鳥海ダム:「配慮書」手続き疑問視 住民側「意見聞くべきだ」 説明会 /秋田
秋田県の直轄ダム「鳥海ダム(ちょうかいダム)」計画について環境影響評価法に基づく住民説明会が行われました。その記事を掲載します。事業を疑問視する住民の意見も紹介されています。
鳥海ダム:「配慮書」手続き疑問視 住民側「意見聞くべきだ」 説明会 /秋田
(毎日新聞秋田版 2015年03月18日)http://mainichi.jp/area/akita/news/20150318ddlk05010115000c.html
住民説明会は、改正環境影響評価法(改正アセス法、2013年4月施行)に基づく手続きとして同整備局が開いた。同法は「開発で失われた生物多様性の再生は困難」との視点から、巨大ダム事業に対し計画立案段階からのアセスを義務付けた。
このうち配慮書は、計画段階で住民意見を広く取り入れ環境への負荷を和らげる仕組みで、過剰な公共事業の抑制を目指す同法の“目玉”とされている。
説明会には住民9人が出席。同省鳥海ダム調査事務所が冒頭、説明会を録画録音すると宣言し小笠原由次・調査設計課長が配慮書の次の段階の手続きとされる「方法書」について説明した。方法書はダム事業推進を前提に動植物や景観など国交省があらかじめ決めた調査項目や手法などを記したものだ。
出席者からの「なぜ配慮書(作成の)手続きを省いたのか」との疑問に対し、小笠原課長は「子吉川河川整備計画(06年)が配慮書の代わり」などと説明。環境省からの了解を取り付けていると主張した。
出席者は「はじめに事業ありきではなく、住民の意見を聞くべきだ」「生物多様性の観点が担保されない」と納得しなかった。だが、小笠原課長は「説明会は方法書を理解してもらうためのもの。意見は意見書提出で」と突っぱねた。
説明会の終了後、出席した女性は「これでは形だけの手続きだ」と憤った。
同整備局によると、鳥海ダムは洪水調節と水道用水供給などの多目的ダム。総貯水量は約4700万トン、総事業費約960億円。1970年に予備調査を開始し93年に実施計画調査に着手した。民主党政権が成瀬ダムなども含めて見直しの対象としたが、事業は現在も継続している。【佐藤伸】
鳥海ダム:住民説明会 きょうから、由利本荘などで /秋田
(毎日新聞秋田版 2015年03月15日) http://mainichi.jp/area/akita/news/20150315ddlk05010023000c.html
由利本荘市鳥海町の百宅(ももやけ)地区に建設が予定される国直轄の「鳥海ダム」について、国土交通省東北地方整備局は環境影響評価法(アセス法)に基づく住民説明会を15?17日に同市と山形県遊佐町の計3カ所で実施する。
同整備局によると、鳥海ダムは洪水調節と水道用水供給などの多目的ダム。総貯水量は約4700万トン、総事業費約960億円。1970年に予備調査を開始し93年に実施計画調査に着手した。民主党政権が成瀬ダムなども含めて見直しの対象としたが、事業は現在も継続している。
鳥海ダムは現在、アセス法に基づき、事業実施に向けた現地調査と予測、評価方法を示す「方法書」の公告と縦覧を行っている。方法書は26日まで、鳥海ダム調査事務所(由利本荘市)と秋田・山形両県、由利本荘市、遊佐町などの関係窓口で見ることができる。
住民説明会ではこの内容に沿う形で、ダム事業の目的や内容、環境調査項目などについて説明する。
説明会の日時と場所は、15日午後6時?7時半=由利本荘市北裏地のボートプラザアクアパル▽16日午後7時?8時半=同市鳥海町伏見久保の紫水館▽17日午後7時?8時半=遊佐町遊佐鶴田の町生涯学習センター。
問い合わせは鳥海ダム調査事務所(電話0184・23・5120)。【佐藤伸】
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