地権者の炭谷猛実行委員長は、千人余りの来場者の多くが建設反対の意思表示をしたとして「(ダム事業の)終わりの始まりにしたい」と訴えた。
同実行委は6日、同町で前滋賀県知事の嘉田由紀子さんや歌手の加藤登紀子さんらが意見を交わすシンポジウムを開き、千人余りが来場した。
申し入れ書は中村法道知事宛て。石木ダムについて「必要性が破綻」「負の歴史を繰り返さないで」など嘉田さんらの発言を紹介。県が工事を進めれば、住民へのさらなる人権侵害が起こると批判している。
炭谷実行委員長から申し入れ書を受け取った浦瀬俊郎河川課長は、地権者の8割が工事に同意しているなどとして「現場の安全第一に工事を進める。意見は知事に伝える」と話した。
申し入れ後、炭谷実行委員長は報道陣に「集会を通じて石木ダムに反対している人が大勢いることに気付かされた。知事は勇気を持って今までと違う方向に進んでほしい」と語った。

石木ダムの計画中止を要請
(長崎放送2018/5/11(金) 19:00配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180511-00000940-nbcv-l42

県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム事業について、今月ダム問題などを考える集会を開いたメンバーらが県に対しダム計画の中止を申し入れた。 11日午後県庁を訪れたのは石木ダム建設予定地に住む住民や支援者などおよそ30人で、県の担当者らにダム事業の即時中止を要請した。今月6日、川棚町では周辺住民や市民団体など千人以上が集まってダム問題について考える公開のシンポジウムが開かれ、ほぼ全員の参加者がダム建設に反対の意思を表明したという。申し入れで住民らは石木ダム事業は多くの県民の民意にも反していることが明らかになったと述べ、事業の目的の一つである佐世保市の水道水の確保はダムによらない水源で確保すべきと訴えった。
「必要もないダムのために、私たちは毎日苦しんでいます」(地権者・岩下すみ子さん)「石木ダム建設問題は終わりの始めにしましょう」(地権者・炭谷猛さん)  これに対し県の担当者は治水と利水の観点からダムは必要と改めて説明し、これまでの考え方を繰り返すにとどまった。

石木ダム 建設即時中止を要請 県に反対住民ら /長崎
(毎日新聞長崎版 2018年5月12日)https://mainichi.jp/articles/20180512/ddl/k42/040/294000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムを考える集会を6日に同町で開いた実行委員会メンバーが11日、県庁を訪れ、石木ダムの建設事業の即時中止を改めて求める中村法道知事宛ての申し入れ書を提出した。
6日の集会には県内外から約1050人が参加し、ほぼ全員で「No!」のカードを掲げてダム建設に反対の意思を示した。申し入れ書では県が進める付け替え道路工事に触れ「このまま進めると問題は解決せず、混乱と地区住民への更なる人権侵害が起こる」として、建設事業の即時中止を求めた。
実行委員長の炭谷猛さん(67)は「石木ダム問題の『終わりの始まり』にしよう」と訴えた。【加藤小夜】

石木ダムに1000人「NO」 川棚町で集い 加藤登紀子さんら訴え [長崎県]

2018年5月8日
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5月6日、長崎県川棚町で、石木ダムの問題を考える「ほたるの里から長崎をかえよう!! 千人の集い」が開かれました。
この集いの内容を伝える新聞とニュースを掲載します。

長崎)加藤登紀子さんら「千人の集い」に 石木ダム問題
(朝日新聞長崎版2018年5月8日03時00分)https://digital.asahi.com/articles/ASL5673K8L56TOLB002.html?iref=pc_ss_date

(写真)加藤登紀子さん(左)を進行役に、石木ダムの問題について考えるシンポジウムが開かれた=2018年5月6日、長崎県川棚町の川棚町公会堂
長崎県川棚町で県と佐世保市が計画している石木ダムの問題について考える「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が、川棚町中組郷の町公会堂で6日にあった。
シンポジウムでは歌手の加藤登紀子さんを進行役に、京都大学の今本博健・名誉教授、前滋賀県知事の嘉田由紀子さん、八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の計画見直しを求める市民団体「八ツ場あしたの会」事務局の渡辺洋子さんがパネリストとなり、討論した。
今本さんは佐世保市の1日最大給水量の予測と実績のグラフなどを示し、「給水は今の水源で十分足りている」などと指摘した。
嘉田さんは琵琶湖周辺住民の聞き取り調査から「住まい方などの工夫で人が死なない治水対策はできる」と判断し、ダムの代替案を作ったことを紹介。渡辺さんは八ツ場ダムの水没区域の住民は「分断され、孤立して、声を上げることが出来なかった」とし、石木ダムに反対する川原(こうばる)地区の住民を「分断されずにいる、ここの方たちの生きる力はすばらしい」とたたえた。
集会では加藤さんのミニコンサートもあり、川原地区の住民らが登壇し、一緒にうたう場面もあった。
実行委によると、この日は目標の約1千人が参加。炭谷猛委員長は「1年半前から町内各地で学習会を開くなどの活動を重ねてきたことが実った。集いが、ダム計画の終わりの始まりになる気がする」と話した。(福岡泰雄)

石木ダムに1000人「NO」 川棚町で集い 加藤登紀子さんら訴え [長崎県]
(西日本新聞朝刊2018年05月08日 06時00分) https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/414335/

(写真)石木ダム建設予定地の住民たちと一緒に歌う加藤登紀子さん(中央)写真を見る
県と佐世保市が川棚町に建設を計画する石木ダム事業について考える集会「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が6日、同町中組郷の町公会堂であった。歌手の加藤登紀子さんや前滋賀県知事の嘉田由紀子さんも参加し、ダムのあり方についての討論会やコンサートなどを開催。訪れた約千人がダム建設に「NO!」と訴えるプラカードを掲げる場面もあった。
集会は、市民団体でつくる実行委員会が建設予定地に住む地権者13世帯の暮らしやダム建設について考えようと企画した。
討論会では今本博健京都大名誉教授(河川工学)が市の水需要予測などの問題点を指摘し「環境や地域社会を破壊する行為。県や市には改めて考えてほしい」と主張。嘉田さんは県知事時代にダム事業を見直した経緯を紹介しながら「ダム建設をやめることで誰がどう困るのか。住民がしっかり考え、声を上げることが大切だ」と訴えた。
5日に建設予定地を訪れた加藤さんはコンサートの中で「口にするまでもない素晴らしい自然がある。計画から50年以上たって、建設をすることに不条理を感じる」。建設予定地に暮らすイラストレーターのいしまるほずみさんは「(計画が)白紙になるまで諦めずに闘う。訪れた人たちも一緒になって盛り上げてほしい」と呼び掛けた。
=2018/05/08付=

石木ダム反対派シンポジウムに加藤登紀子さん
(テレビ長崎2018年5月7日 18:26 )http://www.ktn.co.jp/news/20180507184843/

県や佐世保市が東彼・川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、反対する地権者らは、6日、歌手の加藤登紀子さんらを招いてシンポジウムを開きました。
加藤登紀子さん「川原の場所に立っていると、ここには何千年の歴史があったと感じることができます。遠い先祖が残してくれた場所を、どうやって(後世に)伝えていくのか」
石木ダムの反対地権者らが開いたダムの必要性について考えるシンポジウムには、県内外からおよそ千人が集まり、歌手の加藤登紀子さんも参加しました。加藤さんは、国が群馬県に計画している八ッ場ダムに反対していて、シンポジウムに先立ち、石木ダムの建設予定地の川原地区などを視察しています。
加藤登紀子さん「本当にここは美しい。13世帯残った家族がすばらしく、生きている姿に感動しました」
シンポジウムで、加藤さんは「50年間必要でなかった石木ダムをこれから作るのは非現実的だ」と訴え、あわせて開かれたミニコンサートでは「いま出来ることを自信を持ってがんばってほしい」と、歌を通じて、反対地権者らにエールを送りました。


加藤登紀子さんら討論 反対地権者 川棚でシンポ
(長崎新聞2018/5/8 10:46) https://this.kiji.is/366401264868901985

県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について考えるシンポジウム「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が6日、町公会堂であり、歌手の加藤登紀子さんや前滋賀県知事の嘉田由紀子さんらが、ダムの必要性や公共事業のあり方について意見を交わした。
反対地権者らでつくる実行委が、ダム問題について考えてもらおうと企画した。パネル討論には加藤さん、嘉田さんの他、京都大名誉教授で河川工学が専門の今本博健さん、八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設に反対する「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子さんが登壇した。
嘉田さんは、知事時代に滋賀県内で計画されていた六つのダム建設を凍結した経緯を説明した。川と共存してきた地域の伝統的な水害対策を生かし、河川整備や避難計画などを条例化。ダムに頼らない治水計画を推進したとし「ダム計画を中止して困るのは県民ではなく、特定の利権を持つごく一部の人々ではないか」と投げ掛けた。
渡辺さんは、民主党政権下で一時凍結されたが、現在は本体工事が進む八ツ場ダムの現状を紹介。「ダム水没地域の住民は分断、孤立し、声を上げられないまま立ち退いた」とし「(石木ダムで)負の歴史をくり返さないで」と訴えた。
加藤さんのミニコンサートもあり、代表曲「百万本のバラ」などを熱唱。締めくくりに反対地権者らと共に、故郷への思いを込めた歌「川原のうた」を歌った。実行委員長で反対地権者の炭谷猛さん(67)は「大勢の人が集まった。ダムの必要性について疑問を持つ人が増えていることの表れだ」と手応えを語った。
(写真)シンポの参加者や地権者らと「川原のうた」を歌う加藤さん(手前)=川棚町公会堂

 

石木ダム 1050人「No!」 川棚で考える集い /長崎

(毎日新聞長崎版 2018年5月8日)https://mainichi.jp/articles/20180508/ddl/k42/040/289000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムを考える「ほたるの里から長崎をかえよう!千人の集い」が6日、同町公会堂であった。県内外から参加した約1050人を前に、歌手の加藤登紀子さんらがダム計画を批判し建設中止へ向けて気勢を上げた。
トークセッションでは、水没予定の川原(こうばる)地区に暮らす13世帯の日常生活を撮影したドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」の山田英治監督が「魅力的な川原の人たちの暮らしを疑似体験してもらおうと思った」と製作の背景を紹介。映画監督の鎌仲ひとみさんは「多くの国を取材して、困ったことは弱い立場の人に押しつけることは通底している」と指摘した。
シンポジウムは4人が登壇。京都大名誉教授の今本博健さんは、給水量の過大予測や水害実態がないことなどを挙げ利水、治水両面でダム建設に疑念を呈した。加藤さんは「50年間必要とされなかったダムを今からつくろうという不条理さに震える思い」と心情を語った。最後は参加者全員でダム建設に「No!」のカードを一斉に掲げて締めくくった。【綿貫洋】

 

長崎)歌手の加藤登紀子さんら、石木ダム現場を見学

(朝日新聞長崎版2018年5月6日03時00分)
https://digital.asahi.com/articles/ASL553S9QL55TOLB003.html?iref=pc_ss_date

(写真)道路を付け替える工事の現場につながるゲート付近で説明を受ける加藤登紀子さん(左)、嘉田由紀子さん(右)ら=2018年5月5日、長崎県川棚町

県と佐世保市が川棚町で計画する石木ダムの道路工事現場を、歌手の加藤登紀子さんや前滋賀県知事の嘉田由紀子さんらが5日、見学した。
見学したのは2人のほか、京都大学名誉教授の今本博健さん(河川工学)、映像作家の鎌仲ひとみさん、映画監督の山田英治さん、八ツ場あしたの会事務局の渡辺洋子さん、詩人のアーサー・ビナードさん。
ビナードさん以外は6日に町内である、石木ダムの問題を考える「ほたるの里から長崎をかえよう!! 千人の集い」に参加する。
一行は地元地権者らの案内で川棚川の河口などを見た後、ダム本体工事が始まると通行できなくなる県道の代わりになる道路の工事現場を見学。
県が早朝や夜中に重機を入れたことや、工事現場で住民らが反対の座り込みをしていることなどの説明を受けた。
見学後、水没予定の川原(こうばる)地区の広場で取材に応じた加藤さんは移転を拒んでいる地権者ら13世帯のことに触れ、「生き生きと生活していて、若い世代も育っている。負けないでほしい」とエールを送った。
嘉田さんは「何十年もダムなしで済んだのに、なぜ建設の必要があるのか」と話した。(福岡泰雄)

 

 

「水道事業の民営化」で水は安くなるのか?

2018年5月5日
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昨年5月の読売新聞の論考記事ですが、水道法改正による水道民営化の問題がよく整理されていますので、掲載します。
なお、水道法改正案は今通常国会に3月9日に再上程されましたが、現状では委員会付託もされていません。

「水道事業の民営化」で水は安くなるのか?
立命館大学特任教授 仲上健一

(読売新聞2017年05月25日) http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170524-OYT8T50025.html?page_no=1

水需要の減少や水道施設の老朽化など、地方自治体が抱える問題を解決するため、政府は「水道事業の民営化」への動きを進めている。水道事業の官民連携、広域連携によって民営化を促す水道法改正案が今年3月に閣議決定され、政府は今国会での成立と、2018年度中の施行を目指している。自治体が手掛ける水道事業が民営化されれば、市民生活はどう変わるのか。立命館大学特任教授の仲上健一氏(水資源・環境政策)が解説する。
水道法改正の「核心」
(写真)水道は最も重要なライフラインの一つだ(写真はイメージ)
我が国の近代的な水道事業は、横浜市で1887年9月、イギリスのヘンリー・スペンサー・パーマー工兵少将の指導のもと、洋式水道が完成したのが始まりである。以降、全国各地で近代水道が整備され、今日に至るまで、市民の最も重要なライフラインを支える公営事業として続いてきた。
政府が今国会での成立を目指す改正水道法は、「水道の基盤の強化」を主な目的に、広域連携や官民連携、適切な資産管理などを推進するものである。水道施設の運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入することを目的として、広域連携の推進役である都道府県に水道事業の再編計画の策定を求める内容だ。
水道事業の「官民連携」自体は既に各地で行われている。広島県三次市が2002年、三菱商事が出資する「ジャパン・ウォーター」(本社・東京)に浄水場の管理・運営や水質検査を委託したのをはじめ、浄水場管理や検針、料金徴収などの業務では、多くの自治体で民間委託の実績がある。
だが、改正水道法案に盛り込まれた「水道施設の運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」ことは、従来の民間委託とは根本的に異なる。これは、水道事業の経営を含む全業務について、民間事業者に包括的に担わせる方式である。現行の制度でも可能ではあったが、これまでは自治体が浄水場管理など一部の業務を民間委託するのにとどまっていた。
水需要減少、施設老朽化が進む
世界の水道事業民営化の歴史は古く、1853年、ナポレオン3世の勅令により、フランスのジェネラル・デゾー社(現ヴェオリア・ウォーター)がリオン市の水道事業を請け負ったのが始まりとされる。1989年、イギリスの国営水道事業会社「テムズ・ウォーター」が民営化されると、同社は世界に「水ビジネス」を拡大し、欧米諸国で水道事業の民営化が加速した。
(写真)地中に埋められた水道管が破裂し、現場の市道が陥没(大阪市東住吉区で。2016年10月27日)
それではなぜ、日本の水道事業民営化が今になって議論されているのだろうか。
日本の水道普及率は、1950年に26.2%、60年に53.4%、70年に80.8と着実に進捗(しんちょく)し、2014年には97.8%に達している。水道事業は、半世紀以上にわたる「拡張・建設の時代」を経て、今は「維持・管理の時代」に突入しているのだ。高度経済成長期に整備された水道施設は、水道管の法定耐用年数(40年)が過ぎるなど、老朽化が顕著となっている。このため、全国各地で水道管の破損事故などが報告されている。
震度6強程度の地震に耐えられる割合を示す「耐震適合率」を見ても、14年度末時点で36.0%にとどまっている。阪神大震災、東日本大震災、熊本地震を経験し、首都直下型地震や南海トラフ地震への備えが必要とされる今、水道施設の耐震補強工事は喫緊の課題となっている。
その一方で、多くの自治体が、人口減少に加え、節水意識の高まりなどによる水需要の減少に直面している。財政が厳しい折、水道施設を再整備したとしても、水道事業による収入拡大は期待できず、長期的展望を見いだすことが極めて困難な状況となっている。今回の水道法改正案は、水道事業の広域化と民営化によって、こうした課題を克服しようというものなのだ。
水道料金値上げの恐れも
(写真)民営化によって水道料金値上げの恐れも(写真はイメージ)
水道事業民営化の具体的な方法として有力視されているのが、水道施設の所有権は自治体に残しつつ、運営権を民間事業者に売却する「コンセッション」と呼ばれる方式である。
コンセッション方式の最大のメリットは、民間事業者の資金や経営ノウハウを生かした事業運営の効率化が期待されることである。日本では個々の自治体が水道事業を運営し、規模が小さいことが難点だった。しかし、近隣の自治体同士が水道事業を統合し、民間事業者が一体運営をすれば、コストを低減できる可能性がある。
一方、デメリットも考えられる。民間事業者は基本的に営利を目的に行動するため、「市民に安全な水を安定的に供給する」という公共性が極めて高い事業とは相いれないおそれもある。民間事業者が利益を上げるために水道料金を引き上げたり、過剰な人員削減を進めるなどしてサービスが低下したりするリスクがないともいえない。
再公営化に踏み切ったパリ
世界に目を転じると、水道事業の民営化率は、フランス、イギリスでは70%以上であり、英仏以外の欧州諸国や、北米、南米も50%を超えている。そうした中、水道事業民営化の是非に一石を投じたのが、パリ市の水道事業の再公営化だ。
パリ市は、2009年末にフランスの大規模水道事業会社「ヴェオリア・ウォーター」と「スエズ・エンバイロメント」との契約を終了し、翌10年から水道事業を公営事業に戻した。パリ市は1985年に水道事業を両社に委託したが、その結果、両社の経営に対する監督の目が行き届かず、パリ市の水道料金は85年から2009年までの間に、実に3倍以上も上昇した。
そのため同市は、09年末に両社との委託契約が満了するのを待って、市が直接、水道事業を監督する公営水道事業体「Eau de Paris(パリの水)」による運営に切り替え、料金の引き下げなどに取り組んだ。
国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC)のリポートによると、近年、世界の主要都市では水道事業の再公営化に踏み切る事例が増えており、その数は2000年から14年までの間に180例に及ぶ。多くは、パリ市の事例と同様、民間事業者が利益優先の経営に走った結果、水道料金の値上げや水質の悪化を招くなど、住民サービスが低下したことが理由とされる。
経営を監視・評価するシステム導入を
大阪市水道局の民営化議案は、橋下徹前市長時代に市議会で否決され、吉村洋文市長が昨年2月に再提案していたが、今年3月の市議会で廃案に
水道法改正を巡っては、世界の水道事業の民営化、そして再公営化のケースから何を読み取るかが重要である。民営化のリスクをカバーする広い意味でのガバナンスを構築するのは容易ではない。このため民営化の是非を慎重に見極めることが必要であり、市民に対する説明責任も欠かせない。
大阪市では今年3月、来年4月の実現を目指していた市水道局の民営化議案が、市議会で廃案となった。当初、同市は、人口減に伴う水の需要低下に備え、水道事業運営を安定させるため、市が浄水場や水道管などの設備を保有したまま、その運営権を全額出資する新会社に売却する計画だった。廃案になった背景には、民営化による水道料金引き上げや水質悪化などの懸念を払拭するための対応策が不十分であり、市民から十分な理解が得られなかったことがある。
大阪市に限らず、かりに民営化に踏み切ったとして、その後も住民サービスの低下を招かないよう、市民・行政が民間事業者の経営状況を監視・評価するシステムを導入することが必須となるだろう。
いずれにせよ、今回の水道法改正による水道事業の民営化は、市民生活に大きな影響を及ぼしかねない。国や自治体には相応に重い決断が問われると言っていい。

プロフィル
仲上 健一( なかがみ・けんいち )
1948年生まれ。74年、名古屋大学大学院修士課程修了。76年、京都大学大学院博士課程中退。81年、大阪大学工学博士。立命館大学経営学部教授、立命館アジア太平洋大学副学長などを経て、現在、立命館大学政策科学部特任教授。国際公共経済学会名誉会長、水資源・環境学会理事、環境技術学会理事などを務める。

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