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大戸川ダム検証素案に対する意見

2016年3月11日
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淀川水系・大戸川ダム検証素案についての意見募集が3月14日まで行われています。

去る2月27日に開かれた大津市内の公聴会ではダム反対意見の公述がなかったと報道されています。

翌日、28日の大阪市内の公聴会では公述人が一人だけで、今本博健京都大学名誉教授が反対意見を公述されたと聞いています。

このままでは反対意見があまりにも少なく、先行きが大いに心配されますので、水源連として大戸川ダムの問題を急きょ検討して、意見を提出しました。

意見書は 大戸川ダム検証素案に対する意見(嶋津暉之) のとおりです。

要旨を記します。

① 淀川本川の治水対策として大戸川ダムは意味を持たない。

〇 治水代替案の事業費の大半を占めているのは淀川本川対策の事業費である。

〇 大戸川ダムは淀川本川で計画洪水ピーク流量を400㎥/秒削減する効果があるとされているが、これは下流に行くほど、ダムの洪水ピーク削減効果が減衰していことを考慮しないきわめて過大な数字であり、実際は100~150㎥/秒以下であると推測される。

〇 仮に400㎥/秒の削減効果があるとしても、最大で約15㎝の水位低下である。淀川本川は現況堤防の余裕高が2.5~3m以上あり、必要な余裕高2mは十分に確保されるので、淀川本川では大戸川ダムの小さな治水効果は意味を持たない。

〇 この淀川本川対策の費用を除くと、治水対策代替案の河道掘削案や堤防嵩上げ案の事業費は大戸川の分だけとなり(それぞれ210億円、230億円)、大戸川ダム案の事業費478億円(残事業費)を大幅に下回るので、これらの代替案を選択すべきである。


② 大戸川で進めるべき治水対策

〇 大戸川において耐越水堤防工法を導入すれば、大戸川の流下能力を大幅に高めることができる。耐越水工法の導入と流下能力不足箇所の河川改修に130~180億円程度の費用をかければ、大戸川ダムなしで、計画流量に対応でき、且つ、それを超える洪水が来ても破堤を防ぐことができるようになる。


③ 鬼怒川の堤防決壊を踏まえた治水対策を!

〇 耐越水堤防工法は旧・建設省土木研究所が研究開発し、技術的に確立して一部の河川で実施されつつあったにもかかわらず、国交省はダム事業推進の妨げになるとして、耐越水堤防工法の普及にストップをかけた。治水対策として必要性が稀薄な大戸川ダムにこれから500億円近くの河川予算を使うことをやめ、鬼怒川堤防決壊による悲惨な水害を踏まえて、流域住民の生命と財産を守るために有効な治水対策、耐越水堤防の導入を大戸川、淀川本川でも推進すべきである。


④ 自然にやさしくない流水型ダム(穴あきダム)

〇 大戸川ダムが建設されれば、流水型ダムの副ダムの存在が水生生物の行き来を妨げる障害物になる。さらに、洪水後の川の濁りが長期化し、魚類の成育や生態に対して少なからず影響を与えることも危惧される。


⑤ 流水型ダムは大洪水時には閉塞して洪水吐きが洪水調節機能を喪失

〇 流水型ダムについて強く心配されることは、大洪水時に流木や土砂などで洪水吐きが詰まって、洪水調節機能が失われてしまうことである。大戸川ダムが閉塞すれば、大戸川ダム下流の河道はダムの洪水調節を前提として計画されているから、大氾濫の危険にさらされることになる。

 

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