水源連:Japan River Keeper Alliance

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「つらい」砂防ダム計画受け入れで故郷喪失…住民葛藤 九州豪雨の被災集落

2019年2月19日
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2017年9月の九州北部豪雨では、福岡県朝倉市で、大量の土砂や流木が集落を飲み込み、甚大な被害が発生しました。
その対策ということで、長期避難している2集落が戻れなくなってしまう大型砂防ダム4基が計画されています。この問題を取り上げた記事を掲載します。

「つらい」砂防ダム計画受け入れで故郷喪失…住民葛藤 九州豪雨の被災集落
(西日本新聞2019/2/18(月) 11:07配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00010003-nishinpc-soci

(写真)大型の砂防ダム4基が計画され、ほとんどの世帯が集落に立ち入れなくなる可能性がある乙石集落=福岡県朝倉市杷木松末
九州豪雨で甚大な被害を受けた福岡県朝倉市杷木松末(ますえ)の乙石、小河内の2集落で計画されている砂防ダム建設について、国土交通省や同市の担当者らが17日、地元主催の勉強会で詳細を説明した。、集落は長期避難世帯に認定され現在も住民が住めないが、砂防ダムが建設されれば、ほとんどの住民が集落に戻れなくなる。同省は今秋にも着工したい考え。計画を受け入れれば「故郷」を失うことになる住民は、難しい決断を迫られている。

【地図】砂防ダム建設が計画されている集落

勉強会には2集落の住民ら約60人が参加し、冒頭のみ公開された。市によると、同省から計画内容の説明があり、住民側からは生活再建支援策などについての質問も寄せられたという。

住民によると豪雨前の乙石集落には約10世帯、小河内集落には20世帯近くが居住。2集落とも河川の氾濫で多くの家が流され、住民は市内外のみなし仮設住宅などで生活している。

国交省は1月中旬、2集落に砂防ダム計画を初めて説明した。同省によると、赤谷川水系乙石川の最上流部にある乙石集落に、最大で幅120メートル、高さ14・5メートルになる計4基の砂防ダムを築堤し、川をせき止める。推定で約8万7千立方メートル堆積する土砂と流木約6千立方メートルを受け止め、土石流の発生を防ぐ考えだ。

小河内集落を流れる小河内川沿いにも地滑りの可能性がある山があるほか、土砂約9万6千立方メートル、流木約3千立方メートルがあると推定。小河内川をせき止めて最大で幅76メートル、高さ14・5メートルの砂防ダム2基の建設が計画されている。

同省は2022年度末までの完成を目指しており、同省九州北部豪雨復興出張所は「おおむね5年間の施工期間内に間に合わせるため、この計画で地元の理解を得たい」と話す。

(写真)小河内集落では砂防ダム2基が計画されている=福岡県朝倉市杷木松末
ただ、砂防ダムが建設されれば2集落の大部分は住むことができなくなる。勉強会後、乙石集落の男性は「故郷の家に帰れなくなるのは本当につらい。ただ乙石より下流の人々の安全を考えれば(建設受け入れは)やむを得ないのかなと思う」と力なく語った。

集落への思いも強く、乙石では最下流にある砂防ダム外側エリアなどを対象地に、一部住民の集団移転の話も出ている。

浸水被害大でも死者ゼロ 西日本豪雨、命守った自主防災

2019年2月19日
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昨年7月の西日本豪雨災害では、小田川とその支川の氾濫により、倉敷市真備町で51人の方が亡くなりました。
しかし、すぐ近くの総社市下原地区では、自主防災により、早期避難が行われ、犠牲者が出ませんでした。
その記事を掲載します。

 

浸水被害大でも死者ゼロ 西日本豪雨、命守った自主防災
(朝日新聞2019年2月18日13時01分) https://digital.asahi.com/articles/ASM2H4H8QM2HPTIL00Q.html

(写真)広範囲に浸水した岡山県総社市下原地区。左手前は爆発事故を起こしたアルミ工場(2018年7月7日、岡山県提供)

地図
昨年7月の西日本豪雨で51人が死亡した岡山県倉敷市真備町地区に隣接し、大きな浸水被害を受けながら、犠牲者がゼロだった地区がある。明暗を分けたのは、東日本大震災後に始めた自主防災の活動だった。
真備町地区の東隣にある総社市下原(しもばら)地区。1級河川の高梁川に支流の新本(しんぽん)川と豪雨で決壊した小田川が合流する地点に近く、110世帯約350人が暮らしていた。過去にたびたび水害に遭い、1893(明治26)年の大洪水では32人が死亡したという。
今回の豪雨では101世帯が床上浸水。浸水の深さは最大2メートル以上に達した。さらに地区内のアルミ工場で爆発事故が起き、約10棟が火災被害に遭った。
下原・砂古(さこ)自主防災組織ができたのは、2012年。前年の東日本大震災がきっかけだ。
高台の神社など3カ所を避難場所にし、避難経路も決めた。各世帯の連絡先や人数、支援が必要な要配慮者の数を記した台帳を独自に作成。地区内には七つの班があり、班の住民が班内にいる要配慮者の避難を助けることにした。
毎年の避難訓練では、台帳を元に作った安否確認表を使用。要配慮者役の住民を車いすで避難させたり、夜間に実施したりして実践的な訓練を重ねてきた。自主防で副本部長を務める川田一馬さん(70)は「顔を知らない人から避難を呼びかけられても住民は動かない。地域や行政とつながりをつくることが重要だ」と話す。
昨年7月6日の豪雨時には、川の水位の上昇を受け、自主防が自宅2階への垂直避難の呼びかけを決め、午後10時すぎに役員が拡声機を付けた軽トラックで地区を回った。午後11時半ごろにアルミ工場が爆発すると、市職員から市中心部に避難するよう電話があり、班長が全世帯を訪ねて安否確認。自家用車で逃げられない人は市の公用車で運んだ。
要配慮者は30人いたが、7日午前2時半ごろには大半の住民が避難を完了。自宅2階で寝ていて、呼びかけに気づかないなど避難が遅れていた4世帯も、約2時間後には避難を終えた。地区はその後、ほとんどが水没したが、犠牲者はゼロだった。川田さんは「必ず洪水が起こると考えて避難訓練を続け、危機意識を高めていたことも役立った」と振り返った。
京都大学防災研究所の矢守克也教授(防災心理学)は、情報を実際の避難行動につなげる「避難スイッチ」の重要性を指摘する。「この地区では、川の水位を見ながら避難情報などもインターネットで収集していた。自分たちの『避難スイッチ』を工夫し、タイミングを自ら決めていたことがよかった」と話した。(千種辰弥)

あすへのとびら 水道をどう守る 手放さぬ道を考えよう(信濃毎日新聞の社説)

2019年2月18日
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水道法改正について信濃毎日新聞の社説を掲載します。
「水需要が頭打ちになることが分かっていながら、利水ダムを造り続け、水道事業者の経営悪化を助長してきた。今日の事態は国が招いたと言っていい。」
「一つ一つの事業で将来予測を示し、民営化や委託が適切なのかを見極める必要がある。税の使い道や受益者負担を含め、決めるのは住民自身でなければならない。」
という真っ当な意見が書かれています。

あすへのとびら 水道をどう守る 手放さぬ道を考えよう

(信濃毎日新聞2019年2月17日)https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190217/KP190216ETI090007000.php



水道事業の民営化に道を開く改定水道法が今年、施行される。

使用量は減り、収益が悪化して水道管の更新は遅れ、担当職員の減少と高齢化も進む―。政府は、地方自治体が担う水道事業の現状を挙げ、法改定で経営基盤の強化を図るとした。

これまでも国は、地方の財政難や行政効率の向上を理由に、公共事業の民間委託を推進してきた。人口減少社会への備えは必要なものの、十分な議論もないまま、暮らしに直結する水までもが市場原理にさらされ始めている。

今回の改定で、多くの識者が懸念を示したのは「コンセッション方式」の導入だった。民間の資金と手法を活用して社会資本を整備する「PFI」の一方式で、経営責任と施設所有権は自治体に残し運営権を売却する。

欧米の各都市で1980年代から、こうした方式が採用された。世界銀行が融資条件とし、途上国でも水道の民営化が加速した。

ところが、株主配当や役員報酬が上乗せされて料金が数倍に高騰する、水質が悪化する、情報が非開示になる、といった問題が相次ぐ。途上国では貧困世帯への給水が止まり、川の水を使った住民の間で感染症がまん延するといった深刻な問題も起きている。

オランダの非政府組織「トランスナショナル研究所」によると、2000〜16年に、少なくとも世界267都市が「再公営化」にかじを切っている。

安倍晋三首相は「自治体が事業の最終責任を維持する。民営化ではない」と強弁する。まやかしではないか。現場が危ぶむのは、技術職員がさらに減り、企業の経営が適正かどうかを自治体が判断できなくなる点にある。

改定法には、もう一つの選択肢として広域化が盛られている。総務省は1月、40〜50年先を見通した「水道広域化推進プラン」を22年度末までに作るよう都道府県に通知した。財政支援を拡充する方針を立てている。

<広域化にも懸念が>

自治体間の連携ならば…と考えるのは早計のようだ。

市町村議会が直接、議決できなくなり、住民の意思が反映されにくい状況で、民営化の流れも決まる恐れがある。自治労連公営企業評議会事務局長の近藤夏樹さんはそう指摘する。

遠隔操作に用いるIT機器の導入と維持更新費、送配水にかかるエネルギー費用、塩素などの薬品代が増し、国の言うコスト削減は必ずしも見込めない。

無論、一定の集約化は避けられない。近藤さんは、技術力を保持する事業体(人口の多い市など)に周辺の町村が職員を派遣して技術力を維持する「公公連携」。非営利の第三者機関を設け、職員OBらを採用して技術を伝える「公民連携」を提言する。

「住民の関心事である災害時対応の強化にもなる。ただ、早く始めなければ間に合わない」と近藤さんは話す。地域の自然・社会条件に応じて、自治体が主体的に関わる広域化が要点だ。

長野県は17年3月に「県水道ビジョン」を策定している。中山間地が多い地形では経営統合は難しい。現在、広域圏ごとの協議会が水質検査や維持管理の共同化を中心に、連携のあり方を話し合っている。コンセッション方式を検討する自治体はない。

ただ、県内には水道担当職員が1人、2人という村もある。将来にわたって技能を維持できる仕組みを探らなければならない。

<住民参加を通じて>

憲法で保障された健康で文化的な生活と水は切り離せない。採算性に目を奪われずに水を守るべき国が、逆方向を向いている。

国は02年の水道法改定で民間委託の門戸を広げた。団塊世代の退職や平成の大合併と時期が重なったのに、水道職員の新規採用を控えるよう「助言」もした。

水需要が頭打ちになることが分かっていながら、利水ダムを造り続け、水道事業者の経営悪化を助長してきた。今日の事態は国が招いたと言っていい。

政府は1999年にPFI法を制定し、改定を重ねている。道路や空港、給食センター、運動施設、森林や種子の管理でも規制を緩め、幅広い公共領域に民間事業者が参入してきている。

人口減少時代に自治体だけで公共サービスを担い切れない、との論法をうのみにはできない。一つ一つの事業で将来予測を示し、民営化や委託が適切なのかを見極める必要がある。税の使い道や受益者負担を含め、決めるのは住民自身でなければならない。

欧州では地域交通や教育、医療、福祉など、さまざまな分野で再公営化が進む。人も費用も足りないのなら、市民の参画や大胆な組織改革を視野に、自治再構築の手だてを考えたい。

富士川濁り、支流からか サクラエビ不漁で静岡県が水質調査  堆砂がひどく進む雨畑ダムへの疑い

2019年2月16日
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静岡県の富士川が濁り、サクラエビの不漁が続いています。その記事を掲載します。

その原因として、堆砂がひどく進む雨畑ダムが疑われています。

全国のダム堆砂3状況について(平成28年度末現在) http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2018/09/800599a2c0cb1b5dd48b31de3136e9ef.pdf

を見ると(4枚目の10行目)、日本軽金属㈱の雨畑ダム(昭和42年3月竣工)は総貯水容量1365万㎥、堆砂容量600万㎥に対して、堆砂量は1274万㎥に達しており、ダムのほとんどがすでに堆砂で埋まっています。

これでは、富士川の濁りは雨畑ダムが原因ではないかと疑われても仕方がありません。


富士川濁り、支流からか サクラエビ不漁で静岡県が水質調査

(静岡新聞2019/2/14 07:44)http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/599875.html

富士川水系の濁りの調査地点

(写真)富士川本流の水を採取する県水産技術研究所富士養鱒場の職員=13日午後1時50分ごろ、富士宮市


由比港漁協(静岡市清水区由比今宿)がサクラエビの不漁との関係を指摘する富士川水系の濁りについて、降雨により富士川支流の早川(山梨県早川町)で基準値を超える強い濁りが発生し、本流の富士川に流れ込んでいるとみられることが、静岡県が13日に発表した水質調査結果で明らかになった。県は調査を継続し、必要に応じて富士川の共同調査に向けた協議を山梨県に打診する方針。
静岡県は1月11、30日と2月4日、東京の企業が所有する山梨県の3カ所の堰(せき)と同区蒲原の工場放水路、周辺の駿河湾で水を採取、土砂など濁りの原因となる懸濁物を測定した。
4日の調査では前日に降った雨の影響もあり、早川と富士川が合流した直後の塩之沢堰で1リットル当たりの懸濁物量が670ミリグラム(基準値は25ミリグラム)まで上昇した。一方、早川とつながりがない支流の波木井堰は33ミリグラムで、塩之沢堰と大幅な差が出た。
同漁協は堆砂が進む早川上流の雨畑ダムが濁りの主因と見る一方、山梨県側では上流域にある別のダム湖の放水や、土質による濁りを指摘する声も上がる。静岡県の担当者は雨畑ダムと濁りの関係は「不明」とするものの、「早川の方面で何らかの濁りが発生した可能性がある」と説明する。県水産業局の中平英典局長は「必要があれば共同調査も含め協議を山梨県に打診する」などと述べた。
塩之沢堰の水は導水管を通って複数の水力発電施設で使われ、同区蒲原の工場放水路から駿河湾に流れ出る。同放水路の懸濁物は基準値を超える427ミリグラムだった。同漁協の宮原淳一組合長(78)は、「濁りの原因が早川であれば山梨県の協力が必要。土砂の行方を知りたい」と今後に注目する。県の発表では、県内の富士川水系は降雨の影響が少なく、全5地点の懸濁物は基準値内だった。

■静岡県内5カ所で採水 県、5回目の現地調査
駿河湾のサクラエビが記録的不漁となっている問題で県は13日、富士川水系の濁りについて5回目の現地調査を行った。県水産技術研究所富士養鱒場(富士宮市)の職員2人が富士、富士宮両市の富士川本流と支流の計5カ所で水を採取した。
調査は山梨との県境付近と、富士川橋付近の本流、支流の稲子川、芝川、稲瀬川で実施。川岸で水温とpHを測定し、透視度計で濁り具合も確認した。同日は全5カ所で比較的水は澄んでいた。5地点の水は同養鱒場でさらに分析する。

西日本豪雨 肱川が氾濫 改善策「住民を無視」 ダム問題説明会で批判が相次ぐ 西予で国交省 /愛媛

2019年1月25日
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西日本豪雨において野村ダムの放流により、大規模な氾濫があった愛媛県西予市野村地域で、国交省、愛媛県、西予市による住民説明会が1月22日の夜、ありました。この説明会について記事とニュースを掲載します。
この記事を読むと、住民から非常に厳しい意見が出されています。「ダムを造ったこと自体に問題があるのではないか」と疑問を呈し、ダム操作ではなく「ダム全体のあり方」について検証の場を求める意見も出たとのことです。
その通りだと思います。ダム操作の問題よりも、ダム建設ばかりに力を入れ、無堤防地区がかなり多い状況を長年放置し、河道整備を疎かにしてきたダム偏重の誤った河川行政が糾弾されるべきです。

西日本豪雨
肱川が氾濫 改善策「住民を無視」 ダム問題説明会で批判が相次ぐ 西予で国交省 /愛媛
(毎日新聞愛媛版2019年1月24日)https://mainichi.jp/articles/20190124/ddl/k38/040/444000c

(写真)住民らの質問に答える川西浩二・野村ダム管理所長=愛媛県西予市野村町の野村小で、木島諒子撮影

昨年7月の西日本豪雨で野村ダムの緊急放流後に肱川が氾濫し、5人が死亡した西予市野村町地区で22日夜、国土交通省四国地方整備局がダムの操作に関する検証会議でまとめた改善策などについて住民説明会を開いた。
住民からは改善策について「全く役に立たない」「下流住民を無視したものだ」と批判が相次いだ。豪雨から半年が過ぎても住民の安心は得られておらず、被害の深刻さが改めて浮き彫りになった。【木島諒子】
国、県、西予市のそれぞれ担当者が出席し、住民ら約160人が集まった。気象予測を活用して早期に放流する柔軟なダム操作の採用を見送ったことなどについて
住民らは「気象庁もあてにならないのか」「ダムを造ったこと自体に問題があるのではないか」と疑問を呈し、ダム操作ではなく「ダム全体のあり方」について検証の場を求める意見も出た。
当時のダム操作の是非やその周知についても「(情報の)受け取り手の意識が足りないとし、無知な住民が悪いといったとりまとめは許せない」などと批判や質問が次々と上がり、説明会は2時間の予定が3時間半に及んだ。
ダム側はこれまで「規則通り」との説明を繰り返すばかりだったが、この日は同整備局野村ダム管理所の川西浩二所長が「ダムはみなさまを守るのが使命。守れなかったことは申し訳ない」と一部謝罪する場面もあった。
川西所長は説明会後、報道陣の取材に「住民の声は身にしみた。限られた時間で精いっぱい説明した」と話し、「難しい話もあり、十分に伝えるためには今後も説明の場を設けていかないと、と考えている」と話した。

国交省が西予で説明会「ダムの使命果たせず」愛媛豪雨災害 
(愛媛新聞2019/1/22(火) 23:43配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190122-23001901-ehime-l38

(写真)野村、鹿野川両ダムの操作の検証結果を国土交通省などが報告した住民説明会=22日午後8時ごろ、西予市野村町野村
西日本豪雨による愛媛県西予市野村地域の大規模氾濫を受け、上流の野村ダム操作や避難情報提供などの検証結果について住民説明会が22日、同市野村町野村の野村小学校であった。住民からのダム操作批判に対し、国土交通省野村ダム管理所の川西浩二所長は「皆さまを守ることがダムの使命であり、お守りできなかったことは大変申し訳ない」と住民の期待に応えられなかったと認め、ダム流入量に応じた放流を早期に行い、流下能力(ダム放流量約千トン)に近い水準まで増やすなどの操作改定を進めるとした。
川西所長は「ダムでは、野村から(肱川河口の)大洲市長浜まで守らなければならないものがたくさんある」と理解を求めた。操作見直しについて、3月末に肱川下流の鹿野川ダム(大洲市)が改造により治水容量が740万トン増えるとし「野村ダム治水容量(350万トン)の2個分に当たり、肱川流域の安全に活用する」と説明した。
現行操作では、野村ダムは流入量が毎秒300トンを超えると放流量を300トンに維持し、貯留を開始。豪雨では放流量が急激に増える異常洪水時防災操作直前まで川の水位が上がらず、住民の避難が遅れたとの指摘がある。川西所長は「なるべく流入量に合わせた放流量にしていく」と考えを示し、放流量が増加して川の流下能力に近づけば定量放流に移行し、洪水を防ぐよう努めるとした。
市は、避難指示発令基準見直しや今後の情報周知を説明。県は、野村ダムから下流の県管理区間の河床掘削などを進めるとした。
昨年7月の豪雨後、ダムの操作や情報伝達などについて国は県や市、学識者による検証の場を設置。同年12月、情報提供見直しや、大規模洪水でも被害が軽減できるよう操作規則を改定するなどの取りまとめを公表した。会合には住民ら約160人が出席した。
質疑応答で出席者からは「取りまとめでは住民が避難情報を生かせなかった、住民が悪いと言わんばかりで許せない」と指摘があり、川西所長は「情報周知で至らなかった部分を改善するため、検証の場で取りまとめた」と釈明。会場からは「ダム自体の在り方を検討するべきだ」との意見や、5年後をめどとしている河川整備の前倒し、利水容量見直しの要望もあった。

ダム緊急放流問題 野村ダム所長が謝罪
(日テレNEWS24 2019.01.23 15:14)http://www.news24.jp/nnn/news16401633.html

去年7月の西日本豪雨でダムの放流後、肱川が氾濫し5人が死亡した西予市で22日夜、住民説明会が開かれ、野村ダムの所長は「住民を守るダムの使命が果たせなかった」と謝罪した。
野村ダムと西予市、それに愛媛県が開いた説明会で住民からは治水対策が不十分なままダムが運用されてきたとして河川改修を早急に求める意見などが出た。
また、甚大な被害が出たことに対し謝罪を求める声も上がった.これに対し野村ダム管理所の川西浩二所長は「野村ダムは皆さまを守るのが職務、使命でありその点については大変申し訳
なく思っている」などと謝罪した。
そして、川西所長は今後、治水対策を進めてダムヘの流人量に応じて早い段階から放流量を増やすなどダムの操作規則を変更していく方針を示した。
また、愛媛県は5月をめどに洪水浸水想定区域図を作成することなどを説明していた。

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