水源連:Japan River Keeper Alliance

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事務局からのお知らせ

札幌市への豊平川水道水源水質保全事業に関する公開質問書(当別ダムとの関連で)

2016年2月29日
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北海道の当別ダムは市民の反対を押し切って2012年に完成しましたが、必要性のないダムであることには変わりはありません。
同ダムの建設に反対した「当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会」と「北海道自然保護協会」は当別ダムからの札幌市の撤退を視野に入れて活動を続けています。
去る2月25日には両市民団体は札幌市に対して「豊平川水道水源水質保全事業の再評価に関する公開質問書」を提出し、同時に厚生労働省に対して同事業への補助金交付中止を求める要望書を送付しました。
公開質問書は札幌市への公開質問書「豊平川水道水源水質保全事業の再評価に関して 」 、
厚労省への要望書は厚労省への要望書「豊平川水道水源水質保全事業の再評価に関して 」 をご覧ください。豊平川水道水源水質保全事業とは、札幌市水道水のヒ素濃度を下げることを理由にして、札幌市水道の主要水源である豊平川の上流から浄水場の下流までバイパス管を設置する事業です。

ヒ素を含む温泉水が混入する豊平川上流の水が、浄水場の原水にできるだけ入らないようにするという事業で、市民に安全な水を供給することをお題目にしていますが、しかし、この事業には裏の顔があります。
この事業は札幌市が当別ダム事業に参画するために、保有水源を減らす方策として考えられたものなのです。

札幌市水道の水需給図に示すように、札幌市は水需要の過大予測を行うとともに、この事業によって豊平川の流量が減って保有水源が8.6万㎥/日少なくなるとして、将来は当別ダムの水源が必要になるという水需給図をつくりました(過大予測は2012年の当別ダム完成後に下方修正しました。)

そして、この事業は187億円という巨額の公費を使い、市民に対して重い経済負担を強いる事業でもあります。
なお、札幌市水道水のヒ素濃度は現状のままで水道水質基準を超えることはなく、十分に安全な水です。市の水質目標値(基準の1/2)を超えることがまれにあるだけで、半世紀以上も支障なく供給されてきた安全な水道水です。
このように、札幌市は当別ダムに参画するため、市民に安全な水を供給することを名目にして、本来は必要性がない巨額公費の事業を無理矢理作り出しました。
この事業は計画後10年経過したことから、今回、事業継続が妥当か否かの再評価が行われました。札幌市による再評価の結果は費用便益比が2.95で、1を大きく超えているから、継続が妥当というものでした。
しかし、この再評価の内容を検討すると、それは虚構の計算であり、手順に沿って計算すれば、費用便益比が1を大きく下回って中止すべき事業であること、そして、札幌市水道水のヒ素濃度は最近は市の水質目標値を超えることはなくなってきており、この事業の目的が失われてきていることも明らかになりました。

そこで、これらの問題を問いただすため、「当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会」の安藤 加代子さん、山田明美さん、「北海道自然保護協会」の在田一則さん、佐々木克之さんたちが札幌市水道局に公開質問書を提出しました。3月10日までに市から回答がある予定です。

下記の記事はこの公開質問書の提出を伝える記事です。

豊平川ヒ素対策「不要」自然保護団体 市に中止要望

(北海道新聞 2016年2月27日)
北海道自然保護協会と市民団体「当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会」は26曰、札幌市役所で記者会見し、豊平川を水源とする水道水のヒ素濃度を下げる事業を中止するよう市に求めたことを明らかにした。
「近年は濃度が市の目標値を上回ることはほとんどなく、不要だ」と主張した。
 この事業は、ヒ素を含む豊平川の湧き水が浄水場に流れ込むのを防ぐため、バイパス水道管を整備するもの。工期は2005~20年度で、総事業費187億円。
 両団体は「05年度以降、浄水場で処理を終えた水のヒ素濃度は市の管理目標値である1㍑当たりO・O05ミリグラムをほとんど超えていない」と指摘、25日付で秋元克広市長宛てに事業の中止を求める要望書を提出した。
 一方、市水道局事業推進担当課は取材に対し「処理前の原水のヒ素濃度は基準を超える状況が続いており、事業は妥当だ」と話している。  (水野富仁)

 

「城原川ダム事業の検証に係る検討報告書(素案)」に対する意見

2016年2月23日
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佐賀県の直轄ダム「城原川ダム」の検証報告素案への意見募集が2月23日まで行われています。
九州地方整備局のHP http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kisyahappyou/h28/160125/index1.pdf 。
意見募集や公聴会は通過儀礼として行われ、虚しいところがありますが、意見をきちんと出しておくことは必要ですので、意見を提出しました。
要点はつぎのとおりです。詳しくは城原川ダム検証素案への異見(嶋津暉之) をご覧ください。
〇 城原川の治水対策として、城原川ダムではなく、子孫に禍根を残すことがない「耐越水堤防への堤防強化+野越」を選択すべきです。
〇 2015年9月の鬼怒川の堤防決壊による大水害を踏まえれば、城原川においても耐越水堤防への堤防強化を実施すべきであり、且つ、城原川の伝統的な治水対策「野越」を活用すべきです。
〇「耐越水堤防への堤防強化+野越」の治水対策は、
① 城原川ダム以上の治水効果を得ることが可能です。
② 事業費が城原川ダムよりはるかに安上がりです。
③ 大洪水が来て越水が生じても破堤を防げるので、壊滅的な被害を回避することができます。
〇 一方、城原川ダムは、副ダムが生物の行き来を妨げる障害物になり、また、洪水後、川の濁りが長期化することが避けられず、水生生物に対して少なからず影響が与えることが危惧されますが、「耐越水堤防への堤防強化+野越」にはそのような自然へのダメージがありません。
〇 流水型ダムは日本では10年程度の実績しかなく、大洪水が来た時に、洪水吐きの小さな穴が閉塞することがないのか、鋼鉄製スクリーンが流木等で覆われて洪水の通過を遮ってしまうことはないのか、全くの未知数です。
〇 城原川ダムが閉塞すれば、城原川ダム下流の河道はダムの洪水調節を前提として計画されているから、大氾濫の危険にさらされることになります。

思川開発問題の市民集会「思川開発事業(南摩ダム)と県南市町 ~マズくて高い水はごめんだ~」

2016年2月7日
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思川開発問題の市民集会「思川開発事業(南摩ダム)と県南市町 ~マズくて高い水はごめんだ~」が 2月6日(土) に栃木市栃木文化会館で開かれました。
昨年11月9日と12月25日に「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」が開かれ、検証作業が3年半ストップしていた思川開発も事業推進の動きが出てきました。
思川開発(南摩ダム)は総貯水容量5100万㎥で、目的は、洪水調節、栃木県等の水道用水の開発、渇水時の補給です。このうち、洪水調節は思川・乙女地点の洪水目標流量3760㎥/秒を3700㎥/秒へ、わずか60㎥/秒下げるだけのものですから、微々たるものです。
利水目的もその必要性は失われています。

2月6日の集会には約130名の方が参加され、茨城や群馬等の遠方からも参加もありました。

国会議員、栃木県議、埼玉県議の参加もありました。
無意味な思川開発をストップさせるための方策についても活発な議論が行われ、充実した集会であったと思います。


その集会の講演、報告で使われたスライドの一部を掲載します。集会の予告記事も掲載します。

講演  思川開発は必要か その虚構を解明する(嶋津暉之)

報告  南摩ダム予定地の鹿沼市の現状(高橋比呂志)

2月6日(土) 午後1時30分~4時30分    ◆会場:栃木市栃木文化会館 小ホール

〇基調講演「思川開発は本当に必要なのか、その虚構を解明する」 (講師:嶋津暉之氏・水問題研究家)

〇報告

 「南摩ダム予定地の環境」(高松健比古・栃木県自然保護団体連絡協議会代表)

 「思川開発事業をめぐる裁判の経過」(大木一俊・弁護士)

「思川開発事業が県南市町の水道に与える影響」(早乙女正次・元栃木県職員)

「南摩ダム予定地の鹿沼市の現状」(高橋比呂志・思川開発事業を考える流域の会事務局長)

「栃木市議会での思川開発事業に関する発言」(内海成和・元栃木市議会議員)

 

◆2016年1月29日 毎日新聞栃木版 http://mainichi.jp/articles/20160129/ddl/k09/010/324000c ー南摩ダム「必要なのか」 開発事業巡り集会 栃木で来月ー

 鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)を巡る市民集会「思川開発事業(南摩ダム)と県南市町〜マズくて高い水はごめんだ〜」が2月6日、栃木市栃木文化会館(栃木市旭町)で開かれる。

 ムダなダムをストップさせる栃木の会▽思川開発事業を考える流域の会▽市民オンブズパーソン栃木の3団体が主催。「八ッ場ダム 過去、現在、そして未来」などの著書がある水問題研究家、嶋津暉之氏が「思川開発は本当に必要なのか、その虚構を解明する」と題して基調講演した後、関係者が状況を報告する。

 同事業は治水と流域の利水が目的。総事業費1850億円をかけて南摩川(鹿沼市)にダムを建設し、黒川、大芦川と導水路で結ぶもので、県内では栃木市、下野市、壬生町、野木町の水源となる。当初の計画では2015年度の完成を見込んだが、09年に民主党政権下で一時凍結。建設の必要性を再検証する「検討の場」の幹事会は12年以来止まっていたものの、昨年11、12月と立て続けに開かれている。

 メンバーの大木一俊弁護士は「栃木市など2市2町の水道水源はほぼ100%地下水でまかなわれているのに、事業によって県が売る水を買わされることになる。市民に広く訴えたい」と語った。

 午後1時半から。事前申し込み不要で、入場無料。問い合わせは大木一俊法律事務所(電話028・636・0596)。【田内隆弘】


南摩ダム建設事業の意義問う きょう栃木市で市民集会

 南摩(なんま)ダム(鹿沼市)の建設を柱とした思川(おもいがわ)開発事業の必要性を考える市民集会が六日午後一時半から、栃木市旭町の市栃木文化会館で開かれる。入場無料で、申し込み不要。

 住民などでつくる「ムダなダムをストップさせる栃木の会」など三団体の主催。栃木市など県南西部の自治体に水を供給する事業目的を検証して、ダム建設の意義をあらためて問う。

 水問題研究家の嶋津暉之(てるゆき)さんが「思川開発は本当に必要なのか、その虚構を解明する」と題して講演。県の負担金支出差し止めなどを求めた住民訴訟(最高裁で棄却決定)の経過を含め、五人の関係者が報告する。

 実行委員会の代表を務める県弁護士会の大木一俊弁護士は「控訴審判決では『事業撤退も選択肢』と指摘していた。地元でも多くの人に知られていない問題なので、広く参加を呼び掛けたい」と話している。

鬼怒川河川整備計画(原案)への意見

2016年1月16日
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「利根川水系鬼怒川河川整備計画(原案)」に対する意見募集が下記のとおり、行われています。

凄まじい被害をもたらした昨年9月の鬼怒川氾濫の根本的な原因は国交省の河川行政の誤り、不手際にあります。

 悲惨な災害が繰り返されないよう、国交省はその事実を認め、その反省の上に立って今後の河川行政を展開することを鬼怒川河川整備計画に明記すべきです。

 また、計画されている改修後の堤防は越水による破堤を防ぐ構造になっていないので、計画を超える洪水が来れば、昨年9月洪水のような決壊を起きる危険性があります。

 そして、鬼怒川のみに5年間で600億円の河川予算を使うことになっていますが、低コストの耐越水堤防工法を導入して、他の河川の安全度も高めるべきです。

これらの問題点を指摘する意見を提出しました。下記のとおりです。

 意見書の本文 鬼怒川河川整備計画原案への意見

 別紙1(水害の責任)原案への意見の別紙1(水害の責任)

 別紙2(計画の問題点)原案への意見の別紙2(計画の問題点)


関東地方整備局のHP

「利根川水系鬼怒川河川整備計画(原案)」に対する意見募集 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000637826.pdf

 意見募集期間 平成27年12月21日(月)~平成28年1月19日(火) 18:00必着

 提出先

 ○郵送の場合   〒330-9724 埼玉県さいたま市中央区新都心2-1 国土交通省関東地方整備局 河川部河川計画課  「利根川水系鬼怒河川整備計画(原案)」意見募集 事務局 宛

○ファクシミリの場合   048-600-1378

○電子メールの場合   ktr-kinu-plan@ktr.mlit.go.jp   件名に「利根川水系鬼怒川河川整備計画(原案)」意見募集 事務局宛と明記

 利根川水系鬼怒川河川整備計画(原案)http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000637955.pdf

利根川水系鬼怒川河川整備計画(原案)の概要  http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000637822.pdf

直轄ダム・水資源機構ダムの予算額の推移

2015年12月27日
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12月24日、平成28年度予算案の発表があり、
直轄ダム・水資源機構ダムの2016年度の予算案が国交省のHPに掲載されました。http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28/h28damyosan.pdfをご覧ください。補助ダムの予算は箇所付けがきまってから公表されますので、来年3月末頃になると思われます。
2009~2016年度の直轄ダム・水資源機構ダムの予算の推移を整理しました。
直轄ダム・水資源機構ダムの予算の推移(2009~2016年度)

なお、ダム事業の予算は2013年度までは特別会計の治水勘定で組まれてきましたが、2014年度から治水勘定がなくなり、一般会計にダム予算を計上するようになりました。

それに伴って、その年度の全体事業費を「共同費」から「事業費」と表わすようにになりました。この事業費には国庫負担のほかに、ダム使用権設定予定者(利水予定者等)の負担金も含まれます。また、直轄ダムの「国費」は特別会計時代は国庫負担金だけであったのですが、一般会計になってからは、「事業費」と同じ額が示されるようになりました。
一方、水資源機構ダムの「国費」は従前通り、国庫負担金のみの金額が示されています。

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