長安口ダム改造に着手 那賀で起工式、18年度完成予定(徳島新聞 2013/1/27)
長安口ダム改造に着手 那賀で起工式、18年度完成予定(徳島新聞 2013/1/27) http://www.topics.or.jp/localNews/news/2013/01/2013_135924861601.html
国土交通省が進めている那賀川の長安口ダム(那賀町長安)改造事業の起工式が26日、同ダムで行われ、本体工事が始まった。
ダムに放流ゲートを2門増設して洪水調節容量を増やすほか、放流した水の勢いを緩める「減勢工」の強化や濁水対策としての選択取水設備の新設などを行う。総事業費は約470億円で、完成は当初の予定より3年遅れ、18年度中となる見込み。
改造事業は、県から同ダムの移管を受けた国が直轄事業として2007年度に着手。6門ある放流ゲートより約10メートル低い位置に新たに2門のゲートを増設して放流能力を高め、現在1096万立方メートルの洪水調節容量を約100万立方メートル増やす。
今後、ダムの右岸側の2カ所のコンクリートを切り出して新しいゲートを設置。隣接する山を掘削してコンクリートで補強し、放流水を流す「導流水路」とする。
下流の河床にある減勢工をコンクリートで強化するとともに、日野谷発電所(同町日浦)へ送水する取水口には澄んだ水を流す選択取水設備を設ける。
住民に立ち退きを求めたダム直下の谷口集落を貫く町道を拡張し、工事用道路として使う。放流の衝撃で崩壊し、長年にわたりダム直下に放置されてきたコンクリート護岸の残がいも撤去する。
事業は15年度までの予定だったが、工事に必要となるダム右岸の用地の地権者と県とのトラブルから用地取得が難航して本体工事に着手できず、工期を3年延長した。
那賀川河川事務所などによると、訴訟を経てトラブルは解消されたという。谷口集落の住民は全戸が立ち退きに同意し、大半は移転を済ませている。
起工式はダム貯水池に設けられた仮設構台で開かれ、行政や工事の関係者ら約110人が出席。くわ入れなどをして工事の安全を祈願した。
【写真説明】改造事業で本体工事が始まった長安口ダム。右側に放流ゲートが増設される=那賀町長安
コメントを残す