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川辺川ダム中止表明3年 五木村再建道半ば(西日本新聞朝刊 2012年10月12日)

2012年10月12日
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川辺川ダム中止表明3年 五木村再建道半ば (西日本新聞朝刊 2012年10月12日)

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/328656

(写真)川辺川ダム計画の水没予定地をまたいで架かる頭地大橋。来年3月に開通する=熊本県五木村

本県で荒瀬ダムの撤去工事が本格化する一方、同じ球磨川水系で、半世紀近く川辺川ダム計画に翻弄(ほんろう)されてきた同県五木村の再建は道半ばだ。

民主党政権のダム建設中止表明から3年。村は11日、ダム建設で水没する予定だった土地の活用策を探る有識者委員会を立ち上げたが、現行法の制約があり、具体化へのハードルは高い。

「水没地活用は村の振興にとって最重要課題。できるものから着手したい」。村役場での「水没予定地暫定利活用検討委員会」(委員長・内山督(おさむ)熊本大名誉教授、10人)の初会合。委員でもある和田拓也村長が訴えた。

検討委の設置は昨年6月の国、県、村による「3者合意」に基づく。国が買収した水没予定地約244ヘクタールのうち、学校や商店があった旧村中心部の平地20~30ヘクタールを対象に上物の整備を計画する。

検討委の名に「暫定」と付くのは、ダム計画が法的にはまだ生きていて、土地が「河川区域」と見なされ、村が自由に使えないからだ。河川法によると、一帯でのコンクリート構造物の建設は、川の流れを阻害するという理由で制限される。

検討委では、昔の村の風景を再現した親水公園やキャンプ場、農産物加工場など、村民や議会から寄せられた約40項目の活用案が示された。

検討委が今後、これらを踏まえて議論を進めるのと並行して、村は工作物などがどこまで認められるか国と協議を進める。

年度内に一定の方向性をまとめ、2013年度中の一部着工を目指す考えだ。ただ、村の担当者は「国と協議する中で、造りたくても造れない物が出てくることもあり得る」と懸念する。

ダム建設を中止した地域を対象に、国が買収した土地を自治体に無償譲与し、生活再建を支援する動きはあった。

五木村をモデルにした「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」がそれだ。

しかし、法案は先の通常国会で審議入りしないまま、継続審議とされている。事実上たなざらしの状態で、次の衆院選で民主党が政権を失えば、廃案になる恐れさえある。

村の人口は約1300人。試算では20年には千人を割り込む。和田村長は「特措法を待つ時間はない。今は現行法でできることを確実に進めるしかない」と話した。
▼川辺川ダム

国土交通省が熊本県南部を流れる川辺川に計画する治水ダム。1966年の計画発表以来、反対運動が続き、2008年に蒲島郁夫知事が建設反対を表明。

09年9月には前原誠司国交相(当時)が中止を表明した。国は、五木村の水没予定地をまたぐ頭地大橋の建設など関連事業を継続し、法的にはダム計画の廃止手続きは取られていない。

国、県、村は昨年の「3者合意」で、交付金などの現行制度を活用して村の生活再建を進めることで一致。

県は村に総額50億円の財政支援をし、国は買収した水没予定地の利活用に村の提案を受けることなどを決めた。ダムに代わる治水策は、国と県、流域12市町村が検討中だが3月の実務者協議以降動きはない。

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