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最上小国川ダム:住民訴訟 県、全面的に争う姿勢??初弁論 (毎日新聞山形版 2012年11月28日)

2012年11月28日
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最上小国川ダム:住民訴訟 県、全面的に争う姿勢??初弁論 (毎日新聞山形版 2012年11月28日)
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20121128ddlk06040115000c.html
県が最上町に建設を計画している穴あきダム「最上小国川ダム」は違法だとして、市民団体「最上小国川の清流を守る会」が県に対してダム建設にかかわる公金の支出差し止めなどを求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が
27日、山形地裁(石垣陽介裁判長)であった。県は、十分な調査を踏まえ穴あきダム建設が治水対策に効果的と判断したと主張。原告の請求棄却を求める答弁書を提出し、全面的に争う姿勢を示した。
原告代表は、意見陳述で穴あきダムの問題点を指摘。「川の生態系を悪化させる」などと主張。「裁判官にはぜひ現地を視察して判断を下してもらいたい」と訴えた。
県側は、十分な調査や住民との対話を繰り返してきたと主張。来年1月25日までにこれまでの事実経過を整理して反論するとした。
訴状によると、穴あきダムに関しては、県が最上小国川流域の同町赤倉地区の洪水防止を目的に91年から予備調査を開始。
原告側は同地区の洪水被害は水はけが悪化して建物や土地が水につかる内水被害が主で、河道改修により適切に洪水を防げると指摘。
ダム建設は自然環境に悪影響を及ぼすなどとして河川法に違反するとし、違法なダム建設のための公金支出は地方自治法と地方財政法に違反すると主張している。
同会は、公金を支出しないことを求めて県監査委員に住民監査請求を行ったが、今年8月27日に請求を棄却された。【前田洋平】

公共事業削減 対象83ダム 中止は15 民主、相次ぎ転換(東京新聞2012年11月24日

公共事業削減 対象83ダム 中止は15 民主、相次ぎ転換 (東京新聞2012年11月24日)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112490070328.html

民主党政権が「脱ダム」方針の下に進めてきたダム検証で、本体工事に入っていない検証対象の国や道府県の八十三事業のうち、中止を決めたのはわずか十五事業にとどまっていることが分かった。
政権交代後、無駄な公共事業の削減を目指す目玉政策だったが、推進の判断が相次ぎ、ダム利権が温存される結果となっている。
八十三事業のうち、国土交通省や独立行政法人水資源機構が事業主体なのは三十事業。このうち熊本県・七滝ダムと群馬県・吾妻川上流総合開発に続き、今月に入り長野県・戸草ダムが中止となった。いずれも調査や地元説明の段階だった。
逆に、北海道・サンルダムや福井県・足羽川ダムなど四事業が推進となり、残る二十三事業が検証中だ。
一方、道府県が事業主体だが国が建設費の約七割を負担する「補助ダム」は五十三事業あり、九県の十二事業が中止に。田中康夫・元長野県知事の「脱ダム宣言」で休止していた黒沢生活貯水池など続行の見通しがなかった事業の中止が目立つ。
補助ダムは道府県の検証結果を国の有識者会議に諮り、国は中止か推進を判断する。十七道府県が「推進が妥当」とした事業のうち、有識者会議が判断を保留しているのは島根県の二事業で、二十三事業は追認した。十八事業は検証が続く。
検証の対象となったダムの総事業費は約五兆円に及び、中止分は約四千五百億円。事業費四千六百億円の八割が投じられた群馬県・八ッ場(やんば)ダムなど事業費の多くが既に支出された事業もある。
ダム検証の行方について国交省治水課は「いつまでに終えられるかは分からない」としている。
公共事業問題に詳しい五十嵐敬喜法政大教授は「衆院選後、もし自民党政権に戻れば、ダム検証が中止されたり、中止の事業が復活される可能性もある。
不要なダムを造り続けてよいのか。このままでは膨大な借金とダムの残骸が積み上げられていく。真剣に考える必要がある」と話す。

成瀬ダム建設継続へ 秋田県など方針案了承 ( 2012年11月21日)

2012年11月21日
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成瀬ダム建設「事業継続が妥当」 東北地方整備局が再度強調  (秋田魁新報 2012年11月21日)
http://www.sakigake.jp/p/akita/politics.jsp?kc=20121121e

成瀬ダム(東成瀬村)の建設の是非を検証する「検討の場」の第5回会合が20日、大仙市の大曲地域職業訓練センターで開かれ、国土交通省東北地方整備局は「事業を継続することが妥当」との考えを示した。
検討の場は今回で終了。同整備局は、月内にも開かれる学識経験者らでつくる事業評価監視委員会での審議を踏まえ、年内に国交省に検証結果を報告する。
会合には県と関係5市町村の担当者らが出席した。同整備局は、先月下旬に東成瀬、横手、大仙の3市村で行った意見聴取会や電子メールなどで寄せられた住民、有識者の意見を報告。
治水、利水(農業用水・水道水)、流量維持の目的別にダム建設と代替案を比較した結果、実現性やコスト面などから、ダム建設が最も有効との結論に至ったことをあらためて強調した。
この日の会合を傍聴した成瀬ダムをストップさせる会(横手市)の奥州光吉代表は、3市村で行われた意見聴取会で計9人が反対意見を述べたことを踏まえ、「住民の問題提起が検証には反映されなかった」と批判した

成瀬ダム建設継続へ 秋田県など方針案了承  (河北新報 2012年11月21日)
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/11/20121121t41024.htm

民主党政権が見直し対象の一つとした成瀬ダム(秋田県東成瀬村)について、国土交通省東北地方整備局や秋田県、流域6市町村が20日、大仙市で建設の是非を協議し、水害防止や農業用水確保で「最も有効なのは成瀬ダム」とする対応方針案を了承した。
整備局は今後、局長の諮問機関である事業評価監視委員会の意見を聴き、早ければ年内にも国交省に報告する。ダム事業は事実上、建設継続に向けて踏み出した。
成瀬ダムは栗駒山北部の成瀬川源流部に計画された国直轄の多目的ダムで、総貯水量は7870万立方メートル。総事業費1533億円のうち、2012年度末の進捗(しんちょく)率は19%となる。残りの工期は9年。
協議はこれまで5回行われ、治水、利水などの目的別に、川床を掘って流量を増やすなどの代替案とダム案について費用や効果を比較。出席した市町村の幹部らはダムの早期完成を求めていた。
この日傍聴した市民団体「成瀬ダムをストップさせる会」の小原征保さん(72)=横手市=は「過疎化で水道水の需要は今後も減る。社会状況が反映されていない」と批判した。


成瀬ダム建設妥当 検討の場最終会合
 (読売新聞秋田版 2012年11月21日 )
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20121120-OYT8T01448.htm
成瀬ダム(東成瀬村)の建設継続の是非を再検証する「検討の場」の最終会合が20日、大仙市で開かれ、国土交通省東北地方整備局が「ダム建設を継続」とする対応方針の原案を示し、了承された。今後、同整備局長の諮問機関「事業評価監視委員会」の意見を聞き、最終的な対応方針案を同省に報告する。
 5回目となる会合には、東北地方整備局と県のほか、横手、湯沢、大仙、羽後、東成瀬の5市町村の関係者が出席した。
 対応方針原案によると、治水(洪水調節)や新規利水(かんがいと水道)など、目的別に総合評価した結果、「最も有利なのは成瀬ダム案」とした。さらに、学識経験者や関係自治体からの意見、費用対効果の分析なども踏まえ、「成瀬ダム建設事業は継続することが妥当」と結論付けた。
 対応方針原案についての討議では、出席した県と各市町村の全てから「早く完成してほしい」という意見が出た。
成瀬ダムは、農業用水の供給を主目的に、洪水の被害軽減や飲料水の供給など「多目的ダム」として、県が1973年、予備調査を始めた。ダムの規模や技術面などで、91年から国の直轄事業となり、2001年に着工した。ところが、09年の国のダム事業見直しで、ダム建設は着工済みの事業を除いて一時凍結された。総事業費は約1500億円で、未着工分はダム本体の建設工事など約1200億円。

破られた公約 八ツ場、翻弄された町 (産経新聞2012年11月18日 )

(2)破られた公約 八ツ場、翻弄された町 (産経新聞2012年11月18日 )
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121118/plc12111813410010-n1.htm
(写真)橋の建設などの工事は進むものの、ダムの本体工事は着手のめども立っておらず、住民は先を見通せない=群馬県長野原町
民主党は前回選挙のマニフェスト(政権公約)のトップに税金の無駄遣いを掲げた。道路やダムといった公共事業の利益誘導で票を集めた自民党との違いを鮮明にし、政権交代を果たした。
風穴をあけたのは、有権者個人に向けた公約を掲げる手法だった。「コンクリートから人へ」。その象徴が群馬県長野原町の八ツ場(やんば)ダムの建設中止だった。
政権交代の高揚感が残る平成21年9月、国土交通相に就いた前原誠司氏(50)は就任会見で「八ツ場ダムの建設は中止する」と高らかに宣言した。
「大勢の人生を左右することを、地元への説明もなしに、宣言するとは思わなかった」

ダム建設予定地の川原湯(かわらゆ)温泉で、旅館「山木館」を営む樋田洋二さん(65)は、こう振り返る。
地元は、民主党の政権公約に八ツ場ダム建設中止がうたわれていることを知っていた。それでも、突然の“ちゃぶ台返し”に温泉街は揺れた。昭和27年のダム構想発表以来、建設の是非をめぐり親兄弟の間でさえ対立し、長い歳月を費やして建設を受け入れた経緯があるからだ。
地元や関係者の猛反発に加え、国交省内でも異論が噴出した。強引な手法への批判も強まった。それでも前原氏の意向は変わらなかった。
だが、後任の馬淵澄夫氏(52)は事実上、建設中止を撤回。事業計画の再検証を経て昨年12月には建設再開が決まった。
温泉街の土産物店を切り盛りする樋田ふさ子さん(83)は「結局元に戻っただけ。この3年は何だったのか」とつぶやく。
蓄え切り崩す日々
建設再開が決まって1年になるが、公約違反の“後遺症”は残る。川原湯温泉の老舗旅館「柏屋」の社長、豊田幹雄さん(46)は今月8日、国交省と旅館の移転先の補償契約を交わした。
旅館の休業から2年8カ月。ようやく再開業への一歩を踏み出したが、まだ先は見えない。今後は移転先に決まった土地を国交省に整備してもらい、新たな旅館を建てる手はずだが、土地の整備にめどが立っていないのだ。
先週も、豊田さんと国交省担当者の間でこんなやり取りがあった。
「いつ造成(整備)できるのか」
「なかなか予算がつかない…」
事業は遅延している。「少しの骨休みのつもりで旅館を閉めたが、いまだ将来を見通せない」。ぶっきらぼうに話す豊田さんの口調には政治への不信がにじむ。江戸末期創業の旅館は、年2億円近い売り上げがあった時期もあった。今は蓄えを切り崩す生活が続く。「時間が過ぎるだけの毎日だ」
財源の裏付けなし
子ども手当、脱官僚、脱公共事業…。民主党は先の衆院選でこうした公約を掲げたが、完全に実現できたものは少ない。
「財源の裏付けもないまま、有権者への耳当たりのよい言葉を並べただけ。あまりにも無責任だ」。政治評論家の浅川博忠氏(70)はそう話し続けた。
「公共事業などへのバラマキを批判した民主党も、結局は個人へのバラマキで有権者を引きつけただけ。有権者も安易に流された。次期衆院選では政党は公約で財源まで示し、有権者も厳しい目を向けるべきだ。そうしないと、また生活を壊される」
樋田洋二さんは言う。「今となっては政治は信用できない。くしくも政権交代で改めてそれを痛感した。言葉だけではない、生活を守ってくれる政治であってほしい」(森本充)

■八ツ場ダム 群馬県長野原町の利根川水系吾妻川に計画されている多目的ダム。総貯水量1億750万トン。洪水対策や首都圏430万人分の水道用水供給を図る。
昭和27年に建設計画の調査に着手。激しい反対運動の末に地元地権者らが補償案を受け入れ、道路などの付け替え工事が進んできた。総事業費は約4600億円。完成予定は平成27年度とされていたが、見通しが立っていない。

マニフェスト:廃れた村「再建」描けず 脱ダム押しつけ 補償棚上げ 熊本・五木村水没予定地(毎日新聞社会面 2012年11月19日)

検証・民主党マニフェスト:廃れた村「再建」描けず 脱ダム押しつけ 補償棚上げ 熊本・五木村水没予定地(毎日新聞社会面 2012年11月19日)
http://mainichi.jp/area/news/20121119sog00m040004000c.html

(写真)自宅裏の畑で妻とサトイモを収穫する尾方さん=熊本県五木村頭地で、取違剛撮影
「昔は役場も何もかもあったですけどな。みんな上に行ってしもうたですたい」。国営川辺川ダム計画の水没予定地、熊本県五木村頭地(とうじ)地区。
ただ一軒、妻と住み続けている尾方茂さん(85)は高台の代替地を見上げた。かつて493世帯が暮らし、元の役場や小・中学校、消防署など全ての公共施設が集まっていた「一等地」は現在、国が買収した更地にやぶが茂る。
ダム計画が発表された1966年以降、住民は代替地や村外へ移っていった。尾方さんは「畑から離れたら仕事ができん」と移転を断り、3反歩(約3000平方メートル)の畑でソバや大豆を作ってきた。「ダムはできん方がよかです。しかし、このままで村がどうやって生きていけますか」
民主党は前回総選挙のマニフェストで、川辺川ダムと八ッ場(やんば)ダム(群馬県)中止を掲げた。
前提条件に、地元への補償も打ち出したが、川辺川ダムの計画中止を表明した09年以降、村の中心部を占める水没予定地244・3ヘクタール(東京ドーム52個相当)を今後どうするか、具体策を打ち出さないままだ。
河川法で「河川」の水没予定地は、コンクリート製工作物を造れないなど利用の制約がある。再建ビジョンを描けない村の人口は10月末現在1287人。この46年で4分の1に減った。
村では60?70年代、産業の中心だった林業が寂れるのと入れ替わるようにダム関連工事が増え、やがて建設業が最大の雇用の場になった。
建設会社オーナーで村議長も務めた照山哲栄さん(80)は嘆く。「ダムは国が村に押しつけた事業だ。建設業が潤い、コンクリートが村の骨身、血肉になってしまった。いきなり『コンクリートから人へ』と言われても生殺しだ」
村は国のダム中止表明以降、当時の前原誠司・国土交通相が明言した地元補償のための新法作りを再三要望している。
新法は廃止ダムの全国モデルとなるはずだったが、国と熊本県、村の三者協議の場に国交相など政務三役が出席したことは一度もなく、実現の見通しは立っていない。
八ッ場ダムの建設再開に反対する民主党議連会長、川内博史前衆院議員(鹿児島1区)は「そもそも国交省の頭の中には『ダム中止』がないので補償しようという気もない。そんな官僚機構と戦える大臣が民主党にも自民党にもいないのが現状だ」と話す。

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