山鳥坂ダム建設異論出ず 報告案に識者6人( 2012年11月9日)
四国地方整備局の身内の識者から意見を聞いて何の意味があるのでしょうか。
山鳥坂ダム建設異論出ず 報告案に識者6人(読売新聞愛媛版 2012年11月9日)http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news/20121108-OYT8T01567.htm
(写真)山鳥坂ダムの検討報告案について意見を述べる専門家ら(大洲市の風の博物館で)
国土交通省四国地方整備局は8日、山鳥坂ダム(大洲市)の建設を最良とした検討報告案について、専門家の意見を聞く会議を大洲市の風の博物館で開いた。
河川工学や生物資源などについて詳しい識者6人が意見を寄せ、ダム建設への異論はなかった。一方、ダムに反対の住民からは「アリバイ作りの会議」と批判する声が漏れた。
鈴木幸一・新居浜高専校長(河川工学)は「河床の掘削や堤防整備などは目いっぱいで、ダム以外(の治水)では難しい。費用対効果から建設が合理的」とした。
佐藤晃一・愛媛大名誉教授(生物資源学)は「水没する区域の生態系や景観上の影響は低い。流域住民は激論の末にダム建設を容認しており、住民の決断をないがしろにしてはいけない」とした。
大森浩二・愛媛大沿岸環境科学研究センター准教授(水域生態学)は「治水にダムは効率的だが、清流の維持には影響が出る。多目的ダムでなく、治水だけにするなど目的を検討すべき」と注文した。
6人の大半は、国交省が山鳥坂ダム建設を盛り込んだ肱川の整備計画を策定する際に意見を聞いた識者。会議を傍聴したダムに反対の大洲市八多喜町、農業津田芳徳さん(60)は「身内の識者から意見を聞いても意味がない。再検討したというアリバイ作りで話にならない」と憤った。
11日には同市役所で流域の住民9人が意見を述べる場が設けられる。
山鳥坂ダム:四国地整再検証で学識者「ダム案」に理解 (毎日新聞愛媛版 2012年11月09日)http://mainichi.jp/area/ehime/news/20121109ddlk38010497000c.html
凍結中の山鳥坂ダム(大洲市肱川町山鳥坂)の再検証を進めている国土交通省四国地方整備局は8日、大洲市の風の博物館で学識経験者6人の意見聴取会を開き、ダム継続が「最も有利」と評価した同局の報告書素案への見解を求めた。
水質維持や工期短縮の注文が出たが、ダム自体に反対の意見はなかった。
素案は堤防かさ上げや河道掘削など計26の代替案とコストや安全性などで比較した結果、ダム案が「最も有利」としている。
これに対し、大森浩二・愛媛大沿岸環境科学研究センター准教授(水域生態学)は「ダムができるとどうしても濁水が出る」と指摘しつつ、ダム撤回は求めず「普段は水をためない『流れダム』の検討を」と要望した。
佐藤晃一・愛媛大名誉教授(生物資源学)は「堤防かさ上げなどは効果が限られる」とダム案に理解を示し「経済効果を上げる上でも工期短縮を」と求めた。
鈴木幸一・新居浜高専校長(河川工学)は「実現可能性で、地元(水没地)の理解が得られているダム案は合理的」と発言。文書で意見提出した欠席1人を含め、他の3人も反対はしなかった。
6人中5人は04年の山鳥坂ダム建設を含む河川整備計画策定に関わった委員会メンバーで、ダム反対の市民から人選を疑問視する声はあるが、同局は「肱川に詳しい方を選んだ。
反対派を排除したわけではない」と釈明している。同局は11日の流域住民の意見聴取会も踏まえ、ダム継続の妥当性を最終判断する。【中村敦茂、門田修一】
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