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石木ダム事業で反対住民と大石知事が初めての話し合い

2022年8月12日
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8月10日、長崎県の大石賢吾知事は、石木ダム建設を計画している東彼・川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わしました。その記事、ニュースを掲載します。

長崎放送のニュースが意見交換の様子を伝えていますので、動画も是非、ご覧ください。

しかし、石木ダム建設工事の関連工事が始まったので、反対住民が座り込みを8月17日に再開しました。そのニュース記事も末尾に掲載します。

大石知事は石木ダム建設工事を中断して話し合いをすることがなぜできないのでしょうか。

 

石木ダム事業で反対住民と大石知事が初めての話し合い

(長崎放送2022年8月11日(木) 12:44)https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/121376?display=1

(動画)

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダムをめぐり、事業に反対する住民と大石知事が10日、初めて事業について本格的な話し合いをしました。
大石知事からの要望で開かれた話し合いには、ダム建設に反対する住民およそ20人が参加しました。

知事と住民が事業について本格的に話し合うのは2014年7月以来8年ぶりで、住民らは佐世保市の水の需要予測を示すなどしてダムの必要性について議論を求めました。

(反対住民)「これを見てですよ、佐世保市が本当に水が要るかというのが考えられんでしょう?」
(反対住民)「石木ダムは本当に必要かどうかということを議論ばせんばでしょう、まず」
(大石知事)「必要性についての説明が必要だということは全くその通りだと思います。我々も隠れてやるつもりは全くありませんので」

ダムについて大石知事は住民の理解を得たうえで建設を進めたいとして、住民と面会したのはきのうで3回目となりました。

(反対住民)「知事と直接言い合うというのは今までなかったですよね、やっぱり納得いくまで話し合いを続けていきたいと思います」

住民を強制的に立ち退かせる行政代執行も可能な立場の大石知事ですが、当面、住民との話し合いを重ねる方針です。

 

大石知事、住民と対話継続を確認 石木ダム3回目訪問 工事中断には難色

(長崎新聞2022/8/11 10:30 )https://nordot.app/930271862148071424?c=174761113988793844

大石知事(手前)の説明を聞く反対住民ら=東彼川棚町東部地区コミュニティーセンター

長崎県の大石賢吾知事は10日、県と佐世保市が石木ダム建設を計画している東彼川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わした。両者はできるだけ早く次の対話の機会を設けることを確認したが、住民が求める工事中断について、知事は「県民の安心安全を守るのが行政の責任」として難色を示した。
両者の面会は4月以来3回目。知事は自然災害への備えや、地権者の8割が既に移転している現状を理由に、早期完成への理解を求めた。これに対し住民の岩下和雄さん(75)は「私たちの立場に県が立つことが必要。押さえつけるのではなく、ダムの必要性について納得いく話し合いを続けて」と要望。家屋などを強制撤去する行政代執行について、知事は「(ダムを)無理やりつくるのではなく、しっかり理解を得た上で進めたい」と述べた。
住民は、建設反対で同調する佐世保の市民団体との意見交換も求めたが、知事は「(工事差し止め)訴訟が継続中なので控えたい」とした。住民は県との公開討論会も提案したが、知事は明言を避けた。住民の岩下すみ子さん(73)は1982年の強制測量時に機動隊が出動した写真を知事に見せ、「私たちはこの地で住み続けたい」と建設中止を求めた。
終了後、知事は「意見の食い違いがあった。丁寧に対応し一つ一つ解決したい」と話した。

 

【長崎県】石木ダム 知事と地元住民の面会は平行線

(テレビ長崎2022年8月11日 木曜 午後0:20)https://www.fnn.jp/articles/-/401943

(動画)

東彼・川棚町の石木ダムをめぐり、大石 知事は10日、建設反対の住民と面会しました。
住民側は工事の中断を求めましたが、大石 知事は難色を示しています。

大石知事と石木ダム建設に反対する住民は10日夕方、川棚町で約2時間にわたり意見交換しました。

県民の安心・安全を守る責任があるとしてダムの早期完成を目指したいとあいさつした知事に対して、住民は工事の中断を迫りました。

石木ダム建設絶対反対同盟 岩下 和雄 さん 「話し合いを続けていきましょう。工事はしませんのでと言ってくれたら私たちも座り込みに出ていく必要がない」

大石 賢吾 知事 「しっかりと検討はしたいがこの場で約束はできない」

住民側は水需要予測を含めてダムの必要性に疑問があるとして公開討論会も提案しましたが、知事は明言を避けました。

その上で住民側は16日まで工事現場での座り込みを見送るとしていて、県側の対応が注目されています。

 

「石木ダム工事中断」を要請 反対派住民が知事に

(西日本新聞2022/8/12 11:30) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/971534/

石木ダム建設を巡って反対派住民と意見交換する大石賢吾知事(中央)

長崎県と佐世保市が川棚町川原地区で進める石木ダム建設事業を巡り、大石賢吾知事は10日夜、同町を訪れ、今も建設予定地に住む13世帯の反対派住民と面会し、意見交換した。住民らは県との協議継続と、その間の建設工事を中断するよう改めて要請。知事は終了後の取材に、協議は続けるものの、工事中断には応じない考えを示した。

冒頭、知事は「一刻も早くこの問題を解決したい。皆さまのお気持ちを聞かせてほしい」とあいさつした。その後の意見交換では、住民から「ダムの必要性を住民にも分かりやすく説明する機会を設けてほしい」「話し合いはパフォーマンスではないか」などという怒号が飛ぶ一方、「(建設予定地で毎日行っている)座り込みを一時中断して様子を見たい」との声も出た。

約2時間にわたった面会後、住民の岩下すみ子さん(73)は「話せただけでもよかった。今後の話し合いの中で、(ダム建設)中止に持っていきたい」。大石知事は「皆さまのふるさとへの思いを聞けたのと同時に、多くの宿題をもらった。近いうちに次の話し合いの機会を設けて、対応していきたい」と述べた。 (才木希)

 

石木ダム 知事が反対住民と対話 「県は強行策ばかり」批判噴出 /長崎

(毎日新聞 2022/8/12) https://mainichi.jp/articles/20220812/ddl/k42/040/257000c

大石知事(左)に県への不信感をあらわにする住民

県が川棚町に建設を進める石木ダムを巡り大石賢吾知事は10日夜、同町を訪れ、建設に反対する水没予定地に暮らす13世帯の住民約20人と約2時間対話した。住民からは半世紀に及ぶ県への不信感が噴出し、県が防戦に回るやり取りとなった。

大石知事が現地を訪れ反対住民と会うのは3回目だが、本格的な意見交換は初めて。知事は冒頭「住み慣れた故郷を思う気持ちから事業に協力できないお考えは十分理解している」としながらも「渇水、洪水という自然災害から県民の安全を守ることは行政に課せられた責任」と述べた。

住民はダム建設着手について県と住民間で交わした覚書(1972年)がほごにされたこと、82年の機動隊を使った強制測量など、県の行動を列挙。岩下和雄さん(75)は「県は住民をいじめる強行策ばかり。強行手段は伝統なのか」と怒りをあらわにした。住民は建設現場に連日座り込んでおり「行政代執行するならやればいい。座り込む必要がなくなる」という声や「工事の排水が田んぼにつながる用水路に流れ込んでいる。嫌がらせではないか」などの意見が相次いだ。

知事「丁寧に対応」

大石知事は「心苦しく思っており丁寧に対応していきたい」「今後も話し合いを続けていきたい」と守勢を強いられた。対話を終えた知事は「厳しい意見もあったが、話し合いを続けたいと言ってもらえたことがありがたかった。誠意を持って理解を得られるよう進めていきたい」と語った。【綿貫洋】

〔長崎版〕

 

【長崎】大石知事と石木ダム反対住民3回目話し合い

(長崎文化放送2022年08月11日) https://www.ncctv.co.jp/news/104802.html

(動画)

長崎県と佐世保市が東彼・川棚町で進める石木ダム建設事業について大石知事は10日夜、水没予定地で暮らす「反対住民」と意見を交わしました。

反対住民と大石知事の面会は3月以降3回目です。知事は13世帯約20人にダムの「早期完成」への理解を求めました。

これに対し反対住民は「工事の中断」を要望、「私たちが納得できる話をしてほしい」と訴えました。

住民の岩下すみ子さん(73)は「本当にもううんざりです。この問題を早く片付けて石木ダムの建設がいらないということがはっきりしている訳です。中止してほしいと思います」と話しました。

大石知事は「我々のなぜ、続けなきゃいけないかという考えもしっかりともう一度改めて説明しなくてはいけないと思いますし、どういった形で折り合いをつけられるかというのは今後取り組んでいきたいと思います」と話しました。知事は反対住民との話し合いは続けたいとしています。

 

石木ダム反対の住民と意見交換 川棚で知事

(読売新聞2022/8/12 05:00) https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20220811-OYTNT50109/

県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、大石知事は10日、建設に反対する地元住民と同町内で意見交換した。

住民約20人が出席し、「話し合いの間は絶対に工事を強行しないと約束してほしい」「住民の同意を得られない場合は行政代執行してでも造るのか」などと要望、質問した。

大石知事は「皆さんと話し合いを続け、どうやったら折り合いをつけられるかしっかりと検討したい」「行政代執行は最終的な手段。私は皆さんの理解を得た上で解決を目指したい」と回答。「いただいた指摘は、しっかりと県庁内で精査する」と述べた。

県は2025年度の完成を目指しているが、事業用地には今も13世帯が暮らしている。大石知事は3月にダムの予定地で反対派の住民と面会し、4月に反対派の住民と現地を視察。7月には佐世保市と川棚町で建設を求める団体と意見交換した。

 

川棚町の石木ダム建設工事 住民による座り込み再開

(テレビ長崎2022年8月17日 水曜 午後7:32 )https://www.fnn.jp/articles/-/404611

(映像)

東彼・川棚町の石木ダムをめぐり、建設に反対する地元住民は、知事に工事の中断を求めました。
ただ知事は要望に応じておらず、住民による座り込みが「再開」しました。

東彼・川棚町の石木ダム建設予定地です。

午前8時前から重機が運び込まれ、関連工事が始まりました。

これに対し建設に反対する住民やその支援者たちは、抗議の意思を示すため座り込みを「再開」しました。

福岡の支援者「無理やり、強引に進めるやり方そのものを変えていかないといけない。お金の無駄遣いです」

石木ダムの建設工事をめぐり大石 知事は先週地元住民と意見交換し、今後も話し合いを続ける方針を示しました。

一方、住民側が話し合いの条件として求めた「工事中断」には応じておらず、今後の話し合いの予定も明らかになっていません。

地元住民 「どこも行くところない。ここが一番、いいもんね。川原が一番、よかもんね。どこさ出ていくね、今さら」

ダム建設をめぐる県と住民側の溝は埋まっていません。

石木ダム問題に対する1万人の声を「手紙」で長崎県議会に届けよう!

2022年8月10日
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ダム予定地の人たちの生活を奪い、かけがえのない自然を喪失させる「石木ダム」、利水治水の両面で必要性がない「石木ダム」の建設を中止させるために、

「石木ダム問題に対する1万人の声を「手紙」で長崎県議会に届けよう!」の活動が始まりました。

https://rescuex.jp/project/12232 をお読みください。

「石木ダム問題を知る会」の呼びかけページから一部を転載します。

あなたの声を県知事・県議会に届けよう!

手紙でダム建設を止めたい

「手紙」を届ける理由

「直接的」かつ「継続的」に声を届けたい

これまで「石木川まもり隊」や「#いしきをかえよう実行委員会」など、さまざまな活動団体が啓発活動や署名活動を行ってきましたが、今もなお解決されていません。

そこで、今回のプロジェクトではよりダイレクトに声が届くよう、「意思決定者に直接送付」する“手紙”という手段にこだわりました。

また一瞬のムーブメントで終わらせないことも重要です。そのため皆さんの声を「継続的」に送り続けます。

プロジェクトで集まった手紙を運営スタッフが発送のスケジュールを組み、県知事と県議会議員の事務所に「直接」そして「継続的」に送ります。

いただいたメッセージは、マスコミにも届け、メディアを巻き込んでこの問題をひろめていきます。

あなたの声が現地・こうばるの方々の支えになる

集まったメッセージを冊子にして、ダム建設予定地で反対運動を続ける13世帯の方々にもお送りします。

40年という月日が経ち住民の方の高齢化や長期化による疲弊や苦悩が増す中、あなたの声がこうばるの方々を支える大きな力になります。

ダム建設を止めるための鍵は、一人でも多くの「民意」が集まること。あなたの声が手紙となり届くことが何よりも大切です。

40年にわたるこの問題を終わらせるため、私たちの仲間になっていただけないでしょうか。

 

目指すは1万人の声を届けること

私たちのプロジェクトのゴールは、1万人の声をお手紙にして、一方的に進む石木ダム建設を止めることです。

その最初の一歩として、このクラウドファンディングを通して200人の声を集めます。

今後、上映会の定期開催、意見広告などを通して、この活動を広め、1万人の声を県議会議員に届けます。

 

【このプロジェクトに協力いただいた企業・団体】

・株式会社ボーダレス・ジャパン

・パタゴニア 日本支社

・石木川守り隊

・#いしきをかえよう実行委員会

 

詳しくは、https://rescuex.jp/project/12232 をお読みください。

 

 

「流水型ダム」は観光資源にはならない 最上小国川ダム

流水型ダムを観光資源として捉えようとする動きに対して、最上小国川ダムの現状を踏まえて、最上小国川の清流を守る会が作成された「『流水型ダム』は観光資源にはならない」を掲載します。下記の通りです。

守る会の阿部修さんから送付していただきました。

「最上小国川の清流を守る会」からは、下記のチラシを送っていただいています。

チラシ 最上小国川ダムによって濁りが増え、河川環境に変化が!

最上小国川ダムは山形県が建設したダムで、2020年4月から運用を開始しました。

最上小国川ダムの現状と見ると、流水型ダム(穴あきダム)が環境にやさしいというのは全くの嘘で、行政が作り上げた虚構に過ぎないことがよくわかります。

この問題については昨年8月に川辺孝幸先生(元山形大学)が発表された報告「濁水を増加させる穴あきダムは、環境にやさしくない(最上小国川ダム)」

が水源連HPhttps://suigenren.jp/news/2021/08/26/14932/

に掲載されていますので、その報告も合わせてお読みください。

最上小国川ダムについてはhttps://suigenren.jp/damlist/dammap/mogamiogunigawadam/の通り、反対運動の長い経過があります。

2018年1月には『ダムに抗う』という集会が開かれ、ジャーナリストの相川俊英さんが「日本有数の清流で持ち上がったダム建設計画」というタイトルで最上小国川ダム問題についての講演をされています。

その講演要旨(https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2018/01/918cb79ea35273983c39ca412db54ba4.pdf

もお読みください。

流水型ダム「反対」7割 市民団体が意見公募を独自分析 球磨川治水

2022年7月20日
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球磨川水系河川整備計画原案に対する公募意見を市民団体「子守唄[うた]の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」が分析したところ、流水型川辺川ダムに反対する意見が7割を占めていました。その記事を掲載します。

市民団体が公開した抗議文、申入書、説明資料は次の通りです。

学識者懇談会への抗議文

意見書集計結果に基づく整備計画再作成を求める申入書

意見書集計結果の説明資料

なお、球磨川水系河川整備計画原案に対する公募意見は次のURLで見ることができます。

◇令和4年度 第1回 球磨川水系学識者懇談会 令和 4年 6月24日開催

http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/gakusiki_kondankai/20220617.html

◇関係住民様より寄せられたご意見 
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/iken_itiran.pdf
(500近い意見が出されました。)

 

流水型ダム「反対」7割 市民団体が意見公募を独自分析 球磨川治水

(熊本日日新聞  2022年7月16日 )https://kumanichi.com/articles/728043

2020年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川の治水対策で、国土交通省が支流の川辺川で建設を目指す流水型ダムに反対する市民団体「子守唄[うた]の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」は15日、球磨川水系の河川整備計画原案に対するパブリックコメント(意見公募)について、独自の分析結果を公表した。意見の7割強が「ダム反対」だったと集計している。

国交省と県は4~5月、河川法に基づき住民から意見を公募し、ウェブサイトで内容を公表している。県民の会は国交省と県に重複して寄せられた意見を除く439件を分析した。

分析によると、ダム反対は313件(71・3%)で、賛成の21件(4・8%)を大きく上回った。残る105件はダムへの賛否に言及がないか不明だった。集計には、同じ球磨川水系の瀬戸石ダムや五木ダムへの意見も含めた。

反対意見を地域別にみると、人吉市が最多で135件。八代市が32件、相良村が21件と続き、球磨川流域で約3分の2を占めた。反対理由は、環境への悪影響の懸念が最も多く、治水効果への疑問や緊急放流の危険性の指摘も目立った。

県庁で記者会見を開いた県民の会の南由穂美さん(70)=八代市=は「流水型ダムについて、これだけ多くの反対意見がある。国や県は正面から疑問に答えてほしい」と訴えた。

独自分析について、県河川課は「パブリックコメントなどは住民の意見を聞くのが目的で、多数決の性格はない。計画を作り直す予定はない」と話した。国交省と県は1日、河川整備計画案を公表している。(臼杵大介)

球磨川水系の河川整備計画原案に対するパブリックコメントについて独自の分析結果を公表する市民団体の南由穂美さん(右)ら=15日、県庁

北海道・沙流川の平取ダムが運用開始 二風谷ダムは堆砂が凄まじく進行

国土交通省が北海道の沙流川(さるがわ)支流の額平川(ぬかびらがわ)に建設していた平取(びらとり)ダムが完成し、7月1日から運用が開始されました。

官報  平取ダム建設完了の告示20220701

沙流川には河口より約21キロメートの位置に二風谷(にぶたに)ダムが1998年に造られました。両ダムの位置は下図の通りです。総貯水容量は二風谷ダム3150万㎥、平取ダム4580万㎥です。

(沙流川総合開発事業  https://www.hkd.mlit.go.jp/mr/sarugawa_damu/tn6s9g0000000zll.html

二風谷ダムはアイヌ民族を司法の場で初めて先住民族と認めた札幌地裁判決の対象となったところです。

(「二風谷ダム判決25年 先住権回復足踏み」https://suigenren.jp/news/2022/03/28/16032/

沙流川におけるダム建設の重要な問題は、土砂供給量が非常に大きい河川であるので、ダムが速いスピードで流入土砂で埋まっていくことです。

二風谷ダムの当初計画では堆砂容量は550万㎥でしたが、堆砂の速度が速いので、2008年度の基本計画変更で1430万㎥にしました。(二風谷ダム定期報告書 2010.3)

しかし、総貯水容量3150万㎥に対して、2020年度末の堆砂量がすでに1280万㎥にもなっています(国土交通省の数字)。

そして、現地の状況を見ると、この数字以上の凄まじい状況になっています。

「流域の自然を考えるネットワーク」http://protectingecology.org/report/8441の報告に、下記の写真の通り、二風谷ダムは堤体の直近まで土砂で埋まっている状態が示されています。
撮影:2018年7月4日

ダム建設によって川をこのような惨状にしてしまってよいのかと思わざるを得ません。

平取ダムも同様に土砂堆積がかなりのスピードで進行していくことは必至です。

沙流川は土砂の流出が極めて大きいので、ダムを造ってはならない河川であるのに、ダムがまた造られてしまったのです。

平取ダムの土砂対策は下図の通りです。融雪期(4~5月中旬)は水を貯めることなく、水や土砂をそのまま流下する方式をとるというものです。

しかし、この方式は机上で考えたことであって、実際に計画通りに行くとはとても思われません。

黒部川の宇奈月ダムのように、排砂による生態系に与えるダメージも心配しなければなりません。

沙流川は平取ダムの完成により、深刻な問題を新たに抱えるようになりました。

 

平取ダムの運用

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