川辺川ダム建設検討で環境アセスメント実施へ 国交省、豪雨対策
赤羽一嘉国土交通相は今日〔5月21日〕の記者会見で、球磨川支流・川辺川でのダム建設に向けた環境影響評価(アセスメント)を実施すると発表しました。
その記事とニュースを掲載します。
しかし、環境影響評価法に準じた調査と、環境影響評価法に基づく手続きは根本から違います。前者は単なる調査であるのに対して、後者は手続きが複雑で、国民の意見を聞く機会があり、アセスの結果によっては(可能性が高いとは言えないが)事業がストップされることもあります。
川辺川ダム事業は従前の計画が特定多目的ダム法による多目的ダムであったのに対して、現在検討中の川辺川ダムは河川法による治水専用ダムであり、法的な根拠が違うダムになるのですから、環境影響評価法の対象になるはずです。
この点を環境省の環境影響評価課の担当官に電話したところ、国土交通省に聞いてくれと、回答を拒否されました。
そこで、国土交通省河川環境課の担当の課長補佐に電話したところ、流水型ダムになっても、川辺川ダムの治水目的は従前の計画からあったもので、川辺川ダムは環境アセス法施行前から事業に着手しているから、環境アセス法の対象にならないという回答を環境省から得たという話でした。
しかし、従前の川辺川ダム計画と、検討中の川辺川ダム計画は根本から変わり、法的根拠も特定多目的ダム法から河川法に変わるのですから、環境アセス法の対象になるべきものです。
環境省の弱腰に怒りを覚えました。
川辺川ダム建設へ環境評価 国交省、時期は調整
(日本経済新聞2021年5月21日 10:22) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE211TZ0R20C21A5000000/
昨年7月の豪雨で氾濫した熊本県・球磨川の治水策に関し、赤羽一嘉国土交通相は21日の記者会見で、支流・川辺川でのダム建設に向けた環境影響評価(アセスメント)を実施すると発表した。時期は今後調整する。
国交省は、環境負荷が小さいとされる「流水型ダム」の整備を計画している。今後、球磨川の河川整備基本方針を変更し、豪雨時に想定する最大流量を見直した上で、必要な貯水容量や具体的な構造を検討。併せてアセスの準備を進める。
アセス法は建設事業の実施に先立って周辺の自然環境への影響を調査すると定めているが、国交省によると川辺川では同法の施行前から関連工事に着手しているため、法的にはアセスの対象外となる。ただ地元では水質や生態系に与える影響を懸念する声もあり、蒲島郁夫熊本県知事からの要望を踏まえ、同等の調査を行うこととした。
ダム建設を巡っては、蒲島氏が2008年に反対を表明し、09年に当時の民主党政権が中止を決めた。だが昨年の豪雨で球磨川流域に甚大な浸水被害が発生したことから蒲島氏が建設容認に転換。今年3月、県や流域自治体が流水型ダムの建設を柱とする治水対策を了承した。〔共同〕
川辺川ダム建設検討で環境アセスメント実施へ 国交省、豪雨対策
(毎日新聞 2021/5/21 11:02) https://mainichi.jp/articles/20210521/k00/00m/040/081000c
(写真)川辺川ダムの建設計画に伴って高台に移転した住宅地(右)。流水型ダムでも左奥から流れる川辺川周辺は水没する可能性がある=熊本県五木村で、本社ヘリから津村豊和撮影
赤羽一嘉国土交通相は21日、2020年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県の球磨川の治水対策で、支流の川辺川に国が建設を検討している川辺川ダムについて、環境影響評価(アセスメント)を実施すると発表した。川辺川ダムは関連工事が環境影響評価法の施行前から始まっており、本来は対象外だが、熊本県の蒲島郁夫知事が環境アセスを求めていた。国交省は今後、開始時期や期間を調整する。
国交省は、環境影響評価法と同様の評価項目を設定して環境影響への調査や予測、評価を行う。評価の各段階で熊本県知事や川辺川流域の市町村長、一般の人の意見を聞くという。赤羽氏は記者会見で「熊本県知事から要望があったことなども踏まえ、環境省とも連携しながら実施したい」と述べた。
流水型ダム、環境アセスと同等の調査実施へ 国交相
(熊本日日新聞2021/5/21 12:10) https://this.kiji.is/768311535221030912?c=39546741839462401
国土交通省が球磨川支流の川辺川で検討している治水専用の流水型ダム建設について、赤羽一嘉国土交通相は21日の閣議後記者会見で、環境影響評価(アセスメント)法と同等の調査を実施する方針を表明した。熊本県の要望を踏まえたもので、「環境アセスの各段階で県知事や市町村長、環境省、住民らに意見を聞いて進めたい」と述べた。
また赤羽氏は、球磨川水系の治水の方向性を定めた「河川整備基本方針」の変更にも着手する考えを示した。昨年7月の豪雨災害を踏まえ、河川の想定最大流量などを見直す。近く社会資本整備審議会に諮問する。
流水型ダムで環境アセス 熊本・川辺川、要望受け 国交省
(時事通信2021/5/21(金) 11:57)https://news.yahoo.co.jp/articles/dd6b3f7358103d455af74c8f398ab23ecc594c16
熊本県球磨川の治水対策をめぐり、国土交通省は21日、支流の川辺川への「流水型ダム」建設に向け、環境影響評価(アセスメント)を実施する方針を明らかにした。
同県の蒲島郁夫知事が水質への影響が小さいとされる治水専用の流水型ダム整備を要望していた。
川辺川では治水と利水に使う「多目的ダム」を建設する従来の計画に基づき、道路の付け替えなどの準備工事がおおむね終わっている。既に工事が始まっている場合、環境影響評価法の対象外だが、国交省は蒲島氏からの要望を踏まえ、同法に準じたアセスを行うことにした。
熊本・川辺川ダム 環境影響調査を実施へ 国交相が表明
(朝日新聞2021年5月21日 13時03分)
川辺川ダムの環境調査表明 国交相「アセス法と同等」
(西日本新聞2021/5/22 6:00 )https://www.nishinippon.co.jp/item/n/742700/
赤羽一嘉国土交通相は21日の閣議後記者会見で、熊本県の川辺川への新たな流水型ダム整備について、環境影響評価(アセスメント)法に準じた調査を実施すると正式発表した。アセス法に基づく調査と「同等の環境影響評価を実施する」と表明した。調査開始の時期は今後、調整する。
アセス法は建設事業の実施の前に自然環境への影響を調査すると定める。赤羽氏は、従来の川辺川ダム事業の道路付け替え工事などが同法の施行前から始まっていたとして、新たなダム整備も「同法の対象外になる」との見解を示した。ただ、熊本県の蒲島郁夫知事の要望を踏まえ、アセス法と同等の調査の実施を決めたと説明した。
調査は、アセス法と同じように評価項目を設定するほか、熊本県知事や流域の市町村長、一般の人の意見を各段階で聞いて進めるという。赤羽氏は、アセス法の調査と「実質的に同じだけの意味がある内容をやる」と強調した。
蒲島氏は21日、「思いをしっかり受け止めていただいたもので、国に御礼申し上げたい。国は、客観的かつ科学的な環境アセスメントをしっかりと実施してほしい」との談話を出した。
調査には数年かかるとみられる。国交省の担当者は「ある程度の期間を要するが、治水対策を早くという地元の声もある。スピード感をもって進める」としている。 (鶴加寿子)
【熊本】川辺川の流水型ダム 環境調査へ
(熊本県民テレビ(KKT)2021/5/21(金) 20:35)https://news.yahoo.co.jp/articles/d98b3d5bec8dbf36515c3e7dd9656f62ad993e70
(映像あり)
【熊本】川辺川への流水型ダムの整備に向けて赤羽国交相は環境調査を行うことを発表した。 川辺川に建設予定の流水型ダムについて赤羽国交相は蒲島知事や流域市町村長から意見を聴きながら環境への影響を調べる「環境アセスメント」に準じた調査を行うことを明らかにした。 川辺川ダムをめぐっては去年の熊本豪雨をきっかけに蒲島知事が計画の白紙撤回から建設容認に方針転換した。一方で地元住民からは環境への影響などを懸念する声があがっていて知事は国に対して環境アセスメントの実施を要望していた。 赤羽国交相はダム建設は環境影響評価法の施行前から関連工事が進められているため本来は調査の対象外となる考えを示したが知事の要望を踏まえて応じる決断に至ったとしている。調査の開始時期や期間は今後調整するとしている。 蒲島知事は「客観的で科学的な環境アセスメントを実施し、命と清流を守る新たな流水型ダムを整備していただきたい」とコメントしている。
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