水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 報道 > 西日本豪雨 岡山・真備の被災住民が国などに約6.4億円の損害賠償求め提訴

報道

西日本豪雨 岡山・真備の被災住民が国などに約6.4億円の損害賠償求め提訴

2020年4月15日
カテゴリー:

2018年7月の西日本豪雨ですさまじい被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区の住民が国などを相手に、総額約6億4千万円の損害賠償を求めて、本日(4月15日)、岡山地裁に提訴しました。その記事とニュースを掲載します。


豪雨被害 6.4億円の賠償請求 国など相手に真備住民32人提訴

(山陽新聞 2020年04月15日 21時38分 更新)https://www.sanyonews.jp/article/1004153/
(写真)提訴後に記者会見する真備水害訴訟弁護団の弁護士ら
2018年7月の西日本豪雨で、倉敷市真備町地区を流れる小田川と支流が決壊し、甚大な浸水被害を受けたのは河川やダムの管理が不十分だったためとして、同地区の16世帯32人が国などを相手に、総額約6億4千万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。西日本豪雨の被災者による集団訴訟は中国地方で初めて。
真備町地区は豪雨で小田川と3支流の堤防計8カ所が決壊し、町域の3割に当たる約1200ヘクタールが水没、直接死で51人が亡くなった。訴訟では、国が約50年前に計画した小田川の治水工事が着工されないままだったことなどを巡る司法判断が焦点となりそうだ。
訴状によると、国は水害防止のため小田川と同川の本流である高梁川との合流地点を下流に付け替えることとし、1971年に工事計画を策定したにもかかわらず、工事を先延ばしにした不作為の責任があると指摘している。また、国は豪雨の際、上流にある新成羽川ダム(高梁市)の事前放流を指示しなかったと主張、ダムを管理する中国電力(広島市)も放流する義務を怠ったとしている。
さらに、河川の流下能力低下を招いているとして住民が再三要望していた小田川中州の樹林伐採▽堤防の切れ目を板などでふさいで流水を防ぐ「陸閘(りっこう)」の活用▽豪雨時の避難指示―なども適切に行われなかったとして国と岡山県、倉敷市の責任を指摘。「防ぐことのできた水害で住み慣れた自宅を失い、平穏に生活する権利を侵害された」と訴えている。
真備町地区では他に相当数の住民が訴訟への参加を検討しており、弁護団は豪雨発生2年となる7月にも2次提訴を予定している。
提訴を受けて、国、岡山県、倉敷市、中国電力はそれぞれ「訴状が届いていないため、コメントを差し控えたい」とした。
西日本豪雨を巡っては、愛媛県の肱川(ひじかわ)上流にあるダムの緊急放流で下流域に甚大な浸水被害が出たとして、被災者ら8人が国などに計8650万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしている。


西日本豪雨 岡山・真備の被災住民が国などに約6.4億円の損害賠償求め提訴

(毎日新聞2020年4月15日 20時44分) https://mainichi.jp/articles/20200415/k00/00m/040/257000c
(写真)提訴後の記者会見で思いを語る加藤寛治さん(右)=岡山市北区南方で2020年4月15日午後3時22分、戸田紗友莉撮影
2018年7月の西日本豪雨で甚大な浸水被害が出たのは河川やダムの管理が不十分だったためだとして、岡山県倉敷市真備町地区で被災した住民32人が15日、国と県、市、中国電力に計約6億4200万円の損害賠償を求め、岡山地裁に提訴した。住民側は「相当な準備さえ実施していれば(被害を)未然に防ぐことができた」と主張している。
真備町地区では西日本豪雨で、高梁(たかはし)川に流れ込む小田川や、その支流の堤防8カ所が決壊。地区の3割にあたる1200ヘクタールが浸水して約5500棟が全半壊し、水死などの直接死だけでも51人が亡くなった。
訴状によると住民側は国に対し、高梁川と小田川の合流点を下流に移し川の流れをスムーズにする工事の必要性を認識しながら実施していなかったと指摘。道路を通すなどの目的で堤防が途切れた部分を板などでふさぐ「陸閘(りっこう)」についても、県や市が操作マニュアルの作成を怠ったとしている。
また上流にある「新成羽川(しんなりわがわ)ダム」(岡山県高梁市)を所有する中国電力についても、豪雨による流入量の急増が予想されていたのにダムの水位を下げるための事前放流が不十分だったとして責任を追及する。
国土交通省や岡山県、倉敷市、中国電力はそれぞれ取材に「訴状を見ていないのでコメントを控える」と話している。提訴後に記者会見した住民側弁護団長の金馬健二弁護士は「(国などは)責任の所在を明らかにし、二度とこのような水害が起きないように生かしてほしい」と述べた。
住民側は豪雨から2年となる7月に2次提訴する方針。
◇原告の男性「以前の生活取り戻したい」
「以前のような生活、コミュニティーを取り戻したい」。原告の一人で岡山県倉敷市真備町地区の農業、加藤寛治(かんじ)さん(72)は提訴後の記者会見で悲痛な思いを訴えた。
真備で生まれ育ち、先祖代々の田畑や家を受け継いだ。2016年には築100年以上の自宅をリフォームし、妻真智子さん(67)と長男家族、長女家族の8人で暮らしていた。「これからは仕事も控えてゆっくり過ごそう」。そう考えていたときに西日本豪雨が発生した。
18年7月6日夜。避難勧告が出たのを知って自宅近くの高梁川を見に行くと、数時間前から急激に水位が上がっていた。家族全員で堤防の上にある広場に車で避難し、その中で夜を過ごした。
翌朝午前7時。自宅に戻り、再び外に出ると足元に水が迫ってきた。釣りで使う手こぎボートに当時1歳と3歳の孫を乗せ、長男と2人で引っ張って広場に戻った。振り返ると、いくつもの家の2階から住人が手を振って救助を求めていた。ボートで約30人を無我夢中で助け出した。
数日後に戻った自宅は変わり果てていた。2階の床上1メートルほどまで浸水し、家財道具やアルバムは泥まみれになり全て捨てた。
元の場所に家を再建するか、違う場所に移るか。避難生活を送りながら考えた。「また水害は起こる。本当は高台に移りたいけど、田畑の維持管理もしないといけない」。自身は残ることを決めたが、長男家族は真備を出ることを決断した。「不安な思いは理解できる。『また一緒に暮らそう』とは言えなかった」。現在は倉敷市内のみなし仮設住宅に住みながら、新居の完成を待つ。
浸水被害の原因を探る地域の勉強会に参加し、原告となったのは、あのときの変わり果てた古里の光景が、脳裏に焼き付いているからだ。「本当に悔しい。なぜこうなったのか、それが知りたい」【戸田紗友莉】


豪雨被害、6億円賠償請求 岡山・真備の住民ら提訴 国などの河川管理は不十分

(日本経済新聞2020/4/15 17:10)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58083460V10C20A4ACYZ00/

2018年7月の西日本豪雨で河川が氾濫し甚大な被害を受けたのは、河川やダムの管理が不十分だったからだとして、岡山県倉敷市真備町地区の住民ら32人が15日、国と岡山県、倉敷市、中国電力に計約6億4千万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。
訴状によると、国や県は真備町地区を流れる小田川と高梁川の合流地点を下流にする工事を先送りし、堤防を低いまま放置するなどしたため、安全性を欠いていたと主張。また県や市は、堤防の切れ目にあり、増水時に閉める必要がある「陸閘(りっこう)」と呼ばれるゲートを閉鎖せず、管理が不十分だったとしている。
さらに記録的な豪雨が予想され、国や中国電は上流の新成羽川ダム(同県高梁市)の事前放流などで放流量の調整をすべきだったのに怠り、洪水の危険を招いた過失があると主張。倉敷市には避難指示の遅れや、要避難支援者への避難誘導に不備があったとしている。
原告側は「住宅や家財などの財産のみならずコミュニティーなどの生活基盤を侵襲され、苦渋の避難生活を余儀なくされるなどし、甚大な被害を受けた」と訴えている。
弁護団は今後も原告を募り、豪雨発生から2年となる今年7月に第2次提訴を予定している。
岡山県の担当者は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」と話した。
西日本豪雨の被害を巡っては、愛媛県の肱川上流にあるダムの緊急放流で下流域に甚大な浸水被害が出たとして、被災者ら8人が国などに計8650万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしている。〔共同〕


豪雨被災住民が国など提訴

(NHK 2020年4月15日 17時35分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20200415/4020005235.html

おととしの西日本豪雨で甚大な被害が出た、倉敷市真備町の住民などおよそ30人が、川の堤防が決壊したのは、事前の防災対策を怠ったことが原因だとして、国などに対し、およそ6億4000万円の賠償を求める訴えを、岡山地方裁判所に起こしました。
おととし7月の西日本豪雨で倉敷市真備町では、町を流れる小田川や支流の堤防の決壊によって、およそ5400棟の住宅が水につかって全半壊しました。
真備町の住民など32人は、川の堤防が決壊したのは、事前の防災対策を怠ったことが原因だなどとして、堤防を管理する国や中国電力などに対し、合わせておよそ6億4000万円の賠償を求める訴えを、15日、岡山地方裁判所に起こしました。
訴えによりますと、地区を流れる小田川と高梁川が合流する地点では、過去の大雨で水があふれる危険が予測できたにも関わらず、国が50年近く前に計画した護岸工事を実施しなかったことや、当時の気象予報から、高梁川の上流のダムが満杯になることが予測できたのに、ダムを管理する中国電力が、事前に放流せずに容量の確保を怠ったことなどが、災害につながったとしています。
西日本豪雨をめぐっては、愛媛県の被災者や遺族が、氾濫した川の上流にあるダムの操作に問題があったとして、国などに賠償を求める訴えを起こしています。
原告の弁護人によりますと、岡山県の被災者が、被害の賠償を求める訴えを起こすのはこれが初めてだということです。

原告の一人、加藤寛治さん(72)は、訴状を提出したあと、記者会見しました。
加藤さんは豪雨で自宅が全壊し、みなし仮設住宅で暮らしているということで「当初は自然災害なので仕方がないと思っていた。自分の人生を台無しにした責任がどこにあるのか、明らかにしてほしい」と話していました。
会見に同席した、弁護団の団長を務める金馬健二弁護士は「これは明らかに人災だ。裁判で責任を追及することで、二度と同じような被害が起こらないようにしたい」と話していました。
住民の訴えに対し、国と県、倉敷市、それに中国電力はいずれも「訴状が届いていないのでコメントは控えたい」としています。


豪雨被害、6億円賠償請求 岡山・真備の住民ら提訴

(産経新聞2020.4.15 17:08更新)https://www.sankei.com/photo/story/news/200415/sty2004150014-n1.html

(写真)2018年7月、浸水した岡山県倉敷市真備町地区
2018年7月の西日本豪雨で河川が氾濫し甚大な被害を受けたのは、河川やダムの管理が不十分だったからだとして、岡山県倉敷市真備町地区の住民ら32人が15日、国と岡山県、倉敷市、中国電力に計約6億4千万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。
訴状によると、国や県は真備町地区を流れる小田川と高梁川の合流地点を下流にする工事を先送りし、堤防を低いまま放置するなどしたため、安全性を欠いていたと主張。また県や市は、堤防の切れ目にあり、増水時に閉める必要がある「陸閘」と呼ばれるゲートを閉鎖せず、管理が不十分だったとしている。
さらに記録的な豪雨が予想され、国や中国電は上流の新成羽川ダム(同県高梁市)の事前放流などで放流量の調整をすべきだったのに怠り、洪水の危険を招いた過失があると主張。倉敷市には避難指示の遅れや、要避難支援者への避難誘導に不備があったとしている。


岡山の豪雨被害、6億円賠償請求 真備町地区の住民ら提訴

(京都新聞2020年4月15日 15:55) https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/221430

(写真) 提訴のため、岡山地裁に入る住民(右端)ら=15日午後

2018年7月の西日本豪雨で河川が氾濫し甚大な被害を受けたのは、河川やダムの管理が不十分だったからだとして、岡山県倉敷市真備町地区の住民ら32人が15日、国と岡山県、倉敷市、中国電力に計約6億4千万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。
訴状によると、国や県は小田川と高梁川の合流地点を下流にする工事を先送りし、堤防を低いまま放置するなどしたため、安全性を欠いていたと主張。県や市は増水時に閉める必要がある陸閘を閉鎖せず、管理が不十分だったとしている。
国や中国電は上流のダムの放流量を調整すべきだったのに怠り、洪水の危険を招いた過失があると主張している。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

↑ このページの先頭へ戻る