水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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ダム問題とは

2. ダムは生態系を変える

ダムによって自然が破壊 生き物は減少 清流が濁水の川に

カワセミ:
ダムがつくられた川は、姿がずいぶんと変わるね。アユが減ったとか、川が濁るようになったとか。流れる水量がガクンと減ったとか、ダム湖にアオコが発生して、水面がドロドロした緑色になったとか、いろいろ悪い話が聞こえてくるよ。
カッパ:
ダムのせいで、川の生き物が激減さ。流れている川を無理にせき止めるという、自然の摂理に反することをやるから、いろんな問題が起きるんだ。緑色のペンキを流したようなアオコも、ダムで水をためるから発生するのさ。

自然生態系を破壊するダム建設

「昔は大水が出ても数日で澄んでいた川が、ダムができてからは濁りが長く消えない」
「ダムができてから、アユが激減した」

こういう現象は全国各地のダムがある川で起きています。
秋になるとアユは川で産卵し、孵化した稚魚は川をくだって河口近くの海で成長します。成長したアユは春に川にのぼり、川石の表面についている藻類を食べながら成長します。この川を溯上し降下するというアユのライフサイクルは、ダムによって遮断されてしまいます。ダム下流では川の流れが乏しくなり、水無し川のようになったところもあります。カニや川虫も激減し、川の生態系が大きく変わります。またダムによる生態への影響は、水の生き物だけではありません。ダム建設工事で希少種のワシタカ類が激減し、貯水域の出現で希少植物の生育地も消滅します。

ダムの土砂堆積も問題です。土砂がたまったダムの上流部では川が氾濫しやすくなり、河口付近では土砂供給がないため海岸線が後退します。堆砂対策として排砂ゲートを設置したダム(例えば、富山県にある「出し平(だしだいら)ダム、宇奈月(うなつき)ダム」)では、ヘドロ化した堆積土砂が排砂ゲートから排出され、川と海の水生生物に対して致命的な被害を与えています。

このように、ダムは自然の生態系を大きく破壊するのです。

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