水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 事務局からのお知らせ

ニュース

事務局からのお知らせ

国交省の国土審議会第14回 水資源開発分科会「今後の水資源政策のあり方について」の審議の実態と最終答申

2015年3月20日
カテゴリー:
3月13日(金)に開かれた国交省の国土審議会第14回 水資源開発分科会の 配付資料が国交省のHPに掲載されました。
そして、最終答申が3月27日(金)に国交省のHP http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000061.html に掲載されました。

3月13日は答申案へのパブリックコメントを行った結果を踏まえて、答申をどうするかを議論する会議でしたが、まことに腹立たしい会議でした。

これではパブリックコメントを行った意味がまったくないではないかと、叫びたくなる会議でした
第一に、国交省のやり方が姑息です。提出された個別意見を事前に委員に送ることはせず、国交省が都合よくまとめたものhttp://www.mlit.go.jp/common/001082915.pdfを委員に送っただけでした(個別意見は当日、各委員の机の上においただけでした)。
そのため、個別意見が示した水資源行政の問題点が委員たちに伝わっていませんでした。
第二に、委員たちの問題意識、水資源行政についての問題意識があまりにも希薄だということです。さほど重要とは思われない答申の表現を議論するだけで、いわば言葉遊びに終始していました。
「答申案を否定する意見はなく、答申案が受け入れられたようで、ほっとした」と語る委員もいた位ですから、驚きました。
虚しい会議でしたが、最後にあいさつした藤山秀章水資源部長が意外なことに個別意見が提起した問題に触れていました。ダムが環境に与えた負荷への反省がない、水余りが進んでいる、水資源開発促進法を廃止すべきなどの意見があったと語っていました。
しかし、会議が終わった後の話なので、答申には何も反映されませんでした。
昨年7月に水資源部長に就任した藤山氏はフランクに物事を語る異色の官僚なので、そのように語ったなのでしょうが、残念ながら水資源行政が変わる兆しが見えません。、

国土審議会第14回 水資源開発分科会 配付資料

http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000048.html

01 議事次第(PDF形式:36KB)
02 配付資料一覧(PDF形式:25KB)
03(資料1)名簿(PDF形式:33KB)
04(資料2)これまでの検討内容と今後のスケジュール(PDF形式:187KB)
05(資料3)意見募集結果概要(PDF形式:55KB)
06(資料4)答申案に対する意見への見解・対応(PDF形式:198KB)
http://www.mlit.go.jp/common/001082915.pdf
07(資料5)答申(案)(PDF形式:599KB)
08(資料6)答申(案)の概要(案)(PDF形式:63KB)
09(資料7)諮問書(PDF形式:143KB)

「水災害分野における気候変動適応策のあり方について」の中間とりまとめ等に関する抗議及び要請

2015年3月20日
カテゴリー:

国土交通省の社会資本整備審議会「河川分科会気候変動に適応した治水対策検討小委員会」はパブリックコメントを行うことなく、2月27日に「水災害分野における気候変動適応策のあり方について~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~中間とりまとめ」http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000870.htmlを決定し、公表しました。このように国民の意見を無視するやり方は、看過できませんので、水源連は下記の抗議及び要請文を各委員に送付しました。

 

2015年3月18日

社会資本整備審議会河川分科会

気候変動に適応した治水対策検討小委員会

委員長 福 岡 捷 二 様

委員  各 位

 

水源開発問題全国連絡会

共同代表 嶋 津 暉 之

共同代表 遠 藤 保 男

 

「水災害分野における気候変動適応策のあり方について」

の中間とりまとめ等に関する抗議及び要請

 

 日本の水政策、河川政策について日ごろから尽力されていることに敬意を表します。

 私たちは、ダム建設等による治水政策や水源開発に伴う問題を明らかにし、その解決策の提言を行ってきている市民団体です。

 貴委員会は本年2月27日に「水災害分野における気候変動適応策のあり方について~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~中間とりまとめ」を決定し、公表しました。

この「中間とりまとめ」の作成・決定に当たってパブリックコメントを実施せず、国民の意見を反映する手順を踏まなかったことは遺憾です。

つきましては、国民の意見を「最終とりまとめ」(答申)案の作成に反映できるよう、今回の「中間とりまとめ」についてパブリックコメントを早急に実施することを要請します。

更に、「最終とりまとめ」(答申)案が作成された段階において再度、パブリックコメントを実施し、国民の意見が答申に十分に反映されようにすることを要請します。

なお、パブリックコメントの実施、国民意見の反映は下記のとおり、「審議会等の設置に関する指針」などに定められていることを申し添えておきます。

1 「審議会等の設置に関する指針」(1999年4月27日閣議決定)第1項は、「国民や有識者の意見を聴くに当たっては、可能な限り、意見提出手続の活用、公聴会や聴聞の活用、関係団体の意見の聴取等によることとし、いたずらに審議会等を設置することを避けることとする。」としていることは、審議会等が設置される場合にも「意見提出手続の活用、公聴会や聴聞の活用、関係団体の意見の聴取等」の手続を重視する趣旨と解され、審議会等においてパブリックコメントや公聴会開催が実施されないまま、国の基本方針が決定されることは、上記指針の趣旨に反します。

 

2 「審議会等の運営に関する指針」(1999年4月27日閣議決定)の(3)、②によれば、「審議会等に対して、(中略)審議会等に関する苦情があったときは、各府省は、庶務担当当局としてこれらの整理等をした上で、その結果を適時に審議会等に報告するよう努めるものとする。」とされていますので、苦情等には適切に対応するべきです。

以上

「雨水の利用のための施設の設置に関する目標」と「雨水の利用の推進に関する基本方針」について

2015年3月11日
カテゴリー:
3月10日、「国及び独立行政法人等が建築物を整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標」が閣議決定されました。
そして、国土交通大臣が「雨水の利用の推進に関する基本方針」を決定しました。
国交省のHPをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/report/press/water01_hh_000081.html
この閣議決定と大臣決定が実際にどの程度意味を持つのかはよく分かりません。
まず行われることは、「国及び独立行政法人等は、「最下階床下等で雨水の一時的な貯留に活用できる空間」を有する新築建築物において雨水利用施設の設置率を原則100%とする」ことのようです。

国土交通省

雨水の利用の推進に関する基本方針(大臣決定)について
平成27年3月10日 http://www.mlit.go.jp/report/press/water01_hh_000081.html
1.概要
  雨水の利用の推進に関する法律(平成26年法律第17号)第10条の規定に基づき、「国及び独立行政法人等が建築物を整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標」が、本日閣議決定されました。
また、同法第7条の規定に基づき、国土交通大臣は、「雨水の利用の推進に関する基本方針」を定めました。
詳細は別添を参照してください。
2.閣議決定日等
平成27年3月10日(火)
添付資料
報道発表資料(PDF形式)
概要(目標)(PDF形式)
概要(基本方針)(PDF形式)
国及び独立行政法人等が建築物を整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標について(PDF形式)
雨水の利用の推進に関する基本方針(PDF形式)

「日本の川に自由な流れを取り戻そう」オンライン署名のお願い

2015年3月6日
カテゴリー:

パタゴニアはアメリカのダム撤去の映画「ダムネーション」のキャンペーンと並行して、「日本の川に自由な流れを取り戻そう」のオンライン署名の呼びかけを行っています。

署名は三つあります。

いずれもこれからの河川行政を変えていくために、重要な意味をもつテーマです。

是非、皆様にこの三つの署名をしていただくと共に、できるだけ多くの方が署名をするように広く呼びかけてくださるよう、お願いします。

国土交通省の「水災害分野における気候変動適応策のあり方についての中間とりまとめ」

2015年3月3日
カテゴリー:
国土交通省が2月27日に、「社会資本整備審議会河川分科会気候変動に適応した治水対策検討小委員会」で審議が行われてきた「水災害分野における気候変動適応策のあり方についての中間とりまとめ」 を公表しました。
 国土交通省のHP
『水災害分野における気候変動適応策のあり方について~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~中間とりまとめ』 http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000870.html をご覧ください。
この中間とりまとめは網羅的、総花的であって、これによって河川行政をどのように変えようとしているのか、よく分からないところがありますが、下記の記事が要点を伝えています。
その中で、「ダム再生で洪水調節機能を増強」というのがあります。国交省の狙いの一つはこのあたりにあるのかもしれません。
新しいダムはつくりにくくなったので、既設ダムの改造、再生をこれから進めることを考えているように思われます。
想定を超える洪水に対応するためには、河川法で定められた現在の治水計画の立て方「河川整備基本方針+河川整備計画」をリセットして、治水対策のあり方を根本から変える必要がありますが、この中間とりまとめにはそのような問題意識が見られません。

「水災害」先陣切り具体の道筋/国交省 気候変動に適応策[建設通信新聞 2015-03-02  1面] http://www.kensetsunews.com/?p=44789

2013年9月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書の公表以降、災害、食料、健康などさまざまな分野で適応策の検討が進む中、洪水や高潮などの水害、土砂災害、渇水といった「水災害分野」がいち早く適応策の具体化に踏み出す。

国土交通省は2月27日、水災害分野における気候変動適応策のあり方について、中間とりまとめを公表。他省庁に先駆けて、一定の道筋をつける形となる。気候変動に関する具体的な計画を打ち出すのは国内で初めて。
太田昭宏国交相が再三にわたって「雨の降り方が変わってきている」と語るように、近年の水災害は激甚化の傾向にある。昨年8月に広島市で発生した大規模土砂災害を始め、“新たなステージ”で猛威をふるう自然災害への防災・減災対策は最優先かつ喫緊の課題になっている。
焦点は、災害の原因となる豪雨、洪水、高潮など自然現象の大きさを表す「外力」の増大にどう対応していくか。気候変動によって頻発・激甚化が懸念される水災害に適応していくには、施設の計画あるいは設計の段階から、増大する外力を踏まえた対策を打っていく必要があるからだ。
国交省は、気候変動によって懸念される外力の増大を見込んだ、想定し得る最大規模の外力「想定最大外力」を新たに設定。施設だけでは守りきれない事態を想定しながら、社会全体で危機管理対策に取り組む。
引き続き、現況の安全度に基づく施設整備を推進する一方で、施設の能力を上回る外力に対しても、浸水想定など災害リスクの評価をベースにウィークポイントを抽出。土地利用のあり方を含めて、そこに優先的な投資を打ち出すなどできる限りの被害軽減を図る。
◆外力増大に設計段階から工夫を
具体策の1つが施設の設計段階での工夫だ。
将来的な外力の増大に柔軟に追随できる施設整備を進めていくため、当初の設計段階で「幅を持った外力」を想定。老朽化対策など施設の更新に合わせて、将来的な施設の改造に対応できる構造形式を選定するなど、増大する外力に順応した取り組みを進めていく。
特に河川整備では、現況の安全度から、想定最大外力までのさまざまな規模の外力を想定していく中で、地域特性を見極めながら、流域全体の施設計画の長期的な目標を定める河川整備基本方針や、施設計画の短中期的な目標を示す河川整備計画を必要に応じて見直す。
◆ダム再生で洪水調節機能を増強
施設の運用面でも工夫を凝らす。一例が「ダム再生」による洪水調節機能の増強など、既存施設を「賢く使う」取り組みだ。
堤体のかさ上げや既設ダムの直下(下流)にダムを再構築する「貯水容量の拡大」、下流側に向けて水路トンネルによる洪水吐を新設する「放流能力の拡大」など、ダム再生による機能強化を推進。
合わせて、ダム上流域の降雨量やダムへの流入量の予測精度の向上をさせることで、ダム操作の高度化を図るなど、ダムの洪水調節能力を最大限に活用する。
洪水前の段階から事前放流によって貯水池内の水位を下げ、あらかじめ洪水調節のための“空き容量”を確保。操作規則(運用ルール)の見直しなどで、洪水調節機能の増強を図る。
◆災害のリスクを踏まえ土地利用
土地利用や企業の事業継続を踏まえた「リスク評価」と「リスクの提示」も重要なポイントになる。防災・減災を実現していくためには、施設管理者側から見たリスクだけでなく、まち・地域あるいは住民など実際に被害者となる側から見たリスクを分かりやすく示していくことが必要だからだ。
住民の主体的な避難行動を支えるきめ細かな浸水想定(ハザードマップ)の公表など、土地ごとのリスク情報を容易に入手できる仕組みに加え、災害リスクの低い地域への居住誘導など、コンパクトシティーと連動した土地利用の転換に踏み出す。
◆「水災害分野における気候変動適応策のあり方」(中間まとめ)
13年12月に国土交通大臣より社会資本整備審議会に諮問。14年1月から河川分科会「気候変動に適応した治水対策検討小委員会」(委員長・福岡捷二中央大研究開発機構教授)が計10回の調査審議を実施してきた。
来夏に予定されている政府全体の適応計画の策定に合わせて、今夏にも最終とりまとめ(答申)を行う見通し。国交省は、中間とりまとめで盛り込んだ適応策の、それぞれの対策の進め方や目標時期を今後5年間程度のロードマップに落とし込み、実施可能なものから直ちに取り組む考え。

↑ このページの先頭へ戻る