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最上小国川ダム:建設差し止め求め、市民団体が監査請求  (2012年06月30日)

2012年6月30日
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最上小国川ダム:建設差し止め求め、市民団体が監査請求  (毎日新聞山形版 2012年06月30日)

http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20120630ddlk06010008000c.html
県が最上町に建設を計画する穴あきダム「最上小国川ダム」の建設差し止めを求めて、市民団体「最上小国川の清流を守る会」(川辺孝幸、草島進一、高桑順一共同代表)は29日、県監査委員に計画に公金を支出しないことを求める住民監査請求を行った。
守る会は監査請求で、ダム下流の最上町赤倉温泉地区での主な水害は、大雨が降ると側溝や下水道、排水路などから水があふれ出す「内水氾濫」で、県はこの対策なしにダム20+件による治水対策を優先していると指摘。
穴あきダムはアユをはじめとする流域の動植物に悪影響をもたらし、経済的な損失が出る、と訴えている。
また、守る会が進めてきたダム建設の見直しを求める要請署名は1万680筆に達し、同日、吉村美栄子知事あてに提出された。
守る会の高桑代表(66)=尾花沢市=は「多くの県民の意思をおもんぱかりながら監査してほしい」と話している。
守る会は30日午後3時から舟形町公民館ホールで、講演会「ダムと漁業権」を開催する。熊本県の川辺川ダム問題などに取り組んだ熊本一規・明治学院大教授が講演する。入場無料。【安藤龍朗】

国交省、石木ダム推進を付帯意見付きで承認(2012年6月11日)

国土交通省は6月11日に石木ダムの事業継続を認める対応方針を発表しました。ただし、長崎県に対して次の付帯意見を通知しました。

「石木ダムについてはあわせて長崎県に「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する。」

 

去る2月22日「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が石木ダム・内ガ谷ダム・安威川ダム等4ダムについての各事業者からの検証検討報告を審理する会議を予定しました。「この会議の進行次第では自分達の居住地を強制収用する道を開かれかねない」と危惧した石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんと、それを支援する水源連の仲間が傍聴行動を展開しました。しかしながら有識者会議会場の入り口を国交省職員がピケで封鎖して私たちの傍聴行動を阻止しました。私たちは声を大きくして傍聴を認めるように求め続けました。開会予定時刻を30分経過した時点で流会にしてしまいました。

YouTube: 今後の治水のあり方にかんする有識者会議ダイジェスト版

4月26日に再開となりましたがこれまた非公開です。今回も石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんとそれを支援する水源連の仲間が傍聴にいきました。傍聴講堂に入る前に私たちは「今日開催される有識者会議の問題と石木ダム問題」について、国交省記者クラブで記者会見を行いました。記者会見を終えて5階から11階の有識者会議会場へ傍聴に向かおうとすると、国交省職員は私たちが乗ろうとしたエレベータのスイッチを切ったのです。「あなたたちはこのままお帰りください。ほかの所へは行けません」と多くの職員が私たちの行動をしつこく妨害し始めました。仕方がないので階段を昇っていくのですが、これまた大勢の職員が妨害。やっと11階にたどり着くやびっくりです。何十人もの職員が会議室に通じる廊下の二つの入り口で隊列をつくって固めているのです。10人以上の職員がビデオカメラを途切れることなく回していました。2月22日の数十倍の職員を動員して傍聴阻止体勢でした。

YouTube: 有識者会議「ダム事業の検証の検討結果について」記者会見

きっと世界第三次大戦を決する事前の有識者会議もこのような何重もの職員の人垣で守られた密室で開かれるのだろう、と怖さを感じました。

有識者会議ではS委員が「事業の目途について地権者から理解をもらえる目途が書かれていない。それなのに工期が書いてあるのは納得できない。検証が手順を踏んでいないのでこの事業を承認することは出来ない」と意見を出しましたが、中川座長は「事業者からの報告について、『中間とりまとめ』に即した検証検討が行われているものと認める。」「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する。」(議事要旨)との審議結果をまとめました。

この審議結果に基づき、国土交通大臣は6月11日に「内ヶ谷ダム、安威川ダム、石木ダム、儀間川総合開発事業(タイ原ダム)に関する国土交通省の対応方針について」を下記のように発表しました。

本日、ダム事業の検証に関して、別紙のとおり内ヶ谷ダム、安威川ダム、石木ダム、儀間川総合開発事業(タイ原ダム)について国土交通省の対応方針を決定いたしましたのでお知らせします。

なお、本件に関する事業評価については、「水管理・国土保全局関係事業における事業評価について」により、別途公表するとともに、石木ダムについてはあわせて長崎県に「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨を通知します。

ここで重要なのは「石木ダムについては長崎県に『石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する』旨を通知します」という一文です。

有識者会議の審議は、「中間とりまとめ」に即して検証が行われているかを見るだけです。

4月26日の会議ではS委員がこのことを重視し、「石木ダムについて、評価軸『実現性』の「土地所有者等の協力の見通しはどうか」について記載されておらず、『中間とりまとめ』に沿っていないのではないか」、「石木ダムについて、平成28年に完成という工程が示されているが、実現性を踏まえているか疑問だ。」と述べ、長崎県の石木ダム検証報告は上記の判断基準をみたしていないことを明確に指摘しました。S委員の上記の意見が石木ダムの是非を判断する上で最重要項目であることを会議で否定することができなかったからこそ、有識者会議の意見として上述の「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する。」が付帯されました。国土交通大臣にはこの付帯意見とその意味を最重視して判断することが求められていました。

6月11日に発表した国土交通省の石木ダムの対応方針は、少なくとも「地元の方々の同意が得られるまで国土交通省の方針を保留する」とされるべきでした。

辰巳ダム運用始まる( 2012年6月9日)

2012年6月9日
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辰巳ダム運用始まる(読売新聞石川版 2012年6月9日)http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20120608-OYT8T01217.htm

辰巳ダムの運用が8日、始まった。1月から実施した試験の結果、問題なしと判断された。
辰巳ダムは、通常は水をためずに川の流れを保ち、洪水時のみ貯水する治水専用のコンクリートダム。県が金沢市の犀川上流に建設した。
堤の高さは47メートル、長さは195メートルで、総貯水量は600万立方メートル。

犀川ダム、内川ダムと連用することで、100年に1度の大雨でも、金沢市中心部の犀川大橋基準点で、最大流量を毎秒1750立方メートルから同1230立方メートルの安全流量に減らすことが可能とされる。
今後、管理用道路など周辺環境の整備を行い、今秋に落成式を予定している。
総事業費は240億円。建設反対の市民らが金沢地裁で国に事業認定取り消しを求める行政訴訟を起こしており、現在も係争中だ。


犀川・辰巳ダム供用 金沢市 洪水調整の体制整う
(北國新聞 2012年6月8日)http://www.hokkoku.co.jp/subpage/E20120608002.htm

石川県は8日、辰巳ダム(金沢市)の供用を開始した。犀川上流にある同ダムは治水専
用で、犀川ダム、内川ダムとともに、犀川の洪水調整を行う体制が整った。
運用開始に合わせ、同市相合谷(あおだに)町の辰巳ダム管理棟では、ダム放流情報伝
達演習が行われ、職員が水位上昇を知らせるサイレンや貯水池内の監視カメラの動作を確 認し、緊急時に備えた。辰巳ダムは高さ約47メートル、堤頂長約195メートル、総貯水量は約600万トン。1975年に調査を始め、2008年に本体工事に着手した。事業費は240億円。

過大予測でダム無駄に、近畿の国事業 兵庫で92億円(神戸新聞 2012年6/月6日)

2012年6月6日
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過大予測でダム無駄に、近畿の国事業 兵庫で92億円(神戸新聞 2012年6/月6日)

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005113470.shtml

国が近畿で計画したダム事業に利水者として参加した自治体や一部事務組合が、完成前に相次いで事業から撤退し、結果的に無駄になった建設への投資額が約280億円に上ることが神戸新聞社の調べで分かった。

このうち兵庫関係は、神戸、西宮、尼崎、芦屋4市でつくる一部事務組合・阪神水道企業団の計86億3千万円と、西宮市単独の5億9千万円。水需要の過大な予測が主な要因で、一滴も取水しないまま生じた多額の損失を水道料金などで穴埋めする事態になっている。

国土交通省近畿地方整備局によると、国が主体となって近畿で計画しているダムは、独立行政法人へ引き継いだものを含め現在6カ所。利水者は取水予定量に応じて事業費の一部を負担する。

このうち、大戸川(大津市)▽川上(三重県伊賀市)▽丹生(滋賀県長浜市)と、2011年に建設中止が決まった余野川(大阪府箕面市)の4ダムで、09~11年に計7団体(一部は複数事業に参加)の撤退が正式決定=表。

この4ダムで利水者として残っているのは川上の伊賀市だけになり、利水者の相次ぐ方針転換がダム事業の存廃論議にも影響を与えている。

いずれも1990年代初めに利水者が決まり、ダム本体は未着工だが、用地買収や周辺道路整備などに巨費を投じてきた。撤退後も支払いなどが残っているケースがあり、支出額は変わる可能性がある。

阪神水道企業団は、余野川への投資で、59億3千万円を構成4市とともに支出。丹生の27億円は、11年度から30年かけて支払っていく予定だ。大阪府内42市町村で構成する大阪広域水道企業団は今後の負担も含めた2事業の支出総額が、計162億6千万円に上る。

両企業団は「水需要が思ったほど伸びず今後の負担を減らすためにやむを得なかった」などと撤退の理由を説明。他の自治体の多くも、右肩上がりの人口増を前提にした需要の見込み違いを主な撤退理由に挙げる。

箕面市は「計画が遅れ給水を予定していた市街地の完成に間に合わなかった」などとした(小川 晶)

たなざらしのダム中止法案(熊本日日新聞 2012年06月06日)

2012年6月6日
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たなざらしのダム中止法案(熊本日日新聞 2012年06月06日)
http://kumanichi.com/syatei/201206/20120606001.shtml
ダム事業を中止した場合に地域の生活再建を支援する「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」(ダム中止法案)は、今国会に提出された後、積み残されたままだ。内閣再改造を機に国会は早期審議入りすべきだ。
法整備は2008年に川辺川ダム建設反対を表明した蒲島郁夫知事が、水没予定地のある五木村をモデルに生活再建を図る根拠として国に求めていた。
民主党政権に移行後の09年、同ダム中止を表明した当時の前原誠司国土交通相が対応を約束したが、いったん頓挫。今年3月に閣議決定にこぎつけたものの、法案を所管する前田武志前国交相への問責決議で、関係委員会の審議はストップした。
ダム中止法案の実効性には疑問もある。水没予定地として国が取得した土地を自治体に無償譲与したり、元所有者に優先売却したりすること、さらに地域振興事業への国の支援を定めてはいる。しかし、それらは地元の権利としてではなく、国の努力として促しているだけだ。
それでも意義があるのは、完成へ向けた「片道切符」しかなかった日本の公共事業に、「引き返すルール」ができる点だ。国交省自身、「ダム事業を廃止か縮小した場合の地域振興の手順を明示したのは初めて」(水政課)と認めている。
既にダムによらない五木村の地域振興は、国、県、村の3者合意に基づき始動している。

ただ、川辺川ダム事業は依然、特定多目的ダム法の適用を受けており、法的には終止符が打たれていない。ダム中止法案が成立し、その対象となれば、法的にもすっきりする。国会は法案をたなざらしにせず、早期成立を目指してほしい。(山口和也)

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