アジアのダム
フィリピンのサンロケダム、タイのパクムンダム、ラオスなどメコン川におけるダム計画、韓国の運河計画・ダム建設などについてご紹介するページです。
2019年5月31日 メコン・ウォッチからの情報
タイ パクムンダム
パクムンダムは、国際金融機関である世界銀行の支援により1994年、タイの東北部、メコン河支流のムン川に完成しています。発電を主な目的としたダムで、事業主体はタイ発電公社(EGAT)。136MWの発電能力があるとされていますが、実際はその半分も発電していないことが指摘されています。また、水没による移転者は少なかったものの、完成後に漁業被害が広がり、大規模な水門開放運動が起きました。現在は、年間約4か月間水門が開放されていますが、自然回復の成果は充分とはいえず、漁業に依存して生活する流域住民の生活は負の影響を受けたままです。
詳しくはこちら(メコン・ウォッチのページに移動します)
http://www.mekongwatch.org/report/thailand/pakmun.html
ラオス サイヤブリダム
http://www.mekongwatch.org/report/tb/Xayaburi.html
ラオス国内部分を流れるメコン河本流の、古都ルアンパバンから約150キロメートル下流に建設されます。ダムの長さは810メートル、高さは32メートル、貯水池面積は49平方キロメートルとなる予定です。設備容量は1,260MWと見込まれ、主にタイへの売電されます。
この事業には、東京電力や三菱商事が出資するタイのEGCO社が参画しています。
http://www.mekongwatch.org/PDF/rq_toden(20110427).pdf
セピアン・セナムノイダム決壊事故(1):事故の概要
メコン河開発メールニュース2019年4月18日
2018年7月23日、誰も予想していなかった大規模な事故が、南部で建設中のダム事業で発生しました。メコン河の支流、セコン川水系に建設中のセピアン・セナムノイ水力発電ダム(以下XPXNN)の貯水池に作られたサドルダム(*1)が7月32日に崩壊し、下流のアッタプー県サナームサイ郡の19村が浸水、うち6村(コッコーン*2、サモーンタイ、ノーンヒン、ターセンチャン、ヒンラート、マイ)が水とともに流れてきた膨大な土砂によって、壊滅状態となりました。メコン・ウォッチが現地から入手したラオス・アッタプー県の同年7月31日の報告によると、6村の被害者は1,611世帯7,095名、10月のビエンチャン・タイムスの報道では、全体で影響を受けた住民は14,440名に上ります。
緊急支援の段階がすぎなければ、訪問が現地の負担になることから、情勢を見守っていましたが、昨年12月に地方政府の許可を得て現地を訪問しました。メコン開発メールニュースではその情報も含め、7回にわたってこの問題についてお伝えしていきます。長文となる回もありますがお付き合いいただければ幸いです。
この問題を含め、セピアン・セナムノイダムについては、下記ページをご覧ください。
http://www.mekongwatch.org/report/laos/laos_xepian-xenamnoy.html
ナムトゥン2ダム
http://www.mekongwatch.org/report/laos/laos_nt2.html
世界銀行やアジア開発銀行の支援を受け、ラオス中部カムアン県に建設された水力発電ダムです。タイへの売電による外貨獲得を目的とし、「貧困削減のためのダム」と謳われていますが、約6200人の移転住民の生計回復の難しさ、ダム下流の水量の変化による洪水悪化や河岸農業・漁業などの生計手段への悪影響、アジア象など絶滅危惧種を含む希少な生態系の破壊など、多くの環境社会影響を引き起こしています。