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木曽川水系連絡導水路

原告「最高裁まで争う」 木曽川導水路訴訟、控訴審判決

2015年9月18日
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木曽川水系連絡導水路事業の支出差止めを求める住民訴訟の控訴審判決はまことに残念ながら、住民側の敗訴でした。

今の裁判所はまさしく絶望の裁判所です。

原告「最高裁まで争う」 木曽川導水路訴訟、控訴審判決

(中日新聞2015年9月18日)http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20150918/CK2015091802000047.html
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徳山ダム(岐阜県揖斐川町)から水を引く木曽川水系連絡導水路事業をめぐる訴訟で、大型公共事業の不要を掲げた原告住民の訴えは、十七日に名古屋高裁であった控訴審でもはね返された。住民や弁護団は「一審から進歩していない。不都合な事実にふたをした」と批判を強めた。
判決後、原告ら約三十人は名古屋市内で集会を開き、原告の小林収さん(70)=豊田市=は「最高裁まで争わないとふに落ちない」と声を上げた。弁護団の在間正史団長(65)も「供給過剰なのに、徳山ダムの水が不要であることを無視した」と声明文を読み上げた。
判決は、国による水需要の想定と実績とのずれを認めつつも「安全性から余裕を持つことは許される」とした。対して弁護団は「データで科学的に示しても、『余裕を持って』の一言に片付けられてしまった」と悔しさをにじませた。
導水路事業は民主党政権の公共事業見直しを受け、二〇〇九年以降、凍結されている。ただ、今回の判決を受け、滞っていた関係自治体による再検証の作業が再び動きだす可能性もある。
「自治体に事業撤退に向けた行動を促すことが必要だ」。在間団長は政治的な働き掛けの必要性を訴えた。
負担金を拠出する東海三県の首長は「妥当な判決」「コメントは控える」などさまざまな反応を見せた。
大村秀章知事は「極めて妥当。現在、国の検証作業が進められており、県も当面はこの作業に取り組む」、岐阜県の古田肇知事は「渇水時の河川環境の保全、可茂・東濃地域の渇水被害軽減などの効果を想定しており、速やかな事業の推進を期待する」、三重県の鈴木英敬知事は「河川環境の改善に必要な事業だと考えており、国の検証作業を速やかに進めてほしい。事業の実施には、さらなるコスト縮減を望む」とのコメントを出した。
一方、河村たかし市長が事業に慎重な姿勢を示す名古屋市は「コメントは差し控える」とした。
(安福晋一郎、小笠原寛明)

導水路2審も支出差止認めず

(NHK 2015年09月17日 19時48分) http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20150917/3631031.html
(動画)
岐阜県の徳山ダムから木曽川に水を引く導水路の建設事業について、愛知県の住民グループが費用を負担しないよう愛知県側に求めた裁判で、名古屋高等裁判所は1審に続いて住民側の訴えを退けました。
木曽川導水路は水道用水の確保や木曽川の渇水対策などを目的に、水資源機構が国から引き継いだ建設事業で、岐阜県の徳山ダムから揖斐川と長良川を経由して木曽川までを全長が約40キロと1キロの2本の地下の導水路でつないで水を引きます。
費用は国のほか愛知、岐阜、三重の3県と名古屋市が計約890億円を負担することになっていますが、愛知県の負担分約318億円について愛知県の住民グループが木曽川の流域では想定するほどの水の需要はなく、導水路は不要だとして県側に対し費用を支出しないよう求めています。
去年7月、1審の名古屋地方裁判所が住民の訴えを退けたため住民側が控訴していました。
17日の2審の判決で名古屋高等裁判所の木下秀樹裁判長は「県には水道水を安定的に供給する責務があり、余裕を持って水の需要を想定することは許される。事業が著しく妥当性を欠くとはいえず、費用の負担が違法とはいえない」として1審に続いて住民側の訴えを退けました。
この事業は平成21年に凍結されて以降、着工されないままになっています。
判決を受けて、原告の住民グループは名古屋市内で記者会見を開きました。
住民グループの共同代表を務める小林収さんは「判決は不当なもので強く批判する。今後も愛知県や名古屋市に対して導水路事業からの撤退を強く求めていく」と話すとともに、上告する方針を示しました。
判決について愛知県の大村知事は、「県の主張が認められたことは極めて妥当だと考えている。事業については現在、国が検証作業を進めており、県としても当面はこの検証作業に取り組みたい」というコメントを発表しました。

(でら日本一 東海)満面の水 どう使う(徳山ダムと木曽川水系連絡導水路についての記事)

2008年10月に完成した日本最大のダム「徳山ダム」(総貯水容量6.6億㎥)は開発水が一滴も使われていません。その徳山ダムと、その開発水を無理矢理使うために考え出された木曽川水系連絡導水路についての記事をお送りします。

(でら日本一 東海)満面の水 どう使う

〔朝日新聞2015年1月31日18時03分)http://digital.asahi.com/articles/ASH1W5T90H1WOIPE01Z.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH1W5T90H1WOIPE01Z

(写真)徳山ダムがある岐阜県揖斐川町は県有数の豪雪地帯でもある。ダムの堤の直下(写真左下)には、発電所の建物がある=朝日新聞社ヘリから、吉本美奈子撮影

写真・図版
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木曽3川のひとつ、揖斐川最上流部の山奥に中部電力徳山水力発電所(岐阜県揖斐川町)はある。民家のような外観の建物の地下で昨年11月、発電機の据え付け作業があった。
天井からつるされたクレーンを使い、直径8・3メートル、重さ約200トンもある筒状の装置がゆっくりと床に置かれた。下にある水車が回り、中のコイルで発電する。計画から半世紀を経過した発電事業はようやく最終段階に入った。本格発電の開始は今年6月の予定だ。
発電所が使う水は、隣の徳山ダムのダム湖。その総貯水容量は6億6千万トンで、日本のダム湖で最も多い。静岡県の浜名湖の約2倍だ。
ダム計画が浮上した1957年は、政府が経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言した翌年だ。濃尾平野を長年悩ませてきた洪水対策に加え、右肩上がりの経済成長に必要な水や電気をまかなうことを目的とする一大プロジェクトだった。
事業費は3327億円に達し、旧徳山村(現揖斐川町)の全466世帯に移転も強いた。南北朝時代に北朝に敗れた新田義貞が隠れていたとの伝説もある歴史ある村。87年3月の廃村式典で、神足正直・村議会議長(当時)は「今まさにこの地を失うことは痛恨極まる」と、無念の思いを残した。
そうした犠牲のうえに立つダムは、どれだけ世の役に立っているのだろうか。
揖斐川中流の岐阜県大垣市。荒崎地区では大雨が降ると支流から水があふれていたが、ダム完成後はそうした事態は招いていない。大垣市治水課の担当者は「ダムの効果が出ている」とみる。
ただ、人口減を迎えて低成長が定着したいま、経済成長を前提にした利水や発電での活躍は、むしろ期待外れだ。
発電所規模の最大約15万キロワットは76年に立てた計画の半分以下。工業用水や水道用水として毎秒6・6トン使うはずだった水はいまだに一滴も使われていない。国の予測によると、木曽川水系の水は徳山ダムがなくても、通常時は5割以上も余る。「10年に一度」の渇水時でもまだまかなえる。
国土交通省は、ダムの水を使えるようにと、新たに木曽川に水を通す導水路の新設を計画する。「10年に一度以上の渇水に備えるため」という。必要な事業費は890億円。「コンクリートから人へ」をスローガンにした民主党政権のもと、2010年に必要性の再検証を始めた。だが、それから4年余り。建設の是非は、結論を出す時期すら決まっていない。(大日向寛文)
■伸びぬ水需要、導水路には疑問 岐阜大教授・富樫幸一さん
1973年の当初計画から見直しの連続だったのが徳山ダムの歴史です。毎秒15トンだった水道用水や工業用水向けの水量は、2004年の見直しで6・6トンと半分以下に。「成長が続いて水需要が右肩上がりで増える」という想定が外れたからです。
これからは人口減少に加えて、節水型トイレなどへの切り替えも進み、水需要はさらに減っていくでしょう。国、自治体ともに未曽有の借金を抱えるなか、新たに徳山ダムの水を木曽川まで導水路で運ぶ余裕があるのかどうか。環境や住民の生活を壊してまでダムをつくる時代はもう過去のことではないでしょうか。
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