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「本当に対話望むのか」 石木ダム 反対住民が県批判

2021年7月30日
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石木ダムに反対する地元住民は、改めて時間をかけた話し合いを長崎県に求めました。

その記事とニュースを掲載します。

なお、西日本新聞  2021/7/28 6:00の記事で「佐世保市のある職員は『・・・あおりを受けるのは予定地の住民と、いつまでも渇水の恐れがなくならない佐世保市民だ』と不満を漏らす」と語っていますが、この市職員は現状が何もわかっていません。佐世保市水道は水需要が2000年代になってから、減少の一途を辿って大きく減少してきており、今後は渇水の心配が皆無に近い状態になっています。そのような現実を知らない職員がいることにがっかりしてしまいます。

 

「本当に対話望むのか」 石木ダム 反対住民が県批判

(長崎新聞  2021/7/28 12:00) https://nordot.app/792929015952228352?c=39546741839462401

県の示した対話の条件を批判する反対住民=川棚町

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り水没予定地で暮らす反対住民は27日、中村法道知事との対話について現地で記者会見を開いた。県側が示した「対話当日限りの工事中断」などの条件について「本当に話し合いを望んでいるのか」と批判した。
一方、中村知事は同日の定例会見で対話の期限を来月末と区切った理由について「住民の安全安心のため事業をこれ以上先延ばしできない」と述べ、一昨年9月以来となる対話の実現は不透明感を増してきた。
現地の会見には住民約20人が参加。岩下和雄さん(74)は「私たちは猛暑の中、毎日座り込みを続けている。『1日だけ工事を止めるから話し合いに来い』で、県の言う『静穏な環境』になると本気で思っているのか」と批判。「半年間、本体工事着手を見合わせるなど配慮してきた」とする県の主張に対しても「説明を受けたことはなく、その間も現場では(本体工事以外の)工事が強行されていた」と反論した。石丸勇さん(72)は「話し合いは両者が対等の立場でするもの。県の条件は一方的だ」と訴えた。
ただ対話の可能性を全否定するのではなく「私たちと向き合い信頼を得て、対話ができる環境をつくってほしい」(岩下さん)と呼び掛けた。住民側は28日に意見をまとめた文書を県に発送する。
知事も会見で工事中断について態度を軟化させる可能性を問われ「住民から返事をいただいた上で検討する必要がある」と明言を避けた。

 

石木ダム「話し合える環境整備を」 住民側、県に要請文送付へ

(西日本新聞2021/7/28 11:30) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/776699/

川棚町の石木ダム建設事業を巡り、県が水没予定地の住民に申し入れている中村法道知事との話し合いについて、住民側は27日、期間中の工事中断など「話し合いができる環境の整備」をあらためて求める文書を県に送る方針を明らかにした。

同日に現地で記者会見した。県は住民側に送った19日付の文書で、知事との話し合いの期限を8月末とし、工事は当日に限り中断するとした上で、28日までの回答を求めていた。

知事が住民と話し合う意向を示した5月以降、その条件を巡って県と住民との間で交わされた文書のやりとりは今回で4回目。県は本体着工を見送るなど「住民側に配慮している」と説明しているが、住民の岩下和雄さん(74)は会見で、座り込み現場では早朝や深夜帯に工事が進んだと指摘し「静穏な環境とはほど遠い」と主張した。

一方、中村知事は27日の記者会見で「全ての工事を止めるのは難しい」と述べ、今後の対応は住民側の文書を受け取った上で検討するとした。 (岩佐遼介、泉修平)

 

水没予定地の住民会見「説得する気はあるのか」

(西日本新聞  2021/7/28 6:00)https://www.nishinippon.co.jp/item/n/776768/

記者会見する水没予定地の住民や支援者=27日、長崎県川棚町

石木ダム・リポート ―7月27日―

椅子とテーブルを並べた座り込み現場で、住民は思いの丈を語った。27日、長崎県川棚町の石木ダム建設予定地。中村法道知事との話し合いを巡り、2カ月にわたって県と文書のやりとりを続ける水没予定地の住民は記者会見を開いた。

「ダムを造りたいのであれば、県は私たちを説得しないといけない立場ではないのか」。岩下和雄さん(74)の語気は強かった。「こちらが応じることができない条件を突き付けられては話し合いはできない」

焦点の一つ、工事の中断期間について「話し合いが続く間」を求める住民に対し、県は19日付の文書で「当日限り」と表明。住民側がこの条件に応じるかどうか、28日までの回答を求めている。さらに、話し合いを行うとしても8月末までと期限を区切った。

住民側は、従来通りの要求を突き返す方針だ。住民の岩本宏之さん(76)は、県が1970年代に大村湾で長崎空港を整備した際、当時の久保勘一知事が建設予定地の島の住民と夜更けまで酒を酌み交わして説得に当たった例を挙げ「中村知事は本当に住民を説得したいのかと思う」。

話し合いに向けた知事の本気度に疑問を感じるダム推進派も少なくない。同県佐世保市のある職員は「推進を掲げながら説得にも当たらない、身を切る政治決断もない。あおりを受けるのは予定地の住民と、いつまでも渇水の恐れがなくならない佐世保市民だ」と不満を漏らす。

中村知事はこの日の記者会見で今後の対応については「(住民側から)返事を頂いた上で検討する」と述べるにとどめた。

(岩佐遼介)

石木ダム 長崎県と同県佐世保市が、治水と市の水源確保を目的に、同県川棚町の石木川流域に計画。1975年度に国が事業採択した。当初完成予定は79年度。移転対象67戸のうち川原(こうばる)地区の13戸は立ち退きを拒否し、計画撤回を求めている。2019年5月に県収用委員会が反対地権者に土地の明け渡しを命じた裁決を出し、同年9月に土地の所有権は国に移転。同年11月の明け渡し期限後、県の行政代執行による強制収用の手続きが可能になった。

 

「本気で話し合い望むのか」 石木ダム建設計画、住民が県を批判 川棚町で記者会見 /長崎

(毎日新聞長崎版 2021/7/29)  https://mainichi.jp/articles/20210729/ddl/k42/040/442000c

県と佐世保市が川棚町に建設を計画する石木ダムを巡り、石木ダム建設絶対反対同盟は27日、同町川原地区で記者会見を開いた。知事と水没予定地の住民との対話に向けて県が示した条件への回答内容を明らかにし、「県が本気で話し合いを望んでいるとは思えない」と批判した。

県への回答書では、県が「本体工事の着工を半年にわたり見合わせている」としていることについて、そのような説明は受けていないと反論。話し合いを呼びかける一方で、工事を強行するなどして対話できない状況を作っているのは県だと主張している。

住民の岩下和雄さん(74)は会見で「県が本当に(ダムを)造りたいのなら私たちを説得するべきだ。工事を半年見合わせていたのなら話し合いもできたはずだが、それもせずに『配慮してきた』というのは間違っている」と訴えた。

一方、中村法道知事は27日の定例記者会見で、ダムは必要との認識を改めて示した上で「話し合いに向けて誠心誠意対応したい」と述べた。【綿貫洋、田中韻】

〔長崎版〕

 

石木ダム 知事との話し合いに向け地元住民が回答書提出へ 両者の主張は平行線【長崎県】

(テレビ長崎  2021/7/27 20:02) https://nordot.app/792708972184289280d

東彼杵郡川棚町の石木ダム建設を巡る 知事と地元住民との話し合いに向けた「条件交渉」が続いています。

ダム建設に反対する地元住民は、改めて時間をかけた話し合いを長崎県側に求めています。

ダム建設予定地の住民 岩下 和雄 さん 「このまま続けていっては、例えダムができたとしても禍根を残すダムになることは間違いない。今、時間をかけて話し合いをすべき」

長崎県は先週、話し合いについて・期間を8月末、工事の中断を当日に限るとの条件を提案しました。

しかし、住民側は「話し合いの当日だけでなく、期間中の工事中断がないと穏やかに話し合いに臨むことができない」などとする回答書を準備しています。

長崎県 中村 法道 知事 「話し合いの機会をいただきたいと早い段階から考え方を示し、現場などでも繰り返し条件整理について相談させていただいた。そういった作業もすでに半年経過している。これ以上長く時間をかけて、工事を止めておくわけにはいかないものと判断している」

両者の主張は平行線となっていて、話し合いの実現のめどは立っていません。

 

石木ダム建設 住民が知事との話し合いの条件理解できず

(NHK2021年07月27日 18時27分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20210727/5030012129.html

川棚町で建設が進む石木ダムをめぐって、長崎県が、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けて示した話し合い当日に限って工事を中断するといった条件について、住民側は、「本当に話し合いを望んでいるのか疑問で理解できない」とする回答書を中村知事宛てに送る考えを示しました。
川棚町で建設が進む石木ダムをめぐって、長崎県は、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けて、話し合いの期間を来月末までに設定し、話し合い当日に限って工事を中断するといった条件を示した文書を今月19日付けで地元住民に宛て送りました。
住民側は27日、川棚町の建設予定地で記者会見を開き、28日付けで中村知事に宛て、回答書を送る考えを示しました。
回答書では、「県からの回答を見て知事が本当に話し合いを望んでいるのか疑問で全く理解できない」としています。
また、県が示した条件については、「『話し合い当日限りの中断』とあるが、そのような中で静穏な話し合いができるとは考えられない」としています。
住民の岩下和雄さんは、「話し合いのときだけ工事をストップするのは静穏といえるのか。同じことを何度もいっているが、工事を即時中断して話し合いができる環境を作って欲しい」と述べました。

 

浸水危険地での建築に許可制 「流域治水」関連法成立

2021年5月1日
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流域治水関連法が今日〔4月28日〕、参院本会議で可決、成立しました。下記の記事の通りです。

この流水治水関連法が実際にどこまで有効に機能する法律になるのかはまだわかりません。

信濃毎日新聞の社説が指摘しているように、流域治水の推進において重視されるべきは計画策定への流域住民の参画であり、流域住民の合意です。

 

浸水防止区域を創設、住宅移転を促す 関連法成立

(日本経済新聞2021年4月28日 17:00)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA274BS0X20C21A4000000/

(写真)2019年の台風19号で千曲川の堤防が決壊して大規模浸水した長野市の市街地

大規模な水災にハード・ソフト一体で備えるための流域治水関連法が28日の参院本会議で可決、成立した。浸水の危険が高い地区を対象にした浸水被害防止区域を創設し、住宅や高齢者施設などの開発を制限する。安全な地区への移転も促し、災害に遭っても被害を軽減できるようにする。

河川法など9つの改正法が年内に施行する。気候変動の影響などで豪雨や洪水による被害が大きくなっていることを受け、堤防などのハード整備だけでなく、まちづくりや住民移転などを組み合わせて被害を軽減する「流域治水」を進める。

 

ソフト面では、都道府県が数十年に1度の豪雨を想定した浸水被害防止区域を新たに指定できるようにする。住宅や高齢者施設などの建築を許可制とし、安全基準を満たさない開発を抑える。集団移転を促す対象にも加え、安全な地区に居住者を誘導する。

氾濫が増える中小河川対策も強化し、管理する自治体に浸水想定区域の指定を義務づける。これまでは水害の危険があるのに住民に周知されていないケースがあった。

ハード対策では堤防などに加え、河川流域で雨水をためる土地や貯留施設などの整備を加速する。こうした施設の固定資産税を軽減したり、補助金を活用したりする。

  

「流域治水」関連法が成立 河川沿いを「貯留機能保全区域」に

(毎日新聞2021/4/28(水) 20:21)https://news.yahoo.co.jp/articles/a2b0bf10eee04da5943a01168268da38ba48ad04

 自治体や企業、住民が協働して河川の流域全体で治水の実効性を高める流域治水関連法が28日、参院本会議で可決、成立した。浸水被害の危険がある地区の開発規制や避難対策が柱。今年11月までに順次施行する。

気候変動で降雨量が増加し、従来の堤防やダムで対応しきれない水害が多発していることから、河川法など関係する法律9本を一括で改正して抜本的な対策を講じる。河川の氾濫をできるだけ防ぎ、被害を最小限に抑えるなどの方策を充実させる。豪雨で氾濫するリスクが高い河川流域で貯水機能を持つ場所を整備し、住宅や福祉施設の建築を許可制とするなどの対策を進める。

貯水対策では、農地など河川沿いの低地を「貯留機能保全区域」に指定。盛り土などの開発行為は事前の届け出を義務づける。氾濫が起きやすい河川の周辺地域に住宅や高齢者福祉施設などを建てる際は許可制とし、都道府県などが居室に浸水深以上の高さがあるかや洪水で倒壊しない強度かを確認する。

高齢者福祉施設で適切な避難計画が策定され、訓練が行われているかを市区町村が確認し、施設管理者に助言、勧告することができる。民間ビルの地下に貯水施設を整備した場合に固定資産税を減免する規定も設けた。現在は大規模河川について市区町村が作成しているハザードマップを中小河川にも拡大する。国土交通省は2025年度までに1万7000の河川で作成することを目指す。【岩崎邦宏】

 

 浸水危険地での建築に許可制 「流域治水」関連法成立

(中日新聞2021年4月28日 16時00分)  https://www.chunichi.co.jp/article/244877

まち全体で水害を防ぐ「流域治水」関連法が二十八日、参院本会議で可決、成立した。浸水被害の危険が著しく高いエリアは許可なく住宅建築などができないようにする。ハザードマップ(避難地図)を大きな川だけでなく中小河川でも作成し、リスクを事前に周知。雨水を一時的にためる川沿いの低地を保全する仕組みも設ける。一部を除き十月末までに施行する。

気候変動でダムや堤防の能力を超える大雨が降るようになり、大規模な浸水被害が多発。河川法など九本の関係法律を一括で改正、開発規制や避難対策などを総動員、被害を最小限に抑えるまちづくりを目指す。

建築許可制とするのは、川幅が狭いなど氾濫が起きやすい河川の周辺。都道府県知事が区域指定し、住宅や病院、高齢者・障害者向け施設は、居室の高さや強度を確認した上で許可する。最近の豪雨は住宅で多くの死者が出ており、浸水や倒壊のリスクを減らす。

川沿いの水田などに雨水をためれば河川への流入量を減らせるため、指定エリアの開発行為は届け出制にする。民間ビルの地下に雨水貯留施設を設ける場合、費用を補助したり、税制面で優遇したりする。

 

〈社説〉流域治水法成立 住民の理解が欠かせない

(信濃毎日新聞2021/04/30 09:12) https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021043000156

ダムや堤防だけではなく、まち全体で水害を防ぐことを目的にした「流域治水」関連法が参院本会議で可決、成立した。

被害が起きやすい地域の住宅や病院などの建設を許可制にするほか、川沿いの低地を保全する仕組みをつくる。高齢者施設の避難体制も自治体がチェックしていく。

県内に大きな被害をもたらした2019年10月の台風19号災害など、気候変動でダムや堤防の能力を超える大雨が降るケースが目に見えて増加している。

既存の治水対策は限界にきている。上下流に関係なく、流域全体で川への流出量を抑制することが欠かせない。洪水に備え、被害を最小限にする方策も必要である。

流域治水の必要性は、数十年前から指摘されていた。それなのに、国や自治体は被害が顕在化するまでダムや堤防に頼った治水を続け、真剣に取り組んでこなかった。被害拡大に伴い、ようやく実現した政策の大転換である。

ただし、流域治水を進めるには課題が少なくない。

県内では田中康夫元知事の「脱ダム」宣言後に、ダムが計画されていた流域ごとに、自治体や住民が対策を議論した経緯がある。それでも前に進まなかった。

長野市の浅川流域では、必要とされた遊水地が確保できず、雨水を各家庭でためる貯留タンクの設置の補助制度も利用がなかなか伸びなかった。住民理解を得るのが簡単ではないからだ。

今回の関連法では、氾濫しやすい河川の周辺地域を知事が指定し、住宅などの新築時に居室の高さや強度をチェックする。浸水被害軽減に役立つ低地の水田などは開発を届け出制にする。対象地区では、住民の負担が増え、経済行為も自由にできなくなる。

台風19号災害を受け、国や県が遊水地整備を進めている千曲川流域では、優良な農地を失うことに抵抗感を示す地権者が少なくないという。地権者が100人以上となる計画地もあり、多くは今後の見通しが立っていない。

必要なことは、流域の住民や事業者、自治体が一体となって治水に取り組む環境をつくることだ。従来政策の限界を説明し、住民の財産と命を守るために何が必要なのか、自治体は丁寧に説明し、住民合意を得なければならない。

住民負担を資金面や税制面で軽減する対策も考えていく必要がある。遊水地の整備では、地権者が納得できる補償や代替地の確保も欠かせない。

再々反論書追加分を提出  石木ダム

2021年4月3日
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石木ダム収用明渡裁決取消し裁決を求めて

2021年4月2日、106名の連名で、再々反論書追加分を国土交通省土地収用管理室宛に提出しました。

2019年7月3日付で113名が連名で提出した「石木ダム収用明渡裁決取消しを求める審査請求」に関して、審査請求人と処分庁である長崎県収用委員会との間で弁明・反論のやりとりが続いていることは2021年2月21日に水源連HPに「再々反論書提出」と題して報告いたしました。

その後、長崎県が「現地の皆さんと話し合いたい」としながら、既成事実化を図ることを目的に、本体工事着工の準備工事を重機を使って昼夜にわたって進めるようになり、13世帯と支援者の皆さんの抗議要請行動がきわめて危険な状況にさらされています。3月25日の工事継続差止訴訟控訴審第3回期日には、現地抗議行動を休むことができず、13世帯皆さんからお一人だけの参加となりました。

このような蛮行の背景には「覚書きを無視した土地収用法適用」があります。事業認定と収用明渡裁決の効果があるが故に、石木ダム建設工事を進めることができています。この審査請求で、事業認定と収用明渡裁決の違法性をさらに明らかにし、「収用明渡裁決取消し」の裁決を勝ち取るべく、「再々反論書追加版」と、治水目的の欺瞞性を整理するとともに川棚川の治水には田んぼダムも検討することを求める「(再々反論書追加版別紙)石木ダム治水目的と田んぼダム 検討の為に 」を4月2日に提出しました。

再々反論書追加版」では、下記事項を記しました。

  •  現地の状況

    • 無駄な石木ダムに関連する工事は無駄であること
    • 工事進捗の既成事実化は覚書き違反であること、
    • 無駄な工事の夜間作業等による強行継続は、朝8 時から夜10 時まで14 時間もの長時間にわたる抗議要請行動を強いるだけでなく、重機稼働によるケガ等の危険性が極めた高いこと、
    • このような工事強行は、13 世帯皆さんが疲れ果てて何もできなくなることを狙った、長崎県の人権破壊行為そのものであること、
    • このような人権破壊行為は直ちに止めさせなければならないこと、を記述した。
    • 特に治水面に関して、その手順を追って問題点を整理し、その手順すべてにおいて致命的な瑕疵、それも意識的なゴマカシがなされていること、それらのゴマカシの積み重ねで治水面の必要性が作り上げられていること、を別紙「「石木ダム治水目的の検証」と「田んぼダムの」検討~川棚川の治水対策は「田んぼダム」の導入を~」で明らかにした。
    • 同別紙には、上記事項とともに、川棚川水系にとってより有効な治水対策は「田んぼダム」であることを述べた。
  •  行政不服審査請求制度の目的

    • 事業認定取消しを求める審査請求「棄却裁決」の理由は、「(処分庁・九州地方整備局長が提出した)資料によれば、以下の諸点に照らして、本件事業が法第20 条各号の要件を充足するとした本件処分について違法ないし不当な点は認められない。」とする誠に気楽なものであった。
    •  行政不服審査法は、「・・・・・、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」のであるから、本件行政不服審査請求において、審査庁に必要な判断はあくまでも、「13 世帯住民の生活の場を奪わなければならないほどの理由があるのか」という視点からの判断である。
    •  ①収用明渡し裁決の原因処分である事業認定に瑕疵(事実誤認等)はなかったのか、②事業認定処分後に事業認定時に想定していなかった事態が生じていないのか、について、「国民の権利利益の救済を図る」視点からの行政としての見直し権限は国土交通大臣しか持ち合わせていない。
    • 「国民の権利利益の救済を図る」視点からの当該案件見直しを求めた。
  • 事業認定処分に無効となるような重大かつ明白な瑕疵の有無について

    • 処分庁(長崎県収用委員会)は「事業認定処分に無効となるような重大かつ明白な瑕疵」として、最高裁判示から「誤認が一見看取し得るもの」とし、土地収用法上の4つの手続き不備を例示している。
    • しかし残念ながら手続きがそろっているとしても、その内容が虚偽の積み重ねであるのが本件なのである。
    • 土地収用法は第63条第3項で「起業者、土地所有者及び関係人は、事業の認定に対する不服に関する事項その他の事項であつて、収用委員会の審理と関係がないものを前2項の規定による意見書に記載し、又は収用委員会の審理と関係がない事項について口頭で意見を述べることができない。」としている。
    • この項に縛られた収用委員会公開審理がなされる以上、事業の認定内容が虚偽で塗りたくられていることを土地所有者及び関係人が伝えることができない。この項はまさに事実を事実として伝えることを禁じた、土地所有者の人格権を侵害する憲法違反の条項である。
    • 実際、第1次収用明渡裁決申請にかかる収用委員会公開審理では第63条第3項を盾に石木ダムの必要性に関する質疑は封じられ、本件においても共有地権者からの石木ダム事業に係る土地収用事件の却下を求める要請書には回答が来ていない。
    • 本件審査請求者は全員、本審査請求において、「誤認が一見看取し得るもの」の壁を越えて、事実と向かい合った結果としての裁決を求めている。
    • 以上より、本処分の効果を一時停止した上での、審査庁による現地調査を含めた証拠審査、審査請求人等と本件に関係した起業者・行政処分者との公開による質疑応答の積み重ね、を求めた。

(再々反論書追加分別紙)石木ダム治水目的と田んぼダム 検討の為に 」 では、下記事項を記しました。

  • 石木ダムの治水目的は、山道橋下流域を計画規模1/100対応とし、到達流量1,320m³/秒を計画高水流量1,130m³/秒に調整することであった。
  • 本稿では、この計画規模1/100、計画規模に対応する流量(基本高水流量)、現状の河道流下能力について検証を加えた。
  • その結果を整理する。
    • 石木ダムの集水域は川棚川流域の11%しかない、
    • ダムによる治水上の効果は川棚川流域の7%にしか及ばない、
    • 川棚川流域の計画規模1/100は1970年代の河道を対象にして決めたもので、河川整備基本方針策定当時(2005年当時)の河道を対象にするべきであった。その結果は計画規模1/50で石木ダムは不要となるが、長崎県は「川棚川の『ダムと河道改良による治水』を換えることはできない」とした。
    • 計画規模1/100に対応する流量(基本高水流量)1,400m³/秒の算出根拠として採用した降雨パターン(昭和42年洪水時の降雨引伸しパターン)の1時間ピーク値138mmは超過確率が1/100より遙かに低い1/500~1/600という異常値である。しかし長崎県は「洪水到達時間3時間雨量203mmの超過確率は1/100。1時間雨量の棄却検定は必要ない。」を押し通している。
    • 洪水到達時間3時間も、長崎県が示しているハイエトとハイドロが示すように洪水到達時間は1時間でしかない。長崎県は「クラーヘン式では3時間」としているが、クラーヘン式は流路距離と勾配しか考慮していない式なので、「昭和42年洪水時の降雨引伸しパターン」のように突出した降雨ピークを持つ洪水は流れが速く、適用できないのである。
    • さらには、長崎県が明らかにしているように、山道橋下流の川棚川は河道が整備されている。1/100基本高水流量1,400が生じて山道橋地点に1,320m³/秒の洪水が到達しても、その下流であふれることなく流下する。「石木ダムなし」で襲来しても、実害はゼロである。
    • 以上、石木ダムの治水目的が破綻していることは、その算出経緯すべてが間違っていることで証明されている。
    • 石木ダムによる治水は、必要ない上に、①②で示したように、治水施設として効果を果たす機会、効果を果たす地域、ともにきわめて限られている。
  • 田んぼダムによる効果を試算した。その結果を記す。
    • 田んぼダム化により、山道橋地点到達としている1,320m³/秒が80m³/秒~130m³/秒低下することで、山道橋地点下流域はより安全性が高まる。
    • 石木ダムでは川棚川の石木川合流点上流域には治水効果を及ぼさないが、田んぼダム化による効果は川棚川流域全体に及ぶ。
    • これからは気候温暖化により、豪雨に見舞われる可能性が高い。その備えとして石木ダムは用をなさないだけでなく、超過洪水・放流口の目詰まりにおいては突然溢れ出し、その下流域に急激な氾濫をもたらす危険がある。
    • 石木ダムではなく、川棚川流域の広い範囲を集水域とした田んぼダムなどの創設と普及を図ることが急がれる。
  • 以上より、長崎県が石木ダムが治水目的上必要としている理由はすべて事実無根であり、本件事業工事継続はとりわけ13世帯住民の人格権を致命的に侵害する。よって、本件工事継続は差し止められなければならない。

主文 審査請求を棄却する  (石木ダム事業認定取消請求裁決)

2021年1月11日
カテゴリー:

2013年10月7日から7年2ヶ月経ちました。

裁決書

審査請求人
住所 ・・・・・・・・
氏名 ・・・・

上記審査請求人(以下「請求人」という。)が、平成25年10月7日付けでした
審査請求について、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第40条第2項の規
定に基づき、次のとおり裁決する。
なお、この裁決の取消しを求める訴えは、裁決があったことを知った日の翌日から起
算して6か月以内に、国を被告として提起することができる。ただし、裁決があったこ
とを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、裁決の日、の翌日から起算して
1年を経過したときは、裁決の取消しの訴えを提起することができない。

主文
審査請求を棄却する。
事 実

1 審査請求に係る処分
長崎県及び佐世保市が起業者である二級河川川棚川水系石木ダム建設工事並びにこれ
に伴う県道、町道及び農業用道路付替工事(以下「本件事業」という。) に関し、
九州地方整備局長(以下「処分庁」という。)が平成25年9月6日付けでした事業
の認定(九州地方整備局告示第15 7号。以下「本件処分」という。)

2 審査請求の趣旨
本件処分を取り消す、との裁決を求める。

3 審査請求の理由
本件審査請求の理由の要旨は、次のとおりである。

以下、当方(審査請求者)の審査請求に付した意見書と、処分庁の弁明書に対する当方からの反論書に記した反論に記した意見書とを基に審査庁が作成した、審査請求の理由が続いている。

その後に、裁決主文「審査請求を棄却する」の理由を記した、理由 が長々と記されている。

上にその冒頭部分を紹介した、2020年12月11日付けの裁決書(国土交通大臣 赤羽一嘉)が、石木ダム事業認定取消を求める審査請求人に届きました。
審査請求を提出したのが2013年10月7日ですから、7年2ヶ月が経過しての裁決です。これだけ時間をかけての審査なのですが、裁決理由は処分者(事業認定処分庁である九州地方整備局長)の弁明書記載事項の丸写し、もしくは、その補修文を貼り付けたうえで、「ダム建設案(申請案)が最も合理的であるとした処分庁の判断が不合理であるとは認められない。」と結論づける文ばかりでした。

行政不服審査法は、その主旨として、第1条で「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」としています(2014年に若干表現が変更がある)。「簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図る」のであるからには、「処分庁の判断が不合理であるとは認められない。」では困ってしまいます。この事業によって、事業地居住民の生活の場を未来永劫に亘って奪い取るからには、「処分庁の判断が不合理であるとは認められない。」というのではまったくく不十分です
ダム事業予定地に指定されていなければ、事業地に居住されている皆さんが生活の場を追われる羽目にはならなかったからです。これらの裁決理由からは、生活の場を奪い取るほど必要性がある事業なのか否かをしっかり検証することを意識した裁決とは読み取れないからです。

今回の国土交通大臣による「審査請求棄却」裁決の取消を求めるには、国を被告として2020年12月11日の6ヶ月以内に提訴することになります。事業認定取消訴訟は不当にも2020年4月に「上告棄却」が決定しています。すでに事業認定に関する司法の判断は決定していますが、行政不服審査請求棄却裁決は新たな行政処分であることから、石木ダム対策弁護団と「事業認定取消を求める審査請求規約裁決取消訴訟」についてしっかり相談しようと考えています。(遠藤保男)

裁決書 20201211 PDF版 (送付された書類紙面をコピー)
裁決書 20201211 WORD版(反論記載用 審査請求理由と裁決理由、それへの反論をセットとして記載 判決理由への反論はこれから書き込み、取消訴訟に備える。)

事業認定取消を求める審査請求 関連書類

2013年10月7日審査請求段階

2015年1月15日 審査請求書への処分庁弁明書とそれへの反論関係

2017年5月17日「認定庁の公害等調整委員会からへの質問に対する回答」と当方からの反論

2019年1月16日 公害等調整委員会

 

 

 

 

 

 

 

首長、農家ら〝怒りのボイコット〟 国営大蘇ダム完工式 再び漏水、直前に報告

2020年11月30日
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水漏れダムとして知られる農林水産省の農水ダム「大蘇ダム」(熊本県産山村)についての記事を掲載します。

2005年に完成したものの、試験湛水でダム湖地盤からの水漏れが確認され、2013年度から漏水対策工事が進められてきました。総事業費は当初の130億円から720億6千万円に膨らみました。

対策工事が終わり、今年2020年4月に供用が開始されましたが、漏水量が国の想定を大きく上回っていることが明らかになりました。

何ともお粗末な話です。

 

たまらないダム 事業費膨張720億、なお漏水2万トン

(朝日新聞2020年11月30日 15時30分)

 

首長、農家ら〝怒りのボイコット〟 国営大蘇ダム完工式 再び漏水、直前に報告
(熊本日日新聞2020/11/26 13:40)https://news.yahoo.co.jp/articles/368c6d4fd0133986bc32c2b3de8634a0014e94f

(写真)25日に開かれたお国営大蘇ダムの完工式。熊本県側の関係者に用意された座席は空席が目立った=大分県竹田市

大分県竹田市で25日に開かれた国営大蘇ダム(熊本県産山村)の完工式は、熊本県側の受益地、阿蘇市と同村の首長や議員、農家ら約30人が欠席する異例の事態の中、式典が進められた。九州農政局から「想定を超える漏水」の報告が直前になったことによる、“怒りのボイコット”で、関係者からは「完工とは言えない」「安心して営農できない」と国への憤りの声が上がった。

佐藤義興・阿蘇市長に国から報告があったのは式典前日の24日だった。佐藤市長は「地元に今後の方針を示さないままの完工式は、非常に失礼で無責任。県や産山村と連携して、地元の主張をしっかりと伝える」と語気を強めた。

建設地の産山村に伝わったのは、さらに1日遅れの25日午前。村議会の全員協議会で式典「不参加」を決めた。市原正文村長は「もっと早く説明してほしかった。水を利用する農家が安心できるように、漏水の原因を究明して国が責任を持って対策してほしい」とあきれた様子だった。

熊本県側の代表としてあいさつに立った木村敬副知事は、そんな地元の怒りの声を反映し、「きょうは完工式ですが、工事が終わったわけではない。最終的な漏水対策をしっかり完成させて」とくぎを刺した。

大蘇ダムは農林水産省が1979年度に事業着手して40年超が経過。計画は何度も見直され、予定より30年以上遅れて完成し、事業費は当初の5・5倍の720億円に膨れ上がった。

受益農家からも懸念の声が飛んだ。阿蘇市波野で夏秋トマトとアスパラガスを栽培する佐藤慎一さん(72)は「満水になったと聞いて期待していたのに、話にならない。水が必要な夏の時期に水不足にならないか心配」と困惑していた。

一方、式典に参加した竹田市の荻柏原土地改良区でピーマンを育てる衛藤喜一さん(65)は「熊本県副知事のあいさつで、今回の漏水を知った。喜びの場だと思ったのにいいかげんにしてほしい」とばっさり。同地区のミニトマト農家の男性(67)も「同じことの繰り返しで農家の不安は尽きない。完工式は、国が一つの区切りを付けたかっただけではないか」と皮肉った。(東誉晃)

 

 国営大蘇ダム、再び漏水 熊本県産山村 1日1万5千トン

(熊本日日新聞2020/11/26(木) 11:03配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/ffb99b4bff3d7aa4e65c80c2a3dc5db3bfd2488a

(写真)供用開始後に国の想定を超える漏水が発生している大蘇ダム=25日、産山村

大規模な水漏れで農林水産省が対策工事を実施し、2020年4月に供用開始した国営大蘇ダム(熊本県産山村)で、地中への水の浸透量が国の想定を大きく上回っていることが25日、九州農政局への取材で分かった。11月現在の浸透量は1日当たり約1万5千トンで、想定の2千トンの7倍超となっている。

同局は「当面は農業利水への影響はないが、稲作に多くの水を使う春まで今の状況が続き渇水が重なれば、水不足になる恐れがある」と説明している。原因については「調査中」としており、詳細はダムの水位が下がる来春以降にしか調べられないという。  大蘇ダムは08年、ダム本体完成後の試験湛水[たんすい]で満水時に4万トン、最低水位で5千トンの浸透量があり、利水の計画量が確保できないことが判明。農林水産省と受益農家が多い大分県側が13年から7年間で計126億円を投じ、ダム湖の約3分の2をコンクリートなどで覆う対策工事を実施した。その際、「10年に一度の渇水に対応できる」として浸透量の目安を2千トンとしていた。

19年度の試験湛水では、水がたまり始めた6、7月ごろは3万トン近く浸透していたが、満水になった9月に2千トン程度に落ち着いた。このため同局は「6、7月は渇いた山肌で水が染み込みやすかった」とみて、漏水対策工事の効果を確認していた。  供用を開始した20年度は7月の豪雨で満水となり、8月に最大3万トン超の浸透を確認。その後の浸透量の減少幅が少なく、貯水率が約50%となった11月下旬でも依然、1万5千トンの浸透が続いている。  国は「ダムが完成している状況に変わりない」として25日、大分県竹田市で完工式を開催したが、熊本県側の受益地の阿蘇市と産山村の首長や議員らは「国の説明が不十分」として式典を欠席した。

同局は「地元への説明が遅れ、不信感を抱かれてしまった。今後は丁寧な説明に努める」としている。(内田裕之)

 

「底抜けダム」また水漏れ 改修工事後も想定の10倍、2万トン 熊本・産山村
(毎日新聞2020年11月26日 20時49分)  https://news.livedoor.com/article/detail/19285450/

(写真)新たに漏水が明らかになった大蘇ダム=熊本県産山村で2020年11月26日午後0時52分、石井尚撮影
大分県竹田市と熊本県阿蘇市、産山村に農業用水を供給するため農林水産省が同村に建設した大蘇(おおそ)ダムで、最大で想定の10倍もの漏水が起きていることが九州農政局などへの取材で明らかになった。2005年にいったん完成したが漏水が判明したため改修工事を実施し、今年4月に本格的な供用が始まったばかりだった。
農政局によると、大蘇ダムは堤防の高さ約70メートル、長さ約260メートル、総貯水量430万トン。1979年に事業着手し88年の完成を予定していたが、阿蘇火山由来の地質や想定外の亀裂などで05年にずれ込んだ。その後、試験供用中の08年に大規模な水漏れが判明したため、ダムの側面にコンクリートを吹き付けるなどの対策工事を進め昨年6月までに終了。当初約130億円だった総事業費は約720億円に膨らんだ。
対策工事後の点検で異常がなかったため、今年4月から農業用水の給水を始めたが、8月から1日1万5000トン程度の水が減り続けていることが判明。漏水量は水量や気象条件によって変化し、多い日は想定(1日当たり2000トン)の10倍に相当する2万トンが漏水している。必要な量の供給はできているが、農政局の担当者は「将来的に足りなくなることも想定される。原因を調査する必要がある」としている。
大蘇ダムからの給水に頼る受益面積は竹田市が1604ヘクタール、阿蘇市が92ヘクタール、産山村が169ヘクタールで計1865ヘクタール。全体の約9割を占める竹田市はこれまでに、ダム建設や漏水対策のため約27億6000万円を負担した。仮に大蘇ダムからの給水がなくなると、熊本県高森町にある大谷ダムからの時間を限られた給水に頼らざるを得ない状態に戻るという。竹田市の首藤勝次市長は「そもそも国の計画が甘かったのではないか。追加工事が必要になってもこれ以上の負担金は払えない」と語る。
農家の反発も強く、竹田市荻町でピーマンなどを栽培する衛藤喜一さん(65)は「41年たつのにまた振り出しに戻ってしまった。水がたまらないダムはいらない」と憤った。【津島史人、石井尚】

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