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ダム事業検証検討・有識者会議

国土交通省、9月28日に「ダム事業の検証に係る検討について」を発表

2010年9月28日
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国土交通省、9月28日に「ダム事業の検証に係る検討について」を発表。
八ッ場ダムに関しては10月1日に「八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」幹事会を開催予定

国土交通省は9月28日に、 関係各地方整備局長等及び独立行政法人水資源機構理事長に対し、「ダム事業の検証に係る検討」を指示しました。関係各道府県知事に対しては、「ダム事業の検証に係る検討」を要請しました。

同時に、ダム事業の再評価を実施するための運用を定めた「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」を策定し、河川局長から関係各地方整備局長等及び独立行政法人水資源機構理事長に対し通知し、細目に基づく検討を指示しました。補助ダムについては、関係各道府県知事に対して同細目を通知し、細目に基づく検討を要請しました。

目次立て代わりの「しおり」付き「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」(PDF 422KB)
(「しおり」の中から参照したい事項をダブルクリックすると、右側にその事項に関する記述が現れます。)

この発表に先立ち、27日に第12回有識者会議が開催され、「中間まとめ」を決定し、有識者会議から馬渕大臣に手渡されました。第12回会議では「中間まとめ」(案)に対するパブコメの「結果」が事務局から提出されました。

この「結果」には提出された意見と、それに対する「考え方」が対比表になって記載されています。

多くの皆さんが関心を寄せられていることへの「考え方」も記載されているので、使えるものもあります。見やすいようにパブコメ結果対比表の抜粋(PDF 266KB)を作成しました。

これから実際に個別ダムの検証が進むことになります。

このまま放置していると、お手盛りの検証になり、ダム推進のお墨付きをあたえてしまいます。

その事態を少しでも防ぐために、対比表に記されている「考え方」で使えるものを使うなど、各地方整備局や道府県と粘り強く渡り合わざるを得ません。この対比表抜粋をご活用いただきたく思います。

関東地方整備局は、早速、「八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」幹事会を10月1日に開催することを発表しました。関東地方整備局に八ッ場ダム事業検証方式の見直しを迫りましょう。

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」パブコメ

2010年8月15日
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有識者会議のパブコメに提出された意見書のコピーを掲載しました。

有識者会議パブコメ募集が8月15日で終わりました。

「このままではダム推進の答えしか出なくなる」との危機感から、多くの皆さんが意見書を国交省に提出されたことと思います。水源連も8月15日に提出しました。
水源連提出意見書(PDF 352KB)

有識者会議に意見書を提出しされた皆さんから情報共有のためにその写しを提供していただきました。

実際に「コンクリートから人へ」を実践されている皆さんの意見書です。迫力があります。是非、ご覧ください。
寄せられた意見書

皆様が提出された意見書・要請書を下記アドレスに送付いただければ、全国の皆様と共有できるように、水源連ホームページに掲載させていただきます。

寄せていただいた文書をそのままPDFに変換して掲載します。個人情報等の公開を望まない場合は、個人情報等を消去してお送りください。

送付先:mizumondai@xvh.biglobe.ne.jp
パブコメ募集は8月15日に終了しています。

有識者会議パブコメへの応募を! このままではほとんどのダム事業が「推進」になってしまいます。

有識者会議の「今後の治水対策のあり方について 中間とりまとめ(案)」(PDF KB)に関するパブリックコメントが受け付けられています。

この「中間取りまとめ(案)」(PDF KB)へのパブリックコメント提出期日は8月15日とされています。

9月中にはパブリックコメントで寄せられた意見も参考にして、「中間取りまとめ」を発表すると共に、個別見直し対象ダムの見直しが始まることになります。

「中間取りまとめ(案)」の内容は問題が多く、このままではほとんどのダムが「見直した結果、やはりダムが最善」という結果になってしまいます。

「見直した結果、やはりダムが最善」という事態に陥らないように、皆さんがこのパブリックコメントに意見書を提出されるようお願いいたします。

水源連事務局はこのたび、パブリックコメントのタタキ台「有識者会議のパブコメの意見書」(pdf版(PDF 201KB) Word WORD版(Word 262KB))を作成しました。

(5つの項目に絞った要約版pdf版(PDF 139KB) Word WORD版(Word 115KB))も用意しました。ご利用ください。)

皆様にもこれを参考としていただいて、下記へご意見を送付されるようお勧めします。

提出先
国土交通省河川局河川計画課
今後の治水対策のあり方に関する有識者会議事務局宛

  1. 郵送の場合:〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3
  2. FAXの場合:03-5253-1602
  3. 電子メールの場合:chisuinoarikata@mlit.go.jp

(件名に、「中間とりまとめ(案)に関する意見」と明記してください。)

なお、このパブコメへの意見提出細目に関しては
「今後の治水対策のあり方について中間とりまとめ(案)に関する意見募集について」(PDF KB)
をご覧ください。

それでは皆さん、よろしくお願いいたします。

有識者会議に意見書を提出された皆さんから情報共有のためにその写しを提供していただきました。

こちらをご覧ください。

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に提出した意見書

2010年3月16日
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2010年3月6日掲載

国土交通省は2010年1月20日に「今後の治水対策のあり方に関する意見募集について」をマスコミ発表しました。多くの皆さんが意見書を提出されました。併せて、水源連事務局にもコピーを送付いただきました。皆さんが抱えている問題からの意見です。

ここをクリックしてください。

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」公開要請

2010年3月20日改訂

非公開であることに対して、1月14日に住民団体が抗議と公開を求める2回目の要請を行いましたが、2回目も非公開でした。この有識者会議はダムによらない治水のあり方を追求し、従来の河川行政を根本から変えていくことを目的とするものですから、国民とともに議論を進めていく姿勢がなければ、国民の共感を得る答を得ることができません。公開はその目的を達成するための必須の条件であるにもかかわらず、公開をかたくなに拒否しています。

以前から有識者会議の公開を求めている市民団体が全国に要望団体を募集したところ、要望団体を108団体が名乗りを上げました。

これだけ多くの皆さんがこの有識者会議の公開を求めていることはとても重要なことです。

2月8日、3回目の公開要望書を前原大臣と中川座長に提出しました。

市民団体からの公開要望書提出はこれで3回になります。

前原大臣への要望書、中川座長への要望書
1回目公開要請書(PDF 106KB)
2回目公開要請書(PDF 115KB)
3回目公開要請書(108団体名簿付き)(PDF 348KB)

第二回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」嶋津氏陳述

2010年3月20日改訂 有識者会議についてはここ

2010年1月15日午後3時から、2回目の上記有識者会議が開催されました。

2回目はこれまでのダム依存水行政に異論を唱えてきた淀川水系流域委員会の生みの親であり且つ国交省を退職して同流域委員会の委員長を務めた宮本博司氏と、水源連共同代表の嶋津暉之氏が参考人として出席要請がありました。二人とも公開を求めましたが聞き入れられませんでした。宮本氏は「非公開であるならば出席拒否」を選択され、嶋津氏は「有識者会議が少しでも後ろ向きではない答申を出すように」と出席要請に応じました。お二人の結果は異なるものの、苦渋の決断でした。

15日の嶋津氏の陳述には補助者として遠藤も同席しました。

冒頭に座長が公開要請があったことについて非公開の理由を説明しました。その主旨は、この会議では特定の河川、ダムも議論の対象となるが、それがそのままオープンになると、その関係住民に不安を与える恐れがあるので、公開しないというものでした。しかし、これは理由にならない理由です。

嶋津暉之氏は主に次のことを陳述しました。
15日の有識者会議における配布資料は国交省のホームページに掲載されています。
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/
y2010e63a795e5783f9cc2330b4991f1d97ae84f539bef.html

そのうちの資料1-1、1-2、1-3、1-4が嶋津氏の配布資料です。
資料1-2がスライドで使ったものです。

嶋津氏陳述の主な論点

●ダムによる治水対策の問題点

  1. ダムの集水面積は小さく、もともと、あまり大きな効果を持ち得ない。
  2. 雨の降り方によって治水効果が大きく変動するギャンブル的治水対策である。
  3. ダム地点から下流に行くほど、洪水ピークの削減効果が減衰する。
  4. ダム地点の洪水が想定を超えると、ダムは治水機能が急減する。

新規ダムを治水計画から除くためのステップ

第1ステップ
治水計画の目標流量の再設定
治水計画は、机上の計算で求めた現実離れした過大な洪水流量ではなく、実際に観測された近年の最大洪水流量に近い数字を目標流量とする。

第2ステップ
新規ダムよりも河道整備優先の治水計画へ河川整備基本方針で定められている河道整備を優先して進める。

第3ステップ
河道整備で対応可能な範囲と洪水受容の方策の徹底追求

  1. 現況河道で流下が可能な洪水流量および河床掘削や堤防の一部嵩上げで流下が可能となる洪水流量を追求する。
  2. 河道整備で対応できる範囲を超える洪水については豊川霞堤地区の事例および国交省による球磨川の川辺川ダムの代替治水策を参考にして、流域への受容の方策を追求する。

第4ステップ
想定規模を超える洪水への対応策洪水が堤防を越流することがあっても、堤防が直ちに決壊しないように耐越水堤防に強化するとともに、流域への洪水の受容の方策を追求する。

ダムの費用便益比(B/C)の正しい再計算の実施
新規ダム事業の費用便益比(B/C)を現実に即して正しく再計算し、ダム中止の理由を明確にする。

陳述の後、出席委員から質問・意見が出されました。

「嶋津氏の陳述内容を基本的に支持する」という意見、
「基本高水流量を棚上げにして、戦後最大などの洪水流量を治水計画の目標とするのが現実的である」という意見、
「降雨量を引き伸ばしで基本高水を出すことが科学的だ」という意見(基本高水流量を恣意的に大きく算出するカラクリとして使われていると嶋津氏は反論)、
「ゲリラ降雨と破堤が問題であり超過洪水対応を考えなければならない」という意見、「越水対策堤防は重要であるが、技術的な見通しが明確ではない」という意見、
「洪水を受容する選択をした場合、受容地域の公平性をどのように確保するのか」という意見、
「これまでは洪水を河道とダムでおさえるとしてきたが頭を切り替える必要があり、国交省の範囲だけではできない。この委員会では実際にできることを考えるべきではないか」という意見などが出されました。

会議の全体的な雰囲気としては、治水計画の目標流量を現実的な値にし、超過洪水対策として、耐越水堤防と氾濫受容の可能性を探っていく方向性はあったように思います。

その中で特に重要な課題は耐越水堤防(越流洪水があった場合に、直ちに決壊しない堤防)の技術的な見通しをつけることです。

これが今後の治水対策の要になりますので、それを求める国民的な運動を展開していくことが必要だと思います。

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