霞ケ浦導水訴訟 東京高裁が和解勧告、漁協側は応じる構え
茨城・栃木両県の那珂川関係の8漁業協同組合が霞ケ浦導水事業の差止めを求めた裁判の控訴審が大詰めを迎えています。
1月16日の第8回口頭弁論では、下記および添付の記事の下野新聞20180117霞ヶ浦導水裁判(145KB)のとおり、東京高裁が和解勧告を出しました。
当初、高裁が示した和解案は漁業被害の問題をそれなりに考慮したものであったようですので、漁協側は和解に応じる構えです。
成り行きを注目しています。
なお、霞ヶ浦導水事業の問題は https://suigenren.jp/news/2017/11/15/9754/ をご覧ください。
霞ケ浦導水訴訟 東京高裁が和解勧告、漁協側は応じる構え
(下野新聞2018年1月17日 朝刊)http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20180117/2938095
アユなど那珂川水系の水産資源に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、栃木、茨城両県の漁連・漁協5団体が国に霞ケ浦導水事業の那珂川取水口建設差し止めを求めた訴訟の控訴審第8回口頭弁論が16日、東京高裁で開かれた。
都築政則(つづきまさのり)裁判長は「話し合いによる解決が双方の利益になると考えている」などとして和解勧告した。
漁協側は和解協議に向けて、たたき台となる和解案を2月上旬にも高裁に提示する構え。
都築裁判長は弁論で「双方の主張が出そろい、審理は終盤と認識している」とした上で「話し合いによる解決が双方の利益になると考え、それぞれの代理人に(和解を)打診してきた」と述べた。
弁論後、漁協側と国側から、それぞれ非公開で意見聴取した。
漁協側弁護団によると、高裁から昨年7月ごろ、初めて和解を打診された。
当初は和解の条件として(1)取水口の運用に関する漁協側と国側の定期的な意見交換(2)稚アユの取水口迷入を防ぐ取水制限時期の協議、決定(3)霞ケ浦から那珂川への逆送水は必要かつやむを得ない場合にとどめる-という案を口頭で示されたという。
高裁と原告、被告の協議の結果、国側が和解案を示す可能性は低いとの感触があり、漁協側から案を示すことにした。
高裁は本年度内の和解が念頭にあるとみられるといい、漁協側の丸山幸司(まるやまこうじ)弁護士は「将来的に漁業権侵害にならないための歯止めをきちんとかけられるなら、(和解で)実利を取れる可能性があると考えている」と話した。
一方、国土交通省関東地方整備局は「和解勧告を踏まえ今後適切に対応していく」とコメントした。
事業は霞ケ浦と那珂川、利根川を地下導水路で結び、水を行き来させる計画で1984年に着工。漁協側は事業による漁業権侵害を訴え2009年に提訴したが、15年7月の一審水戸裁判決は「侵害の具体的危険があるとまでは言えない」として国側が勝訴。漁協側が控訴していた。
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