水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 内海ダム再開発の情報各地ダムの情報 > 内海ダム再開発事業に関する小豆島町民アンケート結果発表

内海ダム再開発の情報

内海ダム再開発事業に関する小豆島町民アンケート結果発表

2011年4月10日
カテゴリー:

内海ダム再開発事業に関する小豆島町民の意識調査が国立大学法人 室蘭工業大学大学院公共システム専攻の丸山 博教授によって行なわれ、その結果が2011年4月10日に小豆島町西村・サンオリーブ地下会議室にて報告されました。

「内海ダム再開発事業(新内海ダム建設事業)に関するアンケート」が公開されました。

2011年4月15日 寒霞渓の自然を守る連合会

国立大学法人 室蘭工業大学大学院公共システム専攻の丸山 博教授が小豆島町民を対象としたアンケート調査をされました。私たちは丸山 博教授にこのアンケート調査の結果報告をお願いしたところ承諾いただき、4月10日に小豆島町西村・サンオリーブ1階会議室にて、報告会と懇談会をおこないました。丸山 博教授のお話と配布資料をもとに、その結果を報告いたします。

アンケートは小豆島町民を対象とし、郵送による送付、郵送による回答返送方式でした。2011年1月31日から3月15日が実施期間でした。

全町内平均回答率は30.9%で、郵送法としては満足のいく回答率であったとのことでした。

アンケート回答

1)反対派地権者の「異論」は小豆島全町民6割に共有されていました。

私たちが内海ダム再開発事業に呈している疑問、反論は多くの町民に受け入れられていることが分かりました。

2)内海ダム再開発を求めている小豆島町民はほんのわずかであることが分かりました。

「小豆島町にとって早急な対策が必要とされる事業」を聞いた設問5では、内海ダム再開発事業をあげた人は1割を少し超える程度で8つの選択肢の最下位でした。医療・福祉関係の充実を求める町民の割合は7割をこえ、交通の便の改善、観光資源である自然の保全、雇用と続いていました。

「内海ダム再開発事業が完成した場合と中止した場合の心配事」を聞いた設問6では、完成した場合の心配事の回答総数はその他も含めて686で、中止した場合の実質的な心配事127の5倍にも達していました。

内海ダム再開発事業の完成が小豆島町民にとって必要不可欠なものであったとは到底言いがたく、むしろ事業中止の方を小豆島町民は求めていると言えます。

3)過半数の町民が「署名で8割賛同」を認めていません。
「H11年に内海町が町民対象に実施したダム推進の署名集めを行い80%の賛同を得たとしています。しかし、「正しいと思わない」との答が51.5%と最も高く、「正しいと思う」22.7%の2倍を超えています。「分からない」との答えは19.9%でした。このことから、小豆島町民の過半数は「署名で80%の町民から賛同を得ている」とする旧内海町と現在の小豆島町の解釈を認めていません。

なお、設問にH11年とありますが、これは間違いで、推進署名が行なわれたのはH15年(2003年)である、と訂正が入りました。

4)香川県の事業の進め方への批判が過半数を超えています。

「土地収用法適用を考え直すほうが良い」とする町民は50.7%、「やむを得ない」は25.2%で、香川県への批判が過半数を超えていました。「署名で8割の賛同を得た、とする内海町の解釈を正しいと思わない」は51.5%でこれも過半数を超えていました。

土地収用法適用に対する評価と、署名行動の評価とは密接な関係がありました。署名行動が町民を2分したと考えられます。

5)人権蹂躙まがいの強制的な署名行動でした。
当時の署名行動を資料から解きほぐしました。その結果、H15年の署名行動が拠りどころとしているH15年協定書は、H13年条件付協定書の内容を無視するもので、批准行為も行なわれていないことが分かりました。

また、H15年の署名行動は同事業の賛同者が全町民の8割を超えることを示すための署名行動で、人権蹂躙を疑わせるほどの強引・強制的なものであったことも分かりました。

賛成署名80%を達成するために内海ダム再開発事業促進実行委員会が平成15年11月25日に内海町役場本庁舎(新館)研修室にて「署名活動打合会」を開催したときの呼びかけ文がアンケート報告に掲載されていました。賛成署名80%達成のために自治会にムチを入れていたことを示すものとして、下に転載します。

6)全町を範囲とした数多くのダム推進団体からの事業推進要請が土地収用法導入の道を開くことにつながっていました。

平成16、17年には、「反対派の存在が事業推進を遅らせるのではないか」「反対派はごく一部に過ぎない」「一日も早く事業の完成を」といった趣旨の要請が下記の推進派団体から香川県に矢継ぎ早に提出されていたことが分かりました。これらの要請を背景に、香川県と小豆島町は土地収用法を適用して反対派を黙殺していたのです。

小豆島町と香川県はこのアンケートで明らかになった小豆島町民の民意を謙虚に受け止め、ダム事業ではなく、町民が早急な対策として望んでいる、医療福祉・公共交通・自然保護による観光立地・雇用などに全力を傾けるべきです。

連絡先:香川県小豆群小豆島町神懸通甲1689-2 TEL:0879-82-4634 寒霞渓の自然を守る連合

丸山先生のご了解を得て、アンケート調査結果報告を掲載します。下のリンクをクリックしてください。

クリックするとpdf-FILEが表示されます。

このFILEは、「内海ダム再開発事業(新内海ダム建設事業)に関するアンケート」要約、内海ダム再開発事業に関するアンケート調査報告(中間)、集計まとめ意見全部、アンケート配布文書、報告書別添資料からなっています。

画面上で右クリックしてナビゲーションパネルボタンを選択し、画面左に表示される「しおり」のボタンを押してください。「しおり」を開くと目次が表示されますので、お好きなところを選択してご覧ください。

アンケート調査結果報告(PDF 1MB)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

↑ このページの先頭へ戻る