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大分市の水道水カビ臭問題 市民根強い不安

2014年12月3日
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大分県・芹川ダムによる大分市水道水のカビ臭問題はようやく終息宣言が出ましたが、来春には再燃する恐れがあり、市民は不安を拭い切れないでいます。その記事を掲載します。

大分市の水道水カビ臭問題 市民根強い不安

 (大分合同新聞夕刊2014年11月28日)

http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2014/11/28/132245854

粉状の活性炭を水への混入口に投入する作業員=10月23日、大分市古国府浄水場(写真)粉状の活性炭を水への混入口に投入する作業員=10月23日、大分市古国府浄水場

 今秋、大分市の約14万世帯のエリアで発生した水道水のカビ臭問題。初めての事態に市民から「本当に安全なのか」という声が相次いだ。取水する大分川上流の芹川ダム(大分市、竹田市)に原因物質を生み出す植物プランクトンが大量発生したためで、ダムを管理する大分県や大分市水道局は対応に追われている。ようやく原因物質の濃度が低下して28日午後に終息宣言するが、市民は不安を拭い切れないでいる。生活に欠かせない水道水をめぐる問題を追った。
「水道水がカビ臭い」「飲んでも大丈夫か」―。10月9日、市水道局に古国府、えのくま両浄水場の配水地域の住民から問い合わせが相次いだ。調べると普段検出されないカビ臭の原因物質「2―メチルイソボルネオール」が見つかった。原因物質を生み出す植物プランクトン「フォルミジウム」が芹川ダムで大量発生していることも分かった。湖や河川の水質改善が進まない大都市圏では以前から悩まされている問題だ。  ◆ ◆ ◆   県はダムの放水量を半減し、市水道局は川の水に混ぜて物質を吸着する粉状活性炭の量を通常の20倍以上に増やしたが追いつかず、11月に入って原因物質の測定値は大きく上昇した。24日までに国が定めた水道水の水質基準(1リットル当たり10ナノグラム)を計9日間超過。10日にはえのくま浄水場で最多の32ナノグラムを記録した。14日以降は両浄水場とも水質基準を下回っているが、多くの人が臭いを感じるという5ナノグラム以上を検出したのは計38日に及んだ。  両浄水場の近くで多くの苦情が寄せられた南大分地域。1歳の子どもを持つ市内畑中の主婦(34)は「不快な臭いがいつまで続くのか不安だった。妊娠中なので『健康に影響ない』と言われても疑いたくなった」と話す。田中町の女性(76)も「歯の治療で口をすすいだ時に臭った。普段から飲用はしていないが気になる」と心配顔だ。畑中の理容店主(42)は「蒸しタオル用のスチーマーが臭って困った。タオルを洗濯する時に香料が入った柔軟剤を増やして対応した」と苦り切った。  ◆ ◆ ◆   問題を受けて県は環境コンサルタント会社に委託してプランクトン発生の原因調査を始めた。芹川ダム湖では数年前から水質悪化を示すアオコの発生を確認。以前から湖水を循環させて生物が大量発生しないよう水温を下げる装置の導入などを検討しており、「来春までにできる限りの対策を図る」という。市水道局も既存の脱臭設備を最大限に生かす活用方法を研究している。同管理部の上原正寛次長は「水質監視も強化して早めに対策を打てるようにしたい」と話す。  カビ臭は沈静化しても、水温が上昇する来春以降に再びプランクトンが発生する可能性がある。今も住民の不安は根強い。同じ問題に対応する全国各地の自治体と連携を図り、より効果的な対策が求められている。
処理装置導入、コストの壁
日本水道協会水質課(東京都)によると、カビ臭は1953年に神戸市の浄水場で初めて発生。高度経済成長と共に水道水源の汚れが進み、日本各地で同様の事態が起きた。86年、東北学院大学(宮城県)のチームが原因物質の毒性を研究。魚のアカヒレ7匹を1リットル当たり100万ナノグラムの物質が入った水で飼育し、48時間後にすべて生きていたことを報告している。「原因物質による健康被害の報告は世界規模でみても出ていない」(同協会)という。  関東や関西など水源の水質が良くない地域では活性炭に加えて「オゾン処理装置」を導入。トリハロメタンなど有害物質も含めた除去に効果を上げている。73年、兵庫県尼崎市の神崎浄水場は国内初のオゾン装置を導入。2年前に取水先の淀川から40ナノグラム程度の原因物質が検出されたものの処理後の水道水からは検出されなかった。  ただネックは導入費用。尼崎市水道局によると、98年に活性炭を含めた設備更新をした際の費用は約52億円だった。年間115億円ほどの収入で運営する大分市の水道事業では導入が難しいのが現状だ。

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