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事務局からのお知らせ

長崎県、共有地権者に「土地譲れ!」?? (石木ダム)

2015年7月1日
カテゴリー:

説明の必要ない!同意なければ収用裁決を申請する。

これは長崎県石木ダム建設事務所職員の本音です。

6月24日頃から石木ダム共有地権者に 長崎県石木ダム建設事務所から「石木ダム建設事業に必要な土地の譲渡について(依頼)」と題する書類が、「二級河川・川棚川水系川棚川総合開発事業 石木ダム  長崎県 平成21年3月」としたパンフレットと共に届いています。
150624共有地譲渡依頼  pdf (146kb)
平成21年3月 長崎県発行 石木ダム パンフレット  pdf (3,170kb)

「土地を譲って欲しい」、とあるだけで、「説明に伺います」とか、「追って、ご意向をお聞きします」とかの記述が見当たりません。おまけに、説明用と思われる石木ダムパンフレットは6年も前に作られたもの。
何とも理解しがたいので、6月29日、石木ダム建設事務所に電話を入れました。その様子を紹介いたします。

問い 「共有地の譲渡依頼が届いているが、これは何ですか?」
答え 「譲っていただきたいというお願いです」

問い 「意思表示はどのようにするのですか?」
答え 「譲っていただけるんですね?」

問い 「イヤ、意思の確認をどのようにするのか聞いているんです。」
答え 「未だ決まっていません。意思確認の手紙を出すことになるでしょう。」

問い 「NOといったらどうなるんデスか?」
答え 「事業認定されているので、収用裁決申請を出します。」

問い 「共有地権者に物件を譲って欲しい、という場合は起業者職員が説明に回るのでは。その予定は?」
答え 「考えていません。」

問い 「説明無しにすぐに意思確認ですか?」
答え 「パンフレットを見ていただければ分かるでしょう。(事業認定され、公益性は認められているので)それ以上の説明の必要はないと考えています。」

問い 「同封されているパンフレットは6年も前という古いものだが。新しいのは?」
答え 「これが一番あたらしい。」

問い 「状況が変わっているでしょう。」
答え 「石木ダムが必要という状況は変わっていません。」

問い 「送付されたパンフレット、治水目的のところに戦後の水害がいくつか紹介されているが、今は戦後最大の洪水に耐えられると長崎県が言っているのだから、これらの水害防止には石木ダムは最早、不要じゃないですか。石木ダムの必要性に関係ないから削除すべきでしょう。」
答え 「過去の洪水を紹介しただけで、石木ダムの必要性を説明するものではない。石木ダムが治水上必要であることに変わりはない。」

問い 「石木ダムの治水上の必要性はどこに記されているのですか?
答え 「4ページの左です。」

こんな調子でした。

4ページの左には「これは平成2年の洪水で実態に被害を受けた区i或です。」「石木ダムでは、時間雨110mm、24時間雨量400mm程度の大雨による洪水を防止するようにしています。」と書かれています。こう書かれていれば、少なくとも、平成2年の洪水に対応するため、と誰もが思いますよね。

事実を知らせずに古い情報を提供して、「こんな洪水被害を防ぐには石木ダムが必要」と誤解を誘う。そこを追及されると、「過去の洪水を紹介しただけ。石木ダムの必要性を説明するものではない。」とサギまがいの強弁。「任意交渉で譲らないのであれば、収用裁決申請するだけ」。許せませんね。

水没予定地とされている、こうばる地区13世帯60人による何回もの「石木ダムの必要性について話合いを」という呼びかけを、起業者はことごとく拒否してきました。今回の私たち共有地権者に対してもまったく同じ対応です。

「水源連・石木ダム建設絶対反対同盟を支援する会」 としては、このような石木ダム建設事務所の対応は長崎県知事の意を受けてのことと認識し、長崎県知事に、「土地を譲って欲しければ、その理由をきちんと説明するように」と、公開説明会の開催をすべての共有地権者名で要求するべく準備を進めています。

 

“長崎県、共有地権者に「土地譲れ!」?? (石木ダム)” への1件のコメント

  1. 市野和夫 より:

    全くの官僚独裁ですね。がんばりましょう。

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