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報道

川辺川ダム「川は死んでしまう」反対派住民が決起集会 (1月22日)

2023年1月26日
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2020年7月上旬の熊本豪雨で、球磨川が大氾濫し、凄まじい被害をもたらしました。

球磨川流域の死者50人の9割は球磨村と人吉市の住民で、支流の氾濫によるものでした。

球磨村と人吉市の犠牲のほとんどは、球磨川の支川(小川、山田川等)の氾濫が球磨川本川の氾濫よりかなり早く進行したことによるものでしたから、当時、川辺川ダムがあって本川の水位上昇を仮に小さくできたとしても犠牲者の命を救うことはできませんでした。

しかし、2022年8月策定の球磨川水系河川整備計画では小川は河川改修の対象外であり、山田川は0~0.5㎞についての改修が簡単に記されているだけです。川辺川ダムで本川の水位を下げれば、支川の水位も下がるという考えによるものですが、その考えは2020年7月水害の実態とかけ離れています。

そして、「自然にやさしい」を名目にして、川辺川ダムは流水型ダム(穴あきダム)で計画されていますが、既設の流水型ダム(5基)の実態を見ると、「自然にやさしい」という話はダム推進のためのうたい文句にすぎず、川の自然に多大な影響を与える存在になっており、流水型川辺川ダムが川辺川、球磨川の自然に大きなダメージを与えることは必至です。

球磨川流域治水プロジェクトにより、球磨川ではこれから流水型川辺川ダムを中心に約3636億円以上いう凄まじい超巨額の公費が投じられていくことになっています。

流域住民・熊本県民の声に耳を傾けることなく、国土交通省と熊本県は2022年8月に流水型川辺川ダムを中心に据えた河川整備計画を策定し、ダム建設に向けた手続きを進め、球磨川で超巨額の公共事業を推進しようとしています。

そこで、流域住民は2023年の初頭、球磨川豪雨災害の真実を多くの人に伝え、行政の嘘を許さず、熊本県民や全国の様々な問題に取り組む人たちと手を携えて、ダムを中止に追い込むための新年決起集会を開催しました。

その集会案内と集会の記事を掲載します。

 

川辺川ダム反対集会開く 流域住民らが10カ条の決議文採択 熊本

(西日本新聞2023/1/25 11:30 ) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1044882/

420人が集まった川辺川への流水型ダム建設反対集会

球磨川支流の川辺川への流水型ダム建設に反対する住民団体などが22日、熊本県人吉市で決起集会を開き、ダムによらない流域治水と復興を求める10カ条の決議文を採択した。

球磨川や川辺川流域の住民や川漁師が登壇し、2020年の熊本豪雨の被災経験を説明。「避難情報の遅れが住民の犠牲を招いた」「流木が水害を助長した。支流の森林保全を進めて」などと訴えた。ダム反対団体を昨年立ち上げた男性は「流水型ダムでは命も環境も守れない。民意から遠いところで建設が進むことに怒りを覚える」と語った。

集会には約420人が参加。ダム建設計画を白紙撤回し、宅地かさ上げや河床の土砂撤去などを求める10カ条の決議文を採択した。今後、県や流域市町村に提出する。 (中村太郎)

 

 川辺川「ダムいらない」 人吉市の市民団体がアピール文採択

(熊本日日新聞  2023年1月23日 09:32)https://kumanichi.com/articles/924700

川辺川のダム建設反対を訴える市民団体が開いた決起集会=22日、人吉市

2020年熊本豪雨を受け、国が川辺川に計画する流水型ダム建設に反対する市民団体が22日、人吉市カルチャーパレスで決起集会を開き、ダムによらない球磨川流域の治水と復興を求める10カ条のアピール文を採択した。川辺川現地調査拡大実行委員会主催で約400人が参加した。

球磨川や支流の氾濫で被災した住民らが登壇。「避難指示がもっと早く出ていれば、多くの命が助かったはず」「球磨川上流の市房ダムが緊急放流の寸前まで陥り、命の危険を感じた」と語り、「ダムはいらない」と訴えた。

採択した文書は、河川に堆積した土砂の撤去、堤防や遊水地の整備、山林の保全、支流の氾濫対策などを急ぐよう求め、「公共事業は住民の意思決定の下で進めるべきだ」と主張。23~25日、県と人吉市、八代市、錦町に提出する。(中村勝洋)

 

川辺川ダム 「川は死んでしまう」 反対派住民が決起集会 /熊本

(毎日新聞熊本版 2023/1/24)https://mainichi.jp/articles/20230124/ddl/k43/040/169000c

決起集会で九州豪雨の被災状況などを報告する球磨川流域住民ら

2020年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県南部を流れる球磨川水系の川辺川に国が計画する流水型ダム建設に反対する市民団体の決起集会が22日、同県人吉市であった。住民ら約430人が参加し、「ダムによらない流域の治水と復興を求める10カ条」を採択した。

集会には豪雨で被災した流域の住民ら7人が登壇。人吉市で4代続く川漁師の吉村勝徳さん(74)は「全国の流水型ダムの状況を見ればわかるが、川は死んでしまう」と建設反対の声を上げた。

このほか、山形県最上町にある最上小国川ダムの状況を調査している団体がオンラインで講演。流水型ダムが完成後、川の濁りがひどくなり、アユなどの生息環境が悪化している状況などが紹介された。

この日採択した「10カ条」では、流域に堆積(たいせき)した土砂撤去や河道拡幅、遊水地の整備などを求め、熊本県や流域自治体に順次提出する。【野呂賢治】

 

川辺川流水型ダム計画 反対派が集会 「ダム造れば清流は返らない」

(朝日新聞2023年1月24日 )  https://digital.asahi.com/articles/ASR1R7SWKR1RTLVB003.html

(一部引用)
人吉市のほか球磨村や八代市坂本町などで被害にあった6人が、自らの具体的な体験を交えて意見を発表。「流水型でもダムを造れば球磨川の清流は返ってこない」との環境への懸念や、避難時に上流域の市房ダムで一時緊急放流が検討されたことを知った際の恐怖感と「ダムはかえって危ない」との主張、08年に川辺川ダムの白紙撤回を表明しながら被災後にダム容認に転じた蒲島郁夫知事への批判などが続いた。

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