失敗したダムの事例
川の氾濫を防ぐためのダム、渇水対策としてのダムなど、日本にはたくさんのダムがあります。
その中には、「造ったけれども役に立たなかった」とか、「ダム周辺が土砂崩れを起こしてとても危険」といったダムもあります。「ダムによる影響で魚が捕れなくなった」という被害も出ています。それらは失敗ダムですね。
そんな失敗ダムの例を見てみましょう。
造ったけれども役に立たなかったダム
ため込んだはずの水が漏れだしてしまうダム
- 大蘇ダム(熊本県 九州農政局) ダム湖底から大量に漏れている農業ダム
- 東郷ダム(北海道 北海道開発局農政部) ダム湖底から大量に漏れている農業ダム
- 八汐ダム(栃木県 東京電力) 湖底から1日あたり7万6,000m3漏水
- 丸山ダム(岐阜県 中部地方整備局) 2010年、ダム本体から1600L/分の大量漏水
造ったのに使うあてのないダム
- 熊野川ダム(富山県 富山県) 水道水源として使うあてがない多目的ダム
造ったけれども危険を引き起こしたダム
ダム周辺が土砂崩れ・地滑りを起こしたダム
- 大滝ダム(奈良県 近畿地方整備局) 造る前から地滑りが指摘されていた多目的ダム
- 滝沢ダム(埼玉県 水資源機構) 試験湛水後、地滑りが止まない多目的ダム
ダムを造ったら地震が起きてしまったとされているダム
- 牧尾ダム(長野県 水資源機構) 1984年長野県西部地震を誘発した可能性が高いと指摘する学者も多い。
漁業被害をもたらすダム群
ダム湖底堆砂の排砂による漁業被害を起こしているダム群
- 出し平ダム(富山県 関西電力)と宇奈月ダム(富山県 北陸地方整備局)
- 黒部川ダム排砂差し止め訴訟(連係排砂による黒部川下流域と河口沿海域の漁業被害を食い止めるための訴訟)
ダム湖からの白濁りによる漁業被害を起こしているダム
- 椿山ダム(和歌山県 和歌山県) 椿山ダム濁水漁業被害訴訟(高濃度かつ長期の濁水が磯やけを起こしているとして損害賠償訴訟)
- 川辺川(熊本県・球磨川の支流) 上流にある砂防ダム群の上流域に堆積した微粒土砂の長期流れ込みによる鮎漁の激減と品質劣化
- 奈半利川(高知県) 上流にある魚梁瀬(やなせ)ダムからの白濁水長期流出による奈半利川河口海域の漁業被害
ダム湖からの砂礫供給不足による漁業被害を起こしているダム群
- 高知県ダム群 海岸浸食と地引き網漁