川辺川ダムの情報
稚アユの放流ピーク 球磨川 川辺川ダムの環境アセスはどうなるのか
球磨川での稚アユ放流がピークだという記事を掲載します。その下の記事は3週間前の記事ですが、「川をさかのぼる稚アユを捕まえて上流で放流する「稚アユすくい」が最盛期を迎えている」という記事です。
将来、もし川辺川ダムがつくられれば、球磨川におけるアユの生息はどうなるのでしょうか。
川辺川ダムはアユの生息など、球磨川の自然に大きな影響が与えるのですから、少なくとも、環境アセス法による川辺川ダムの環境影響評価を何年もかけて行わなければならないはずです。
今朝、熊本県球磨川流域復興局の担当者に電話して、川辺川ダムの環境アセスの手続きはどのような見通しなのかを聞きましたが、あいまいな返事でした。
川辺川ダムが流水型ダムになるならば、ダムの根拠法が特定多目的ダム法から河川法になって、新しく計画されるダムになり、環境アセス法施行後のダム事業となるのだから、環境アセス法の対象となることは必至であると説明しましたが、国がきめることだからというあいまいな返事でした。
昨年11月に蒲島郁夫・熊本県知事は環境アセス法に基づく川辺川ダムの環境アセスの実施を求めると明言したにもかかわらず、4月7日の衆議院国土交通委員会で国土交通省の水管理・国土保全局長は川辺川ダムは環境アセス法の対象外だと答弁しています。
蒲島知事はなぜ、黙っているのでしょうか。
稚アユの放流ピーク 球磨川
(西日本新聞2021/4/25 11:30 )https://www.nishinippon.co.jp/item/n/729162/
球磨川に放流される稚アユ
6月のアユ漁解禁を前に、アユ釣りの名所で知られる球磨川で稚アユの放流がピークを迎えている。球磨川漁協は23日、熊本県人吉市内の川岸から約3万2千匹を放流。稚アユは川の中へ勢いよく泳ぎだしていった。
アユの遡上(そじょう)を助けるため、漁協は下流で捕まえた稚アユや、天然アユから採卵して施設で育てたものを上流約30地点で放流している。この日は熊本市の施設で育てた稚アユを用意。タンク内からホースで一斉に放流した。
漁協によると、今年の放流予定数は約250万匹。昨年7月の豪雨の影響で産卵数の減少が心配されたが、成育は順調だという。 (中村太郎)
【動画】豪雨ニモ負ケズ、球磨川にアユ戻る
(西日本新聞2021/4/3 18:28) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/717913/
球磨川堰の魚道で跳ねる稚アユ=熊本県八代市(撮影・佐藤雄太朗)
熊本県八代市の球磨川堰(ぜき)で、川をさかのぼる稚アユを捕まえて上流で放流する「稚アユすくい」が最盛期を迎えている。同堰では、ダムなどがアユの遡上(そじょう)を妨げるため、球磨川漁業協同組合が毎年春に捕獲し、人吉市など約30カ所で放流する。前年の捕獲量は19万匹だったが、今年は3月末までに80万匹と大幅に増えた。昨年の熊本豪雨で球磨川堰上流にあるダムが開放され、多くのアユが下流域に向かったことなどが原因の一つとみられる。
堀川泰注組合長(73)は「アユは球磨川の象徴。豪雨の影響で今年はだめかもと言われていたが、想像以上に戻ってきたのでうれしい」。作業は4月末ごろまで続く。(佐藤雄太朗)
球磨川漁協が総代会廃止案を否決 背景にダム問題の見方
昨日開かれた球磨川漁業協同組合の臨時総会についての記事を掲載します。
球磨川漁協が川辺川ダムに対して反対の姿勢を貫くことを願うばかりです。
球磨川漁協が総代会廃止案を否決 背景にダム問題の見方
(朝日新聞2021年3月11日 9時30分)
2020年7月球磨川水害の考察 川辺川ダムは必要か?(日弁連水部会の勉強会の配布資料とスライド)
カテゴリー:
既報の通り、昨年7月の球磨川水害のあと、国土交通省と熊本県は12月に球磨川の治水計画(球磨川水系緊急水系プロジェクト)をつくりました。
その治水計画はいろいろなメニューが入っていますが、メインは中止されていたはずの川辺川ダム計画の復活です。
流水型ダムとして川辺川ダムを建設しようというものです。
しかし、この球磨川水害の犠牲者の大半は球磨川本川ではなく、支川の氾濫によって亡くなったのであって、川辺川ダムがあっても、救うことができませんでした。
昨年の豪雨を踏まえて球磨川において進めるべき治水対策は川辺川ダムではありません。
去る2月9日、日本弁護士連合会の公害対策・環境保全委員会 水部会において
2020年7月の球磨川水害問題についての勉強会があり、嶋津が講師としてお話をしました。
Zoom会議方式の勉強会です。
この勉強会では資料「2020年7月球磨川水害の考察 川辺川ダムは必要か?」を配布し、
スライド「2020年7月球磨川水害の考察 川辺川ダムは必要か?」を使ってお話しました。
話の構成は次のとおりです。
Ⅰ 川辺川ダム問題の経過(2019年まで)
Ⅱ 2020年7月球磨川水害と国交省の治水計画
Ⅲ 川辺川ダムは本当に必要なのか?
(国交省の治水計画の虚構)
Ⅳ 流水型ダムは環境にやさしいダムなのか?
上記の資料とスライドをお読みいただければと思います。
嘉田由紀子氏、熊本豪雨の独自報告書 「ダムでも犠牲者救えず」
元滋賀県知事の嘉田由紀子参議院議員が昨年7月の熊本豪雨で犠牲になった球磨川流域の50人について調査を行い、「川辺川ダムが完成していても、一人も救われなかった」とする報告書をまとめました。
この報告書について熊本日日新聞の記事を掲載します。その報告書を議員事務所から送っていただいて、読みました。「7・4球磨川流域豪雨被災者・賛同者の会」の協力で被災地を訪ね、犠牲者の住居や死亡の状況などを調べたもので、充実した報告書だと思いました。
一方、国交省は下記の西日本新聞の記事の通り、1月26日に示した緊急治水対策プロジェクト案で、川辺川への流水型ダム建設と既存ダムの再開発が完了するまでに「熊本豪雨級」の雨が再来した場合、人吉市は大規模浸水は免れないというシミュレーション結果を示しています。川辺川ダムをつくらなければ、人吉市の氾濫はあまり変わらないというもので、川辺川ダムの必要性をアピールするための恣意的な計算であると思います。
嘉田氏、熊本豪雨の独自報告書 「ダムでも犠牲者救えず」
元滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員(無所属)が、昨年7月の熊本豪雨で犠牲になった球磨川流域の50人について、「川辺川ダムが完成していても、一人も救われなかった」とする独自の報告書をまとめた。現地調査を踏まえ、ダムによる水位低下効果が現れる前に、既に全員が死亡していたと推定した。
嘉田氏はことし1月までに計4回、「7・4球磨川流域豪雨被災者・賛同者の会」の協力で被災地を訪ね、犠牲者の住居や死亡の状況などを調べた。
その結果、全員が球磨川がピーク流量に達する前の4日午前7~9時に死亡したと推定。「ダムがあれば命が救われたと推測できる人数はゼロ」と結論付けた。特に、20人が犠牲となった人吉市では、住民の証言を基に本流より支流や水路が氾濫した影響が大きかったと指摘した。
一方、犠牲者の6割に当たる30人の住居が平屋であった点や、高齢者世帯が多かったことにも注目。2階建てへの建て替え推奨や、避難が難しい高齢者や障害者に対する支援の必要性を訴えた。
滋賀県知事時代、住民参加型の総合的な流域治水を進めた嘉田氏は、国が進める球磨川流域治水策の検討には「住民の視点が欠けている」と問題提起。「ダムがあってもなくても、住民自らの『備える』『逃げる』行動は重要。犠牲を教訓に、多重防護の流域治水を進めてほしい」と話す。(並松昭光)
球磨川流域、ダム整備完了まで浸水リスク 避難対策強化など必須
(西日本新聞2021/1/27 11:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684969/
昨年7月の豪雨時並みの水量が球磨川に流れた場合の人吉市の浸水想定図。ダム完成前は、豪雨時の浸水範囲(青線で囲まれた部分)に比べてわずかしか減っていない(国の資料より)
ダム完成後は、人吉市での浸水はほぼみられない(国の資料より)
熊本県球磨川流域の治水策として、国が26日示した緊急治水対策プロジェクト案では、川辺川への流水型ダム建設と既存ダムの再開発が完了するまでに「熊本豪雨級」の雨が再来した場合、大規模浸水は免れないとのシミュレーション結果が示された。水害リスクの周知と避難対策の強化、高台への移住、宅地かさ上げなどの方策が必須となる。
九地整が見込む流水型ダムの完成と既存の市房ダム(水上村)再開発完了の時期は2029年度以降。二つのダムの整備が完了すれば、「熊本豪雨級」の雨でも流域全体で越水をほぼ防ぐことができる。堤防が決壊した場合も浸水域は支流の山田川、万江川との合流部に限定され、市街地周辺の浸水リスクは解消されるという。
ただ、九地整が治水対策の「第1段階」と位置付ける豪雨災害発生からおおむね5年間は、河道掘削がメインだ。被害軽減効果は限定的で、川辺川との合流地点上流の浸水リスクが一部解消される程度だ。
29年度までの「第2段階」では遊水地群の整備や河川拡幅を完了する予定。これで人吉市中心部の浸水深は浅くなるものの、浸水範囲は昨年7月豪雨時と大きく変わらない。
そこで、九地整は整備途上段階の水害リスクを関係自治体と共有し、それを踏まえたまちづくりや避難行動の検討を進める「リスクコミュニケーション」の重要性を強調する。今後、プロジェクトの進展に応じたリスク情報を発信していくという。 (古川努)
流水ダム完成は2029年度以降 段階的に安全度向上 国が球磨川治水案
1月26日、国土交通省九州地方整備局、熊本県、球磨川流域市町村らによる第3回 球磨川流域治水協議会が開かれました。
そのニュースと記事を掲載します。
球磨川流域治水協議会の資料は九州地方整備局八代河川国道河川事務所のHP http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/r0207_ryuikitisui_gouukensho/index.html
に掲載されています。
第3回 球磨川流域治水協議会 令和 3年 1月26日開催
【議事次第、出席者名簿、規約、資料1、資料2、資料3(1/2)、資料3(2/2)、資料4、資料5、資料6】
川辺川ダムの完成は2029年度以降を見込み、段階的に安全度を高めるということで、川幅を広げたり川底を掘る河道掘削などの治水対策を順次実施していくことになっています。
その治水対策の規模は上記の資料でははっきりしませんが、しかし、もっと早く、2008年の川辺川ダム中止宣言の後、必要な規模できちんと実施されていれば、2020年7月豪雨による被害はかなり小さくなっていたように思われます。
国と県の12年間の無策が多くの方が亡くなる悲惨な水害を引き起こしたように思われてなりません。
流水ダム完成は2029年度以降 段階的に安全度向上 国が球磨川治水案
(西日本新聞(2021/1/26 21:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684949/
(写真)球磨川流域治水協議会のオンライン会議であいさつする熊本県の蒲島郁夫知事=26日
昨年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川流域の治水を巡り、国土交通省九州地方整備局は26日、熊本県や流域自治体との流域治水協議会で、最大支流の川辺川への流水型ダム建設を含む緊急治水対策プロジェクト案を示した。ダムの完成は2029年度以降を見込み、遊水地群の整備などで段階的に安全度を高める。
流水型ダム建設に向け、九地整は21年度から調査を本格化。気候変動に対応した洪水調節能力を目指し、可動式ゲートの設置などダム構造を具体的に検討する。環境への負荷軽減も重視し、環境影響や堆積土砂などの調査を進める。
プロジェクト案は、豪雨災害発生からおおむね5年間を「第1段階」とし、土砂の撤去や河道掘削、宅地かさ上げを進める。総貯留量600万トンの遊水地群整備や、延長600メートルにわたり川幅を最大50メートル広げて築堤する「引堤」の用地確保にも着手。県管理の支流では放水路整備や河道掘削を進める。29年度までの「第2段階」では河道掘削や遊水地群、引堤を完成させ、支流の放水路を拡充する。
この日の協議会では、流水型ダムの完成や既存ダムの再開発完了の詳細な時期は「課題や不確定要素がある」として示さなかった。 (古川努)
球磨川の緊急治水対策が示される【熊本】
(テレビ熊本2021/1/26(火) 19:11)https://news.yahoo.co.jp/articles/d26437abd4c8433f534f75faa0c5dfaf7ef894aa
去年7月の豪雨災害で氾濫した球磨川の治水対策について緊急プロジェクトが26日、示されました。
このプロジェクトでは河道の掘削や堤防の整備、宅地のかさ上げなどを2029年度まで実施し、流域の浸水被害の軽減を図るとしています。
【蒲島知事】冒頭あいさつ
「今回のプロジェクトの策定を機に宅地かさ上げなど住まいや集落の再生、さらには道路・鉄道の復旧に向けた取り組みを加速させていきます」
26日開かれた球磨川流域治水協議会で示された『緊急治水対策プロジェクト』。
去年7月の豪雨災害を踏まえ、再び球磨川が氾濫し被害が生じるのを防ごうと今後およそ10年間で速やかに取り組むべき治水対策を国と県が取りまとめました。
プロジェクトではまず、ことしの梅雨に備え河川に堆積した土砂の撤去や堤防が決壊した箇所の本復旧を実施。
そして2029年度までに河道の掘削を始め、宅地のかさ上げ、堤防や遊水池の整備などを集中的に行い、流域での浸水被害の軽減を図るとしています。
川辺川への新たな流水型ダムの建設については来年度から国が調査・検討に本格的に着手するとしています。
この新たな流水型ダムを含めた緊急治水対策プロジェクトが全て完了した場合、去年7月の豪雨災害と同じ規模の洪水が起きても人吉市中心部や球磨村渡地区では水位が下がり、堤防からの越水はないと推定。
一方で、芦北町鎌瀬地区や八代市坂本地区では堤防からの越水が想定され、宅地のかさ上げなど浸水対策の検討が必要としています。
熊本県 球磨川治水 緊急対策案示される
(熊本朝日放送2021/1/26(火) 19:21)https://news.yahoo.co.jp/articles/ed441894d973220eb988c586c41ff4f718b7e5bb
熊本県球磨川の治水対策で早急に実施する必要がある緊急治水対策プロジェクトの案が示されました。 緊急治水対策プロジェクトは球磨川の治水対策のうち5年から10年の期間で実施するもので、26日国と県がその案を示しました。
川幅を広げたり川底を掘る河道掘削は球磨村の神瀬地区や一勝地地区、人吉市の中心部などで実施。宅地のかさ上げは球磨村の神瀬地区や八代市の坂本地区など6地区で輪中堤の整備と合わせて実施する予定です。
ほかにも600万トンの水を調節できる遊水地も整備。今後用地の選定を進めていきます。
また新たに川辺川に整備される流水型ダムや市房ダムの再開発について来年度から調査・検討に着手します。
流水型ダムも含め全ての緊急治水対策プロジェクトが終了すると7月豪雨相当の雨が降った場合、人吉市の市街地で2メートル50センチ水位が下げられると見込んでいます。
協議会では今年3月までにソフト面の対策などもあわせた球磨川流域治水プロジェクトを取りまとめる予定です。
球磨川治水、河道掘削は10年で 国交省と熊本県、流水型ダムを柱に
(熊本日日新聞2021/(1/27(水) 7:25)https://news.yahoo.co.jp/articles/31a9793ea5268eacdb5c88880532ddcbf3b7ec7a
昨年7月の豪雨災害で氾濫した球磨川の治水対策に関し、国土交通省と熊本県は26日、今後5~10年程度で実施する「緊急治水対策プロジェクト」の概要を公表した。流域市町村から要望が多かった河道掘削で約300万トンの掘削量を示したほか、支流・川辺川への新たな流水型ダムをメニューの柱に含めた。
本年度中には、中長期的な対策を含めた「流域治水プロジェクト」もまとめるが、治水効果の高い主なメニューは出そろった。
ただ、流水型ダムについては「調査・検討ができていない」(国交省)として、具体的な完成時期を示さなかった。規模についても、「機能を最大化する洪水調節計画の検討を行う」との表記にとどめた。
ほかに県営市房ダム(水上村)の再開発を盛り込み、放流口の増設や堤体のかさ上げなどの対策例を示したが、具体的な内容や完了時期は今後検討するとした。
ダム以外のメニューでは、河道掘削や引堤、遊水地、輪中堤・宅地かさ上げを挙げ、2020年度から10年間で取り組むと明記。河道掘削は八代市の坂本地区や球磨村の一勝地地区、人吉市など5地区で実施。引堤は球磨村の渡地区で延長約600メートルで川幅を最大約50メートル広げる。
輪中堤・宅地かさ上げは芦北町や球磨村など球磨川中流域の6地区で行う。遊水地は球磨村渡地区から水上村までの間で計画し、洪水調節容量として約600万トンを見込む。
今後のスケジュールについては、29年度までの事業期間を2段階に分けて提示。河道掘削と輪中堤・宅地かさ上げは事業期間の前半に終える第1段階とし、引堤や遊水地、一部の河道掘削は後半に完了する第2段階と位置付けた。
水位低減効果も推定。人吉市市街部では、第2段階完了時でも、昨年7月の豪雨時より水位は下がるものの、堤防を越水。流水型ダムと市房ダム再開発の完了時に、堤防を超えない水位まで下がるとした。
プロジェクト概要は国や県、流域12市町村などでつくる流域治水協議会の第3回会合で示された。(内田裕之)
(写真)オンライン開催された球磨川流域治水協議会であいさつする蒲島郁夫知事=26日、県庁
九州豪雨 河道掘削や拡幅、国が緊急対策案 球磨川流域治水協
(毎日新聞西部朝刊2021年1月27日) https://mainichi.jp/articles/20210127/ddp/041/040/011000c
2020年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県の球磨川流域の治水対策を検討する国と県、流域市町村による協議会が26日開かれ、国土交通省は今後5~10年程度で河道掘削や川幅を広げる「引堤(ひきてい)」などを実施する方針を示した。県が支流の川辺川での建設を要請した流水型ダムについては、「21年度から調査・検討に本格着手する」と述べただけで、完成時期や事業費などは明示しなかった。
新型コロナウイルス対策のためオンラインで開かれた第3回協議会で、国が緊急対策案を示した。川辺川と球磨川本流の合流地点から下流にかけて河道を掘削して流下能力を向上させる他、入所者14人が死亡した特別養護老人ホーム「千寿園(せんじゅえん)」がある球磨村渡地区付近では、約600メートルにわたって堤防を移動させる引堤を実施し、川幅を最大約50メートル広げる。宅地かさ上げや遊水地の整備などもする。
同省はこれらに加え、流水型ダム建設など検討するすべての対策を取れば、20年の九州豪雨と同規模の洪水が起きても、人吉地区での浸水被害が大幅に軽減できるとの推計を示した。【城島勇人、平川昌範】