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まる見えリポート>伊賀・川上ダム建設見直し(伊勢新聞2013年3月3日)

2013年3月6日
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まる見えリポート>伊賀・川上ダム建設見直し(伊勢新聞2013年3月3日) http://www.isenp.co.jp/news/20130303/news05.htm

(写真)伊賀市の川上ダム建設予定地(川上ダム建設所提供)
民主党政権時代、建設の是非をめぐって見直しが始まった川上ダム。自公連立政権下でも「関係地方公共団体からなる検討の場」で検証作業が進められている。
建設予定地の伊賀市はこれまで、建設推進の立場を貫いてきたが、昨年十一月の市長選で当選した岡本栄市長が見直しを表明。
岡本市長の諮問機関「川上ダムに関する検証・検討委員会」(宮本博司委員長、九人)が議論の最中で、年度内には答申を提出する見通しだ。答申を受けた岡本市長の判断で、ダムの目的や構造が変わる可能性もある。
(伊賀総局・海住真之)
同ダム建設の主な目的は、流域を洪水から守る「治水」と生活用水や工業用水を取り入れる「利水」の二点。ただ、関係自治体のうち利水の点でダムが必要と主張しているのは伊賀市だけだ。
このため、仮に同市がダムによる利水を不要と判断すれば、建設目的から利水が除かれるのは確実な状況となっている。
水資源機構川上ダム建設所(同市阿保)によると、ダム建設の目的から利水が除かれた場合、計画の変更に伴い、ダムの規模や事業費が大幅に見直される可能性があるという。近畿地方整備局の担当者は「市の方針は『検討の場』の議論に大きく反映されることになるだろう」と語る。
先月二十五日の委員会第二回会合では、水需要をめぐって議論が交わされた。ある委員が市の水需要予測は過大と指摘し、名張市の水利権を購入すれば賄えるとする代替案を提示。
宮本委員長は市水道部に対し、水需要予測の詳細な積算根拠を次回会合で示すよう要求した。また、別の委員からは、ダム建設による水道料金の値上げを危惧する声も上がった。
「市がダム建設に向けて進めてきたことの問題点が、市民の前に次々と明らかになってきた」。淀川水系流域委員会の副委員長を務めた川上聰氏は、委員会の議論をこう評価する。
市の水需要予測について、川上氏は「国と水資源機構の意のままに、ダムありきで利水容量のつじつまを合わせてきた」と指摘。
「人口予測や新規の宅地開発、ゴルフ場建設、工場誘致など、水需要を高める要因を積み上げ、過大に見積もったようだ」と話し、議論の行方に注目している。
一方、委員の一人で「川上ダム建設促進期成同盟会」の西山甲平会長は「いくら市長が交代したからといっても、ダムの方針まで変われば他の自治体から不信感を買う」と指摘する。
「流域の世帯は常に洪水の危険にさらされている。また、水は何よりも大事。ゆとりがあってしかるべきだ」と、治水、利水の両面でダムの必要性を強調。
代替案に対しては「名張市の意向を伺っていない段階で実現性は不確か。費用や時間もどれだけかかるか分からない」と疑問を投げ掛ける。
岡本市長は「検証・検討委員会」を立ち上げた理由について、「長年の議論はダムを造ることが最終目的になっていたように思う。何のためのダムなのかを考え直さなければならない」と語る。
その上で、「市民との情報共有が必要」とし、答申を受けた後、市民への説明会を開く考えだ。市は答申の結果と合わせて、市民の声を十分に反映させた決断を下す必要がある。

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