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報道

球磨川流域の持続的発展目指す 熊本県立大の研究プロジェクト始動(流水型川辺川ダムの推進)

2021年11月18日
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昨年7月の熊本豪雨で被災した球磨川流域をフィールドに、「流域治水」の技術を全国に先駆けて確立するためのプロジェクトが熊本県立大を拠点に始動したという記事をお送りします。

しかし、このプロジェクトが目指しているのは、流水型川辺川ダムの推進も含めたものですから、このプロジェクトをとても評価することはできません。

新たなダムを造らずに、自然豊かな川を残す治水対策を確立することこそ、私たちが目指すべきことです。

 

球磨川流域の持続的発展目指す 熊本県立大の研究プロジェクト始動

雨水を浸透させて洪水を軽減する「雨庭」の実験施設

昨年7月の熊本豪雨で被災した球磨川流域をフィールドに、気候変動時代の防災・減災のキーワードでもある「流域治水」の技術を全国に先駆けて確立し、真の復興への課題を産官学民の連携で解決していく-。10年間で研究費最大20億円を見込む壮大なプロジェクトが、熊本県立大を拠点に始動した。17日の発表で、プロジェクトリーダーの島谷幸宏・県立大特別教授は「治水という投資を地域の持続的発展につなげたい」と意気込みを語った。

プロジェクト名は「『流域治水を核とした復興を起点とする持続社会』地域共創拠点」。水害への安全・安心▽豊かな環境と恵みのある暮らし▽若者が残り集う地域▽多世代による緑の流域治水の達成-の四つの「目標となる未来」を定め、地域課題の解決に挑む。

島谷氏のチームは、安全と環境保全の両立に向けて県が提唱する「緑の流域治水」の技術を開発。雨水を浸透させる「雨庭」や田んぼダムなど「洪水をゆっくり流す」技術などの開発を進め、氾濫流を防いだり受け流したりする小型の堤防などの研究や対象地の選定も進める。

熊本大の皆川朋子准教授のチームは、環境再生や生物多様性を高める技術を検討。球磨川の県営市房ダム下流の水質改善や、「新たな流水型ダム」の整備が検討されている支流川辺川の環境保全なども柱に据える。肥後銀行系のシンクタンク「地方経済総合研究所」の宮中修部門長のチームは産業連携を担う団体を設立し、「3年目以降、毎年1件の産業創生」を目標に掲げる。デジタル技術を活用した減災や、学びの場創出を目指すチームもある。

県立大の白石隆理事長は「極めて具体的なネットワークができた」、蒲島郁夫知事は「創造的復興を強力に推進するエンジンとなる」とそれぞれ評価。肥後銀行の笠原慶久頭取は「地域の自然と歴史、文化資本を経済資本に転換する地域経済循環モデルを構築したい」と述べた。 (古川努)

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