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川上ダムの新水道計画の見直し求め3152人の署名を提出 伊賀市の市民団体

2017年2月14日
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伊賀市は既存の水源12か所と浄水場7か所を廃止し、川上ダムの利水を前提とした「ゆめが丘浄水場」からの供給に切り替える計画を進めています。

市民団体「伊賀の水源を守る連絡協議会」がこの計画の見直しを求める署名を提出しました。その記事を掲載します。

 

 

川上ダムの新水道計画の見直し求め3152人の署名を提出 伊賀市の市民団体

(伊賀タウン情報ユー 2017年2月14日 18:22) http://www.iga-younet.co.jp/news1/2017/02/3152.html

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(写真)【署名簿を手渡す奥澤代表(中央)=伊賀市役所で】
 伊賀市の新たな水道事業基本計画に対し、住民らでつくる市民団体「伊賀の水源を守る連絡協議会」が2月14日、見直しを要望する3152人分の署名を市に提出した。岡本栄市長は上京中で不在だったため、秘書課長が代わりに受け取った。
 計画期間は今年4月から15年間。老朽化を理由に地域で使用している水源12か所と浄水場7か所を廃止し、川上ダムの利水を前提とした「ゆめが丘浄水場」からの供給に切り替えることを盛り込んでいる。
 同連絡協は昨年12月に設立。署名簿の提出には奥澤重久代表(68)とメンバーの一人で元水道事業基本計画策定委員会委員の北川幸治さん(68)が出席した。メンバーらは合併前から使っている地域の水源や浄水場を最大限生かすよう、費用や問題点で市の計画案と比較し、市民への周知や市民が納得する計画の採用を求めている。
 署名集めは廃止予定の水源がある、いがまち地区や阿山地区を中心に昨年12月末から賛同を呼び掛けた。今月末まで継続するという。奥澤代表は署名簿の提出後、「一元化したゆめが丘からの水が供給できない事態が起きたときはどうするのか。今ある水源を守るのが一番」と話した。
 また同市の水道事業基本計画を巡っては、市議会2月定例会に同連絡協や、いがまち地区と阿山地区にある7つの住民自治協議会と私立愛農学園農業高校の代表者らが連名で、地域の水源や浄水場の活用と現状維持を求める請願書を提出。3月2日の産業建設常任委員会で審議される。

「脱ダム宣言」から16年、浅川ダム運用開始 休止続く角間は?

2017年1月29日
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田中康夫元長野県知事の脱ダム宣言の影響を振り返った記事を掲載します。

残念ながら、浅川ダムはダム本体が完成し、試験湛水が進められていますが、脱ダム宣言は大きな意味がありました。
県営ダムごとに治水・利水等ダム検討委員会が設置され、ダムの必要性について議論が積み重ねられました。対象になったダムは次のとおりです。
信濃川水系  浅川ダム、清川治水ダム、角間ダム、黒沢ダム
天竜川水系  下諏訪ダム、駒沢ダム、蓼科ダム、郷土沢ダム
このうち、浅川ダムと角間ダムを除くダムは中止になりました。角間ダムは現在、検証中ですが、中止になる可能性が高いと思います。
このほかに、田中知事時代には大仏(おおぼとけ)ダム(信濃川水系)が2000年に中止されていますので、脱ダム宣言により、浅川ダムを除く8ダムは中止されたか、中止の方向にあります。

「脱ダム宣言」から16年、浅川ダム運用開始 休止続く角間は?

(日本経済新聞 2017/1/28 7:00) http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12232130X20C17A1L31000/

田中康夫元知事が「脱ダム宣言」をして2月で16年。対象となった県営9ダムのうち7件が建設中止になる中、唯一建設された浅川ダム(長野市)が2月にも事実上の運用を始める。一方、県内で最後に計画が残る角間ダム(山ノ内町)について長野県は2月上旬に地元関係者に県の考えを伝える方針を固め、10年余り休止になっていた事業は事態打開へ動き出しそうだ。脱ダム宣言の影響を振り返る。
1月4~6日、水をためて安全性を確認する試験湛水中の浅川ダムの一般公開には約3200人が訪れ、県民の関心の高さをうかがわせた。建設か中止かで曲折した浅川ダムは脱ダム宣言の象徴的な事業だった。
「河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい」――田中元知事が脱ダムを宣言したのは2001年2月。その後、長野県治水・利水ダム等検討委員会での議論を経て、県は県営9ダムの計画のうち7つを中止した。
中止になった河川ではダム建設の代替として河道拡幅や河床掘削、築堤など河川改修で対応したケースが多い。砥川と上川、清川は治水安全度を100年に1度発生する洪水に安全な水準から、当面目指す目標を50年に1度に変更している。
一方、浅川ダムも放水路整備などダム以外の方法を検討したが決め手がなく、06年選挙で田中知事を破った村井仁前知事が07年に建設再開を表明した。
ただ、長野市は水を使う利水を断念し、通常は水をためない治水専用の「穴あきダム」に変更。規模も縮小され、建設費の上昇を織り込んでも総事業費は当初の400億円から380億円に減少する見通し。浅川ダムだけ建設された理由を県は「下流の河川改修がすでに進んでいてダム無しの治水は難しかった」(河川課)と説明する。
当時の検討委員会委員の間では今も意見が分かれる。松岡保正・長野工業高専名誉教授は「洪水や干ばつに苦労してきた流域住民のことを考えても一筋縄ではいかない。何か起きた時に致命傷にならないよう(ダムを含む)総合治水で対応するしかなかった」とみる。
これに対し大熊孝・新潟大学名誉教授は「地滑りの可能性が否定できない地点でのダム建設はどうか。下流の河川改修で当面は様子を見るべきだった」と主張する。脱ダム宣言については「画期的で長野県にプラスだった。全国のダム反対運動を勢いづけ一般国民がダム問題に関心を持つ契機になった」と評価する。
最後に残ったのが角間ダム計画だ。1984年の地元との覚書では公共下水道処理水を夜間瀬川に放流する代わりに角間の早期建設が盛り込まれた。脱ダム宣言後、県公共事業評価監視委員会は「一時休止」の判断を続けてきたが、県は近く、ダム以外の手法などについて水利権を持つ中野市八ケ郷土地改良区など関係者に伝える予定だ。
「脱ダム宣言はありがた迷惑の一言。建設の約束が守られていないが、いつまでも固執するわけにいかない」。八ケ郷改良区の竹内哲良理事長は語る。
県内外のダムを巡る状況を見ると建設再開のハードルは高い。同改良区は早期建設の要望は維持したまま、昨年12月の理事会から代替案の検討に入った。渇水期対策として上流の水源の十分な確保や夜間瀬川の水の有効利用策が含まれそうだ。宣言や公共事業を巡る状況に翻弄されてきた地元の声に、県は耳を傾ける必要があるだろう。

三重県桑名市の長良川河口堰(ぜき)、群馬県長野原町の八ツ場ダムなど、河川関係の大型公共工事に環境やコストから疑問が高まったのを背景に、国土交通省は1997年の河川法改正で河川管理の目的として治水、利水に「河川環境の整備と保全」を追加。河川整備計画策定では地域の意見を聴くこととした。
2001年の田中元知事の脱ダム宣言はこうした流れをさらに後押しした。国土交通省も「できるだけダムにたよらない治水」を打ち出し、10年に国直轄や自治体などが計画する全国83ダム事業の検証に着手。現時点で継続54、中止25、検証中が4事業となっている。
近年、地球温暖化に伴うゲリラ豪雨の頻発などで改めてダムに期待する声もあるが、大熊名誉教授は「ダム建設でなく、一気に破堤することがないよう堤防の強化で対応すべきだ」と指摘する。
ダムには流入土砂が堆積し維持管理も問題になってくる。脱ダム宣言は一歩立ち止まって、将来世代への負担も含めて治水、利水を様々な観点から長期的に考えるきっかけになったといえる。
「川は災害も恵みももたらす。今後は子どもたちに身近な水辺環境を見せ、自らでいろいろ気付いてもらうことが重要」と松岡名誉教授は語る。(宮内禎一)

スーパー堤防、反対住民敗訴 東京・江戸川

2017年1月26日
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 1月25日に江戸川区スーパー堤防裁判(第三次)の判決が東京地裁でありました。まことに残念ながら、住民側の敗訴でした。

その記事を掲載します。

弁護団・原告団の声明文は江戸川区スーパー堤防裁判判決に対する声明2017年1月25日江戸川区スーパー堤防裁判の経過は江戸川区スーパー堤防事業差止め裁判の事前レクチャ資料、をお読みください。

 

スーパー堤防訴訟

住民敗訴 地裁、賠償認めず /東京

毎日新聞

 川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する江戸川区の住民ら4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当と主張したが、岸日出夫裁判長は「現場では川の水があふれる恐れを否定できず、事業には必要性、公益性がある。住民の受忍限度を超えたとも言えない」と退けた。

 住民側は盛り土工事の差し止めも求めたが、判決は「工事は昨年3月に完了し、訴えの利益が失われた」と却下した。

 判決によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画。

民主党政権時代の2010年に事業仕分けで「廃止」と判定されたが、自民党が政権復帰した後の13年5月、江戸川沿いの120メートルの区間について事業を再開した。

スーパー堤防、反対住民敗訴 東京・江戸川

(東京新聞2017年1月25日 11時38分)http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017012501001052.html

 河川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する東京都江戸川区の住民4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当として賠償を請求。工事の差し止めも求めていたが、盛り土工事は昨年3月、既に完了しており、この部分の訴えは却下された。

 訴状によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画した。

(共同)
スーパー堤防事業の訴訟で、東京地裁に向かう原告ら=25日午前、東京・霞が関(写真)
スーパー堤防事業の訴訟で、東京地裁に向かう原告ら=25日午前、東京・霞が関

写真を見る

スーパー堤防事業、賠償認めず=転居住民が請求―東京地裁

時事通信 1/25(水) 11:13配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000054-jij-soci

 

 国が整備を進める「スーパー堤防」事業で転居や仮住まいを強いられたとして、東京都江戸川区の住民4人が、国と区に1人100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、訴えを退けた。
問題となった事業では、国が江戸川右岸の一部1.8ヘクタールを盛り土でかさ上げ。その後、区が区画整理を行い、立ち退いた住民を元に戻す計画になっている。
岸裁判長は「通常の区画整理でも生じる影響で、限度を超える権利侵害とは言えない」と指摘。盛り土は一定の安全性が確保されており、事業には必要性があると述べた。
住民側は「一部でしか整備が進んでいないスーパー堤防で洪水は防げない。盛り土の崩落など不安を抱え続ける生活を余儀なくされる」と主張。事業の差し止めも求めたが、却下された。
スーパー堤防は、旧民主党政権時代の事業仕分けでいったん「廃止」判定を受けたが、規模を縮小して整備が続けられることになった。

 

都政新報 2017年1月27日

20170127都政新報スーパー堤防

 

長崎県・石木ダム計画見直し、著名人が力添え ラジオ番組やライブ

2017年1月13日
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石木ダムの見直しを求める活動の様子を伝える佐賀新聞(共同通信)の記事を掲載します。

長崎県・石木ダム計画見直し、著名人が力添え

ラジオ番組やライブ

(佐賀新聞2017年01月12日 16時55分) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/394632

石木ダム建設予定地
石木ダム建設予定地
野外ライブが開催された石木ダムの水没予定地
=2016年10月、長崎県川棚町
(写真)野外ライブが開催された石木ダムの水没予定地 =2016年10月、長崎県川棚町

 長崎県の石木ダム計画(川棚町)の見直しを求める活動に、クリエーターのいとうせいこうさんや音楽家の小林武史さんといった著名人が加わっている。

環境問題に取り組むアウトドア用品メーカーの「パタゴニア」も新聞に意見広告を出すなどして議論を呼び掛け、水没予定地に残って反対を続ける住民へ力添えの輪が広がっている。

 石木ダムは石木川が流れ込む川棚川の洪水防止と、川棚町に隣接する佐世保市の安定した水源の確保を主な目的として、2013年に国が事業認定した。

 だが、予定地の13世帯約60人は「河川改修で治水対策はできる上、人口減少で水需要も減り、ダムは必要ない」として移転を拒否。美しい棚田やホタルが舞う清流など「日本の原風景」と呼べるような山あいの集落の抵抗は、少しずつ共感を集めてきた。

 いとうさんは、15年に反対運動のことを聞いて現地を訪れて以降、ラジオ番組などで発信している。「エネルギーや環境の問題など、石木ダムには日本各地が抱える課題が象徴的に含まれている。ダムに多額の税金をかけるのは非合理だと思う」と話す。

 小林さんは昨年10月、水没予定地で「失われるかもしれない美しい場所で」と題した野外ライブを催した。

趣旨に賛同した歌手SalyuさんやTOSHI-LOWさんらがステージに立ち、約700人の観客が県内外から足を運んだ。小林さんは「同じ日本人としてつながっている。人ごととは思えなかった」と協力した理由を語る。

 パタゴニアは、ダムや水問題を取り上げたシンポジウムを長崎や東京で定期的に開いている。辻井隆行日本支社長は「ダムの建設費や維持費、環境への影響についてオープンな場でもっと議論すべきだ」と指摘する。【共同】

■石木ダム 長崎県と佐世保市が川棚川支流の石木川に計画する多目的ダム。1972年に県が調査を始めたが、水没予定地域の反対で停滞。規模を縮小し、2013年に国が事業認定した。

これまでに約8割の用地取得が済んだが、13世帯は応じず、県は14年から強制収用の手続きに入った。住民側は15年、事業認定の取り消しを求めて長崎地裁に提訴。県側は工事現場での住民の抗議行動を禁じようと、地裁佐世保支部に仮処分を申し立てている。【共同】

写真家が県に抗議 石木ダム仮処分で写真無断使用

2016年12月27日
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12月27日 長崎県は石木ダム建設計画で、地権者らによる工事妨害行為の禁止を求めて仮処分を申し立てた際、写真家・村山嘉昭さんの写真集の写真を無断使用しました。
長崎県の形振り構わぬやり方に心底からの怒りを覚えます。

石木ダムの写真使用で抗議

長崎県が、川棚町に計画している石木ダムの建設をめぐって、地権者らが妨害しないよう求める仮処分を裁判所に申し立てた際、工事に反対する住民を写した写真集の写真を、無断で、裁判所に提出したとして、撮影した写真家が県に抗議文を提出しました。
石木ダムをめぐっては、建設に反対する地権者などが工事現場で座り込みを続けていて長崎県はことし10月、地権者らが工事を妨害しないよう求める仮処分を長崎地方裁判所佐世保支部に申し立てています。
これについて、石木ダムや住民を撮影している写真家の男性が、写真集の写真を、県が、無断で、裁判所に提出したとして県に抗議文を提出しました。
男性や県によりますと、提出した写真は、現場で抗議活動をする住民が写った4枚だということで男性は、「ダム建設に反対する住民の思いを伝えようと撮影したのに、逆の意図に使われ不利益になりかねない。裁判での使用は住民も自分も想定しておらず、今後の撮影活動にも大きな影響が出る」と批判しています。
一方、長崎県は、NHKの取材に対し、抗議活動をする住民を特定するための証拠として裁判所に提出したと説明していて「写真集は公に出版されており、法的に問題はない」と話しています。

 

 

 

 

 

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