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石木ダムに1000人「NO」 川棚町で集い 加藤登紀子さんら訴え [長崎県]

2018年5月8日
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5月6日、長崎県川棚町で、石木ダムの問題を考える「ほたるの里から長崎をかえよう!! 千人の集い」が開かれました。
この集いの内容を伝える新聞とニュースを掲載します。

長崎)加藤登紀子さんら「千人の集い」に 石木ダム問題
(朝日新聞長崎版2018年5月8日

 

石木ダムに1000人「NO」 川棚町で集い 加藤登紀子さんら訴え [長崎県]
(西日本新聞朝刊2018年05月08日 06時00分) https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/414335/

(写真)石木ダム建設予定地の住民たちと一緒に歌う加藤登紀子さん(中央)写真を見る
県と佐世保市が川棚町に建設を計画する石木ダム事業について考える集会「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が6日、同町中組郷の町公会堂であった。歌手の加藤登紀子さんや前滋賀県知事の嘉田由紀子さんも参加し、ダムのあり方についての討論会やコンサートなどを開催。訪れた約千人がダム建設に「NO!」と訴えるプラカードを掲げる場面もあった。
集会は、市民団体でつくる実行委員会が建設予定地に住む地権者13世帯の暮らしやダム建設について考えようと企画した。
討論会では今本博健京都大名誉教授(河川工学)が市の水需要予測などの問題点を指摘し「環境や地域社会を破壊する行為。県や市には改めて考えてほしい」と主張。嘉田さんは県知事時代にダム事業を見直した経緯を紹介しながら「ダム建設をやめることで誰がどう困るのか。住民がしっかり考え、声を上げることが大切だ」と訴えた。
5日に建設予定地を訪れた加藤さんはコンサートの中で「口にするまでもない素晴らしい自然がある。計画から50年以上たって、建設をすることに不条理を感じる」。建設予定地に暮らすイラストレーターのいしまるほずみさんは「(計画が)白紙になるまで諦めずに闘う。訪れた人たちも一緒になって盛り上げてほしい」と呼び掛けた。
=2018/05/08付=

石木ダム反対派シンポジウムに加藤登紀子さん
(テレビ長崎2018年5月7日 18:26 )http://www.ktn.co.jp/news/20180507184843/

県や佐世保市が東彼・川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、反対する地権者らは、6日、歌手の加藤登紀子さんらを招いてシンポジウムを開きました。
加藤登紀子さん「川原の場所に立っていると、ここには何千年の歴史があったと感じることができます。遠い先祖が残してくれた場所を、どうやって(後世に)伝えていくのか」
石木ダムの反対地権者らが開いたダムの必要性について考えるシンポジウムには、県内外からおよそ千人が集まり、歌手の加藤登紀子さんも参加しました。加藤さんは、国が群馬県に計画している八ッ場ダムに反対していて、シンポジウムに先立ち、石木ダムの建設予定地の川原地区などを視察しています。
加藤登紀子さん「本当にここは美しい。13世帯残った家族がすばらしく、生きている姿に感動しました」
シンポジウムで、加藤さんは「50年間必要でなかった石木ダムをこれから作るのは非現実的だ」と訴え、あわせて開かれたミニコンサートでは「いま出来ることを自信を持ってがんばってほしい」と、歌を通じて、反対地権者らにエールを送りました。


加藤登紀子さんら討論 反対地権者 川棚でシンポ
(長崎新聞2018/5/8 10:46) https://this.kiji.is/366401264868901985

県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について考えるシンポジウム「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が6日、町公会堂であり、歌手の加藤登紀子さんや前滋賀県知事の嘉田由紀子さんらが、ダムの必要性や公共事業のあり方について意見を交わした。
反対地権者らでつくる実行委が、ダム問題について考えてもらおうと企画した。パネル討論には加藤さん、嘉田さんの他、京都大名誉教授で河川工学が専門の今本博健さん、八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設に反対する「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子さんが登壇した。
嘉田さんは、知事時代に滋賀県内で計画されていた六つのダム建設を凍結した経緯を説明した。川と共存してきた地域の伝統的な水害対策を生かし、河川整備や避難計画などを条例化。ダムに頼らない治水計画を推進したとし「ダム計画を中止して困るのは県民ではなく、特定の利権を持つごく一部の人々ではないか」と投げ掛けた。
渡辺さんは、民主党政権下で一時凍結されたが、現在は本体工事が進む八ツ場ダムの現状を紹介。「ダム水没地域の住民は分断、孤立し、声を上げられないまま立ち退いた」とし「(石木ダムで)負の歴史をくり返さないで」と訴えた。
加藤さんのミニコンサートもあり、代表曲「百万本のバラ」などを熱唱。締めくくりに反対地権者らと共に、故郷への思いを込めた歌「川原のうた」を歌った。実行委員長で反対地権者の炭谷猛さん(67)は「大勢の人が集まった。ダムの必要性について疑問を持つ人が増えていることの表れだ」と手応えを語った。
(写真)シンポの参加者や地権者らと「川原のうた」を歌う加藤さん(手前)=川棚町公会堂

 

石木ダム 1050人「No!」 川棚で考える集い /長崎

(毎日新聞長崎版 2018年5月8日)https://mainichi.jp/articles/20180508/ddl/k42/040/289000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムを考える「ほたるの里から長崎をかえよう!千人の集い」が6日、同町公会堂であった。県内外から参加した約1050人を前に、歌手の加藤登紀子さんらがダム計画を批判し建設中止へ向けて気勢を上げた。
トークセッションでは、水没予定の川原(こうばる)地区に暮らす13世帯の日常生活を撮影したドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」の山田英治監督が「魅力的な川原の人たちの暮らしを疑似体験してもらおうと思った」と製作の背景を紹介。映画監督の鎌仲ひとみさんは「多くの国を取材して、困ったことは弱い立場の人に押しつけることは通底している」と指摘した。
シンポジウムは4人が登壇。京都大名誉教授の今本博健さんは、給水量の過大予測や水害実態がないことなどを挙げ利水、治水両面でダム建設に疑念を呈した。加藤さんは「50年間必要とされなかったダムを今からつくろうという不条理さに震える思い」と心情を語った。最後は参加者全員でダム建設に「No!」のカードを一斉に掲げて締めくくった。【綿貫洋】

 

長崎)歌手の加藤登紀子さんら、石木ダム現場を見学

(朝日新聞長崎版2018年5月6日03時00分)

 

相変わらず人権無視 石木ダム工事差止訴訟第5回公判

2018年4月25日
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4月23日、石木ダム工事差止訴訟第5回公判報告

2018年4月23日14時、佐世保市内の長崎地方裁判所佐世保支部で石木ダム工事差止訴訟第5回公判が開かれました。
いつものように傍聴規模者が多く、抽選。裁判所門前での事前集会、14時から開廷、終了後に報告会、と進みました。

開廷直後に裁判長が、「この程度でよく聞こえていますか?」と満席の傍聴者に何度も確認を求めました。なかなか気づかいのある訴訟指揮でした。
提出書面の確認を終えてから、事業認定取消訴訟での証人尋問結果も盛込んで、原告側主張意見の要旨を八木大和弁護士が利水面で石木ダムは不要であること、緒方剛弁護士が治水面で不要であることを説明しました。
次いで、これからの進行について話し合われ、原告側と被告長崎県は基本的な主張は出し終えたとしましたが、被告佐世保市は原告側の主張に対して「いささかの反論あり」として次回書面を提出するとしました。

次回は6月27日11時から、と決まりました。
被告佐世保市には原告側への反論を提出すること、原告側にはこれからの進行についてアウトラインを提示することを裁判所が宿題としました。
原告側は立証のための証人申請について基本的な考え方を提示することになります。

4月23日の第5回公判では、長崎県と佐世保市が第4回公判で提出した「権利侵害はない」を趣旨とした「権利」に関する準備書面に対する反論を、原告側が提出しました。
とりわけ、佐世保市は「事業認定で公益性は認められている。土地収用法に基づいた補償がなされるのであるから、権利侵害はない」と主張しています。
水需要予測と保有水源評価が破綻していることを認めることなく、「権利侵害はない」と居直っている佐世保市は許せません。

以上、八木大和弁護士・緒方剛弁護士の高騰説明、裁判所に提出された双方の主張書面等、
第5回 2018年4月23日 14時  401号法廷
をクリックして、ご覧ください。

利水、治水で石木ダム不要 工事差し止め訴訟で原告

2018年4月25日
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石木ダム阻止の闘いは続きます。
裁判闘争は二つあって、一つは土地・家屋を強制収用する公益性があるというお墨付きを与えた事業認定の取り消しを求めた裁判で、地権者と共有地の地権者110名が原告です。去る3月20日に結審しました。
もう一つは、地権者らの平穏な生活や権利が侵害されているとして、地権者や支援者ら608名が工事の差し止めを求めた裁判です。この裁判の第5回口頭弁論が4月23日に開かれました。
4月23日の裁判について長崎新聞と毎日新聞の記事を掲載します。

利水、治水で石木ダム不要 工事差し止め訴訟で原告
(長崎新聞2018/4/24 09:34 )https://this.kiji.is/361309647174485089

東彼川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対地権者ら608人が工事差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が23日、長崎地裁佐世保支部(渡邊英夫裁判長)であった。
原告側は利水、治水両面でダムは不要とする書面を提出した。

石木ダムを巡っては、反対地権者が国に事業認定取り消しを求めた行政訴訟が3月に長崎地裁で結審し、7月に判決が言い渡される予定。
原告側代理人は、この訴訟で提出した準備書面や証人尋問の内容を踏まえ、治水、利水の両面でダムは不要と主張した。
次回期日は6月27日。佐世保市がダム不要の意見に反論する書面を提出する予定。

石木ダム訴訟 佐世保市が反論姿勢示す /長崎
(毎日新聞長崎版2018年4月24日)https://mainichi.jp/articles/20180424/ddl/k42/040/295000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、水没予定地の地権者や支援者が県と市に対して工事差し止めを求めた訴訟の第5回口頭弁論が23日、長崎地裁佐世保支部(渡辺英夫裁判長)であった。
地権者側は改めて利水、治水両面でダムは不要と主張した。
地権者側は佐世保市の水需要予測に根拠がなく、ダムの計画規模の基礎としたデータの使用が恣意(しい)的などと指摘。
これに対して県は反論しないとしたが、佐世保市は反論する姿勢を示した。次回は6月27日。【綿貫洋】

石木ダム問題考えよう 反対地権者 川棚でシンポ 来月6日 加藤登紀子さんら招き(告知記事)

2018年4月25日
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5月6日(日)に長崎県川棚町で、石木ダムの問題を考える「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が開かれます。

https://suigenren.jp/news/2018/04/13/10433/

この集いを告知する記事を掲載します。

石木ダム問題考えよう 反対地権者 川棚でシンポ 来月6日 加藤登紀子さんら招き
(長崎新聞2018/4/12)https://this.kiji.is/356974460648277089

県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業の反対地権者らは10日、佐世保市役所で会見し、
石木ダム問題を考えるシンポジウム「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」を、5月6日午後2時から川棚町公会堂で開くと発表した。
国の八ツ場ダム(群馬県長野原町)建設に反対する歌手の加藤登紀子さんや、ダムに頼らない治水計画を推進した前滋賀県知事の嘉田由紀子さん、京都大名誉教授で河川工学が専門の今本博健さんらを招待。
パネル討論などを通じ、石木ダムの必要性や大型公共事業の在り方を考える。加藤さんのミニコンサートもある。
反対地権者で、実行委員長を務める炭谷猛さん(67)は「(ダム建設)賛成の人も含め、多くの人に現場の状況を知ってもらう機会にしたい」と話した。
入場料千円。問い合わせは実行委(電090・4519・2528)。

 

石木ダム 必要性を考える 来月6日、川棚町で「千人の集い」
加藤登紀子さんや嘉田前滋賀県知事参加
(西日本新聞2018年4月10日)

川棚町で県と佐世保市が建設を計画する石木ダムについて考える集会「ほたるの里から長崎を変えよう!千人の集い」が5月6日、同町中組郷の公会堂で開かれる。
シンポジウムには、前滋賀県知事の嘉田由紀子さんや歌手の加藤登紀子さんなどが参加。
ダム建設工事が進む中、水没予定地に住む地権者13世帯54人が反対運動を行っている現状を広く知ってもらうのが狙いで、ダムの必要性などについてもそれぞれが持論を述べる。
六つの市民団体が組織する同実行委員会が10日、発表した。
集会では、ともに社会派映画監督の鎌仲ひとみさんと山田英治さんが対談した後、八ッ場ダム(群馬)の建設反対を考える加藤さんをコーディネーターに3人のパネリストを迎え、シンポジウムを実施。
環境学者で滋賀県知事時代にダムに頼らない治水計画を推進した嘉田さんや、今本博健京大名誉教授(河川工学)らが意見を交わす。
加藤さんのミニコンサートもある。これに先立ち5日に加藤さんらが石木ダム建設現場を見学する。
石木ダム事業を巡って反対する地権者ら109人が国の事業認定取り消しを求めた訴訟は7月9日に長崎地裁で判決が言い渡される予定。
実行委員会の松本美智恵さんは「裁判の途中だが、石木ダムの現状について一般の方にも知ってもらいたい」と呼び掛けている。
入場料は千円。午後2時開始。問い合わせは炭谷さん090(4519)2528.
(山下武雄)

石木ダム 千人集会 長崎をかえよう! 川棚町で来月6日 /長崎

(毎日新聞長崎版2018年4月19日)https://mainichi.jp/articles/20180419/ddl/k42/040/299000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムについて考える「ほたるの里から長崎をかえよう!千人の集い」が5月6日午後2時、同町公会堂で開かれる。加藤登紀子さんのミニコンサートなどを予定している。
地元の現状を広く知ってもらおうと実行委が企画した。水没予定地に暮らす13世帯の日常生活を撮影したドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」(山田英治監督)が公開され、石木ダムへの新たな関心が広がっていることを追い風に、初めて1000人規模の集会を目指す。
集会は3部構成。第1部は山田監督と映像作家・鎌仲ひとみさんの対談。第2部のシンポジウムは加藤さんをコーディネーターに、前滋賀県知事の嘉田由紀子さん、群馬県の「八ツ場(やんば)ダムを考える会事務局」の渡辺洋子さんらが意見交換。第3部は加藤さんのミニコンサート。
実行委員長の炭谷猛さんは「石木ダムの現状を広く県民に知ってもらう機会になれば」と話している。入場料1000円。問い合わせ、チケットの購入は炭谷さん090・4519・2528へ。【綿貫洋】

 

 

 

 

 

3月20日、石木ダム事業認定取消訴訟が結審しました。

2018年3月27日
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1. 判決は7月9日 15時からです。

2013年12月5日に弁護団が発足してから石木ダム事業認定取消訴訟結審まで4年が経過しました。

弁護団皆さんの4年越しの大変なご苦労のおかげで、起業者・長崎県と佐世保市が石木ダムを必要としている根拠の欺瞞性を見事に解き明かすと共に、こうばる13世帯の皆さんが「ここに住み続けたいだけ!」と言われていることこそ何事にも代えることができない価値を持っていることを裁判所に示すことができました。
裁判所は石木ダム事業認定の違法性を確信できたことでしょう。

7月9日に私たちが勝訴判決を勝ち取ろうと、起業者が13世帯排除を断念せずに、控訴審すればダム事業は続きます。勝訴しても、万が一にも敗訴しても、石木ダム中止を実現させるのは私たちにかかっていることを3月20日の裁判報告会で確認しました。
現在の諸状況の中で、事業認定取消訴訟で裁判所が「事業認定を取消す」と判決を下すのはそう簡単なことではありません。世論の後押しが必要です。
裁判所へ私たちの思いを届ける、一人でも多くの声を裁判所に届ける。起業者・長崎県と佐世保市に収用・明渡裁決申請を断念させる、石木ダム事業を断念させる。この両面の働きかけについて、近日中に皆様へ具体的なお願いをさせていただくことになります。その際は、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

2.  3月20日裁判の報告

14時少し前に開廷、2分間報道写真・ビデオ撮り、原告・被告双方から裁判所に提出された書類の確認、原告本人陳述、代理人(弁護士)陳述、結審宣言、判決日言い渡し、閉廷 と進行しました。

1) 原告本人陳述

岩下和雄原告と岩本宏之原告がそれぞれの思いを裁判所に訴えました。その要約を記します。

  • 岩下和雄原告

    • 半世紀近く前の1970年ころに計画されたダム私達の生活を奪い自然を破壊し,住み慣れた故郷まで犠牲にしても石木ダムは必要なのでしょうか。
      • 利水のみでは,建設費が受益者である佐世保市民のみの負担となりますので,川棚川の治水も含め負担金を減らすために多目的ダムとして建設することになりました。治水は付け足しです。
      • 現在では一日最大80,000㎥を切っています。当初の予測である161,400m³/日から見れば,80,000m³/日以上も予測ははずれています。石木ダムの必要はなくなっています。
      • 佐世保市の棧市長が退任するとき、「石木ダム以外の独自の取水計画を進めていたが,長崎県から反対されてどうにもできなかった。あの時反対を推し進めていたら今回のような大事にはならなかっただろう。すまなかった」と言われました。
      • 2004年,一日の取水能力111,000㎥を,安定水源と不安定水源に分けました。安定水源の77,000㎥だけを取水可能な水源とごまかし,ダム完成年度の需要である117,000㎥に40,000㎥足りないとしました。その40,000㎥は石木ダムで補うと,完全な子供だましの数字合わせをしたのです。
    • 長崎県職員の頭は、私たち川原のみんなが,先祖代々の生活を営み,ダム建設によって生活,ふるさと,人生,思い出がダムの底に沈められることに思いを馳せることには使われていません。
      • 2014年7月,こうばる公民館で行われた説明会の場で,佐世保市の朝長市長が「佐世保市民の豊かな生活の為,有り余る水を確保する必要があります。だから石木ダムは必要不可欠なのです。」と私たちに犠牲を強いています。
      • 長崎県は,「地権者と話合いの場を持つ為」と事業認定申請を行いました。
      • 長崎県や佐世保市が本当に石木ダムを必要とするなら,「意見の相違」と話合いを拒否するのではなく,私達と真摯に向かい合い,私達の理解が得られるよう,とことん説明し,同意が得られるよう努力するべきです。
      • 説明ができず,私達の同意が得られなければ,ダム建設の必要性について見直しを行い,ダム建設中止という当たり前の決断をすべきです。
    • 私達はいつまでダム問題に翻弄され苦しみ続けなければならないのでしょう。老い先短い人生です。一日も早くダム問題から解放され,楽しい老後を過ごせる生活を取り戻したい。
    • 裁判所にはダムは必要ないとのご判断をお願いしたいと思います。
  • 岩本宏之原告

    • 私の集落は、戦時中、国が海軍工廠を造るため多くの農地が強制 収用されました。中には家屋を移転させられた世帯もありました。 それでも私の家族は建物には住み続けることができました。
      • 工廠跡の敷地が厚いコンクリート張りだったので、返還後、汗水垂らし何ヶ月もかけて、家族ぐるみで農地に復旧する作業をしました。
      • 今度のダム事業により再び強制収用されようとしています。一度,収用されてしまうと,二度と払い下げられることはなく,ダムの底に沈んでしまうこととなるのです。
    • 私達は、これまで住んできた土地や建物を明け渡す考えは毛頭ありません。今まで通り農地を耕作し、自分の家に住み続けるつもりであることを改めてここで宣言します。
    • 私は,昭和46年の予備調査の説明会で石木ダムの問題を知ることとなりました。
    • 説明会の中で住民から、「石木ダムは、なぜ多目的ダムにするのですか。」と質問をしたことがありました。これに対して県は「利水ダムだけでなく、治水を加えて多目的ダムにした方が国から補助金が多く貰えるからです。」と回答しました。
      • ダムを造ること自体が目的のダムであり,また,補助金をもらう為に数字を操作して色々な目的を付け加 えて事業認定申請をした事業であることは明らかなのです。
    • 石木ダムを造るには、13 世帯の家屋を強制的に取り壊し,私たち住民を追い出さなければなりません。
      • 前代未聞の大規模な行政代執行をしなければならないのです。 そして,行政代執行が実施されれば、昭和57年の強制測量時以上の悲劇が繰り返され、全国的大ニュースとなり国民の大きな非難を浴び、長崎県政の歴史に大きな禍根を残すことになるでしょう。
      • 私たちは長年, 石木ダムの翻弄された人生を繰り返してきまし た。
    • この問題は私たちの代で終わらせて,次の世代に安心してこうばるで暮らすことができる機会を与えてあげてください。
    • また, 私達の残り少ない人生をダム問題から解放された状態で 有意義に過ごすことが出来るよう、私達を自由の身にしてください。
    • それを実現するためには, 事業認定を取り消すという方法しかありません。

2) 代理人陳述

板井優弁護士(平山博久弁護士代読)、毛利倫弁護士、馬奈木弁護士が結審にあって裁判所に訴えかけました。その要約を記します。

  • 板 井 優 代理人(平山博久弁護士代読) 裁判所に取り消し判決をだして頂ければ、私達が石木ダム建設計画事業を直ちに無いものとするよう力一杯努力いたします。

    約 50 年前から川棚川の支流に過ぎない石木川にダムを造る計画があり、水没予定地の住民たちの激しい反発と闘いを招いてきました。

    • 現在に至るも 13 世帯の約 60 人の人々が水没予定地にて生業(なりわい)を営み生計を立てて来ています。これらの人々は、先祖から守り継がれ、語り伝えられてきた生活を維持しこれを子孫に伝えようとするわが国では外に例を見ないほどの敬虔な人々であります。
    • 法治国家のわが国あっては、この裁判所以外に水没予定地 に住む 13 世帯の住民たちを助けることは出来ません。裁判所におかれてはこのことを十分にご理解いただき公正な判決をなさるよう心より願うものです。
    • 治水とは簡単に言うと大雨が降っても河川が氾濫して洪水が起きないようにすることです。
      • 長崎県は河川改修をして、少なくともその結果。「従来の降雨では洪水は起きない」ということを長崎県は認めています。
      • 長崎県は、雨の降り方を「理論的」に検討してみると100 年に一度の洪水に対処できないということを持ちだし、そのためにはダムとセットでなければ治水安全度は確保できないと言います。
      • これは、二つの点で問題があります。一つは、現実に雨が降った事実を問題にせず観念的な雨の降り方を問題にしている事であり、もう一つはダムがなければ治水安全度は維持できないという考えであります。このダムと河川とのセット論は国交省の謳い文句ですらあります。
    • 利水目的最大の矛盾は、一方で人口が大幅に減るのに、他方で水需要が大幅に増えるという考えです。これは明らかに両立しません。
      • その矛盾を解消するために、様々なテクニックを用いて水需要が増えるという小理屈を作り出しているのです。そのために、佐世保市の水道代が大幅に値上がりをします。
    • この二つの目的の根底には、「始めにダムありき」という言葉が潜んでいます。
      • こうしたダムはどうなるのでしょうか。 中部地方の岐阜県揖斐郡の揖斐川水系に徳山ダムという有名なダムがあります。ダムは出来ましたが、付近の自治体が需要が少なくなったとして水を買ってくれないのです。
      • 徳山ダムでは周辺の自治体はいわゆるダムの水の「顧客」でしたが、石木ダムの利水問題では、佐世保市は顧客ではなく、「起業者」なのです。徳山ダムのような顧客の水需要を予測するのは難しいという論理は成立しません。
    • ダムは事前に想定された大雨には治水安全度が確保されます。しかし、想定外の大雨には対応できません。
    • ダムは、いつも山間部に作るのではなく、人々が暮らす里にも造られます。山間部と違い里に出来るダムは自然環境や人間の生業をより大きく破壊します。
    • 今、石木川の自然を守れという長崎県内の世論が大きく広がっています。
      • 特に、川棚町では毎月 1 回各地区で学習会をして、最近では 1000 人弱の映画会 も行われました。
      • パタゴニア日本支社は、石木ダムに反対する住民の意思を表すアンケート(対象県民 2500 人中 73%がダムの必要性に対する県の説明が「不十分」と回答)の結果を公表しています。
    • 故原田正純医師は「(水俣病解決は)水俣病を見たものの責任」ということを私たちに訴えました。石木ダム問題を知った裁判所は行政の行き過ぎを規制してください。
    • この裁判所に取り消し判決をだして頂ければ、私達が石木ダム建設計画事業を直ちに無いものとするよう力一杯努力いたします。それが、判決を出して頂いた裁判所の努力に報いる道であり、この事件に関与した者としての責任だと思うからです。

 

  • 毛 利 倫代理人      利水面,治水面,石木ダムの具体的な必要性は全く存在しません。

    • 私たちは,3年前の11月の提訴時以来,利水面,治水面, いずれにおいても石木ダムの具体的な必要性は,全く存在しないことを繰り返し主張してきました。
    • 昨年12月と今年1月の計3日にわたり実施した3人の証人尋問によって,そのことが,さらに一層明確になったと確信しております。
    • 佐世保市が主張する石木ダムの必要性とは,①平成24年度の水需要予測により,将来的に水需要が大幅に増えること,しかし,②現在の佐世保市の保有水源ではその需要をまかなうことができないという2点に尽きます。
      • 佐世保市の過去6回の水需要予測においては,毎回,需要予測の手法や数値がころころ変わり,そこに論理的一貫性や整合性は全くなく,いつの時代の水需要予測においても,その当時の石木ダムの計画規模に見合う水の供給量が必ず不足するという結果になっていること,そして, いつの時代の水需要予測も,その後の実績値と大きくかけ離れた過大な需要予測であることが共通しています。
      • 佐世保市の平成24年度予測は,生活用水,業務営業用水,工場用水の用途別 予測,また,負荷率や安全率の設定,いずれもが,何らの客観的根拠に基づかない不合理極まりない数値を採用しています。石木ダム建設の必要性を捻出するという結論ありきのでたらめなものであることがはっきりしました。
      • 以下、利水に関する各論部分はリンク資料をご覧ください。
    • 治水面は、100年に一度の頻度で生じる,僅か1時間に満たない時間帯にて,堤防高ではなく計画高水位を僅かに超える水位となることを防ぐためにのみ石木ダムが必要だとされているのです。
      • 以下、治水に関する各論部分はリンク資料をご覧ください。
    • 石木ダムの必要性とは,水はたくさんあればそのほうがいい,防災対策はあるにこしたことはない、というレベルにすぎないのです。
    • 具体的な必要性もないのに,13世帯の地権者を強制的に排除してまで,不要な石木ダムを建設するなどあり得ないことであり,また多くの長崎県民,佐世保市民も,そのような暴挙を望んではいません。
    • この違法不要なダム建設事業の事業認定を取り消すことは裁判所の責務です。
  • 馬奈木昭夫代理人 事実をありのまま見て下さい

    • 現実には 裁判所が実際に「合理的な裁量」か否かの検討を行う際に、具体的な事実について、とりわけ事業の必要性判断の根拠となる各種の具体的な予測の数字について、合理的な予測か否かの厳格な判断を行わず、この判断に際しても「現状を踏まえた、地方公共団体の長による総合的な政策判断として行われるものであり、広範な裁量に委ねられるべきものと解される」などという判断が示されるということがあります。
      • 「 行政の広範な裁量権」という言葉だけが、勝手に独り歩きし、本来科学的な判断であるべきどの予測の数字が、「合理的な予測か否か」についての判断までが、裁量という言葉のなかでどこかに消えてしまう危険性が存している、ということなのです。
      • 本件は、最初の計画時点から長期間が経過することによって、行政 が行った各種の予測の数字が、いかに現実に生じている実績値とかけ離れた現実離れした妄想とも言うべき数字に過ぎなかったことが明らかになっています。すなわち、まったく合理性を欠いた誤りの数値であり、とうてい「広範な裁量の範囲」などと言う「言葉」で許されるものではなかったということが自明です。
      • 事実をありのままに認定したうえで、文字どおり「専門的かつ政策的な」合理性に基づく、予測の数字であるかどうかの事実判断を示していただきたいと願っています。
    • さらに、現時点でも、現地で毎日生活している原告たちが、本件事業によって奪われてしまうものが一体何なのか、ということも、澄んだ目で見つめて欲しいと願っています。
      • これまで数千年にわたって現地の地面の 隅々に至るまで刻み込まれている、父祖伝来の「農耕」「文化」「行事」、 あるいは、人々の「喜怒哀楽」などなど、そのすべてが失われ、奪われてしまい二度と回復できません。
      • 今、笑顔で地面を駆け回っている子や孫たちの姿が、さらにこれからも当然のこととして何世代にもわたって引き継 がれていくことに、何の疑問も持っていなかった原告たちの当たり前の生活が、突然行政の手によって、一方的に強権的に奪い取られてしまうこと に対する強い疑問を原告たちが抱いているのは、あまりにも当然のことです。
      • 「このように人格を維持、形成し、陶冶するという利益は、従前属していた包括生活基盤において継続的かつ安定的に生活する利益であり、いわゆる包括生活基盤に関する利益として、人間の人格にかかわるものであるから、憲法 13条に根拠を有する人格的利益である」 と判断したのです( 東京地方裁判所平成 30 年 2 月 7日判決)。
    • 原告たちが二 度と回復することができない立退きを強制されるという点において、現地に居住する原告たちの「人としての尊厳」、「そこに生活する権利」が決して単なる「財産権」に過ぎない、などと評価してはならない。
    • 本件事業は、行政の「裁量権」の範囲を超えています。御庁裁 判所が今回下す判断によって、この原告たちが先祖から受け継ぎ、将来へ の子、孫たち に引継いでいくべき生活をはじめて守ることができるのだと いうことを、充分配慮していただけるよう再度切望するものです。

3) 裁判所に提出された書類

原告からは原告・代理人陳述書と最終準備書面2通(第12準備書面 利水、と、第13準備書面 治水)、被告からは最終準備書面1通が提出されました。

原告側

被告側

4)マスコミ報道

 テレビ長崎 動画

東彼・川棚町の石木ダム建設をめぐり、予定地の住民たちが、国に対して、土地の強制収用を可能にした事業認定を取り消すよう求めている裁判が、20日、結審しました。

国に石木ダムの事業認定の取り消しを求めているのは、ダム建設予定地で暮らす13世帯の住民などです。

石木ダムは、佐世保市の水不足対策と、川棚川の氾濫対策を目的に、県や佐世保市が川棚町で関連工事を進めています。

裁判で、国側は「石木ダムは、洪水調節効果と、流水の正常な機能の維持のため必要で有効」と、主張してきました。

これに対し住民らは、国の事業認定の根拠となった佐世保市の水需要予測について、具体的な裏づけをとらずに、勝手に推計した机上の計算だと訴えました。

地権者 岩下和雄さん「本当に必要ないダムを、なんで私たちが犠牲になってまで、ダムを作らなければならないのかと思っている」

馬奈木明雄弁護士「(政策)判断をする際に、前提となる資料を好き勝手に数字を選んでいいということではない。合理性ということを、まともに日本語として解釈したら、到底この事業を認めることはできないと確信しております」

判決は、7月9日に言い渡されます。

石木ダム訴訟 7月に判決へ
(NHK 2018年03月20日 17時58分) https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20180320/5030000175.html

 

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を進めている石木ダムについて、建設に反対する地権者などが国に事業認定の取り消しを求めている裁判は20日、審理がすべて終わりました。

判決は、ことし7月9日に言い渡される予定です。

石木ダムは、県と佐世保市が水道水の確保や洪水対策を目的に285億円をかけて川棚町に建設を進めているダムで、3年前、反対する地権者など100人あまりが、「ふるさとが奪われる」などと国に事業認定の取り消しを求める訴えを長崎地方裁判所に起こしました。

20日の裁判で、地権者側と国側の双方が最終的な意見をまとめた書面を提出しました。
この中で、地権者側は「ダムの必要性の根拠とされる水需要の予測は、結論ありきのもので、治水対策も形式的に数字合わせを行っただけだ」と指摘したうえで、「地権者を強制的に排除してまで不要なダムを建設するなどあり得ないことだ」として、改めて事業認定の取り消しを訴えました。

一方、国側は「水需要の予測は、佐世保市の特性などを考慮して適正な手法で合理的に行われ、治水計画も流域の地形や災害の特性から適正に行われている。石木ダムは、必要かつ有効なものであって、得られる公共の利益は極めて大きい」と主張しました。

裁判は20日ですべての審理が終わり、判決は、ことし7月9日に言い渡される予定です。

石木ダム事業取り消し訴訟 結審、7月9日判決 長崎地裁
(長崎新聞 2018/3/21 10:06 ) https://this.kiji.is/348996519187989601

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業の反対地権者109人が国に事業認定取り消しを求めた行政訴訟の口頭弁論が20日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であり、原告側は「(予定地に残る)13世帯を強制的に排除してまで不要なダムを建設することはありえない」とあらためて主張し、結審した。判決は7月9日。

 原告側の住民と代理人弁護士の計5人が意見陳述した。岩下和雄さん(70)は「県や市がダムを必要とするなら、話し合いを拒否するのではなく、私たちと真摯(しんし)に向き合い、同意が得られるよう努力すべき」と指摘。「いつまでダム問題に翻弄(ほんろう)され、苦しみ続けなければいけないのでしょうか。一日も早く問題から解放されたい」と声を詰まらせながら語った。

 岩本宏之さん(73)も「この問題を私たちの世代で終わらせ、次の世代が安心して暮らすことができる機会をください」と訴えた。

 同事業は、2013年9月に国が事業認定を告示。それに基づき15年8月、県が地権者の農地の一部を強制収用した。これを受け反対派は同年11月、事業認定の取り消しを求め提訴していた。

石木ダム訴訟 結審 7月9日判決 地権者から非難の声 長崎地裁 /長崎
(毎日新聞長崎版 2018年3月21日) https://mainichi.jp/articles/20180321/ddl/k42/040/286000c

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、反対地権者ら109人が国を相手取って事業認定の取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が20日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であり、双方が最終準備書面を提出して結審した。

判決は7月9日。

 地権者側は準備書面で「治水、利水面共にダムが必要ないことは明らかで、水没予定地に住む13世帯の人権を著しく侵害している」と改めて主張。

国側は「ダムは利水及び治水の観点からみて、必要かつ有効で、事業で得られる利益は大きく、失われる利益より優越している。事業認定は適法で、請求は棄却されるべきだ」と主張した。

 また、地権者の一人、岩下和雄さん(70)らが意見陳述し「ダム計画が持ち上がって50年あまり、人生の大半をダム問題に翻弄(ほんろう)されてきた。一日も早くダム問題から解放されたい」と訴えた。【浅野孝仁】

石木ダム訴訟 判決7月9日 地裁で結審
(朝日新聞長崎版 2018年3月21日)

石木ダム訴訟結審 7月9日判決
(読売新聞長崎版 2018年3月21日)

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対する地権者らが国に事業認定の取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が20日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であり、結審した。

判決は7月9日。

 この目は地権者ら5人が意見陳述を行い、地権者の岩下和雄さん(70)は「人生の大半をダム問題に翻弄されてきた。私たちの生活を奪い、故郷を犠牲にしてまで石木ダムは必要なのか」

と声を震わせながら訴えた。

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