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長崎県収用委員会、6月24日に収用・明渡しを裁決 (石木ダム関係)

2015年6月25日
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長崎県収用委員会、6月24日に収用・明渡しを裁決

長崎県内マスコミは、6月24日に長崎県収用委員会が第1次収用裁決申請に対して、収用・明渡しを裁決したと報じています。
「まったく不要な石木ダムのために、私たちの生活の場を明け渡すことは断固拒否する」としてきた皆さんが「明渡し」に応じるわけがありません。
私たちは 起業者である長崎県・佐世保市に、収用断念を勝ち取るべく運動を広く展開することになります。
水源連としても、「石木ダム不要」を広く知らせて、起業者に対して「収用断念・石木ダム事業中止 」を迫っていきたいと思います。

マスコミ報道

150625長崎新聞一面
150625長崎新聞社会面①
150625長崎新聞社会面②
150624長崎新聞
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石木ダムで収用の裁決
(NHK 2015年06月23日 21時01分)

長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムについて、県の収用委員会が22日、計画に反対している一部の地権者に土地の明け渡しを求める裁決をしたことがわかりました。
川棚町に計画されている石木ダムをめぐっては建設に反対する一部の地権者との用地交渉が難航していて、去年9月、県と佐世保市は、ダム建設で水没することになる現在の道路に代わる道路工事に必要なおよそ5500平方メートルの土地を強制的に収用するため、県の収用委員会に対し「裁決申請」を行いました。
収用委員会は、県側と地権者側の双方から意見を聞くなどして収用する土地の範囲や補償額について審理を進め、関係者によりますと22日、地権者に対し土地を明け渡すよう求める裁決をしたということです。
石木ダムは建設計画が立てられてから40年あまりになりますが地権者の一部が反対していて、これまでに買収した土地は全体の81.1%にとどまっています。
長崎県は、今回の裁決の対象となる土地に続き、ダム本体の建設に必要なおよそ3万平方メートルの土地や家屋についても手続きが整いしだい強制的に収用するため、裁決を申請する方針を示しています。
県は今月12日、早朝から機材を運び込み木を伐採するなど、水没する県道に代わる新たな道路の工事に着手しています。
今回農地の明け渡しを求められた地権者の孫、石丸穂澄さんは、「ことしもいつもと同じように米を植えたところですし私たちは土地を渡すつもりはありません。法的には権利が移って解決するかもしれませんが対立が深まるだけです。
ダムを建設する必要性があるのか、根本的な話し合いにきちんと応じてもらいたいです」と話していました。

 

明け渡し8月期限も知事「行政代執行に…」(長崎県)
[長崎国際テレビ2015/ 6/24 20:50 ]http://www.teny.co.jp/nnn/news8744371.html

石木ダムの反対地権者が所有する農地を県に明け渡すよう求める裁決が出され、期限が早ければ8月下旬に設定された。裁決が出されたのは石木ダム建設事業の反対地権者4世帯が所有する約5500㎡の農地。県が去年9月に申請したのを受け、収用委員会が審理していた。
裁決の結果、県は8月24日に農地の権利を取得。1世帯はその日までに、のこり3世帯は10月30日までに明け渡すことが義務付けられた。
土地の利用状況に応じて期限が違うという。土地が明け渡されない場合、強制的に収用する行政代執行の判断は知事にゆだねられる。反対地権者がかたくなな姿勢を崩さない中、大きな節目を迎えた。

 

長崎石木ダム建設:県収用委が土地明け渡し要求の裁決書
(毎日新聞長崎版 2015年06月23日 19時51分)http://mainichi.jp/select/news/20150624k0000m040053000c.html

長崎県などが同県川棚町に計画する石木ダム建設を巡り、県収用委員会が反対地権者に対し、予定地内の土地を明け渡すよう求める裁決書をまとめた。明け渡しに応じない場合の強制収用が可能になった。
県は昨年9月、4世帯が所有する計約5500平方メートルの明け渡しなどを求める収用裁決を収用委に申請した。これを受け、収用委が審理で県や地権者らの意見を聞き、土地の補償額などに関する裁決書をまとめた。
県の担当者は「裁決書が届いていないのでコメントできない」とし、地権者の1人は「無理やり土地を取るなんて、ふざけたやり方だ。金も受け取らない」と憤る。事業は1975年に事業採択。反対派住民と行政の対立が続き、本体着工のめどは立っていない。【小畑英介、梅田啓祐】
石木ダム農地収用 明け渡し期限最長10月30日 県、裁決書の内容明らかに
(読売新聞長崎版2015年06月25日)http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20150624-OYTNT50147.html

付け替え道路工事の現場入り口で横断幕を掲げる反対派(写真)付け替え道路工事の現場入り口で横断幕を掲げる反対派

 県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム建設事業で、県は24日、記者会見を開き、県収用委員会が反対地権者4世帯の農地計約5400平方メートルの収用を認める裁決書の内容を明らかにした。裁決は22日付。明け渡し期限は最長10月30日で、地権者が応じない場合、土地収用法に基づき、強制収用できる。

 石木ダムは、治水と利水を目的に1975年に事業採択された多目的ダム。総事業費は285億円で2016年度の完成を目指しているが、建設に反対する13世帯の農地や住宅地など約15万平方メートルが未買収で本体工事に着手できていない。13年度までの進捗しんちょく率は事業費ベースで52%。

 県河川課によると、裁決では土地の明け渡し期限について、8月24日と10月30日の二つを設定。一部の農地が耕作中であることに配慮したとみられる。補償額は公表していないが、地権者数が申請時(約4900万円)より4人減り、7人となったため減額されているという。

 今後、県などは土地取得日の8月24日までに地権者に補償金を支払い、速やかに所有権の移転登記を行う。

 記者会見した木村伸次郎・土木部政策監は、完成時期がずれ込む見通しを示し、今後、事業計画を見直す考えを明らかにした。

 また、中村知事も報道陣の取材に応じ、「地権者の同意が得られるように努力したが、裁決という形になったのは大変残念」とした上で、「ダム建設は安全安心の確保の上で必要不可欠。事業推進に向け全力で取り組んでいきたい」と語った。

 裁決の対象となった農地の地権者たちは、明け渡しに応じない姿勢を崩していない。

 地権者の石丸勇さん(66)は「必要のないダムのために先祖代々の土地が一方的に奪われる。まさに暴挙だ」と批判。対象となった水田で稲作をしており「県が何をしようと、これからもコメを作っていく」と話した。

 同じく地権者の川原義人さん(74)も「納得のいく話し合いもできていないのに、勝手に土地を取っていくのは許せない。最終的には家も収用の対象になるだろうが絶対にここを動かない」と語気を強めた。今後、弁護団と対応について検討するという。

 川棚町のダム建設予定地では、反対派が付け替え道路工事の現場入り口で、「強制収用は許さない」と書かれた横断幕などを掲げて、県職員とにらみ合った。

石木ダム計画農地、収用認める裁決
(読売新聞長崎版 2015年06月24日)http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20150624-OYS1T50031.html

長崎県と同県佐世保市が建設を計画中の石木ダム(長崎県川棚町)を巡り、県収用委員会が、反対地権者4世帯の農地計約5400平方メートルの収用を認める裁決を出したことが、関係者への取材でわかった。
県と市は昨年9月、農地の明け渡しを求め、土地収用法に基づき申請していた。
石木ダムは治水・利水の多目的ダム。1975年に事業採択されたが、地権者の反対で本体工事に着手できていない。

 

石木ダム、強制収用を裁決 建設反対4世帯の田畑 長崎県
(産経新聞2015.6.24 19:02更新)http://www.sankei.com/politics/news/150624/plt1506240033-n1.html

長崎県は24日、石木ダム(川棚町)の建設に向け、反対派の地権者4世帯から土地を強制収用できるよう県収用委員会に申し立てて裁決されたと明らかにした。裁決は22日付。
県によると、収用対象は、ダム建設に反対している地権者13世帯のうち4世帯計7人が所有する田畑計約5500平方メートル。10月30日までに所有権を国に移す予定。
昨年9月、県が土地の明け渡しを求めて収用裁決を申請していた。中村法道知事は「地権者の同意が得られるよう努力を重ねてきたので、裁決は残念。ダム事業は(治水や利水に)必要不可欠で、着実に進める」と話した。

伊賀市水道と川上ダムの問題 2015年5月18~19日の報告

嶋津暉之

川上ダムの目的の虚構

川上ダムは(独)水資源機構が淀川水系の木津川上流に建設する予定の多目的ダムです。恣意的なダム検証の結果として、昨年8月に国交大臣から事業継続のゴーサインが出ました。2022年度完成予定で、再来年度には本体工事に入るとされています。

しかし、川上ダムも必要性がすでに失われています。目的は①淀川本川及び木津川沿川の洪水調節、②三重県伊賀市への水道用水の供給、③木津川の流水の正常な機能の維持、④既設ダム(高山ダム、青蓮寺ダム、布目ダム、比奈知ダム)の堆砂除去のための代替補給です。

④は他のダムでは例がない目的で、2011年2月の川上ダム事業実施計画第2回変更の前にはなかったものです。奈良県水道と西宮市水道が撤退し、三重県水道(伊賀市)の利水予定量がほぼ半減したことによるダム規模の縮小を防ぐために加えられた目的です。既設ダムの堆砂除去はそれぞれのダムで工夫して実施するものですが、なりふり構わず、堆砂除去の代替補給が川上ダムの目的に加えられました。紙面の都合で説明を割愛しますが、①、②、③の目的もダム無しで何も困ることはありません。

水資源機構にとって重要であるのは水源開発である②の目的です。①、③、④は河川事業であって、水資源機構は水源開発を含む事業を行うことが法律で決まっており、もし②の目的がなくなると、水資源機構は川上ダムの事業者になることができません。その場合はダム計画を一度ご破算にして、国交省の直轄ダムとして再策定するしかありません。淀川水系のダム事業から大阪府水道などの利水予定者が次々と撤退する中で、伊賀市のみが川上ダムに参加し続けていますが、その参加が水資源機構の生命線になっているのです。

 

伊賀市水道にとって川上ダムは全く不要

2012年9月に初当選した岡本栄伊賀市長は伊賀市の参加の是非を判断するため、川上ダムに関する検証検討委員会(委員長 宮本博司氏)を設置しました。公開の場でその是非をめぐって盛んな議論が行われました。しかし、岡本栄市長は結局、伊賀市幹部の意向に沿って、2013年12月に川上ダムに参加することを表明しました。

しかし、伊賀市は(合併前の上野市時代も含めて)今まで給水制限が行われたことがなく、水需給には余裕があります。これから水需要が縮小していく時代において川上ダムの水源が必要であるはずがありません。木津川の自然を根底から壊す不要な川上ダムの建設を何としてもストップさせるため、「木津川流域のダムを考えるネットワーク」が反対運動を粘り強く進めています。

昨年11月に同会の浜田不二子さんから今本博健先生を通して「伊賀市にとって川上ダムの水源が本当に必要なのか」をあらためて検証してほしいという依頼がありました。そこで、伊賀市、三重県、近畿地方整備局への情報公開請求で様々なデータを入手して解析し、今年3月に「伊賀市水道と川上ダムの問題」という報告をまとめ、伊賀市にとって川上ダムの必要性が皆無であることを明らかにしました。

去る5月18日に地元の方と今本博健先生とともに、伊賀市水道部を訪れて、その報告の内容を説明して回答を求め、記者会見も行いました。また、翌19日には「川上ダム問題の本質を問う」というタイトルの市民向け講演会で今本先生が治水問題、私が利水問題の講演を行いました。

「木津川流域のダムを考えるネットワーク」がこれを契機に、伊賀市に対してあらためて川上ダムからの撤退を求める運動を広く展開する決意を抱いています。伊賀市が撤退すれば、上述のように、水資源機構は川上ダムの事業者としての資格を失い、川上ダム計画が瓦解することになりますので、水源連としても全力を尽くしたいと考えています。

詳しくは、

伊賀市水道部に提出した報告書 伊賀市水道と川上ダムの問題2015年5月18日

講演資料 伊賀市水道と川上ダムの問題の要約(スライド)2015年5月18日

新聞記事 川上ダム問題の記事2015年05月19日

をそれぞれご覧ください。

長崎県・石木ダム問題 パタゴニア日本支社長が7月4日特別講演

2015年6月19日
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長崎県・石木ダム問題 パタゴニア日本支社長が7月4日特別講演
(Net IB News 2015年06月15日 15:53)http://www.data-max.co.jp/0615_dm1718/
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長崎県と佐世保市が計画を進めている長崎県東彼杵郡川棚町の石木ダム建設に反対する市民団体が、7月4日(日)午後1時から、アルカスSASEBOで反対集会を開催する。
集会では、今年4月にダム建設反対運動への全面支援を表明した米アウトドア用衣料製造販売のパタゴニア日本支社・辻井隆行支社長が特別講演を行う予定。参加費は無料となっており、より多くの市民へ、ダム建設計画への問題提起を行う。
パタゴニアは、米国でも環境保全の観点からダムのあり方を問う活動を行っており、石木ダム反対運動への支援や現地視察を行ってきた。
石木ダムの建設は、6月12日に、県が中断していた付け替え道路の工事を5年ぶりに再開。反対する地権者らがいない早朝に機材を搬入するかたちで行われた。反対する側からは、不意打ちとも言えるやり方に怒りの声もあがっている。
新たに建設されるダムの洪水対策上の必要性や、人口減少が進む佐世保市の水需要など、さまざまな点で疑問の声があがるなか、進められようとしている建設工事。長崎県は、納得してもらうことをあきらめ、強行手段をとっていくのだろうか。
14日の集会では、石木ダム対策弁護団の講演や、地権者による訴えも行われる。
【山下 康太】

城原川ダムの検証に関するパブコメへの意見の提出

佐賀県の直轄ダム「城原川ダム」は検証対象ダムの一つですが、最近まで検証作業の動きが表面化していませんでした。ところが、国交省九州地方整備局は去る5月18日に「関係地方公共団体からなる検討の場」を開き、検証作業を本格的に開始しました。

そして、城原川ダム+河道改修案と五つの治水代替案を示し、それらの案について5月19日~6月17日の期間で意見募集(パブリックコメント)を行っています。

城原川ダムの検証に係る検討に関する意見募集についてhttp://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/pabukome(jyoubarugawa)/kensyo-pabukome-jyoubarugawa.html

城原川は筑後川の下流に流入する小さな支川で、流域面積はわずか64km2しかありません。この支川の中流部に城原川ダムをつくろうというのです。

当初のダム計画は洪水調節と水道用水の開発を兼ねた多目的の貯水型ダムでしたが、現在は治水専用の流水型ダム(穴あきダム)の計画になっています。

しかし、城原川は伝統的な治水対策「野越(のごし)」があります。近世初頭に佐賀藩家老の成富兵庫の手により設けられたものです。堤防の低い場所を作って越流させ、洪水を減勢させるもので、城原川では野越が治水対策として重要な役割を果たしてきました。

「城原川を考える会」が従前から指摘してきたとおり、野越の治水機能を極力活用すれば、城原川では洪水調節ダムは必要ありません。

ところが、国交省は治水目標流量を大きく設定し、一方で、河道の流下能力を過小評価するという常とう手段で、城原川ダムが必要だという虚構をつくり上げています。

この虚構を前提として、治水代替案をつくっているため、いずれの代替案も600億円以上の巨額の費用がかかることになっています。九州地方整備局はダム案の方がはるかに安上がりということで(ダム案の費用はまだ示されていませんが)、ダム案を選択することは目に見えています。

その虚構を明らかにするため、水源開発問題全国連絡会は、九州地方整備局への情報公開請求で治水関連データを入手し、解析を行いました。

入手データが十分ではないところがありますが、パブコメの期限が迫りましたので、下記の意見を提出しました。

意見       城原川ダムに関する意見(嶋津暉之) 127KB

別紙1   意見書の別紙1

別紙2  意見書の別紙2

別紙3 意見書の別紙3

その要点は次のとおりです。

① 城原川の治水計画の基本的前提となっている目標流量540㎥/秒はきわめて過大、河道目標流量(将来の流下能力)330㎥/秒は過小であるので、適正な値に是正し、城原川の伝統的な治水対策「野越」の治水効果を正しく評価すれは、城原川ダム無しで必要な治水安全度を十分に確保することが可能である。

② 流水型ダムは、大洪水時には閉塞して洪水調節機能を喪失する危険性があり、また、河川環境に多大な影響を与えるものであるので、建設してはならない。

なお、城原川ダム問題の経過と、「城原川を考える会」の機関誌「城原川だより」の最近号は水源連HP https://suigenren.jp/damlist/dammap/joubarugawadam/をご覧ください。

川辺川再生へ官民一丸 五木村など協議会発足へ(魚影が薄くなってきたことへの対策を考える)

2015年6月6日
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熊本県・球磨川の支流「川辺川」では土砂堆積の進行でアユやヤマメなどの魚影が薄くなってきているので、その対策を考える協議会が発足するという記事を掲載します。
川辺川は土砂供給量が大きい川であって、川辺川ダム計画では、総貯水容量13,300万m3のうち、2,700万m3が堆砂容量でした。これは100年間分の土砂堆積量を見込んだものですから、毎年27万m3の土砂が川辺川ダムに堆積することになっていました。
東京ドームの容積が124万m3ですから、川辺川ダムには東京ドームの1/5強という膨大な量の土砂が毎年たまることになっていました。
しかし、川辺川の土砂供給量が大きいことは以前から続いていることであって、なぜ、最近になって魚影が薄くなってきているのかを考える必要があると思います。
川辺川の上流には穴あきダムのような、朴の木ダム、樅の木ダムという巨大な砂防ダムがあって、そこに土砂がひどく堆積して、小雨でも土砂が流れ出し、濁りが長期化するようになっています。
そのことが魚影が薄くなることの要因になっているように思います。

熊本)川辺川再生へ官民一丸 五木村など協議会発足へ

(朝日新聞熊本版 2015年6月5日)

※ 著作権の関係で削除しました。

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