【現場から、7月豪雨】球磨川を3D再現 見えてきた全国の課題 1/1000ハザードマップとの違い
8月10日の昼のTBSで、球磨川の氾濫を3DCGで再現した結果を放映していました。
放映の内容は下記のURLで見ることができます。
この番組で重要な指摘であると思ったのは、今回の豪雨の浸水範囲は1000年に1回の大雨を想定したハザードマップと重なるが、最大浸水深が浅いと指摘していたことです。
山あいにつくられた土地なので、浸水範囲は1000年に1回のハザードマップと重なるけれども、洪水の規模はそれより小さいということです。
この番組では今回の洪水は100年に1回程度の頻度で降る大雨の量を超えていたとみられるとしていましたが、
これから球磨川の治水対策を考える上で、今回の洪水がどの程度の規模の洪水であったかは重要な問題だと思います。
【現場から、7月豪雨】球磨川を3D再現 見えてきた全国の課題
(TBSNEWS2020/8/10(月) 14:32配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/7c0d084544ec0db80033cf1e531049e3fe7f5ddf
シリーズ「現場から、7月豪雨」です。被害の大きかった熊本県球磨川の周辺を3DCGで再現しました。そこから見えてきたのは、球磨川周辺に限らない日本全国が抱える課題でした。
先月の大雨で氾濫した球磨川。被害が大きかった熊本県八代市周辺の、氾濫の様子を再現した3DCGです。上から見れば浸水の範囲が、横から見れば、どの程度の水位かが視覚的につかめます。
日本三大急流の一つ、球磨川の堤防の決壊と氾濫は13か所にも及びました。国土地理院は当時、さまざまな地点からおよそ250枚もの空中写真を撮影。それをTBSのCG制作チームが、標高のデータなどを加味しながら合成、CG化しました。
河川工学が専門で、現地調査も行った東京大学の池内幸司教授は・・・ 「ここから山が急になってますよね。住めるのここしかないんですよね。川沿いの地域は洪水のときには厳しい」(東京大学大学院 池内幸司教授)
八代市坂本町。川沿いの低地に広がる住宅の多くが浸水。池内教授は3DCGから次のような分析ができると話します。
「洪水発生前に、ハザードマップとして示されていた浸水想定区域内に収まっている」(東京大学大学院 池内幸司教授)
3DCGを上から見てみると、茶色い水に覆われた浸水地域が、ハザードマップでピンク色に塗られた浸水想定範囲とほぼ重なります。また、今回の浸水の深さは予想されていた最大の深さと比べると、浅いといいます。今回は100年に1回程度の頻度で降る大雨の量を超えていたとみられますが、ハザードマップは想定できる最大の雨、1000年に1回ほどの頻度で降る大雨を目安に作られているからだそうです。
ハザードマップでは地域の防災拠点である八代市役所坂本支所も浸水域にあり、今回も浸水。池内教授は・・・
「山間の地域はとにかく(建築できる)平野が狭い。そういう地域は全国で少なくない。限られた安全な土地に何を置くのかが重要になってくる。これ多分、小学校、中学校だと思うんですが、こういった場所はありますよね。ここは、非浸水地域になっていると思います。避難できるように高台に小学校などを置いているので、立地をよく考えている」(東京大学大学院 池内幸司教授)
平地が少ないことや利便性などから、役所が浸水想定区域にある自治体は少なくないといいます。76人の命が奪われた7月豪雨。池内教授は、国土交通省が公開している「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」を事前に確認し、浸水しにくい地域を把握しておくことが大切だと話します。
「これは球磨川に限ったことではなく、日本全国で起きる可能性がある。東京、大阪、名古屋でも、非常に低地に多くの人口・資産が密集している。決められた避難場所だけではなく、どこに逃げたらいいのかを、浸水しない区域を探しておくのが重要」(東京大学大学院 池内幸司教授) (10日11:36)
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