水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 鳥海ダムの情報

ニュース

鳥海ダムの情報

水没予定地の歴史を記録に(秋田県の鳥海ダム)

2017年10月4日
カテゴリー:

国土交通省は秋田県・子吉川の由利本荘市に鳥海ダムの建設を進めようとしています。この鳥海ダムに関する記事を掲載します。

鳥海ダムはダム検証が始まるまでは休眠状態であったダムですが、ダム検証で動き出しました。
秋田県下では、国土交通省が現在、雄物川上流で成瀬ダムの本体基礎掘削工事を進めています。この成瀬ダムに続く大型ダムとして、鳥海ダム事業を進めようというものです。
しかし、今年7月、8月の記録的豪雨で、雄物川は大氾濫し、多大な被害が生じました。治水効果がほとんどない成瀬ダムの建設に河川予算をつぎ込み、雄物川の河川改修をなおざりにしてきたことによるものです。

国土交通省は鳥海ダムで同じ轍を踏もうとしています。

水没予定地の歴史を記録に

  • ダム建設に伴い水没する弘法平の洞窟(由利本荘市鳥海町百宅で)

由利本荘・百宅地区で委員会を発足

 国土交通省鳥海ダム工事事務所は2日、ダム建設に伴い水没する由利本荘市鳥海町百宅ももやけ地区の歴史を記録として残すため、有識者による「百宅地区の記録保存委員会」を発足させる。

 同地区は平家伝説や鳥海修験、マタギといった独特の伝承や文化で知られる。委員会は3年ほどかけて歴史学や考古学、民俗芸能、美術、建築、地質、教育などの視点から、調査と研究の光を当てる。

委員会は13人の有識者で構成され、初会合が開かれる2日には早速、現地に入り、史跡「弘法平」や猿倉人形芝居の創始者・池田与八の顕彰碑、雷神社などを視察する。

 百宅地区は子吉川源流部の鳥海山麓にある。平家の落人伝説に加えて、弘法伝承も色濃く残り、「法体ほったいの滝」入り口には、空海が修行したと伝わる弘法平がある。

洞窟の奥に弘法大師像が安置され、古くから鳥海修験者の修行の場とされてきた。国指定史跡・鳥海山への追加指定が期待されたが、ダムの建設で水没するため、見送られた経緯がある。

 国指定重要無形民俗文化財・本海番楽の里としても知られ、下百宅講中の舞は番楽の原形を最も忠実にとどめるとされる。しかし、ダム建設への対応で住民の足並みが乱れたといい、10年前から休止状態にある。

今回の調査を機に復活を期待する声も強い。鳥海ダムは洪水調節や水道用水の確保、安定した川の流れの維持が狙いの多目的ダムだ。

流域面積約84平方キロで、総貯水容量は約4700万立方メートル。百宅地区を中心に310ヘクタールが水没、48戸が移転を余儀なくされる。

戦略的環境アセスメントとダム(秋田の鳥海ダムを例にとって)

秋田の直轄ダム「鳥海(ちょうかい)ダム」に関連して、ダム事業の環境アセスについての情報を掲載します。

環環境アセスメントはアワセメントと揶揄されるように心もとないものですが、環境アセスメントの制度そのものは次第に整備されてきました。

ダム事業の関係ではまず、1978年に「建設省所管事業に係わる環境影響評価に関する当面の措置方針について」(1978年建設省事務次官通達)が出て、いわゆる通達アセスがはじまりした。

1984年には「環境影響評価の実施について」が閣議決定され、通達アセスから閣議アセスになりました(公布日1985年10月)。

さらに、1997年6月に「環境影響評価法」が成立して、環境影響評価法によるアセスがはじまりました(1997年12月から施行)。

次に、欧米では実施されている戦略的環境アセスを導入するため、環境影響評価法が2011年4月に改正されました(2013年4月から施行)。

戦略的環境アセスは「計画段階配慮」という表現になりましたが、事業計画の内容が固まる前の早い段階(位置や規模等の検討段階)、すなわち、事業実施段階に至るまでの意思形成過程の段階(戦略的な段階)で行う環境アセスメントです。

環境の観点から代替案との比較を行いながら、環境への影響が少ない事業となるよう検討を行い、その結果を公表することを義務づけたものです。

このように制度が整備されてきたのですが、どの段階のアセスを適用したかはダムによって異なっています。

八ッ場ダムを例にとると、はるか昔、1985年12月に建設省の通達に基づく環境アセスメントを行っただけです。1985年12月は上記の閣議アセスがすでに動き出していましたが、アセスの着手時にはまだなかったということでしょうか、八ッ場ダムは通達アセスで終わらせています。そして、環境影響評価法の施行時にはダム基本計画がすでに策定(1986年)されていたという理由で、環境影響評価法に基づくアセスをパスしています。

八ッ場ダムのように最近になって動き出している事業が30年も前の、しかも初期段階のアセス制度(通達アセス)による環境アセスだけで終わりというのは無茶な話だと思います。

ただし、八ッ場ダム事業は事業費がふんだんにあるので、環境調査に多額の予算を付けて、調査会社にものすごいボリュームの仕事を発注し続けています。
一方、秋田の鳥海ダムはダム検証が始まるまでは半分寝ているようなダムで、ダム検証で動き出したような感じのダムです。2013年8月にダム検証のゴーサインが出ました。

総貯水容量2760万㎥の多目的ダムの計画です。

現在、環境影響評価が行われ、4月9日まで方法書についてのパブコメが行われました。

鳥海ダムはこれから環境アセスを行うのですから、最新の制度を適用しなければならないのであって、上記の戦略的環境アセスを実施しなければならないはずです。

ところが、すでに河川整備計画が策定されている場合は、それを戦略的環境アセスの結果を見なすということで、このアセスをパスしてしまいました。

2006年3月末に策定された子吉川水系河川整備計画は治水面で鳥海ダムを位置づけただけであって、環境面の検討は何もしていません。

それを戦略的環境アセスとみなすということですから、こちらも無茶苦茶です。

地元・由利本荘市の「鳥海ダムと市民生活を考える会」が4月9日、パブコメでこの問題を追及する意見書を提出しました。

水源連も意見書を提出しました。子吉川水系鳥海ダム建設事業に係る環境影響評価方法書に関する意見書(嶋津)

このように八ッ場ダムも鳥海ダムも、環境アセスにおいてまったく理に合わない話が罷り通っているのです。

鳥海ダム:「配慮書」手続き疑問視 住民側「意見聞くべきだ」 説明会 /秋田

2015年3月20日
カテゴリー:

秋田県の直轄ダム「鳥海ダム(ちょうかいダム)」計画について環境影響評価法に基づく住民説明会が行われました。その記事を掲載します。事業を疑問視する住民の意見も紹介されています。

この記事にある「配慮書」は、「計画段階で住民意見を広く取り入れ環境への負荷を和らげる仕組みで、過剰な公共事業の抑制を目指す環境影響評価法の“目玉”とされている」ものですが、
9年前の2006年3月策定の「子吉川河川整備計画)が配慮書の代わり」になるという理由で、その手続きが省かれてしまいました。

鳥海ダム:「配慮書」手続き疑問視 住民側「意見聞くべきだ」 説明会 /秋田

(毎日新聞秋田版 2015年03月18日)http://mainichi.jp/area/akita/news/20150318ddlk05010115000c.html

鳥海ダムの計画が進む鳥海山。鳥海ダムは鳥海山の裾野東側に計画されている=にかほ市で
(写真)鳥海ダムの計画が進む鳥海山。鳥海ダムは鳥海山の裾野東側に計画されている=にかほ市で
  由利本荘市鳥海町の百宅(ももやけ)地区に建設が予定される国直轄の「鳥海ダム」について、国土交通省東北地方整備局の住民説明会が16日夜に由利本荘市鳥海町であった。乱開発を抑制する手段とされる「配慮書」の作成手続きについて、住民側からは「省かれている」と疑問視する声が相次いだ。

 住民説明会は、改正環境影響評価法(改正アセス法、2013年4月施行)に基づく手続きとして同整備局が開いた。同法は「開発で失われた生物多様性の再生は困難」との視点から、巨大ダム事業に対し計画立案段階からのアセスを義務付けた。

 このうち配慮書は、計画段階で住民意見を広く取り入れ環境への負荷を和らげる仕組みで、過剰な公共事業の抑制を目指す同法の“目玉”とされている。

 説明会には住民9人が出席。同省鳥海ダム調査事務所が冒頭、説明会を録画録音すると宣言し小笠原由次・調査設計課長が配慮書の次の段階の手続きとされる「方法書」について説明した。方法書はダム事業推進を前提に動植物や景観など国交省があらかじめ決めた調査項目や手法などを記したものだ。

 出席者からの「なぜ配慮書(作成の)手続きを省いたのか」との疑問に対し、小笠原課長は「子吉川河川整備計画(06年)が配慮書の代わり」などと説明。環境省からの了解を取り付けていると主張した。

 出席者は「はじめに事業ありきではなく、住民の意見を聞くべきだ」「生物多様性の観点が担保されない」と納得しなかった。だが、小笠原課長は「説明会は方法書を理解してもらうためのもの。意見は意見書提出で」と突っぱねた。

 説明会の終了後、出席した女性は「これでは形だけの手続きだ」と憤った。

 同整備局によると、鳥海ダムは洪水調節と水道用水供給などの多目的ダム。総貯水量は約4700万トン、総事業費約960億円。1970年に予備調査を開始し93年に実施計画調査に着手した。民主党政権が成瀬ダムなども含めて見直しの対象としたが、事業は現在も継続している。【佐藤伸】

鳥海ダム:住民説明会 きょうから、由利本荘などで /秋田

(毎日新聞秋田版 2015年03月15日) http://mainichi.jp/area/akita/news/20150315ddlk05010023000c.html

由利本荘市鳥海町の百宅(ももやけ)地区に建設が予定される国直轄の「鳥海ダム」について、国土交通省東北地方整備局は環境影響評価法(アセス法)に基づく住民説明会を15?17日に同市と山形県遊佐町の計3カ所で実施する。
同整備局によると、鳥海ダムは洪水調節と水道用水供給などの多目的ダム。総貯水量は約4700万トン、総事業費約960億円。1970年に予備調査を開始し93年に実施計画調査に着手した。民主党政権が成瀬ダムなども含めて見直しの対象としたが、事業は現在も継続している。
鳥海ダムは現在、アセス法に基づき、事業実施に向けた現地調査と予測、評価方法を示す「方法書」の公告と縦覧を行っている。方法書は26日まで、鳥海ダム調査事務所(由利本荘市)と秋田・山形両県、由利本荘市、遊佐町などの関係窓口で見ることができる。
住民説明会ではこの内容に沿う形で、ダム事業の目的や内容、環境調査項目などについて説明する。
説明会の日時と場所は、15日午後6時?7時半=由利本荘市北裏地のボートプラザアクアパル▽16日午後7時?8時半=同市鳥海町伏見久保の紫水館▽17日午後7時?8時半=遊佐町遊佐鶴田の町生涯学習センター。
問い合わせは鳥海ダム調査事務所(電話0184・23・5120)。【佐藤伸】

 

↑ このページの先頭へ戻る