水源連:Japan River Keeper Alliance

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石木ダム建設に反対している長崎県内の6団体、10月19日に国会と政府の計6ヶ所に事業認定中止請願を送付

2012年10月21日
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私たち、石木ダム建設に反対している長崎県内の6団体は、10月19日、国会と政府の計6ヶ所に添付の意見書を送付しました。12 10 19国会政府への事業認定中止請願(168kb) (2012年10月21日掲載)

去る10月15日、長崎県議会は「石木ダム事業認定手続きの進展を求める意見書」(50kb)を採択し〔採決では、退席2〔山田博司・高見(改革21)〕、反対5〔堀江(共産)・吉村(改革21)・末次・松島(新生ながさき)・浅田(創爽会)〕があった〕、即日、衆院議長、参院議長、総理大臣、国土交通大臣、官房長官宛に提出しました。

それは、2009年12月に長崎県と佐世保市が提出した事業認定申請が、公告・縦覧の手続き以降、事実上中断されたままになっているので、早く再開するように要望するものです。

私たちは、その意見書がどんなに不当なものであるか伝え、合わせて事業認定手続きの中止を求める請願を県議会の提出先すべてと羽田参議院議員事務所に送りました。

県、石木ダム公開質問書に回答せず(読売新聞長崎版 2012年10月19日)

2012年10月19日
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県、石木ダム公開質問書に回答せず(読売新聞長崎版 2012年10月19日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20121018-OYT8T01667.htm
石木ダム(川棚町)の建設に反対する地権者や住民らでつくる5団体が、中村知事宛てに提出した公開質問書について、県は期限の18日までに回答しなかった。
県河川課は「質問書は一方的に送りつけられた。回答するかしないかも調整中」としている。
5団体は、中村知事が9月14日の県議会一般質問で「(国土交通省九州地方整備局に)事業認定の手続きを早急に進めるよう要請する」と答弁したことを受け、今月8日付で質問書を郵送していた。
質問書で、5団体は、国がダム事業の継続を認めた際、「地域の理解を得る努力をすること」と意見を付けたことを挙げ、どのような努力をしたのか尋ねるとともに、事業認定の申請を取り下げたうえで公開の場で討論するよう主張し、県に文書で回答を求めていた。
反対地権者の岩下和雄さん(65)は「県はダム建設ありきで話を進めている。不誠実で、最初から回答する気がなかったとしか思えない」と批判した。

八ツ場予定地下流域 47年洪水の氾濫図「捏造」

2012年10月19日
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八ツ場予定地下流域 47年洪水の氾濫図「捏造」(東京新聞朝刊の一面 2012年10月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012101902000134.html

(写真)今回の「氾濫図」では、手前の烏川の洪水が道路奥に走る上信電鉄を越え、山の頂上付近まで上がっていたことになる=群馬県高崎市で(野呂法夫撮影)

  建設の是非が問われている八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)をめぐり、国土交通省関東地方整備局が、一九四七年九月のカスリーン台風の洪水により同県高崎市など利根川上流域で発生した水害の氾濫地域を過大に示した図を作成していたことが分かった。

  この氾濫図は昨年六月、国交省が日本学術会議分科会の資料として作成し、ダム本体着工の条件である「利根川・江戸川河川整備計画」の策定に向けた有識者会議にも示された。一部の委員から「捏造(ねつぞう)した氾濫図」として撤回を求める意見が出ている。ダム建設の根拠となる治水の必要性の議論に影響を与えそうだ。

 氾濫図で示された上流域は、烏川や鏑川(かぶらがわ)が流れる高崎市、鮎川の藤岡市、利根川右岸の玉村町など。

  実地調査した有識者委員の大熊孝新潟大名誉教授によると、氾濫図にある氾濫地域(青色)のうち、烏川左岸の高崎市役所や高崎駅がある市街地部分は川から十メートルを超える高台で、鏑川左岸の上信電鉄の西側は標高約二百メートルの山間部だった。

 さらに鮎川や烏川と鏑川が合流する辺りの右岸の一部を除き周辺のいずれも浸水していなかった。玉村町のほとんどが氾濫したことになっているが、半分以下しか浸水していなかったという。

 整備局は有識者会議で氾濫図について「群馬県発行の『水害被害図』と『カスリン颱風(たいふう)の研究』に記録された浸水の深さを基に、見取り図的なひずみを現在の地図の正確な位置で補正して作った」と説明。現地での地形確認や聞き取り調査は行っていなかった。

  建設省(現国交省)は一九七〇年、カスリーン台風の利根川上流域における洪水被害の実態をまとめ、氾濫図を作成した。今回新たに作成された氾濫図では氾濫地域が大幅に拡大している。

 下流の治水基準点・八斗島(やったじま)でカスリーン台風の洪水時、整備局の推計で最大毎秒約一万七千立方メートルの水が流れ、新たな流出計算モデルでは同約二万一千立方メートルの水が出た(最大流量)としている。差の同約四千立方メートルが上流域で氾濫などしていたとする。

 大熊委員は「国は最大流量をかさ上げするために、つじつま合わせで、上流域で大規模な氾濫が起きたように捏造している。氾濫水量は八分の一程度ではないか」と批判する。

 整備局河川計画課は「被害地域を唯一、示していた水害被害図の資料に基づき、機械的に作った。氾濫図は最大流量の算出で使っていない」としている。

沙流川水害訴訟:国が上告断念 住民側への賠償確定 /北海道

2012年10月18日
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北海道日高町の沙流川水害訴訟で国の敗訴が確定しました。

沙流川水害訴訟:国が上告断念 住民側への賠償確定 /北海道(毎日新聞北海道版 2012年10月6日)
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20121006ddlk01040162000c.html

03年の台風10号による豪雨災害を巡り、札幌高裁が国の責任を認め、約3190万円を住民側に支払いを命じた沙流川水害訴訟について、羽田雄一郎・国土交通相は5日、上告をしない意向を明らかにした。

住民側も上告せず、判決が確定する。河川を管理していた北海道開発局は「1審、2審判決の事実認定を受け入れることはできないが、それを理由に上告することはできず、やむを得ない」とコメントした。

判決によると、03年8月10日、門別町(現日高町)の沙流川上流にある二風谷(にぶたに)ダムが大雨で決壊しそうになったため、道開発局がダムの水を放流。下流の支流で逆流が起き、同町富川地区約55ヘクタールが冠水し床上浸水などの被害が出た。

原告側は「職員が水門を閉じず避難勧告より約50分早く避難したのが原因」と主張。1審・札幌地裁は「職員を先に避難させた理由はなかった。放水で確実に水位が上がることは予見可能だった」と、国の責任を認め、2審も支持した。

原告弁護団の市川守弘弁護士は「9年間も待たせず、被害が発生してすぐに賠償すべきだった。ダムが凶器になることは明らかで、国の対応は住民よりダム政策を優先させたもの」と批判した。【佐藤心哉】

◇原告ら声明「ダム依存やめて治水政策転換を」

国の上告断念を受け、原告らは喜びや治水への要望を口にした。

日高町の自営業、中村正晴さん(69)は「弁護士や支援者に支えられたおかげ」と喜ぶ。同じく原告の農業、矢野静雄さん(74)は「長かったが国が誤りという判断が出てうれしい。国は国民の安全を守ることを第一に治水をして」と話した。

1審の証人尋問で原告側証人になった小野有五・北大名誉教授(環境科学)は「国は二風谷ダムを利水ダムとして造りながら治水にも利用。治水用なら空にしておかなければならないのに、多目的に使ったため限界水位に達するのが早かった。国はダム政策を見直す必要がある」と話した。

原告弁護団は「判決は、住民の安全を軽視した国の河川行政のあり方そのものに警鐘を鳴らすもの。国はダムに依存しない治水政策への転換を」と声明を発表した。【山下智恵、佐藤心哉】

 

国側上告せず、敗訴確定へ 北海道日高町の沙流川水害訴訟(産経新聞 2012年10月6日)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/596632

2003年に北海道日高町で起きた沙流川の洪水被害をめぐる訴訟で、河川を管理する国の責任を認め約3100万円を住民側に支払うよう命じた札幌高裁判決について、

羽田雄一郎国土交通相は5日の記者会見で、上告しない意向を表明した。

住民側も上告しないため、判決は確定する。

9月21日の判決によると、03年8月の台風10号で、北海道開発局が水位の上がった沙流川上流の二風谷ダム10+ 件から放流した際、操作員が本流と支流の間の水門を閉じずに避難。支流に水が逆流し、家屋などが浸水した。

昨年4月の一審札幌地裁判決が水門操作の誤りを認め国に賠償を命じ、二審も続いた。

進む移転、細る地域 設楽ダムで水没予定の八橋地区(中日新聞愛知版 2012年10月18日)

2012年10月18日
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進む移転、細る地域 設楽ダムで水没予定の八橋地区(中日新聞愛知版 2012年10月18日)

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20121018/CK2012101802000037.html?ref=rank

(写真)地区外に移転し、解体された住宅跡。水道の蛇口が寂しく残る=設楽町八橋で

民主党政権が三年前に打ち出したダム建設計画の検証で、建設の動きが止まったままの設楽ダム。しかし、設楽町内の水没予定地では住民の移転が急速に進んでいる。
対象世帯が最も多い八橋(やつはし)地区では半数以上がすでに移転し、二十世帯を残すだけ。取り壊された家屋の基礎があちこちで見られ、主を失った田畑に雑草が生い茂る。二十八日は地区の祭りだが、「今年が最後になるかも」との声も出ている。
八橋地区は寒狭(かんさ)川(豊川)の支流や境川に沿って形成された集落。設楽町の中心地から長野県根羽村を結ぶ県道が走る。
◆名簿、消して黒く
区長を務める金田和幸さん(68)の手元にパソコンで打った住民の名簿がある。作成したのは二〇〇二年一月。五十七世帯が名を連ねた。転出のたびに黒インクで消し、名簿は真っ黒になった。
水没が予定されるのは、設楽町内の六地区計百二十四世帯。このうち八橋、川向(かわむき)、大名倉は地区そのものが消滅する。国土交通省設楽ダム工事事務所によると八月末現在、62%に当たる七十八世帯が補償交渉を終えている。
八橋地区では年内にさらに三世帯が移転する。「年が明ければますます加速し、来年末まで残るのは私を含め四、五軒ではないか」と金田さんは言う。
二十八日は八橋神社の祭礼。かつては余興や餅投げもあり、境内に子どもたちの歓声が響いた。最近は神事の後、ビールで乾杯してお開きだが「今年が最後かもしれんなあ」。金田さんは、真っ黒になった名簿を見ながらため息をついた。
◆桜の下で旧交を
一九四四(昭和十九)年まで小学校があった高台に樹齢百年ほどの桜の大木がある。「八橋のウバヒガン桜」と呼ばれ、住民たちが大切に守ってきた。毎年四月には、住民だけでなく、転出した人たちも集まり観桜会を開いている。
設楽ダムの満水時の湖面は標高四三七メートル。桜がそびえる高台は四五〇メートルで、辛うじて水没を免れる。金田さんは先ごろ、設楽町議会に「高台を『ふるさと公園』として整備してほしい」との要望書を提出した。
ダム検証の行方とは関係なく、怒とうのような勢いで進む地域社会の崩壊。
「好きこのんで出て行く人は誰もいない。みんな八橋が大好きなんです。年に一回、桜の下に集まって旧交を温めたい。私たちのささやかな願いです」
(鈴木泰彦)
<設楽ダム> 国土交通省が設楽町内の豊川上流に建設を計画する治水、利水の多目的ダム。高さ129メートル、幅400メートルの重力式コンクリートダムで総貯水量は9800万トン。
計画が提示されたのは1973年で、2009年に町が建設に同意した。計画発表当時は反対運動が起き、近年では建設是非を問う住民投票の動きもあった。民主党政権が09年に検証対象事業にした。

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