中村敦夫末世を生きる辻説法 ダム建設中止一転し容認へ ぶれっぱなし熊本県知事の変節
中村敦夫さんの「末世を生きる辻説法」をお送りします。
蒲島郁夫熊本県知事はここに書いてあるように、信念の人ではありません。
何度か書きましたように、2008年の川辺川ダム建設計画白紙撤回は蒲島氏の本意ではありませんでした。だから、今回、あっという間に川辺川ダム推進に変わってしまったのです。
中村敦夫 末世を生きる辻説法 ダム建設中止一転し容認へ ぶれっぱなし熊本県知事の変節
(日刊ゲンダイ2020/12/04 06:00) https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/282188
権力の座に長く居続けると、脳みその回転が鈍くなり、誇りも覇気も消えてしまうのか。
今年4期目となる熊本県・蒲島郁夫知事は、08年に川辺川ダム建設計画を、自ら白紙撤回した。ところが、12年後の今になって、再び計画を復活させると発表し、周囲を仰天させている。
20年前には、財政赤字と環境破壊の元凶としてダム建設の不条理がやり玉に挙げられた。建設利権を死守したかったのはダム事業を天下りの宝庫と拝む国交省の役人や、日本中の河川にコンクリートを流し込み、税金を丸のみしようというゼネコン、土木企業、そしておこぼれを狙う族議員や自治体の長たちだった。
そんな時に川辺川ダム建設中止を決めた蒲島知事は一瞬、時代のヒーローのように賛美された。ところが、事情通によくよく聞くと、本人はぶれっぱなしの頼りない人格だそうである。
(写真)川辺川ダムの建設容認を表明した蒲島郁夫知事(C)共同通信社
権力の座に長く居続けると、脳みその回転が鈍くなり、誇りも覇気も消えてしまうのか。
今年4期目となる熊本県・蒲島郁夫知事は、08年に川辺川ダム建設計画を、自ら白紙撤回した。ところが、12年後の今になって、再び計画を復活させると発表し、周囲を仰天させている。
20年前には、財政赤字と環境破壊の元凶としてダム建設の不条理がやり玉に挙げられた。建設利権を死守したかったのはダム事業を天下りの宝庫と拝む国交省の役人や、日本中の河川にコンクリートを流し込み、税金を丸のみしようというゼネコン、土木企業、そしておこぼれを狙う族議員や自治体の長たちだった。
そんな時に川辺川ダム建設中止を決めた蒲島知事は一瞬、時代のヒーローのように賛美された。ところが、事情通によくよく聞くと、本人はぶれっぱなしの頼りない人格だそうである。
今年7月に熊本を襲った大豪雨で、川辺川が合流する球磨川が氾濫し、65人の死者が出た。
洪水対策については、これまでいろいろと議論があり、ダムを造らない流域治水の10種の方法が提案されていた。しかし、知事が具体的に計画を進めることはなく、予算不足を理由に放置してきた。
この日和見と決断力の欠如が、悲劇の原因となった。少しでも対策を実行していれば、被害の拡大に歯止めがかかったはずである。
さて、ここで惨事便乗型勢力の出番だ。国交省、自民党、ダム派の市町村長が勢いを盛り返し、川辺川ダム復活の大合唱が始まった。よろよろ知事は、さすがに全面降伏は恥ずかしかったのか、「民意に変化があった」と弁解。しかし、災害からまだ4カ月、民意の変化を知るほど現地の人々と話し合っていない。
国交省がここで悪知恵を出す。
「従来の貯留型ダムはやめ、流水型を採用するから、環境破壊もない。川辺川ダムがあれば、今回の浸水の60%は防げた」
流水型ダムは、ダムの上部と底の部分に穴を通し、水の流通をスムーズにする。土地の漁師たちに言わせれば、穴には流木やごみがひっかかり、そこへ流砂がたまり、ヘドロや洪水の原因になるという。60%の浸水を防げるというのも確かな根拠がない。しかもこれは貯留型ダムを想定した数字だ。ここらをすり替えるペテンは、もういい加減にしたらどうだ。
「原発は安全です」とどこが違う?
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