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報道

茨木の安威川ダム、試験湛水始まる 23年度の運用目指す

2022年9月7日
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残念な情報ですが、大阪府の安威(あい)川ダム(茨木市)は本体工事が完了し、9月5日に試験湛水が始まりました。その記事を掲載します。

試験湛水開始は、安威川ダム建設事務所のHPに掲載されています。https://www.pref.osaka.lg.jp/aigawa/sikentansui/index.html 事務所に聞いたところ、試験湛水は2023年4月末頃に終わる予定とのことです。

安威川ダムは大阪の市街地に建設される特異なダムで、総貯水容量が1,800万㎥もあり、補助ダムとしてはかなり大きいダムです。他のダムと同様に、工期の延長と事業費の増額が繰り返されてきていて、工期は当初の2008年度完成が2023年度まで延期され、事業費は当初の836億円から1676億円へと、約2倍になりました。

安威川ダムは大阪府営水道が撤退したので、環境容量という必要性が希薄な用途の容量を入れて、1,800万㎥という総貯水容量を維持してきています(洪水調節容量1,400万㎥、流水の正常な機能の維持容量146万㎥、環境容量94万㎥、堆砂容量160万㎥)。

洪水以外の目的は必要性が希薄で、安威川ダムの建設目的は洪水調節にありますが、その洪水調節の目的も虚構の上に成り立っています。

安威川ダムの治水問題で最も重要な問題は、100年に1回の降雨による洪水への対応で安威川ダムが必要とされているものの、実際には1/100の降雨があると、安威川ダムがあっても、安威川・神崎川流域の大半のところが氾濫してしまうことです(安威川は下流の神崎川につながっていて、一連の川です)。

この無意味なダムを中止させるために、江菅洋一さんら、大阪府民が裁判で闘いました。嶋津もこの裁判に証人として参加しました。しかし、残念ながら、一審、二審とも敗訴になりました。

安威川ダムの虚構については「大阪府の安威川ダムは無意味で愚かなダム事業」https://suigenren.jp/news/2018/02/24/9712/ をお読みください。

  

大阪府/安威川ダム試験湛水開始/来年度にも供用

( 建設通信新聞2022-09-07)https://www.kensetsunews.com/archives/734667

施工中の安威川ダム

大阪府は、北摂地域の治水施設として供用を目指す安威川ダムについて、5日から試験湛水を開始した。今後は試験湛水の計画に基づき、貯水可能な最高水位(サーチャージ水位)まで水を貯めた後、最低水位まで下降させる。順調に進めば2023年5月ごろにも試験を終え、同年度中に供用を開始する見込みだ。
試験湛水はダムの本格運用の前に、実際に水を貯めてダム本体や貯水池周辺の安全性を確認するもの。今回は大雨の際の洪水も貯留しながら、約8カ月をかけてサーチャージ水位(125m)まで水を溜め、その後は約1カ月間で常時満水時(99.4m)と最低水位(90.2m)の普段の水位まで下降させる。湛水面積は洪水時が81ha、平常時が34ha。
試験は大阪府が実施するが、これに付随した堤体挙動解析や計測監視、供用後のダム管理に向けた計測監視計画案の作成などの業務はニュージェックが担当する。
安威川ダムは、1967年7月に死傷者61人の被害をもたらした北摂豪雨災害を契機に計画された、堤体積222.5万m3の中央コア型ロックフィル形式の治水ダム。大阪府茨木市大字生保、大門寺地先に多目的ダムとして建設している。規模は堤高76.5m、堤頂長337.5m、総貯水容量1800万m3、有効貯水容量1640m3で、全体事業費は1676億円に及ぶ。
本体施工は大林組・前田建設工業・奥村組・日本国土開発JVが担当した。14年3月に本体工事に着手後は18年6月には基礎掘削を、22年1月に堤体の盛り立てを終え、ことし8月にダム本体の工事が完了した。
100年に一度起こり得る規模の大雨(時間雨量80mm程度、日雨量250mm程度)でも下流の河川を氾濫させない機能を持つ。洪水調節は人による操作を行わず、貯水位に応じて洪水吐きから自然に流れる「自然調節方式」を採用している。

 

茨木の安威川ダム、試験湛水始まる 23年度の運用目指す

(朝日新聞2022年9月6日 10時15分)https://digital.asahi.com/articles/ASQ9575TGQ95OXIE02K.html

 大阪府 が治水対策として建設を進めてきた安威(あい)川ダム( 茨木市 )で5日、ダム湖に初めて水をためて本体や周辺に問題が出ないか確認する試験湛水(たんすい)が始まった。本体工事が8月に完了していた。
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