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報道

洪水リスク 世紀末4倍 温暖化で雨量増 対策急ぐ 国交省試算

2018年6月7日
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堤防やダムが現在のままなら、温暖化で河川洪水確率が4倍になって「甚大な被害の恐れ」があるので、河川整備計画の見直しが必要だという記事を掲載します。
国土交通省は「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」を設けて、今年4,5月に会議を開いています(一般には非公開)。http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/index.html

この検討会の資料を使った記事のようですが、検討会の資料には十勝川についての計算結果は出ていますが、記事にある荒川や利根川の計算結果はでていません。
国土交通省の担当(河川計画調整室)に聞いたところ、荒川や利根川の計算結果の出どころは分からないという話でした???
荒川や利根川も国土交通省が計算したはずなのに、それがないというのは不可解です。
温暖化を理由にしてダムをもっとつくれという話になることを警戒します。

 

洪水リスク 世紀末4倍 温暖化で雨量増 対策急ぐ 国交省試算
(読売新聞夕刊 2018年06月01日)http://www.yomiuri.co.jp/eco/20180601-OYT1T50049.html

地球温暖化で降雨量が増えることにより、1級河川で洪水が起きる確率がどの程度上がるのかを国土交通省が試算したところ、今世紀末には平均で4倍になるとの結果が出た。
堤防やダムが現在のままなら甚大な被害が出る恐れがあるとして、同省は全国の河川整備計画を見直す検討を始めた。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の推定では、温室効果ガスがこのまま排出され続けると、今世紀末には地球全体の平均気温が産業革命前より4度上昇するとされる。この場合、洪水が起きる可能性も高まるとみて、国交省は、国が管理する全国109水系の1級河川について、初めて試算を行った。
試算によると、気温が4度上昇すれば、降雨量が1・3倍、河川の流量は1・4倍になり、大洪水が起きる確率は平均で現在の4倍に跳ね上がる。東京、埼玉を流れる荒川の場合、流域全体で72時間降雨量が516㍉になると「200年にI度」の大洪水が起きると想定して現在、対策を進めている。対策を強化しなければ今世紀末には、同レペルの洪水が「50年に1度」発生することになる。
試算を受け、国交省は4月、土木災害の専門家などによる有識者会議を設置し、河川整備計画の見直しについて検討を始めた。
現状の計画で対策を進めると、降雨量の増加に合わせて追加対策が必要になる。早急に試算を踏まえた計画に見直すことで、堤防整備やダムのかさ上げ、川底の掘削にかかるコストの削減が期待できるという。
また、「浸水想定区域」が拡大する可能性もあり、自治体は避難場所などをまとめた「洪水ハザードマップ」の見直しを迫られることも考えられる。国交省の担当者は「今後の検討課題になる」としている。
海外では、地球温暖化による降雨量の増加を見裾え、河川整備計画の変更に着手している国もある。ドイツ南西部を流れるエシツ川では、大雨時の河川の水位が将来的には現在よりO・3㍍上昇するとの想定で、堤防の高さを1・2㍍かさ上げする工事を進めている。イギリスでも、河川周辺に病院や介護施設などを整備する場合、気候変動を踏まえた「水害リスク」を考慮することを求めている。
有識者会議の座長を務める小池俊雄東大名誉教授(河川工学)は「昨年の九州北部豪雨災害など、洪水災害は激甚化してきており、温暖化が影響している可能性が高い。今後はさらに、日本の至る所で洪水が起きる恐れが高まるため、ヨーロッパのように河川整備計画を見直す時期に来ている」と指摘する。

河川整備計画 洪水が起きないようにするため、河川ごとに流量などの安全目標を定め、ダムや堤防を整備する事業計画。国や都道府県など河川管理者が策定する。現在は国が管理する109水系のうち、荒川や淀川など105水系で策定されている。

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