来年度の黒部川「連携排砂」計画まとまる 黒部川ダム排砂評価委員会
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今年も黒部川ダム排砂評価委員会が開かれ、出し平ダム(関西電力)と宇奈月ダム(国土交通省)の連携排砂の実施計画が示されました。毎年、今頃、この委員会が開かれます。そのニュースと記事を掲載します。
黒部川には堆積土砂を排出するための排砂ゲートがあるダムが2基、出し平ダムと宇奈月ダムがあります。出し平ダムは総貯水容量901万㎥の発電用ダムで、1985年竣工です。宇奈月ダムは総貯水容量2470万㎥の多目的ダムで、2001年竣工です。
宇奈月ダムは出し平ダムの下流側にあります。
堆積土砂を排出するための排砂ゲートがあるダムは全国的に珍しいのではないでしょうか。それだけ、黒部川は土砂の供給量が非常に大きい河川だということです。
出し平ダムについては排砂ゲートからの土砂排出が富山湾の漁業にダメージを与えるので、漁業被害訴訟の裁判が行われ、1審では漁協側が勝訴しましたが、2審では勝訴にはなりませんでした。
堆積土砂を排出するための排砂ゲートを備えなければならないほど、土砂供給量が異常に大きい河川にダム(出し平ダムと宇奈月ダム)を建設してきたことに、黒部川河川行政の根本の誤りがあるのではないでしょうか。
毎年行われている連携排砂はその尻拭いの手段でしかないと思います。
来年度の黒部川「連携排砂」計画まとまる 土砂排出量は今年度より少ない見込み 黒部川ダム排砂評価委員会
(富山テレビ2022/3/16(水) 20:18)https://news.yahoo.co.jp/articles/27ff109458ea873b7f72ce9909642c7b3c066c60
黒部川の2つのダムの土砂を下流に流し出す「連携排砂」の来年度の計画がまとまりました。
計画では、土砂の排出量は7万立方メートルで今年度より少ない見込みです。
16日開かれた黒部川ダム排砂評価委員会で、連携排砂を実施する国土交通省と関西電力が実施計画案として示し了承されました。
それによりますと、来年度の排砂は出し平ダムに新たに堆積した土砂7万立方メートルを12時間かけて流しだす予定で、排砂量は今年度の9万立方メートルより少なくなるとしています。
環境への影響調査は、アユの調査個所を上流に変更し、生息状況をより詳しく把握するとしている一方、深海の海底調査は環境への影響がみられないとして取りやめることにしました。
計画は、地元の市と町による協議会で最終決定し、6月から8月にかけて実施される予定です。
新年度の連携排砂 目標量を7万立方メートルに
(チューリップテレビ2022年3月16日 18:51) https://news.yahoo.co.jp/articles/b95dd65ca5f1a43ba6cb79c987167ece70ad8de0
(映像)
黒部川上流の2つのダムにたまった土砂を下流へと流す「連携排砂」で、
国交省などは新年度の目標排砂量を過去2番目に少ない7万立方メートルとしました。
これは、16日開かれた黒部川ダム排砂評価委員会で、ダムを管理する国交省と関西電力が報告したものです。
これによりますと、去年7月から12月に溜まった土砂の量から、新年度の目標排砂量は、過去2番目に少ない7万立方メートルとしていて、5月に開かれる土砂管理協議会で決定します。
また新年度の実施計画についても示され、2020年度から水の濁りを抑えるためおこなっている「先行操作」は、今年度も実施の見込みです。
「先行操作」とは下流の宇奈月ダムのゲートを先に開け、宇奈月ダムの水位が半分まで低下した後、上流の出し平ダムのゲートを開けるもので2020年度から実施しています。
ただ、自然流下中の流入量が少ないと見込まれる場合は、連携排砂を行わず、出し平ダムから宇奈月ダムへの土砂移動操作に切り替える場合もあるということです。
黒部川連携排砂 ことしは7万立米排出へ
(北日本放送/2022/3/16(水) 19:09)https://news.yahoo.co.jp/articles/b95dd65ca5f1a43ba6cb79c987167ece70ad8de0
(映像)
黒部川の2つのダムにたまった土砂を下流に流す連携排砂の評価委員会が16日開かれました。
ことしの目標排砂量をおよそ7万立方メートルとする計画案を了承しました。 (※最大積載量10トンのダンプトラックは約6.5立方メートルを積載できるとしたとき、7万立方メートルはダンプトラック約1万台分)
富山市で開かれた黒部川ダム排砂評価委員会では、連携排砂を行う出し平ダムと宇奈月ダムをそれぞれ管理する関西電力と国土交通省がことしの計画案を示しました。
計画案では、出し平ダムのことしの目標排砂量をおよそ7万立方メートルとしています。
これは、去年の排砂の実績である9万立方メートルを下回っていて、ことし5月の最終測量で確定させます。
また、おととしから試験的に行っている宇奈月ダムのゲートを先行して操作することについては、浮遊物質の濃度のピークがおよそ2割低くなったことなど効果がみられたとして、ことしも継続します。
一方、環境調査のうち3年間続けた黒部川河口周辺の水深800メートルより深い海の底の調査については、排砂前後で環境への影響は見られなかったとしてことしは取りやめます。
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