球磨川水系の整備計画 国、熊本県が策定着手 流水型ダム検討本格化
8月4日「令和3年度(第1回)球磨川水系学識者懇談会」が開かれました。その記事とニュースがを掲載します。
球磨川水系河川整備計画を策定するための学識懇談会です。この河川整備計画の中心の事業になろうとしているのが流水型の川辺川ダムです。
7月8日に「球磨川水系河川整備基本方針の変更」を審議する国土交通省の小委員会が開かれたばかりです。https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/dai112kai/index.html
河川整備計画は、通常はその上位計画である河川整備基本方針が策定されてから、基本方針の範囲で策定作業が進められるものですが、球磨川の場合は並行して策定作業が進められています。
九州地方整備局と熊本県が、流水型の川辺川ダムの推進に特段の力を入れているように思います。
この「令和3年度(第1回)球磨川水系学識者懇談会」の配布資料が国土交通省 九州地方整備局 八代河川国道事務所のホームページに掲載されました。
第1回 球磨川水系学識者懇談会 令和 3年 8月 4日
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/gakusiki_kondankai/gakusiki_01.html
【議事次第、委員名簿、座席表、設立趣旨、規約(案)、公開方法(案)、資料1、資料2(1/2)、資料2(2/2)、資料3(1/2)、資料3(2/2) 、資料4】
このうちの資料2(1/2)
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/bousai/gouukensho/gakusikikon/shiryou2_1.pdf
を見ると、8ページで2020年7月洪水の球磨川の流量が従前の洪水よりかなり大きかったという図が示されています。
だから、そのような洪水の再来に備えるために流水型の川辺川ダムが必要だという話になっていくことが予想されます。
しかし、2020年7月洪水は川辺川ではなく、山田川や小川などの支川の流量が卓越し、人命のほとんどはそれらの支川のはん濫によって失われたのであって、当時、仮に川辺川ダムがあってもその命を救うことができなかったという調査結果が明らかにされています
球磨川水系の整備計画 国、熊本県が策定着手 流水型ダム検討本格化
(西日本新聞2021/8/5 6:00 )https://www.nishinippon.co.jp/item/n/780736/
昨年7月の熊本豪雨で氾濫した熊本県・球磨川水系を巡り、国土交通省九州地方整備局と県は4日、学識者懇談会の初会合を熊本市で開き、今後20~30年間の具体的な治水策を河川法に基づいて位置付ける「河川整備計画」の策定に着手した。最大支流・川辺川への流水型ダムや流域での遊水地の整備に向けた検討が本格化する。
懇談会は熊本大や九州大などの河川、環境、経済などの専門家12人で構成。九地整や県による整備計画の原案作成段階で意見を述べ、策定後の事業評価も担う。委員長の小松利光・九州大名誉教授は初会合で「九州では5年続けて大水害が起きた。懇談会の使命は大きい」と述べた。
国交省は7月、長期目標となる「河川整備基本方針」の見直しに着手。気候変動の影響を考慮し、洪水時に想定する最大流量「基本高水」の引き上げを検討していく。整備計画では、この基本高水に対応可能な治水策として、ダムや遊水地の整備を明確化する。
球磨川水系では2007年に基本方針が策定されたが、08年の川辺川ダム計画「白紙撤回」後は治水策がまとまらず、全国109の1級水系で唯一、整備計画が未策定。熊本豪雨では流域で1150ヘクタールが浸水、50人が犠牲となった。 (古川努)
球磨川治水「河川整備」で意見聴取 学識者懇談会が初会合
(熊本日日新聞2021/8/5 08:00) https://nordot.app/795788875149737984?c=62479058578587648
球磨川水系の「河川整備計画」策定に向け初会合を開いた学識者懇談会=4日、熊本市中央区
昨年7月の豪雨で氾濫した球磨川水系の治水を巡り、国土交通省九州地方整備局と熊本県は4日、学識者懇談会の初会合を開き、「河川整備計画」の策定に反映させる意見の聴取を開始した。計画は、蒲島郁夫知事が求めた流水型ダムの建設や堤防、遊水地の整備など具体策の前提となる。
懇談会の委員は治水や環境、経済、歴史・文化、農林水産業、防災など幅広い分野の専門家12人。委員長に小松利光・九州大名誉教授(河川工学)を選んだ。
初会合は熊本市中央区の熊本城ホールであった。国交省が豪雨後に示した「流域治水プロジェクト」に対し、委員からは「流れる水の収支の議論ばかりで、山林の保水や土砂流出の防止策を考えていない」「犠牲者の当時の行動や判断状況など詳細なデータを行政が整理して、住民に啓発すべきだ」といった意見が出た。(堀江利雅)
◇球磨川水系学識者懇談会委員(五十音順)
井田貴志・県立大教授(経済)
大槻恭一・九州大大学院教授(森林)
大本照憲・熊本大特任教授(河川工学)
鬼倉徳雄・九州大大学院教授(環境・魚類)
上久保祐志・熊本高専教授(河川工学)
久保田修・県土地改良事業団体連合会常務理事(水利)
小林 淳・県立大教授(環境・水質)
小松利光・九州大名誉教授(河川工学)
竹内裕希子・熊本大大学院准教授(防災)
田中尚人・熊本大准教授(歴史・文化)
星野裕司・熊本大准教授(景観)
南本健成・元県水産研究センター所長(漁業)
球磨川の河川整備計画策定に向け懇談会の初会合【熊本】
(テレビ熊本t2021年8月4日 水曜 午後9:00)https://www.fnn.jp/articles/-/219673
(映像)
去年7月の豪雨で氾濫した球磨川の河川整備計画の策定に向け4日、専門家による懇談会の初会合が開かれました。
国や熊本県が開いた4日の初会合には防災の専門家など委員12人が出席。
委員からは整備計画の策定に向け、「環境に配慮して川底の土砂を撤去する方法を
考えてほしい」、「漁業関係者などと連携をとって計画をつくるべき」などといった意見があがりました。
今後、国と県は懇談会での意見をふまえ具体的な計画の内容を決めていくということです。
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