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淀川水系の丹生ダム計画が中止へ(2014年1月16日)

淀川水系の丹生ダム計画が中止になる見通しになりました。

思えば、長い道のりでした。このダム計画が浮上したのは1972年、淀川水系フルプランに組み込まれたのは1982年です。その頃、私(嶋津)は「河川・湖沼と海を守る全国会議」の一員として現地に行ったことがあります。当時のダム名は高時川ダムでした。
そして、1992年にダム計画が決定し、96年に水没予定地40世帯の移転が完了しました。大半は同じ余呉町の集団移転地に移転しました。

 2000年代に入ってから、利水予定者の大阪府・京都府・阪神水道企業団が水需要の低迷で撤退を表明して、淀川水系流域委員会が中止が妥当の意見を出し、さらに脱ダム派の嘉田由紀子滋賀県知事が登場するなどの経過があって、ようやく中止に至りました。
 情報収集と情勢分析、行政への働きかけに取り組んだ「関西のダムと水道を考える会」( 野村東洋夫さん)の粘り強い活動もありました。

丹生ダム建設中止へ 近畿地方整備局がコスト検証(京都新聞 2014年01月16日 22時40分) http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140116000156

近畿地方整備局と水資源機構は16日、長浜市の高時川上流で計画している丹生(にう)ダム建設事業に関して、治水や渇水対策の目的別にコストなどを分析した結果、「ダムは有利ではない」との最終的な検証結果をまとめた。
同日、滋賀県や長浜市など関係自治体を集めた会議でも確認した。丹生ダム建設は計画から半世紀近くを経て、中止される見通しとなった。
整備局などは「治水」「流水機能維持」「異常渇水時の水の補給」の三つの目的別に、ダムを含む複数の対策案を検証した。戦後最大の洪水を基準とする治水では、ダムを建設せず、姉川と高時川の河道掘削や川幅の拡幅などを進める案が80~140億円で、ダム建設の246~339億円よりコスト面で優位だった。
川の流れが途切れる「瀬切れ」を防ぐ流水機能維持でもダム案はコスト面などで有利とならなかった。一方、異常渇水対策ではダムが有利となり、目的別に評価が分かれた。
最終的な評価では、下流の京都府、大阪府などが異常渇水対策を不要としている状況を踏まえ、「ダムを含む案は有利ではない」と結論を出した。
同日、大阪市内で開かれた会合で府県や市に説明があった。ダムだけに頼らない治水を重視してきた嘉田由紀子滋賀県知事は「国の判断で中止するなら、国直轄で治水対策を実施してほしい」と要請。早期建設を求めてきた藤井勇治長浜市長は「誠に無念」と述べた上で、「誠心誠意、地元が納得するよう対応し、国が河川改修に責任を持ってほしい」強調した。京都、大阪、兵庫各府県などは評価を了承した。
池内幸司整備局長は「意見は重く受け止める。ダムに代わる治水対策を直接実施するのは難しいが、改修事業などはできるだけの支援をする」と述べ、中止の方向で対応方針案をまとめる考えを示した。
国土交通省が進めるダム検証事業では、これまでに83事業中20事業が中止を決めている。12年に中止となった県営北川ダム(高島市)も含まれている。

滋賀・丹生ダム計画、国が中止へ 流域の水需要減

(朝日新聞 2014年1月17日) http://digital.asahi.com/articles/ASG1J5QNMG1JPTJB00T.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG1J5QNMG1JPTJB00T
滋賀県長浜市に計画された丹生(にう)ダムをめぐり、建設の必要性を検証していた国土交通省近畿地方整備局と独立行政法人・水資源機構は16日、河川改修などと比べて「ダム建設は有利ではない」との総合評価を公表した。
1968年に予備調査に着手し、家屋移転も96年に完了しているが、水需要の減少などから計画を事実上中止する判断を初めて示した。
16日に大阪市内で開かれた関係自治体との会合で示した。
近畿地整によると、本体未着工の全国83ダムの検証を国が始めた2010年以来、国主導のダムでは熊本県の七滝ダム、長野県の戸草ダム、埼玉県の大洞ダム、群馬県で調査段階だった吾妻川上流総合開発の4事業の中止が決まったが、家屋の移転完了後に中止された例はないという。
丹生ダムは総貯水量1億5千万トンの近畿最大級の多目的ダムとして長浜市の高時(たかとき)川上流に計画され、68年に旧建設省が予備調査を始めた。これまでに用地買収や工事用道路などで約567億円をつぎ込んできた。
しかし03年以降、水需要の減少から下流の大阪府や京都府などが利水事業から撤退し、国も09年に利水目的を外した。近畿地整は国交省の指示で11年から検証を進めてきた。
計4回の会合では治水や異常渇水対策などの目的ごとにダムの有効性を検討。治水面ではダム建設に246億~339億円がかかる一方、河川整備なら80億円に抑えられると試算した。異常渇水対策でも大阪、京都、兵庫の各府県から「節水などで対応できる」と否定的な意見が相次いだ。
近畿地整はこの日の5回目の会合で「ダムは有利ではない」との総合評価を提示。長浜市の藤井勇治市長は「誠に無念。下流の思い一つでダム計画が大きく左右され、地元住民が翻弄(ほんろう)された」と述べたが、関係府県からの反対意見はなかった。
今後、有識者からの意見聴取などを踏まえて最終的な方針を決める。出席した滋賀県の嘉田由紀子知事は「国の評価を重く受け止める」と記者団に述べた。
会合では、嘉田知事がダム計画のために河川改修に着手できなかった実情を訴え、「ダムに代わる治水対策は国の直轄でお願いしたい」と要望。近畿地整の池内幸司局長は「滋賀県で河川整備をするのが現実的だが、中止に伴う支援は最大限する」と述べた。(伊藤舞虹)
(写真)丹生ダムの建設予定地=昨年9月、滋賀県長浜市余呉町、朝日新聞社ヘリから
写真・図版

<滋賀・丹生ダム>計画から半世紀 国交渉が建設撤回案

(毎日新聞 1月16日(木)20時57分配信)  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140116-00000103-mai-soci

滋賀県長浜市の高時(たかとき)川に計画された「丹生(にう)ダム」建設の再検討を進めていた国土交通省近畿地方整備局は16日、河川改修などの代案がダム建設よりもコストや効果の面で有利とする総合評価案を関係府県の知事らに提示した。
反対意見はなく、半世紀近くを経てダム計画は事実上中止される見通しとなった。
水没予定地の住民約40世帯は移転済み。国が検証対象とした全国83ダムで、移転完了後の中止となれば極めて異例。今後は有識者会議などを経て、国交省として方針を決める。
大阪市内であった会合で、治水▽高時川の流水確保▽下流府県の異常渇水時の緊急水補給の3目的ごとに、ダムを建設しない場合の代案を検討するとともに、計画を縮小したダムや穴開きダムの各案を比較。
治水では河川掘削と堤防かさ上げなどの案が有利とし、異常渇水対策は大阪府などから緊急性が低いとの意見が出ており「ダム建設を含む案は有利ではない」と結論づけた。
丹生ダムは1968年、治水や下流府県の利水を担う多目的ダムとして国が予備調査を開始。本体工事は未着工だが、用地取得や道路整備などで約560億円が投入された。民主党政権時代の2009年末に検証対象となった。【千葉紀和、石川勝義】

滋賀・丹生ダム、建設中止の方針…国の再検証( 読売新聞大阪版 2014年1月17日)http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140117-OYO1T00245.htm?from=main3
住民移転後では初
滋賀県長浜市の1級河川・高時川に計画されていた丹生(にう)ダムについて、国土交通省近畿地方整備局と独立行政法人・水資源機構は16日、ダム建設を中止する方針を決めた。
国が建設継続の是非を再検証している全国の31ダムのうち、住民の立ち退き移転後に中止となるのは初めて。
国は2009年秋から再検証を進めており、中止が決まるのは5例目。この日、大阪市内で、同整備局の池内幸司局長が嘉田由紀子・滋賀県知事らに説明。
嘉田知事は中止を了承し、「長浜市ではダムで人生を翻弄された人も少なくない。県としてしっかり河川整備に取り組んでいくが、国も積極的な支援をしてほしい」と述べた。
丹生ダムは、高時川の治水と利水の能力を高めるため、旧建設省が1968年に多目的ダムとして予備調査に着手。94年に水資源開発公団(現・水資源機構)が事業を引き継ぎ、96年までに40世帯が立ち退いた。
しかし、2000年以降、琵琶湖下流の京阪神地域で水需要が低下し、国が09年、同ダムに利水機能を担わせないことを決定。さらに、今後必要な費用を試算し、治水ダムの246億~339億円に対して、河川整備なら80億円程度で済むなどとして、「ダムは有利でない」と結論づけた。
丹生ダムは本体工事にまだ入っていないが、これまでに調査や用地取得、周辺工事などで、国のほか、滋賀、大阪、京都、兵庫の各府県などが計567億円を費やした。

丹生ダム建設中止へ 滋賀・長浜市長ら「誠心誠意説明を」(産経新聞滋賀版2014.1.17 03:05) http://sankei.jp.msn.com/region/news/140117/shg14011703050002-n1.htm

■河川改修は県事業で
 建設中止の可能性が強まった長浜市余呉町の丹生ダム。中止が決まれば、その代わりに高時川などの河川改修が必要となるが、大阪市内で16日に開かれた国交省近畿地方整備局の会合では、姉川、高時川の改修について国事業ではなく県事業として行うよう求められた。
 嘉田由紀子知事や地元・長浜市の藤井勇治市長は「住民の理解を得られるよう誠心誠意説明を尽くしてほしい」と国に求めた。
 近畿地方整備局は「ダム建設は有利ではない」とする総合評価に合わせ、河川改修は県が直轄事業で行うべきだとした。
藤井市長や嘉田知事は、国による事業実施を求めたが、同整備局は「現行制度上、国が進めるのは難しい」との見解を示し、国が一定程度支援を行うものの、県が主体となる方向となった。
会合で、藤井市長は「国や下流の求めで、水没予定地の住民は集落から撤退した」と指摘。「移転後の中止という事態は、これを最初で最後にしてほしい。地元には誠心誠意、説明を尽くすべきだ」と述べた。
 嘉田知事は「下流のみなさんにも水源地に思いを寄せてほしい」と呼びかけ、終了後、「建設予定地はダム計画があったため治水対策が進まなかった。国の支援を受けながら河川改修の計画をつくりたい」と語った。
 総合評価に対し、住民から憤りの声が上がった。地元住民でつくる丹生ダム対策委員会の丹生善喜委員長(66)は「ダム計画によって愛する地元が荒れた。ダムは本来命を守るものなのに、政治の材料にされているようで国に強い不信感を感じた」と話した。
 同整備局は今後、学識経験者や住民に評価に対する聞き取りなどを行い、今回の評価と合わせて本省に報告。その後本省が正式に決定するが、時期の見通しは立っていないという。


滋賀・長浜の「丹生ダム」中止へ 住民移転後は初 国交省が方向性示す
(産経新聞2014.1.16 21:11) http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140116/waf14011621140038-n1.htm
滋賀県長浜市に計画され、国が事業の再検討を進めている多目的ダム「丹(に)生(う)ダム」をめぐり、国土交通省近畿地方整備局は16日、ダム建設を中止すべきだとする方向性を示した。
治水などの目的では、河川改修などと比べて有利でないと判断したため。今後、国交省が正式に方針を決める。すでに住民の集団移転を終えており、国のダム事業で移転完了後の中止決定は初のケースとなる。
同整備局がこの日、地元や下流域など関係自治体の首長らを集めて大阪市内で会合を開き、丹生ダム建設の総合評価を示した。
治水対策や流水機能の維持、渇水対策などの目的別に、ダム建設と河川改修などの手段について安全度やコストの面を考慮した有効性を検討した結果、河川改修が有効な手段とした。
渇水対策についてはダム建設が望ましいとしたが、現在の水需要を踏まえると優先順位が低いと判断。総合評価で「ダム建設は有利でない」と結論づけた。
丹生ダムは、完成すれば国内屈指の多目的ダムとして計画。総事業費は約1100億円。昭和43年に予備調査が始まり、平成8年には水没予定地の家屋40世帯の移転が完了。
しかし、人口減などによる水需要の低迷で下流自治体などが利水事業から撤退した。その後、事業再検討の対象になり、18年には嘉田由紀子知事がダム事業の凍結・見直しを掲げて当選。23年から国が関係自治体との間で検討を進めてきた。


滋賀・丹生ダムの建設中止へ 国が方針
(日本経済新聞 2014/1/16 22:19 ) http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1600G_W4A110C1EE8000/

近畿地方整備局と水資源機構は16日、同機構が計画していた丹生(にう)ダム(滋賀県長浜市)について関係自治体と会合を開き、建設を事実上中止する方針を伝えた。3年をかけて治水や利水の面でダムと代替案を比べてきたが、必要性やコストの点でダムが劣ると判断した。
国が事業の必要性を検証していたダムは全国に83カ所あり、20カ所が中止を決定済み。ただし丹生ダムのように建設予定地の住民が移転を終えたダムで中止の方針を決めた例は少ないとみられる。今後、国土交通省が住民の意見聴取などを経て方針を正式に決める。
丹生ダムは1968年に建設省(現国土交通省)が予備調査を始め、96年までに住民の移住が完了した。だが淀川下流の水需要が減って利水の目的が変わり、09年に計画が凍結されていた。

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