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パタゴニア日本支社 長崎県民対象の世論調査を実施

パタゴニア日本支社が長崎県民を対象に石木ダムについて世論調査を実施した結果を発表しました。その発表内容を掲載します。

 パタゴニア日本支社 長崎県民対象の世論調査を実施

(時事ドットコム2017/06/22-12:40 ) http://www.jiji.com/jc/article?k=000000007.000021813&g=prt
[パタゴニア日本支社]
石木ダム建設、反対が賛成を上回る、「説明不十分」が約8割
アウトドア企業のパタゴニア日本支社(本社: 米国カリフォルニア州ベンチュラ、日本支社: 神奈川県横浜市)は、本日6月22日(木)長崎県政記者クラブに於いて記者会見を行い、「石木ダム建設計画」に関する世論調査の結果を発表しました。
 
 パタゴニアは「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」ことを企業理念の中に掲げ、様々な環境保護活動を行っています。
長崎県と佐世保市が東彼杵郡川棚町に建設計画を進める石木ダムについて、多額の税金を投入しながら豊かな自然と13世帯の生活を奪うだけの建設の正当性や説明が乏しいことを疑問視してきました。
そこでパタゴニアでは外部のリサーチ会社を利用し、今年5月23日~31日の期間で長崎県民2500人を対象とした「石木ダム建設計画」に関する調査を実施しました。その結果、県民の中で「反対」が「賛成」を上回り、また県民の約8割が建設計画に対して「説明不足」だという回答が出ました。
これを受け、パタゴニアは、一度立ち止まって専門家の意見に耳を傾け、賛成、反対、中立の立場の人たちが、公開の場で話し合うことの必要性を呼びかけます。
● 長崎県民が負担する538億円
長崎県・川棚川の下流にある小さな支流、石木川にダムを作る建設計画があります。総工費は538億円です。長崎県民が負担します(※1)。
※1 石木ダムの総事業費は建設費と関連事業費を合わせて538億円。負担先は、長崎県負担185億円、佐世保市民負担353億円。うち、国庫補助金(=国民の税金)147.5億円。
● ダム建設に反対の割合が賛成者を上回る
長崎県民がこれだけ大きな負担を負うにもかかわらず、実は、ダム建設に反対する人の割合は賛成する人を上回っています(グラフ右)。また、県民の2人に1人が石木ダムの計画について「よく分からない」と調査で答えるなど、客観的に見て、巨額の公共事業の進め方としては疑問を呈さざるを得ない状態です。
● 「説明不十分」の回答が県民の約8割
石木ダムの建設計画は40年前からあるため、「石木ダム」という名称自体は有名です。しかし、その必要性や県民の負担についてきちんと理解できている県民は少なく、調査でも、県民の約8割が、県が「十分な説明をしていない」と答えています(グラフ左)。またこれまで、ダム建設予定地の地権者など、石木ダムの建設に反対する団体が公の場で県の恣意的な水の需要予測や治水に役立つ根拠の無さなど、その必然性に対する疑問を呈してきていますが、それに対する長崎県の直接的な回答はありません。
● 公の場で、推進と反対と中立の立場の議論を!
専門家をまじえて、ダムを造りたい人と、ダムに反対する人とそれぞれの意見が一度に聞ける公開討論会の開催を長崎県に求めるため、下記のようにChange.orgで署名を本日6月22日(木)より開始します。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
石木ダムの建設は、今にも始まろうとしています。つまり、今ならまだ間に合います。
長崎のみなさん、一度立ち止まって考えてみませんか。
中村法道 長崎県知事と県議会議員45名に声を届けましょう。
署名する*Change.org <http://prt.nu/0/石木ダム建設>
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
また、同時にパタゴニア公式サイトでは、本日より、石木ダムの建設により沈む予定の川棚町川原地区で、半世紀もの間ふるさとを守るために戦ってきた13世帯の家族の暮らしをめぐるドキュメンタリー映画『プロテクターズ・オブ・ファイアフライ・リバー(ほたるの川のまもりびと/パタゴニア特別限定版)』の公開も開始します。
『プロテクターズ・オブ・ファイアフライ・リバー(ほたるの川のまもりびと/パタゴニア特別限定版)』
・監督:山田英治 (映画監督/脚本家/クリエイティブディレクター/CMプランナー)
・物語:長崎県東彼杵郡川棚町川原地区の住民は、川棚川の支流石木川を囲むように、先祖から引き継ぐこの地で自然とともに生活を営んできました。いま、ダム建設によって、その生活が奪われる危機にあります。川原地区の13世帯の住民は計画が持ち上がってから半世紀ものあいだ、計画の見直しをもとめ、ふるさとの自然と暮らしを守る活動がつづいています。[日本語+英語字幕付き]
・詳細を読み、行動を起こす: patagonia.com/protectors-of-firefly-river.html
当映画は、来月7月から約1ヶ月に渡ってパタゴニア直営店をはじめとする全国25箇所で開催される『Granted Film Festival(グランテッド・フィルム・フェスティバル)』ツアーでも、特別編作品として上映します。
グランテッド・フィルム・フェスティバル: patagonia.com/jp-granted-film-festival.html
■ 会社概要
パタゴニア社 Patagonia, Inc.
米国カリフォルニア州ベンチュラに本社を置くアウトドア企業のパタゴニアは、1973年、イヴォン・シュイナードによって設立されました。Bコーポレーションとして認証され、「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」をミッションとしています。パタゴニアは確かな製品品質へのコミットメントと環境に関する活動において国際的に知られ、これまでに8,200万ドル以上を助成金や製品寄付として提供しています。
パタゴニア日本支社 Patagonia International Inc.,Japan Branch
所在地 :神奈川県横浜市戸塚区川上町91-1 BELISTAタワー東戸塚5階
設立年月日:1988年8月23日
日本支社長:辻井 隆行
公式ウェブサイト: www.patagonia.jp
■ お客様お問い合わせ先
パタゴニア日本支社 カスタマーサービス (受付時間:月~日 9:00~17:00)
フリーコール:0800-8887-447 (通話料無料)
IP電話サービス/携帯電話専用:045-435-6100 (通話料有料)
所在地:神奈川県横浜市戸塚区川上町91-1 BELISTAタワー東戸塚4階

『裁判報告  八ッ場ダム・思川開発・湯西川ダム 6都県住民11年の闘い』の書評

八ッ場ダム住民訴訟弁護団、八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会が昨年9月に刊行した
『裁判報告  八ッ場ダム・思川開発・湯西川ダム 6都県住民11年の闘い』
の書評を
瀬戸昌之先生(東京農工大学・元教授)が

『人間と環境』2017年№1に書かれています。

 八ッ場ダム等裁判報告の書評

 

この裁判報告の内容は
https://suigenren.jp/news/2016/11/25/8652/
をご覧ください。

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国土審議会の「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」の答申

2017年5月12日
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5月12日、国土交通省の国土審議会が国土交通大臣宛に、「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」の答申を出しました。

http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000087.html をご覧ください。
「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」(答申)
~需要主導型の水資源開発からリスク管理型の水の安定供給へ~
この答申は八ッ場ダム、思川開発、霞ケ浦導水事業、設楽ダム、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発などといった、現在進められているダム等事業を利水面で位置づけることを企図したものです。
水需要が減少の一途をたどり、水余りが一層進行していく時代において利根川、豊川、木曽川、淀川、筑後川水系等の水需給計画である水資源開発基本計画(フルプラン)はその役割が終わっているのですから、
国土交通省は根拠法である水資源開発促進法とともに、フルプランを廃止し、
新規のダム等事業は利水面の必要性がなくなったことを明言すべきです。
しかし、国土交通省は上記のダム等事業を何としても進めるべく、(水需要の面では必要性を言えなくなったので)「リスク管理型の水の安定供給」が必要だという屁理屈をつけて、上記のダム等事業を位置づけるフルプランを策定するため、今回の答申をつくりました。
この答申に沿ってこれからフルプランの変更が行われることになっています。
この答申の関係資料が
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000074.html に掲載されています。
この答申案に対して2月22日から3月7日までパブリックコメントが行われました。
提出された意見がhttp://www.mlit.go.jp/common/001184469.pdf に掲載されています。
答申案に対して厳しい意見が多く出されていますので、ご覧ください。

平成29年度厚労省水道課のダム関係補助金

2017年5月11日
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平成29年度厚生労働省水道課のダム関係補助金が厚生労働省のHPに掲載されました。、
平成29年度水道水源開発の国庫補助金 のとおりです。
各年度の補助額はhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/yosan/01b.html
で各年度をクリックし、その中で「水道施設整備費の内示について」をクリックすると、ダム関係補助金を含む表が表示されます。
この表には水資源機構ダム(思川開発や川上ダム等)関係の補助金は入っていません。
水資源機構ダムの場合、ダム建設費の水道分はダム完成までは水資源機構が負担しますので、水道分の補助金は水資源機構が受け取ります。(ダム完成後に水資源機構が利水参画者に対して補助金を除くダム建設費負担分に利息をつけて請求します。)
厚生労働省水道課は、ダム事業を推進する国土交通省とは別の省なのですから、独自の判断があって然るべきなのですが、
水需要の架空予測でダム事業に参画する水道事業体に対して、自動的に補助金を与えています。
厚生労働省水道課とは、石木ダム事業に参画する佐世保市や、当別ダム事業に参画する札幌市の水需要予測問題について何度かやり取りしたことがありますが、
架空予測を是正しようとする姿勢は皆無でした。

2,500億円をつぎ込み、巨大な調節池を三つ造る荒川の洪水対策の無駄

2017年4月17日
カテゴリー:
 埼玉県と東京都を流れる荒川の中流部に約2,500億円もかけて、巨大な洪水調節池を三つ造る計画が進んでいます。
新規のダム建設が困難になってきたため、巨額の費用を要する河川開発事業として計画されたものと考えられます。

荒川調節池計画の問題を考えるチラシが作られました。シンプル版と詳細版があります。次のとおりです。

荒川調節池問題のチラシ  シンプル版

荒川調節池問題のチラシ  詳細版

 

「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」http://yambasaitama.blog38.fc2.com/ が荒川調節池計画の問題に取り組んでいますので、
皆様もこの問題に関心をお寄せください。
以下、荒川調節池計画の概要と問題点を記します。

*計画の概要

埼玉と東京を流れる一級河川の荒川では1973年に旧建設省により、荒川の洪水・渇水対策として中流部に5つの調節池群の構想がつくられ、そのうち、1999年3月に荒川第一調節池が完成しました。

残りの調節池は机上のプランだと思われていたのですが、2016年3月策定の荒川水系河川整備計画で、第一調節池の上流に治水専用の荒川第二、第三、第四調節池をつくることが決まりました。

荒川第二~第四調節池の予定地は、下流側はさいたま市桜区、志木市から、上流側は桶川市、川島町まで及ぶ広大なものです。

池内面積は第二、第三、第四節池の合計で約14㎢にもなり、既設の第一調節池の2倍以上になります。

洪水を貯めるために長い堤防を築き、池内の掘削を行います。

 

調節池の必要性への疑問

① 第二~第四調節池は、戦後すぐのカスリーン台風洪水の再来に備えて必要とされていますが、
当時と比べて森林の環境整備が格段に進み、山の保水力が高まっています。
当時のように大きな洪水にはならなくなっています。

② 第二~第四調節池の必要性は机上の洪水流量計算から求められたもので、荒川の現状を反映して
いません。

③ 荒川中流域の広大な河川敷には1954年に横堤(左岸14箇所、右岸12箇所)がつくられ、遊水機能
が強化されていますので、洪水調節はこれで十分です。

④ 2004年完成の荒川第一調節池で、今まで越流があったのは、
2007年9月洪水だけで、その越流量はわずか3万㎥、
調節容量3,900万㎥の1/1000で、余裕が十分にありました。
これ以上の調節池の建設は不要です。

⑤ 第二~第四調節池の建設に約2,500億円という巨額な予算を
投じるよりも、河川堤防の強化、越水しても破堤しない堤防
の整備を推進する方が、はるかに有効な治水対策になります。

*予定地の豊かな自然

日本有数の広大な高水敷には、かつての荒川の蛇行形状と自然環境をとどめる旧流路や周辺の湿地、ハンノキ等の河畔林が見られ、多種多様な動植物の生息・生育環境を形成しています。

旧流路の水域には、ヒシ等の水生植物、トウキョウダルマガエル等の両生類や、メダカ等の魚類が見られ、湿地のヨシ群落と周辺のオギ群落は、オオヨシキリ等の鳥類やカヤネズミ等の哺乳類の生息場として利用されています。
ハンノキ等の河畔林には、ミドリシジミ等の昆虫類も生息しています。(「荒川上流河川維持管理計画」より)
 

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